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「宇宙刑事シャイダー」 第37話「吼えろビームガン」

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 第37話「吼えろビームガン」(1984年12月7日)

 「フーマはシャイダーに詫びを入れて来た!」

 もとい、

 「フーマはシャイダーに決戦を挑んで来た!」と言うナレーションから、荒野をブルホークにまたがって疾走するシャイダーと、それを待ち受けるフーマの総攻撃で幕が開く37話である。

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 シャイダーに向けて、高所からバズーカ砲が発射され、ついで、二台のジープに乗ってミラクラーたちが真っ正面から攻撃を仕掛ける。

 全銀河を支配下に置こうと企むフーマの「総攻撃」にしてはあまりに貧弱な陣容である。シャイダーがブルホークに乗ってるからまだしも勝負になっているが、シャイダーがバビロス号で来ていたら、一瞬で全滅させられそうな心細さである。

 だが、指揮を取るヘスラーにはある秘策があった。

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 シャイダー「あっ、フーマじゃない。どうして地球人がフーマに?」

 ビデオビームガンでミラクラーのジープを撃破した後、続けて接近するジープの乗員をスコープ越しに見たシャイダー、それがミラクラーの化けた姿ではなく、正真正銘の人間であることに気付く。

 シャイダー「……ま、いっか! えいっ」
 兵士たち「ウギャーッ!」

 こうして、シャイダーの雑な性格によって、ヘスラーの秘策はもろくも敗れ去ったのである。

 ……嘘である。

 攻撃できないでいるシャイダーに、兵士たちは容赦なく放火を浴びせてくる。

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 さらに、顔が巨大なくちびるの形をしたナイスなデザインの不思議獣グチグチが現われ、シャイダーをブルホークから突き落とす。

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 普段はなかなか愛くるしい姿なのだが、

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 巨大な上くちびるをめくると、その下から醜悪なもうひとつの顔が出て来ると言う、なかなか油断のならない奴なのだ。

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 グチグチ自体もかなりの強敵であったが、さらに、さっきの人間の兵士たちを前面に押し立てて盾代わりにして攻めて来る為、ビデオビームガンが使えず苦慮するシャイダー。

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 戸惑い、半ば棒立ちで彼らの攻撃を受けるしかない。

 しかし、ビデオビームガンには相手を気絶させる能力もあるんじゃなかったっけ? それを使ってとりあえず彼らを沈黙させれば良いと思うのだが?

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 ここでやっと、真打ち(真打ちじゃないです)アニーが戦場を見下ろす丘の上に登場。

 上空に出現したフーマの戦闘母艦に対し、シャイダーはバビロス号を呼んで、「シューティングフォーメーション→ビッグマグナム黒岩先生」攻撃を放つが、何故かいつもは一撃で沈められる筈の戦闘母艦が平気な顔をしている。

 恐らくシャイダーが焦って、狙いが外れてしまったのだろう。

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 戦闘母艦から出撃した戦闘機の空爆で、フライパンの上の豆のように弾け飛ぶシャイダー。

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 「見てられないわ」とばかり、斜面を駆け下りて苦戦するシャイダーの元へ向かうアニー。

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 だが、アニーの近くにも容赦なく爆弾が落とされる。

 言うまでもないが、スーツを着ているシャイダーより、生身のアニーの方が危険なのである。

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 戦闘母艦の砲撃で仲良く吹っ飛ばされ、

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 ぷりっとしたお尻や太もも、デリケートゾーンにいたるまで、何もかも曝け出す魅惑のショットが炸裂!

 冷静に考えたら、よくこんな破廉恥映像を全国放送していたものだ。

 ま、実際に映るのはほんの一瞬だけどね。

 フーマの猛攻に手を焼き、二人はやむなくシャイアンに乗って退却する。

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 大「地球人の若者が俺を狙って来た」
 アニー「まさか」

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 大「いや、8人いた。ちゃんと実戦訓練を受けてるようだった。俺はショックだった。その隙を衝かれてしまったんだ」
 アニー「おかしいわね、戦闘員ならミラクラーがいる訳でしょう?」
 大「フーマには別の狙いがある筈だ。何か途轍もない狙いだ」

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 大「それを探る必要がある」
 アニー「何か考えがあるみたいね」

 アニー、大ちゃんに期待の眼差しを注ぐが、

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 大「じっとしてようと思うんだ」
 アニー「……」

 大ちゃんの口から出てきたのは、職務放棄宣言とも取れそうな最低の発言だった。

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 大「フーマはきっと動き出す筈だ。それまでじっと……」

 成算ありげに浅黒い顔を引き締める大ちゃんを見詰めるアニーの目が絶望的に醒めている。

 一方、久しぶりに直接戦闘でシャイダーにひと泡吹かせ、意気上がるフーマの不思議宮殿。

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 ヘスラー「訓練生たちは勇敢にシャイダーに立ち向かい、その戦いぶりは見事なものでした」
 ボー「グチ将軍の演説を聞くと、若い人たちは心の不満が拡大され、愚痴が多くなり、やがてその捌け口を求めるようになります」

