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「仮面ライダー」 第28話「地底怪人モグラング」



 第28話「地底怪人モグラング」(1971年10月9日)

 今回は、一度スルーしたエピソードである。

 何故スルーしたかと言うと、つまんなかったからです。

 ただ、何度見返してもレビューする気にならないナメクジラの45話に比べれば、多少、突っ込みどころもあるので頑張ってレビューするのです。

 冒頭、怪人モグラングの手術に、ゾル大佐がじきじきに立ち会っている。

 
 ゾル「お前は目が見えない。その目の代わりに地上において伸縮自在、360度の視界をキャッチできる目を与える。このエレクトロアイだ」

 大きなビーカーに漬けられた不気味な目を、手術用のハサミで掴んで持ち上げて見せるゾル大佐。

 科学者が、皮膚で塞がっているモグラングの眼窩をピンセットで開くところなどはなかなかリアルである。

 
 エレクトロアイを埋め込まれたモグラング、地上からその目だけを突き出して、獲物が来るのを待ち構える。

 
 ちょうど、土手の上を、ジョギング中の男性が通り掛かったので、モグラングは異様な呻き声を発して地中からその不気味な姿を現す。

 
 モグラングはその男性に襲い掛かって気絶させ、自分が這い出てきた穴に戻り、男性の体を春巻きのように転がしながら引き摺りこむ。

 近くの車の中からその様子を観察していた戦闘員は、直ちにゾル大佐に報告する。

 
 戦闘員「ゾル大佐、実験はほぼ成功です」
 ゾル「いや、『ほぼ』って、なに? 『ほぼ』って? すげー気になるんですけどぉ!」

 
 一方、レーシングクラブでは、見慣れない若者とその弟の少年の姿があった。愛川豊と慎二兄弟である。

 慎二「お願いだよ、立花のおじさん、豊兄ちゃんの整備は抜群なんだからさぁ。今度のモトクロスの選手権にも一文字さんは優勝できるよ、な、兄ちゃん」
 豊「やめろよ、慎二」

 彼らは整備士である豊を、近々行われるモトクロス選手権に備え、立花レーシングクラブの専属整備士として雇って欲しいと頼んでいるのだ。

 もっとも、当の豊より弟の慎二の方がやけに熱心で、

 慎二「五郎君も良く頼んでよ」
 五郎「よし、会長、そういうことなんでいい加減に分かって下さいよ、お願いします、お願いします」

 その場にいた五郎にも口添えを頼み、一緒にぺこぺこ頭を下げてお願いする。

 立花「うん、ようく分かった、豊君、君にやってもらおう」
 慎二「よかったね、兄ちゃん」
 豊「立花さん、どうもありがとうございます」

 パイプを咥えて考え込んでいたおやっさん、慎二の兄弟愛にほだされたのか、快諾する。

 
 五郎「やっぱり会長は男の中の男だねえ」

 腕を組んで大人びた言い草でおやっさんを誉める五郎。

 
 立花「いやぁ、実は初めからそのつもりだったんだ。しかしその代わり、ひとつ条件がある。豊君、君は半年前まではモトクロスライダーとして将来を嘱望されていたんじゃないのかね、それがなんだ、たかがレース中に三人轢き殺しただけで、マシンに乗るのが怖いなんて……」

 間違えました。

 立花「それがなんだ、たかがレース中に三回転倒しただけでマシンに乗るのが怖いなんて……来年は一文字の代わりに君に乗ってもらう、これが条件だ」
 慎二「良かったね、兄ちゃん」
 豊「……」
 立花「なんか喋れよぉ~っ!」

 こうして、おやっさんは、隼人を差し置いて来年のレースに豊が出場することを条件に、彼らの申し出を引き受けるのだった。

 ……いまひとつ釈然としないのは、そもそも愛川兄弟とおやっさんがどういう関係なのか、さっぱり分からないからだろう。

 さて、モグちゃん、その後も地上へ出ては体力のありそうな男性ばかりを狙って拉致し、アジトの牢獄へぶち込んでいた。

 
 こちらがその被害者たちの近影です。

 既に、この時点でみんなイッちゃった目をしているが、何か薬物でも盛られているのだろうか。

 なんか、心霊スポット(廃病院など)に来て、SNS用に調子こいた写真を撮ってるバカどもにも見える。

 で、彼らは全員モグラ人間に改造され、ショッカーの為にこき使われることになる。

 もっとも、その着ぐるみは、モグラングのスーツを使い回しているだけなのだが。

 
 で、気になる(註1)その作戦だが、

 首領「今回の我々の目標は日本経済を破壊することである。(中略)コンビナートに貯蔵されている石油を東京湾に流し、湾内一面を火の海にしてしまうのだぁっ」

 と言うものだった。

 ま、言うのは簡単だが、やらされる方の身にもなってみろバカと言う感じですね。

 (註1……ほんとは全然気になってない)

