第11話「恐怖のマグマ作戦」(1982年4月17日)
冒頭、雪の衣をかぶった富士山をその向こうに見ながら、数人の若いハイカーが熊笹で覆われた低い峰を目指して登っていると、いきなりシシモズーと言う獅子舞のようなデザインの怪人が出現し、彼らに炎をふきつける。
もっとも彼らがあっさりバーベキューにされてしまったのかどうかは分からない。
どっちみち、デスダークの目的はハイカーではなく、その死火山にマグマボールと言う燃え盛るボールをゴルフのカップに入れるようにスポッと入れて瞬く間に死火山を蘇らせ、凄まじい噴火を起こさせることにあった。

デスギラー「はははっ、燃えろ火の山、暗黒科学の力で緑の大地もろとも、人間どもを焼き尽くしてやれ!!」
火口から溢れ出る溶岩の映像をモニターで見ながら、気持ち良さそうに吠えるデスギラー。
デスギラー、デスマルク大元帥が登場する前の初期の頃の方が、活き活きしてるような気がするなぁ。

ザゾリヤ「マグマボールで富士火山帯の全ての火山を蘇らせ、遂には富士山をも!」
いつも上司から叱られておどおどしている印象のザゾリヤ博士も、なんとなく溌剌としておられる。
総統タブー「やれーっ!」 で、肝心の総統タブーは、相手がデスギラーだろうとデスマルクだろうと同じなのだった。チーン。

デスギラー「ははーっ、マグマの火炎地獄による日本列島切断作戦……」
総統タブーの号令に、デスギラーとザゾリヤが振り向いて跪くと、戦闘員たちも跪いたままタブーの方に向き直る。

デスギラー「とくとご覧下され!」
デスギラーが喋りながら立ち上がり、またモニターの方を向くと、

戦闘員たちも大慌てで反転し、モニターに視線を向けるのであった。
戦闘員(いちいち、めんどくせーなー!!) 雌牛山(最初に出て来た山)噴火の知らせを受けて、直ちにゴーグルファイブの5人が現地に入り、調査を開始する。
あちこから水蒸気が吹き上がる、岩だらけの山肌に立つ5人。

黒田「この雌牛山はもう、噴火をしない死火山だった筈だ」
このカットのミキの顔が美し過ぎる!
ミキ「それがどうして?」

黒田「烏帽子岳、よもぎ山と、このところ二つの休火山が突然噴火を起こしている」
赤間「いやな予感がするな」

青山&黄島「うん」
このシーンにおける、二人の台詞はこれだけ……
そりゃ、赤間たち三人に比べたら絵にならない顔してるけど、いくらなんでも差がひどいんじゃないの?

ミキ「まさか、デスダークが?」
残念ながら、今回、ミキは遠目でもはっきり分かるタイツを履いておられるので、生足は拝めません!
……
ぢ、ぢ、ぢくしょおおおおおっっっっ!! 神も仏もないのかよぉおおおっっっ!! (何もそんな藤原竜也調で悔しがらなくても……)
赤間「この噴火には何か訳がありそうだ」
吾作「そのとおりぢゃ!」
不意に横合いから男性の声が飛んできたので、5人は一斉に声の方を振り向く。

吾作「こいつはただの噴火ではねえぞ」
見れば、いつの間にか、マタギのような格好をした眼光鋭い老人が彼らの近くにしゃがみこんでいた。
黒田「どうしてそんなことが分かるんですか」
吾作「はっはっはっはっ、山はいきもんぢゃ、毎日付き合っとれば心も通じる。
訳もなく人間に危害を加えるようなことは絶対にせんのぢゃ!」
老人はそう言い捨てると、5人をひと睨みして山を降りていく。
黒田「一体誰なんだ」
ミキ「まるで、山のことなら何でも知ってるみたい」
赤間「俺もあの爺さんと同じ考えだ」
見る見る小さくなっていく老人の背中を見詰めながら、赤間がつぶやく。

ミキ「じゃあ?」
赤間「ああ、デスダークの仕業かも知れないぞ!!」
絵になる三人のやりとりを、

青山と黄島の二軍コンビが、
「俺たちにもなんか台詞くれよ」と言いたさそうな顔で見ている。
しかしまあ、このスリートップと前作「サンバルカン」の三人(の外見)を比べると、まるで月とすっぽんだね。
ミキ「だとしたら他の火山も狙われているわ」
赤間「よし、コンボイたちに敵のターゲットになりそうな火山を選び出して貰おう」
と言う訳で、直ちにコンボイたちがコンピューターを操って敵の狙いを分析・予測する。

春男「もし富士火山帯の山がみんな爆発を起こすとー」
あかね「日本列島は真っ二つにされてしまいます」
春男のキーボードの叩き方が、いかにもキーボードを触ったことがないみたいで可愛い。

赤間「ターゲットは富士火山帯か」
黒田「と言っても随分たくさんの火山があるぞ」
ミキ「全ての地域を強制避難させていたら、パニックになってしまうわ」
黒田「手分けして一刻も早く敵を見付け出し、計画を阻止するしかない」
赤間「よし、行くぞ」
青山&黄島(俺たちにもなんか台詞くれよ) と言う訳で、各自手分けをしてデスダーク一味の捜索を行うことになる。
ミキが、とある山道を歩いていると、突然少年が飛び出して、両手を広げて行く手を遮る。
タケル「行かせないぞ!」
ミキ「ええっ」
タケル「吾作じいちゃんを連れに来たんだろう。そんなことさせるもんか!」

