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劇場版「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」 前編

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スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 [ 浅香唯 ]
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 「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」は、1988年2月11日に公開された劇場用作品である。

 言うまでもなく、「スケバン刑事3」の劇場版なのだが、あえて「3」や「少女忍法~」などと言う文字がついていないことからも分かるように、内容や作風は、「3」とは懸け離れたリアルで硬派なものとなっており、結果的に原作や「2」に近い雰囲気となっている。

 「3」の、ニンジャがどーの、影がどーの、果心居士がどーのと言う、ほとんどスケバン刑事とは言えない内容に激怒したと言う原作者へのエクスキューズのようにも思えるが、「3」本来の作風のファンだった観客からすれば、これはこれで納得行かない感じがしたのではないかという気もする。

 まぁ、一種のパラレルワールドだと思えば腹も立たないか。

 その世界では、「青少年治安局」と言う政府組織が設立されており、その配下に10人の学生刑事なる精鋭部隊が存在し、日夜、荒廃する学園の綱紀粛正につとめていた。

 そして、学生刑事の中には、スケバン刑事・三代目麻宮サキこと風間唯の姿もあった。

 冒頭、喫茶店にたむろする暴走族グループを襲撃、ボコボコにする学生刑事たち。

 
 彼らは、学生服と言うより、ナチスのような黒い制服を身にまとい、さらにはブレードのついたより殺傷力の高いヨーヨーを武器に、規律に背く生徒たちを次々と血祭りに上げていた。

 学生刑事と言うより、学生憲兵隊と言った趣である。

 ま、そんな彼らが日夜、ヨーヨーの稽古に励んでいるところを想像すると、つい笑いがこみ上げてくる管理人であった。

 
 ちなみに、この右端にいるのが、若き日の椎名キッペーなのである(たぶん)。

 左端は、小沢アニキの弟の小沢一義さん。

 唯は、リーダーの阿川瞳子と行動をともにしていたが、

 
 瞳子「お前たちは街のごみだ。お前たちのような奴は、この学生刑事、阿川瞳子が許さない」
 唯「……」

 無抵抗の、ただの高校生にしか見えない若者たちに容赦なくヨーヨーを投げつける瞳子に、反抗的な眼差しを向けていた。

 悪のヒロイン・瞳子を演じるのは、アイドルの藤代美奈子さん。

 唯、とうとう我慢できなくなって、ある日、暗闇指令のオフィスへ怒鳴り込む。

 学生刑事の制服をデスクの上に置いて、

 
 唯「わちはもう我慢できんわい!」

 
 暗闇指令「……」

 
 唯「たった今、あの青少年治安局・学生刑事、十人隊のメンバーから外しちくり! ちょっと不良なら、誰でも彼でも一緒くたにやっつけてしまうんじゃ」
 暗闇指令「……」

 
 唯「仮条例違反の名目で……じゃけん、わちにはできん! 誰でも、やけになったり、つい面白がって悪さすることぐらいあるじゃろう? それなのに、あの瞳子たちは……あんなものは取り締まりでもなんでもないわい!」
 暗闇指令「……」
 唯「暗闇さん、何とか言ったらどうね? ええっ!?」
 暗闇指令「……えっ? あっ、うん……とー、あれっ、なんだ、唯、来てたのか?」
 唯「……」

 そう、まさかと思ったが、暗闇指令、最初からずーっと寝ていたのであった。

 ま、年がら年中サングラスかけて、オフィスでボケーッとしてたら、そりゃ眠くもなりますわな。

 ……嘘である。

 これが2019年一発目の嘘となる(1/4に執筆中)。

 暗闇指令「司法長官に要請されて、俺はお前を新設された青少年治安局に移した。あの日からお前は俺の部下ではない。唯、納得の行かんことがあるのなら、それはあくまでも自分の目でしっかりと見据えることだ。俺に出来ることは何もない」
 唯「……分かったわい」

 だが、唯には分かっていなかった。

 唯が制服を手に出て行くと、入れ替わりに隣室から依田が入ってきて、

 
 依田「やはり、指令の懸念どおり……青少年治安局なる代物、きな臭いにおいがしてまいりました」
 暗闇指令「思ったとおりだ、唯にもしばらく様子を見させたほうがよさそうだ」

 引き続き、暗闇指令の部下として働いている依田であったが、あくまで普通の秘密捜査官であり、劇中で般若と呼ばれることは一度もない。

 と言うことは、教職もやってないってことなんだろうなぁ。

 しかし、劇中では唯と一切顔を合わさないまま早期にフェードアウトとしてしまうのは物足りない。

 これなら、無理にテレビ版でとってつけたように生き返らせる必要もなかったのではないだろうか?