 つまり、コンビナートの地下から、東京湾に向かうトンネルを、モグラ人間たちに掘らせているのである。

 単に捕まえてきた人間にやらせるのではなく、改造して掘削能力を高めてから行わせると言うのは、ショッカーにしては利口なやり方である。

 
 一方、間近に迫ったモトクロス選手権に向けて、気合を入れてマシンの整備に没頭している豊。

 それを、おやっさん、五郎、慎二、そして得体の知れない子供たちが見ている。

 「仮面ライダー」序盤では、たまに見られる光景である。

 
 ゾル「現在の進行状況はどうだ」
 怪人「はい、ここと、ここです」
 ゾル「ようし、このペースで進んでいけば予定通り明日には完成だな」
 首領「モグラング、奴隷たちは死にかけている、新しい奴を連れてくるのだ」

 ゾルとモグちゃんが工事の進み具合について話していると、首領が新しい命令を出す。

 しかし、結局死人は出なかったと思われるが、知能の低いモグラ怪人に改造された挙句、昼夜わかたずトンネル掘りをやらされて過労死すると言うのは、一言で言って最低の死に方である。

 いまや過労死大国となってしまった日本の将来像を鋭く予見していたとも言えるだろう。

 
 モグラング、再び地上へ出て、新たな犠牲者を見付けて穴に押し込めようとするが、今度の若者は、割りと粘り強く抵抗する。

 お陰で、悲鳴を聞きつけて飛んできた滝に、その様子を目撃されてしまうこととなる。

 
 隼人「地面にいる相手には勿論ライダーキックは利かない、新しい技を考えねば……」

 滝からそのことを知らされた隼人は、沈痛な面持ちでつぶやく。

 すわ、新しい技の誕生か、と思いきや、結局新しい技は開発されずじまいなのだった。わおっ。

 他にも、何故か隼人が部屋から出て行きたがらなかったり(スケジュールの都合だろう)、いろいろとおかしなところの目立つストーリーであった。

 
 ゾル「今回の計画が成功したら、再び人間の姿に戻してやる。この再生液はこれである。がしかし、お前にはまだ仕事が残っている」

 再びゾルとモグちゃんの会話。

 モグラ人間にされた人たちに言うのならともかく、大幹部が普通の怪人に対してそんなことを言うのは、異例中の異例のことである。

 ただ、これも、元々モグラングがどんな人間だったのか一切説明がないので、なんかピンと来ないのである。

 
 隼人「愛川さん、残念だが今度の選手権大会には出場できないかも知れない」
 豊「何故です、一文字さん」
 隼人「本当に申し訳ないと思っている、このとおり謝るよ」
 慎二「一文字さんの嘘つき、ちゃんと兄さんと約束したじゃないか」
 豊「よせよ、慎二、隼人さんにも色々仕事があるんだろう」