ミキ「私は雌牛山の噴火のことで、火山の調査に来ただけよ」
タケル「えっ、火山の調査に?」

タケル「ほんとに?」
ミキ「うん」
タケル「ごめんなさい……勘違いしちゃった」
タケルは素直に謝ると、火山のことなら吾作じいちゃんに聞くのが一番だと今度はミキの手を引いて山小屋に連れて行ってくれる。

二人が山小屋に着くと、吾作じいさんが怪我をした野ウサギの手当てをしてやっているところだった。
ミキ「あ、あなたは」
吾作「あんときのー」
タケル「なんだ、知り合いだったのか」
見れば、それはさっき謎めいた言葉を吐いて立ち去ったマタギ風の老人であった。
タケル「おじいちゃんはずっとここで山の見張りを続けているんだよ。でも村長さんたちはおじいちゃんを山から下ろそうとしてるんだ」
ミキ「まあ」
タケルの言葉に合わせて、村長や村の有力者が吾作を説得している様子が回想される。
彼らは表向き吾作の高齢や健康状態を気遣って山小屋を引き払うよう勧めていたが、その実、一大観光地にする予定のその土地から、噴火や落石の危険を訴える看板をバリバリ立てている目障りな吾作の山小屋を追い払いたいのであった。
ミキ「折角山を守ってくれてるのに……」
吾作「山は人間ばかりのもんじゃねえ。草や木や川の魚たちやこいつらじゃって大事な故郷なんじゃ」
吾作はそう言って、手当てを終えた野ウサギを放してやる。
一方、必死の捜索を行っていた赤間が、遂にマグマボールを噴火口に落とそうとしているデスギラーたちを見付け、その投入を阻止する。

マズルカ「さすがゴーグルレッド、良くぞ嗅ぎ付けたわね」

デスギラー「だぁが、これまでだ。かかれえーっ!」
「ゴーグルファイブ」、最近改めて見て思うのは、デスギラーとマズルカほど、心底楽しそうに「悪」に打ち込んでいる幹部はいないのではないかと言うことだ。
どんなことであれ、人が楽しく仕事をしている姿は目に快いものである。
今のところ10連敗中なんだけどね!
やがて他の4人も駆けつけるが、デスギラーはさっさと全軍を退却させてしまう。
その後、タケルと一緒に山道を歩きながら、ミキはタケルと吾作じいさんの関わりについて教えて貰う。タケルの話で、てっきり吾作の孫とかと思いきや、そうではなく、かつて猟師の仕掛けた罠に掛かってしまったところを吾作じいさんに助けられた、山の分校に通っている子供だと言うことが分かる。
その吾作じいさん、山の頂上付近でマズルカたちを目撃したので、発煙筒を焚いてゴーグルファイブに知らせようとする。最初にミキが、ついで他の4人も駆けつけて戦いとなるが、それはデスダークの陽動作戦であった。
戦っているうちに、全然別の方角の山がいきなり噴火する。

見上げれば、デスギラーが頂の上に立っていて、世にも嬉しそうな高笑いを爆発させる。
デスギラー「あーっはっはっはっ!」 
レッド「しまった」
ブラック「陽動作戦だったのか」
こうして見比べると、常時眉間に皺を寄せて力んでいる善玉より、好きなだけ感情をあらわに出来る悪玉の方が絶対楽しそうだよね。
CM後、責任感の強い吾作じいさんは、デスダークの策略に乗せられた自分を恥じて、山小屋を閉鎖して山から降りようとして、タケルから必死で止められていた。
吾作「みんなに迷惑をかけちまった」
ミキ「そんなことないわ、誰も迷惑なんかしてないわ!」
そこへ現われて吾作じいさんの言葉を力強く否定したのは、言うまでもなくミキたちであった。

黄島「そうですよ、吾作さんは間違ったことしてないんだ」
青山「誰だってあの時になれば同じことをしてますよ」
赤間「噴火は吾作さんの責任じゃあない。俺たちだって不覚だったんだ」
吾作「いや、山のことなら何でもしっとるつもりじゃったが、これじゃとても山番は務まらん。わしも年を取ったもんじゃ」
黒田「吾作さん!」
5人が口々に吾作じいさんを慰め、励ますが、老人は聞く耳を持たず、

背負子の前の地べたに座り込んで紐を肩に掛け、立ち上がろうとするが、
吾作「……あの、すまんが誰か手を引っ張ってくれんかのう? 起きれん……」
5人「長い間ご苦労様でしたーっ!」 ……嘘である。
老人は山小屋を封鎖したが、それでもなお山の見張りを続けていた。
そして再びデスギラーたちを発見するが、今度は発炎筒を焚く前に見付かり、シシモズーに殺されそうになるが、そこへゴーグルファイブが助けに来る。
レッド「俺たちの警戒が薄くなったと思って現われたな」
ブラック「一旦引いたと見せたが」
ブルー「どっこい、そいつはこっちの作戦だい!」
デスギラー「うー、言わせておけば!」
遠くに聳える富士山をバックに変身ポーズを決める5人。
それぞれ実に絵になるのだが、

5人目のピンクがあまりに気合入れ過ぎて、ちょっと笑える感じになってしまっていた。
この後、いつもの戦闘シーンになって、シシモズーは無事に撃破され、事件は解決する。
ラスト、吾作じいさんの働きが認められて、村長たちも山小屋を撤去するどころか建て直してくれることになったと誇らしげに報告するタケル。

赤間「これからも山を守っていて下さい」
タケル「任しといてって、僕がついてるもん」
ミキ「まあ、タケルくんったら!」
最後はいつものように、ミキの眩しい笑顔で締めましょう!!
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