 話が前後したが、暗闇指令が気にしているのは、青少年治安局を設立した関根蔵人(くらんど)なる人物の存在であった。

 暗闇指令の声「司法大学院生・関根蔵人、『21世紀における治安制度の完成』と言う著書をあらわし、学生でありながら、司法学会でセンセーションを巻き起こした人物だ。来年の司法庁入りを前に、仮入庁して青少年治安局を作ると言う」

 
 暗闇指令の説明をバックに、司法庁の建物にやってきた蔵人の姿が映し出される。

 悪の親玉・関根蔵人を演じるのは、綺麗盛りの京本政樹さん。

 司法庁の中にある青少年治安局フロアは、ハイテクメカが所狭しと並ぶ、いかさま、ショッカーの秘密基地と言った雰囲気。

 
 蔵人の登場に、一斉に立ち上がって背筋を伸ばす学生刑事たち。

 こうやって並ぶと、唯の小ささが余計、引き立つ。

 藤代さん、女性としては背の高いほうだからね。

 
 蔵人「発足以来一ヶ月、撲滅暴走族12団体、窃盗団4団体、恐喝グループ6団体、故買グループ5団体、非行常習少年18人退治(?)、成果はまずまずと言うところだ」

 この一ヶ月の成果を並べて学生刑事たちをねぎらい、激励する蔵人であったが、

 唯「まっちくり、わちらのやっちょることは、ただの暴力じゃないんか?」

 唯が鋭く異議を唱える。

 蔵人は落ち着き払った態度を変えず、唯のそばに立つと、

 
 蔵人「風間唯君、若者にモラルを植え付け、悪弊を正してやることが、国家の治安を完璧にする為の第一歩なんだよ。報告書を読んだけど、君はこれまで三度の出動のうち、二度の任務遂行拒否、撲滅すべき不良学生たちを見逃そうとしたそうだな?」
 唯「……」
 蔵人「迷いがあるんだな、任務に」
 唯「わちは……」
 蔵人「結構、聞く必要はない。迷うこと自体が間違いなのだ。迷う必要などない。正義は僕が与えてあげる。良いか、君たちの力は、正義だ!」
 唯「……」

 傲慢なほど自信たっぷりに断言する蔵人に、唯は悲しげな目をしながら、顔を小さく横に振る。

 唯、蔵人の言葉に反論したいのは山々だったのだが、何しろ難しいことを考えるとたちまち脳がハングアップしてしまう仕様なので、言い返せないのだった。

 続いて、舞台はとあるライブハウスに移る。

 そこに、坂東京助と言う一癖ありげな青年がいて、三人の中学生くらいの子供にねだられて、「B」なるドラッグを渡していた。子供たちはそれを店の客に売りつけ、食い扶持を稼いでいるらしい。

 だがその時、一斉に客の悲鳴が上がったかと思うと、黒一色の制服をまとった十人隊がステージの上に立つ。

 
 思わずそちらに顔を向ける子供たち。

 男子二人はどうでも良くて、管理人が気になるのは左端のケイと言う女の子であった。

 そう、以前、「光戦隊マスクマン」22話・23話の中で紹介したことのある、伝説の美少女・田山真美子さんなのである!

 当然、「マスクマン」よりこっちの方が後なのだが、衣装が違うので、こちらのほうが子供っぽく見えるのがちと残念だが、そのキリリとした美少女ぶりは健在である。

 
 瞳子「我々は青少年治安局・学生刑事、このライブハウスが番外連合の麻薬の密売場所であるとの情報を掴んだ。従って、このライブの中止を命令する。同時に番外連合のメンバーを摘発、妨害者は遠慮なく撲滅するから、そのつもりで」

