第15話「セーラー服戦士の伝説」(1988年2月18日)
の続きです。
佐織たちと別れ、バイクで石津の本拠地へ向かっているいづみ。

途中、電話ボックスを見付けるとその中に入り、恵子と腱の為に救急車を呼ぶ。

電話を掛けた後(そんなことしてる場合じゃないと思うが)ボックス内に座り込んで、
いづみ「みんな、ありがとう。もしも、私が帰らなくても、気にしないで……楽しくって、いつも良い天気みたいな……そんな日がたくさんあるように……」
大事な仲間たちへ改めて語りかける。

さらに、ボックスのガラスにこんなことを指文字で書いたりする、乙女チックないづみさんでありました。
しかし、このシーン、正直要らなかったと思う。
打ち切りにされた我妻さんとしては、最初の予定で入れるつもりだったシーンをこの際だからとまとめてぶち込んでいるのだろうが……。
そこへ今度は藤原が車に乗って登場。いづみを乗せて、港へ向かう。

藤原「お前の戦いに協力するつもりは毛頭ない、お前はお前の好きにすればいい。俺は俺の好きにするから」
いづみ「失業するわよ」
藤原「どの道、お前に死なれりゃ俺の追い掛ける相手もいなくなる。ふっふふふっ」
いづみ「長い追いかけっこだったわね」
藤原「ああ……」
感慨に耽りながら、二人の最後の会話(後でまた一緒に出てくるけど)。
勝手に感慨に耽るのは良いが、これも、予定通り1年間放送した後なら分かるけど、実際はまだ1クールしかやってないので、「長い追いかけっこ」と言うのが、あまりピンと来ないのが悲しい。
やがて二人は港へ到着する。
いづみはすぐ停泊しているボートに乗り込み、藤原も自分も乗るつもりで艫綱を解くが、

藤原が乗り込む前に、ボートが岸壁から離れ出す。

藤原「いづみ!」
いづみ「ごめん、藤原さん」
藤原「いづみーっ!」
いづみ「ひとりで行かせて」
藤原「おまーなー」
いづみ「さようなら!」
いづみ、最初から藤原を巻き込むつもりはなく、予定の行動だったのだろう。

藤原、地団駄踏んで悔しがる。
藤原「バカヤロウ、命を粗末にしやがって、本物の馬鹿だっ! お前はっ」
ボートはすぐ第1海堡に近付く。……と言っても、ほんとの第1海堡では撮影はできないので、例によって猿島である。そう、
「ゲルショッカーの結成式が行われた場所」と、辞書にも書いてあるあの島である。

上陸して内部に進むいづみの前に立ちはだかるのは、前回登場した三人のバイオフィードバック戦士。
……が、11話の飛葉ちゃんと違い、ろくにキャラクターも設定されていない三人は、既に賞味期限切れ。せめてもうちょっと可愛い女の子を出して欲しかったところだ。
いづみ「私たちは敵じゃないわ……私たちの敵は、石津よ! あなたたちが倒さなきゃいけないのは石津よ! 私たちは仲間よ!」 無益な殺しはしたくないと、最後のお願いを試みるが、三人は何の反応も示さずズンズン向かってくる。
いづみ(マインドコントロール? 心まで奪われた、悲しい戦士……彼らにはもう心は通じない)
と言う訳で、いづみはやむなくバイオフィードバックを発動させ、三人をサクサクとサブレのように数秒で片付けてしまう。
いづみにとって、量産型のバイオフィードバック戦士など最早ザコに過ぎないのだった。
いづみ、簡単に敵のアジトへ入り込むが、既にボスの竜崎は石津に後を任せてトンズラしていた。