 真顔でシャレをぶちかまされるポー様。

 「グチ将軍」と言うネーミングと言い、「シャイダー」の中でも屈指の爆笑台詞である。

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 クビライ「若者たちの心に不満を募らせろ、そして兵士に仕立てるのだ」
 グチ将軍「お任せ下さい。大帝王クビライ様、一万、いや十万人の兵士を育て上げて見せます」

 グチグチは、人間態、その名もグチ将軍の姿になって、自信たっぷりに言ってのける。

 グチ将軍を演じるのは、宇宙刑事シリーズすべてにゲスト出演している高橋利道さん。

 ポー「兵士たちはやがて日本国を制圧し、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、そしてアメリカへも宣戦布告しましょう。欲求不満の捌け口を求めて……」

 つまり今回もフーマお得意の、心に鬱屈したものを持つ若年層を扇動、洗脳して社会に混乱を巻き起こそうと言う作戦であった。

 さて、シャイダーは宣言どおり、あえてフーマの陰謀を探ろうとはせずバビロス号に引き篭もり、アニーと一緒に射撃訓練などに励んでいた。

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 フーマの仕立てた勧誘バスに、レギュラーの陽子も乗り込む。

 陽子「あのー、ほんとに自給3000円なんですか、バイト料?」
 ギャル3「本当です、私どもは働く若い人たちの味方です」

 OL風の制服を着たギャルたちがにこやかに若者たちに応対している。彼らは高額のバイト料を餌に、若者たちを集めていたのだ。

 しかし、残念ながら制服を着ているのはギャル1と2と3だけで、5はコスプレしてくれない。

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 若者たちが連れて来られたのは、山の中の何もない廃墟のような広場だった。

 話が違うと、若者たちが帰ろうとした時、

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 ギャル3「みなさん、これよりグチ将軍がお仕事の内容を説明致します。こちらへ集まってください」

 早くも本来の衣装に戻ったギャル3が出て来て、丁寧に促す。若者たちは小走りに赤い布で覆われた演壇の前に集まる。

 他のものはともかく、陽子は何度かギャルに遭遇したことがあるのだから、その姿を見て何か反応を示しそうなものだが?

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 と、兵士(ミラクラー)やギャルたちを従えて、厳かにグチ将軍が登場し、壇上に立つ。

 グチ将軍「いやー、毎日寒いねー。それにしても最近は野菜が値上がりしてイヤんなっちゃうね。あと、テレビは馬鹿の一つ覚えみたいに相撲の話ばっかりでうんざりだね……貴乃花が落選しましただぁ? そんなこと知るかっ!
 若者たち(ただの愚痴じゃねえか……)

 こうして若者たちはグチ将軍の愚痴を延々と聞かされて、次々と貧血を起こして倒れて行くのであった。

 ……嘘である。

 グチ将軍「諸君、諸君は何故今そこにいるのか? まずそのことを考えて貰いたい。諸君は学生だ。学ぶことに専念しなければならない。しかるに諸君が置かれている現状はなんだ? バイトに明け暮れる毎日ではないか。勉学どころではない! 諸君は現在の日本に満足しているのか? 見せかけの繁栄、見せかけの平和、そんなあやふやなぬるま湯の中にいては心も体も腐ってしまう。そうだろう、諸君?」

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 若者たち「そうだーっ」
 グチ将軍「諸君の不満を熱く燃えるエネルギーに変えろぉ、私一緒に武器を持って戦おう、現状を打破するには戦争しかない!」

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 陽子「グチ! グチ! グチ!」

 グチ将軍のアジ演説はさして独創性のあるものではなかったが、グチグチの特殊な能力によって、若者たちは子猫を転がすようにコロッと洗脳されてしまう。

 洗脳された若者たちは何の迷いもなくハードな軍事訓練を受け、あっという間に一人前の兵士に仕立てられていく。

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 訓練の様子を満足そうに見下ろしているグチ将軍とギャルたち。

 その頃、大ちゃんはと言うと、

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 シャイダー「ホークミサイル! ファイアーッ!」

 バビロス号のゲームコーナーのリアル筐体ゲームで遊びまくっていた。

 ……じゃなくて、ブルホークのシミュレーションマシーンで戦闘訓練をしているのである。

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 アニーは、良一から姉の陽子がバイトに行ったまま帰ってこないこと、小次郎さんからたくさんの若者が陽子と同じように行方不明になっていると知らされる。