 瞳子の恐ろしげな宣告を受け、当然、フロアは逃げ惑う客たちと追いかける学生刑事たちとで混乱状態となる。

 学生刑事たちは(唯を除いて)全員背が高く、戦闘能力に長けているので、抵抗するものはたちどころに鎮圧されてしまう。

 
 唯「……」

 唯は相変わらず、何もせず、その場に突っ立ったまま、学生刑事たちの仮借ない取締り……と言うより、ただの暴力行為を痛ましげに見つめていた。

 大堂「お前ら殺す!」

 やがて、ケイたちが京助からもらったドラッグのケースをも持っているのを見た学生刑事は、大人気なくも、彼らに向かってブレード付きのヨーヨーを投げつける。

 が、それを反対側から飛んできた唯のヨーヨーが弾き飛ばす。

 
 久しぶりに戦士の顔になった唯。

 三人を庇うように、学生刑事たちの前に立つと、

 
 唯「もう我慢できん、何の罪があるっちゅうて、こんげなこまかいものにまで……」

 唯はヨーヨーを構え直して学生刑事たちを威嚇すると、振り向きざま、子供たちに向かってヨーヨーを投げ、

 
 まず、ケイの首にチェーンを巻いて、ヨーヨーをその靴の裏に嵌め込むと、

 
 そのまま思いっきりケイの体をたぐりよせる。

 
 靴の裏から火花を散らしながら、楽しそうに床を滑るケイ。

 ……普通に走ったほうが早いような気もするのだが、それを見て学生刑事たちが唖然としているので、相手の動きを鈍らせると言う効果はあっただろう。

 ちなみにメイキングでは、ローラースケートをつけた田山さんの滑りがなかなかうまく行かず、何度もNGを出す様子が収録されている。

 唯、今度は男の子二人をまとめて縛って同じように店の出口まで滑らせると、

 唯「お前ら、逃げない!」
 男の子「えっ、逃げちゃ駄目なの?」

 ……と言う誤解を招くことがあるから、地方出のスケバン刑事はまず標準語を習うことから始めましょう。

 嘘である。2019年二発目の嘘である。

 正解は、

 唯「お前ら、逃げない!」
 男の子「すっげえ」
 ケイ「気に入った」
 男の子「かっけえーっ」

 三人は店の外へ飛び出すと、店の前にいた京助のバンに乗ってまんまと逃げおおせる。

 
 大堂「スケバン刑事様が、隊則違反とはな」(註1)
 唯「何が隊則違反じゃ、このヨーヨーは、この代紋は、学生たちを守る為のものやった筈じゃ。それをあげな暴力の武器に使うとは!」

 唯はヨーヨーの蓋を開けて、「桜の代紋」を見せ付けると、「お前ら許さんわい!」と、その場で一戦交えることも辞さない顔になる。

 しかし、他のメンバーとは経歴の異なる唯は、仲間から「スケバン刑事」と呼ばれているらしいが、スケバンと言ってる時点で、学生刑事たちの取締りの対象になるのではないだろうか?

 不良が風紀委員をやってるようなもので、かなり変である。

 (註1……本当は「隊則違反なんだ、スケバン刑事様がな」みたいなことを言ってるのだが、良く聞き取れず、なんと言っているのかはっきり分からないので、あえて分かりやすく台詞を変えてみた)

 
 瞳子「唯! そのヨーヨーを私たちにふるえば、その時からあんたは反逆者よ。それこそ桜の代紋を汚す行為だわ」
 唯「……」

 が、瞳子に鋭く指摘されると、急に戦意をなくしたように考え込んでしまう。

 くどいようだが、唯は難しいことを考えると頭がハングアップしてしまうのである!

 ちなみに、瞳子の左にいる女性の学生刑事、今回はじめて気付いたのだが、同時期に放送されていた「少女コマンドーIZUMI」終盤に出てきた、三人目のバイオフィードバック戦士を演じていた安田仁子さんですね。

 
 唯「わからん、わからんようなった」

 唯、プロテクターを外しヨーヨーと共にステージに置くと、

 唯「この街は、わちの住む場所じゃなくなったようじゃ」

 そう言って店を出て行き、それっきり学生刑事も辞めてしまう。

 次のシーンでは、唯が豊かな自然に囲まれた都井岬の牧場で、馬に乗って楽しそうに疾走している姿が映し出されると共に、唯が姉たちにあてた手紙の文面が読み上げられている。

 唯の声「姉ちゃんたち、姉ちゃんたちもいっぺん九州へ来てみるとええ、ここはサイコーじゃあ!」

 唯の手紙によると、唯はその牧場で働きながら学校に通っている……らしい。

 唯の声「学校が休みになったらぜひ来てみたらええ、馬に乗っけてやるかいね、ね、絶対きちくり!」

 
 手紙は、そんな暢気な言葉で結ばれていた。

 結花「唯の奴……」
 由真「牧場ねえ。馬ね、趣味じゃないんだけどなぁ」

 それを学校の屋上で読んでいる二人。

 どうでもいいけど、あんたらそろそろ卒業なのに、そんなに暢気にしてていいのか?