石津「よくここまで辿り着いたな、いづみ、誉めてやろう。お前の手を煩わせるまでもない」
いづみ、バズーカを構えるが、石津は慌てず騒がず自爆装置のタイマーをセットする。残り5分。
石津「竜崎は既に自分の車に仕込んだマイクロコンピューターに何もかも移し替えた。ふっ、この要塞も既に用済みだ。今頃は政府を脅しにいく準備をしているだろう。あの男の求めているのは権力と金だけなのだからな」
いづみ「同じよ! あなたも、あの竜崎って男も!」
石津「違う!」 相変わらず、石津おじさんを怒らせるのが上手いいづみ。
石津「バイオフィードバックはお前には過酷なことだったかも知れん……私の勝手な夢だったろう。だが、この国の将来の為には必要なことだったのだ。だが、竜崎にこの国を思う気持ちなどはない、夢などはないのだ」
いづみ「そんなことを言うなら、何故自分の手でやろうとしないの? 勝手な戦いに若者たちを巻き込んで、たくさんの血を流させて!」
いづみも、バズーカを上げたり下げたりしながら、反論する。
……なんか、このまま口を動かすだけでタイムアウトになりそうな気がする。
まだカウントダウン中なのに、気の早いアジトはあちこちから次々と火の手が上がり始める。
石津「夢を実現させる為には、犠牲も必要だ。いづみ、お前にもいつかそれが分かるだろう……生きることは戦いなのだ! 自由が、平和が、愛が欲しければ、戦いとれ! それが私のやり方だ」 クーデター大好きおじさんの渾身の演説であったが、
いづみ「違う、間違ってるわ!」 少女はいとも簡単に否定する。

いづみ「小さな世界を……それを守って、戦いなんか求めずに生きれるわ!」
石津「笑わせるな!」
石津、杖に仕込んだ銃でいづみを撃つ。ただし、石津は既に視力を失っているので、狙いは不確かだ。
石津「お前がそう思うなら、それを戦い取れ、どんな時代でも強いものは弱いものを滅ぼす、それがイヤなら、戦え! さあ! 何故撃たん? 俺を倒してみろ!」
石津、まるでいづみに殺されるのを望んでいるかのように、しきりにいづみを挑発する。
さらに杖でいづみを殴ったりするが、いづみは何故か戦おうとしない。

石津「覚えておくが良い、いづみ、自らの手で戦い取ったものだけが、本物だということを!」
いづみ「あなたを、竜崎を、必ず倒す!」
石津「感じるぞ、お前の力を、お前の怒りを! 私の計画は潰れたが、いづみ、お前だけが唯一残された私の夢だ! 行け! 行って竜崎を倒すのだ!」
最後は何故か竜崎を倒せと言い出した石津おじさん、はっきり言って支離滅裂だが、隣接する小部屋に入り、激しい爆発と共に今後こそ本当に死ぬ。
この事実上の最後のバトルシーンも、盛り上がらないこと甚だしい。
まぁ、13話でもう二人はガッチリ戦ってるから、仮にここで戦わせても同じことの繰り返しになるからねえ。
とにかく、時限装置によってアジトは跡形もなく爆発する。
(その映像は「スケバン刑事」1作目の最終回の爆破ショットが使われている)
その後、

石津の腹心だった滝沢の運転する車に、鼻歌まじりにおさまっている竜崎。
なんだか良く分からないが、これから政府を脅しに行くところらしい。

と、前方の道路に、どさっと女子高生が行く手を遮るように倒れ伏す。滝沢、思わず急ブレーキを掛ける。
竜崎、「どったの?」と言う顔で前方を透かし見ていたが、

シャンプーのCM風にバサッと顔を起こしたその人物が、死んだ筈だよいづみさんだったので、
びっくりする。 
しかも、いづみがスチャッとバズーカ砲を構えるのが見えたので、滝沢ともども、オ○ニー中に母親が入ってきたかのような200パーセントの恐慌状態に陥る。

いづみ、今度はためらわず発射する。

こうして、1話のインパクトのある砲撃シーンに照応するように、ラストも車両の爆発炎上シーンで締め括られることになる。
巻き添えになった滝沢がちょっとかわいそうだったな。

いづみ「恵子、佐織、健……」
しかし、いづみも重傷を負っていたようで、直後、バズーカの砲身にもたれるように意識を失う。
その3へ続く。