 隼人は、ショッカーが何かどえらいことを企んでいることを察し、やむなく、そちらへの対処を優先させて、モトクロス選手権への出場を諦め、そのことを愛川兄弟に告げる。

 無論、おやっさんにも事情を話し、了解を得ているのだろう。

 慎二は隼人をなじるが、豊はサバサバした様子で怒る色も見せず、あっさり引き下がる。

 
 兄弟が土手の上を歩いて帰っていると、横合いからいきなりモグラングが現れる。

 
 豊「あ、バケモンだ!」

 豊は、それを見ると、

 
 弟を置いてスタコラサッサと逃げ出してしまうのだった。

 ひでー奴。

 無論、実際は、慎二が逃げ遅れたのを見ると、慌てて引き返して弟を助けようとするのだが。

 でも、普通は最初から弟の手を引いて逃げるよね。

 
 豊「早く、早く逃げるんだ」

 
 慎二「一文字さんを呼んでくるから待っててねー」

 
 豊「なるべく早くねー!」

 これから子供の足でレーシングクラブに引き返したのでは到底間に合わないと思われたが、それを知った隼人がライダーに変身して現場に駆けつけると、

 
 まだ頑張っていた。

 さすが将来を嘱望されたモトクロスライダーである。

 ちなみに隼人、一応外へ出てバイクを走らせるのだが、ほんのちょっと走っただけですぐライダーに変身している。やはり、佐々木さんのスケジュールがきつかったのだろう。

 
 ライダー「出たな、怪物」
 怪人「ライダーか」

 睨み合う両雄。

 その隙に、豊は穴から抜け出し、スタコラサッサと逃げ出そうとするが、目の前にたくさんの戦闘員が現れ、行く手を塞がれる。

 
 ライダー「しまった!」

 ライダー、豊を助けようとするが、逆に自分もモグラングに捕まり、

 
 抵抗するが、脳天をモグラングの爪(?)でバコバコ叩かれ、とうとう地中に引き摺り込まれてしまう。

 ライダーの完全な敗北だった。

 CM後、結局捕まった豊が手術台に乗せられ、改造手術ではなく、催眠術を掛けられていた。

 ゾル大佐がモグラングに豊を捕まえさせたのは、彼に催眠術を掛け、モトクロス選手権に出場する滝のバイクに爆弾を仕掛けさせ、滝を殺す為だったのである!

 しかし、それが、メインディッシュの東京湾石油流出炎上作戦と、何の関係があるのだろう?

 そもそも、この時点では隼人たちはショッカーのやろうとしていることを全く知らなかったのだから、隼人たちに余計なちょっかいを出す必要があったとは到底思えないのである。

 
 さて、隼人のほうだが、一時的に意識を失い、気がついた時には縛り上げられ、牢に横たえられていた。

 だーかーら、どーして気絶してる間にちゃっちゃと殺さないのよ?

 ま、いくら言っても無駄だから言うまい。

 
 隼人(こうして縛られていては変身も利かない。なんとかしなければ……)

 首をもたげて、こちらに背を向けて立っている見張りの戦闘員の腰にぶら下がっている牢の鍵を見詰める隼人。

 静かに床をローリングしてじりじりとその鍵に近付こうとするが、

 
 さすがにショッカーもそこまで甘くはなく、寸前で、ゾル大佐に見付かってしまう。

 ゾル「やっと気がついたらもう逃げる支度か。そほはいかないぞ。とうとう貴様の運命も尽きたようだな」
 隼人「黙れ、貴様が誘拐した人たちを何処へやった?」
 ゾル「……」
 隼人「何とか言え!」
 ゾル「いや、黙れって言うから……」

 じゃなくて、

 ゾル「知りたいか」
 隼人「知りたい」(註2)
 ゾル「モグラに改造した」

 (註2……なんだ、このやりとり?)

 
 隼人「何を企んでるんだ?」
 ゾル「地獄の土産に教えてやる、川崎横浜の石油コンビナートにあるオイルをすべて東京湾に流し出し、火の海にしてしまうのだ」
 隼人「バカな、そんなことが出来る筈がない」
 ゾル「ショッカーに不可能はない。爆薬を背負った人間モグラどもは明日、石油タンクの下に辿り着く。そこでリモコンのスイッチを押せば、タンクの底に穴が開き、流れ出したオイルは東京湾で燃え広がる。どうかね、この計画の感想は?」

 ゾル大佐、計画の全容を丁寧に隼人にレクチャーしてやると、さらに、

 ゾル「あの豊ってガキは返してやったよ。ただし、こっちの任務を与えてな」
 隼人「貴様たちのやり口はいつもそうだ」
 ゾル「なんとでも言いやがれ!」

 急に言葉遣いがベルモンドっぽくなるゾル大佐。

 結局、滝暗殺計画までぜーんぶ話してしまうのだった。

 再びレーシングクラブ。

 滝「滝、安心してくれ、ショッカーの野望を叩き壊し、愛川君を助け出した、しかしまだ後始末が残っている。そこで頼みだが、モトクロスの選手権は俺の代わりに君が出てくれ……」