 ひょっとして、二人ともまた留年になってたりして。

 あと、手前に駆けてくるエキストラの女の子の足が細くて綺麗だと思いました。

 
 結花「やっぱりあの子には都会の暮らしは向いてなかったのねえ」
 由真「仕方ない、行ってやろうか」
 結花「こいつー、ほんとは唯に会いたくてたまんないくせに」
 由真「そんなんじゃねえよ」

 二人はほんとに九州に行くつもりになっていた。

 しかし、唯、なんで東京にいる間に、学生刑事のことについて姉たちに相談しかなかったのだろう? 相談したのかもしれないが、そういう雰囲気は、二人の様子を見る限り、まったく感じられない。

 あと、クマやゴロウたちも、ワンシーンで良いから映画に出してやりたかった。

 ついでに、翔の林美穂さんや、ミヨズの屋敷かおりさんたちも、カメオ出演させて欲しかった。

 だが、二人の九州行きはしばらくお預けとなる。

 
 ある夜、青少年治安局に忍び込んだ依田が、パソコンを操作して、なにやら機密の情報を発見する。

 依田「これは……うっ!」

 だが、その直後、背後から銃で撃たれ、苦痛に顔を歪ませる依田。

 部屋には監視カメラがあって、依田の動きは丸見えになっていたのだ。

 
 蔵人「ふふふ、犬め」
 依田「ワンワンワン!」
 蔵人「なんだ、迷い犬か」
 依田「そうなんだワン! だから怪しいものじゃないんだワン!」

 プライドをかなぐり捨てて窮地を脱しようとする依田であったが、嘘である。

 それはそれとして、監視カメラにも、蔵人たちの気配にも気付かず、背中から撃たれるとは風魔鬼組の般若にしては、あまりに迂闊でダサかったが、さっきも言ったように、劇場版ではあくまで依田は暗闇指令のエージェントに過ぎないのである。

 
 だから、反撃方法も、手裏剣などではなく、若干、若林っぽい顔になりながらの銃による反撃となる。

 照明を撃ち砕いて逃げようとする依田だったが、すかさず瞳子の投げた凶悪なヨーヨーが背中に突き刺さる。

 その後、風間家に依田から電話がかかってくる。

 それを受けた結花が「依田さん」と他人行儀な呼び方をしているのも、やや違和感がある。

 仮に依田が教師を辞めていたとしても、普通は「依田先生」と呼ぶところだが、あるいは、依田が教師をしていたという設定自体、「なかったこと」にされているのかもしれない。

 結花と由真は急いで依田の使った電話ボックスまでやってくる。依田は、ボックスの近くの、橋の袂に身を潜めていた。

 橋の上を、瞳子たちのジープが通り過ぎるのを待ってから、

 
 結花「何があったの?」
 依田「久しぶりだな……ぐほっ、ぐほっ」
 結花「口を利かないほうが良いわ」
 依田「引退した、お前たちを巻き添えにはしたくなかった。だが、どうしてもこれを……うぷっ」

 依田はフロッピーディスクを取り出し、暗闇指令に渡してくれと頼む。

 
 結花「分かった、安心して」
 依田「結花、由真、幸せに暮らしているのか」
 由真「あたりまえだろ」
 依田「唯は?」
 結花「九州の牧場から手紙が来たばっかり、楽しくやってるって」
 依田「そうか、唯には、悪いことをした。学生刑事のメンバーに……」

 依田、そこまで言うと、あっさり息を引き取る。

 果心居士にボコボコにされながらしぶとく生きていた男にしては、あまりにあっけない死に様であった。

 由真「依田? 嘘だろ。依田、目を開けろよぉ!」
 結花「……」

 依田の体を抱きしめて、泣き叫ぶ由真。

 しかし、テレビ版の終盤では、逆に依田が二人の死を看取ってるんだよね。ま、後に生きていたと分かるのだが、同じ作品で、互いが互いの死に立ち会うという、物理的にありえない状況が成立してしまったことになる。

 ま、萩原さんのスケジュールの都合もあったのだろうが、この依田の扱いは、テレビ版を見てきたファンにはかなりショックで、なおかつ納得の行かないものだったのではないだろうか。