 アニー「よっぽど良い条件で誘ったんでしょうね」
 小次郎「ああ、うちは安いからねえ」

 小次郎さん、一応、自覚してるらしい。

 その間も、シャイダーはフライトシミュレーションゲームでこれでもかとばかり遊び倒していた。

 アニーの声「シャイダー、いつまで遊んでのよ! すぐ来て」
 シャイダー「分かった」

 バビロス号のメインルームに戻った大ちゃん、アニーからさっきの新聞記事を見せられる。

 大「思ったとおりだ。フーマの陰謀が読めてきたぞ。アニー、俺たちを襲って来た兵士がいただろう?」
 アニー「すると、陽子さんたちも兵士に?」

 CM後、フーマはもっと大胆な方法で若者たちを狩り始める。

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 サッカーに興じている若者たちのところへトラックで乗りつけるギャルたち。

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 そしていきなり彼らを取り囲んでしまうのだ。

 ギャル5「騒ぐな! こっちへ来い!」

 珍しくギャル5が、ドスの利いた声でざわつく若者たちを怒鳴りつけている。

 管理人なら「はい、喜んで!」と、万障繰り合わせて付いて行くところである。

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 これくらいしか貼る価値のあるギャル5の画像がないのが悲しい。

 で、まだ途中だが、今回の話もあまり面白くないんだよね。

 内容的にはギャバンの第26話「人形は見た!! 毒ガス殺人部隊の正体」とほとんど同じだが、あちらではひとりの学生に焦点を当ててしっかりドラマを作っていたが、こちらにはそれがないんだよね。陽子が参加しているが、それも単に参加しているだけに終わっているし。

 冒頭の戦闘シーンや、兵士の軍事訓練、シャイダーの訓練シーンなど、余計な場面が多過ぎるのだ。

 この後、そのトラックを追尾したアニーが例の廃墟に辿り着くが、敵の猛攻を受けて絶体絶命のピンチに陥る。

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 ここで颯爽と大ちゃんが現われて、疾走するジムニーから飛び降りると、

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 大「焼結!」

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 空中で光に包まれてから、カメラ前で実体化してグチ将軍に飛び掛かる。

 ここは素直にカッコイイと思う。

 ラス殺陣に突入すれば、後はもう特に書くこともない。

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 シャイダー、冒頭と同じく人間の兵士を盾にされるが、空中へ飛び上がりながら兵士たちの頭越しにビデオビームガンを放ち、ミラクラーやグチ将軍に打撃を与える。

 ここで何故かクビライが不思議時空を発生させた為、人間の兵士を利用した作戦も使えなくなる。

 ちなみにグチ将軍は、人間の姿のまま不思議時空へ移動し、しばしシャイダーと戦っているのだが、人間態でそう言う特殊空間へ移動したのは、宇宙刑事シリーズ全体を通しても、この場面だけではないだろうか?

 ラスト、グチ将軍がグチグチに変身するが、シャイダーのシャイダーブルーフラッシュで倒される。

 グチグチの死と共に陽子たちも正気に返り、フーマの野望は崩れ去り、事件は解決するのであった。
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コメント

アクションで持っている話

>戦闘母艦の砲撃で仲良く吹っ飛ばされ、
画像カットの後にシャイダーがアニーを気遣って手を伸ばすのが細かい。
まあ爆炎の中で跳ね回るシャイダー&アニーとか
陽子が戦闘訓練を受けるシーンとか迫力はあるかと。
潜入したアニーが銃撃をかわして滑車に飛びつく直前のカットで
森永さんが目を瞑ってしまうとか、やっぱり怖いんですね。
でも、それをやってくれるから凡庸でもシンプルなストーリーで、まだ観れる。
アクション俳優ではない円谷氏の露出が極端に少ない
(バビロス内の会話と変身直前の運転シーンのみ)のが気にかかりますが…。

後、「じっとしてようと思うんだ」「ああ、うちは安いからねえ」
最低の台詞を大真面目に語る男達に吹きました。
聞いているのは、どちらもアニーですね。

ただ、後の2話はさすがに…。
38話は主役が電なら、まだ多少は面白くなったかも?

Re: アクションで持っている話

懐かしい記事ですね。

しかし、時事ネタは時間が経つと分からなくなるのが難ですね。

2人の関係

イマイチ頼りにならない兄を懸命に支えるアニー(妹)はまるでドラミちゃんのようですね😅個人的には、初期の茶色の服が好きでしたね❤️

Re: 2人の関係

そうですね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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