 滝が、戻ってきた豊から渡された、隼人の書いたと言う手紙を読み上げている。

 無論、それは、ゾル大佐の作った偽の手紙だった。

 翌日、いよいよモトクロス選手権の当日となるが、同時に、石油流出計画は全て準備が整い、あとはゾル大佐が別室でスイッチを入れるだけとなった。

 
 だが、ゾル大佐、隼人を直接殺そうとせず、牢に入れたまま、基地ごと隼人を爆死させようとする。

 恐らく、作戦の実施と同時に、この基地を爆破して退去するつもりなのだろう。

 ま、それは良いのだが、その際、わざわざ鉄格子の上から鉄のシャッターを下ろしてしまうのが、かなり意味不明であった。

 これではまるで爆発から隼人を守ろうとしているようではないか。

 しかも、そのせいで人目を気にせず隼人が自由に行動できるようになり、隠し持っていたヤスリで拘束している鎖を断ち切り、ライダーに変身してしまう。

 壁を突き破ったライダーは、モグラ人間の自爆スイッチを切り、

 
 ライダー「そうか、これを飲ませればあの人たちも元の人間に戻れる」

 さらに、棚に置いてあった再生液を発見し、ちょろまかす。

 しかし、再生液については何も知らない筈のライダーが、何の手掛かりもなくそれに気付くと言うのは変だよね。

 また、再生液を見て、「俺も普通の人間に……いや、俺にはショッカーと戦う使命が……」などと葛藤するシーンも欲しかったところだ。

 もっとも、それはあくまでモグラ人間を元に戻す薬であって、ライダーが飲んでも効き目はないのだろう。

 とにかく、ライダーは、自爆させられる手筈になっていたモグラ人間たちに再生液を飲ませ、全員を元の人間に戻して助け出し、石油流出計画を阻止する。

 悔しがるゾル大佐、せめて滝暗殺だけでも成就させようと、モトクロス場でライダーを待ち伏せするようモグラングに命じる。

 で、色々あって、滝のバイクは豊に仕掛けられた爆弾で爆破されるものの、滝自身は駆けつけたライダーによって助けられ、無事だった。

 
 立花「おい、滝、大丈夫か」
 滝「ああ」

 
 豊「滝、死ねええーっ!」
 ライダー「とおっ」

 おやっさんたちが滝に駆け寄って気遣っていると、横からナイフを持って豊が突っ込んでくる。

 が、あえなくライダーに投げ飛ばされ、のびてしまう。

 
 慎二「兄ちゃんのバカ、うえーん」
 ライダー「慎二君、やめるんだ、悪いのは豊君ではない。悪いのは……」

 兄の体に取り縋って泣き叫ぶ慎二を優しく諭すライダー。

 どうでもいいが、後ろに立ってるユリの、えげつないミニスカから伸びた足が実に綺麗である。

 でも、折角の超ミニなのに、ろくに映してくれないのである。もったいないお化けが出るぞ!

 ライダー「そこにいる奴だ!」

 ライダー、そう言って豊の持っていたナイフをすぐ近くの地中に潜んでいたモグラングに投げつける。

 で、ここからラス殺陣となります。

 
 前述したように、結局新技を開発する余裕はなく、代わりに、ライダーは砕石工場のようなところへモグラングたちを誘い出し、その施設の上でチャンバラを演じる。

 
 ライダー「行くぞ、不死身の化け物め」
 怪人「ライダーめ、生かしてはおかん」

 ライダーの二刀流と言うのは珍しい。

 
 ライダー(よし、あそこへおびき寄せてやる)

 スーツアクターの首や生え際がはっきり見えているが、こういう一種のおおらかさが、管理人は割りと好きである。

 で、ライダー、最後はセメント用のサイロの中にモグラングを落とし、あわれ、モグラングは人間に戻る夢を見ながら、セメント漬けとなってしまうのだった。

 しかし、セメント漬けにされて死んだ怪人なんて、仮面ライダー史上、コイツだけだろうなぁ。

 以上、怪人の死に方や、ゾル大佐と隼人の会話など、多少の工夫は見られるものの、終わってみれば結局、島田真之氏らしい、無味乾燥なストーリーだった。

 せっかくの愛川兄弟の存在も、ドラマにはほとんど活かされていなかったし。
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コメント

何時も楽しく拝見しております。どうせなら、アジトに連れて来られたモグラングやモグラ人間達が復元液を見て、葛藤するシーンがあればもう少し良い作品になったと思うのですがね😓

Re: タイトルなし

> 何時も楽しく拝見しております。

こちらこそいつもコメントありがとうございます。

>どうせなら、アジトに連れて来られたモグラングやモグラ人間達が復元液を見て、葛藤するシーンがあればもう少し良い作品になったと思うのですがね😓

「仮面ライダー」じゃ、無理でしょうね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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