 それはさておき、蔵人は、電光石火の行動で暗闇指令のオフィスに乗り込み、国家反逆罪の廉で暗闇指令の職権を剥奪し、学生刑事たちにその身柄を青少年治安局に連行させる。

 
 蔵人「待て、瞳子!」

 瞳子たちが大堂たちに続いて暗闇指令のオフィスから出て行こうとするのを、蔵人が鋭く呼び止める。

 この左側の女性、一応みどりと言う名前なのだが、演じているのは植松里香さん。

 なかなか綺麗なのだが、台詞はおろか、アップすらろくにないと言う悲しい扱いを受けている。

 
 蔵人、眼鏡を外すと物凄い目つきになって、瞳子を睨み据え、

 
 蔵人「いよいよお前に、いや、お前たちに、本当の指令を下すときが来たようだ」
 瞳子「……」

 言いながらカメラの前に立つと、眼鏡を思いっきり握り潰す。

 蔵人「……その前に、メガネスーパーに行ってきてくれ」
 瞳子「うるせえ」

 一方、都井岬の唯に東京から電話がかかってくる。

 
 唯「あーっ、やっぱし、結花姉ちゃん!」

 結花の声を聞いて、たちまち唯は満面の笑みになるが、

 
 唯「なんてや、依田さんが?」

 依田の奇禍を知らされて、たちまちその笑顔が凍りつく。

 
 結花「それだけじゃないの。依田さんのことで、暗闇指令に電話したら……」

 自宅から電話している結花のそばには由真がいて、白布をかけられた依田の遺体に寄り添っている。

 ……って、依田の遺体をお持ち帰りしちゃったの?

 ま、普通の死に方じゃないから、病院に運ぶとあれこれうるさいので、とりあえず自宅に置いていると言うことなのだろう。

 唯「暗闇機関が活動停止? どういうことなんじゃ、暗闇さんは?」
 結花「わからない、ただ、なにかとんでもないことが進行していることは確かよ」

 翌日、唯は鹿児島空港から東京へ向かって飛び立つ。

 
 唯「結花姉ちゃーん、由真姉ちゃーん!」

 待ち合わせ場所の、芝浦の桟橋を走っている唯。

 頭上を、「IZUMI」でお馴染みのモノレールが通り過ぎていく。

 唯の声を聞いて、係留してあった船の中から二人が出てくる。

 
 唯「どんげしたんじゃ、こんげなところで」
 結花「家が家捜しされてたの、私たち、マークされてるわ」

 三人はとりあえず運河沿いのおしゃれなカフェに落ち着く。

 
 唯「やっぱり九州はええわ。空気はうまいし、からーっとあったかいし……」

 何を思ったか、一方的に、牧場の暮らしの素晴らしさを目をキラキラさせながら語り出す唯。

 ちなみにこのカフェは、「IZUMI」のエンディングで、いづみが座っていたのと同じ店かなぁ?

 唯「そこではお互いを疑いおうたり、自分で自分のしとることが信じられんようなったりは絶対せん」
 由真「さっきからナニ喋ってんだよ!」

 たまりかねて由真が突っ込みを入れるが、結花が無言で由真を制する。

 唯「……それがこの東京では違う。人はみな、言うこととすることが違う。自分が正しいと信じて始めたことでも。ある時気が付いたら、足元から全部ひっくりかえっとる。訳が分からん!」

 話しているうちに、唯の声がだんだん湿っぽくなってきて、遂には涙声に変わる。

 唯「暗闇さんは、最初からわちに青少年治安局を探らせようとしたんじゃ。そうとも知らんでわちは……訳が分からんからって、目を背けたらいかんかったんじゃ、わちはスケバン刑事失格じゃ!」

 俯き、すすり泣きながら、自分の軽率な行動を悔やむ唯。

 ふと人の気配に気付いて顔を上げると、いつの間にか、そこに瞳子が立っていた。

 
 瞳子「フロッピーディスクをこっちへ返して頂戴。依田から預かってるでしょ?」

 単刀直入に用件を切り出す瞳子。

 無論、命懸けで依田から託されたものを「ハイそうですか」と渡せる筈もなく、結花は敵意もあらわに拒絶する。

 唯「瞳子さん、ほんとに青少年治安局のやってることを正しいと思うんか?」
 瞳子「もう一度だけ言うわ、フロッピーをこっちへ」
 唯「答えちくり」

 唯、瞳子の中にも、良心のかけらが残っているのではないかと望みをかけて真剣な顔で問いかけるが、

 瞳子「これ以上は無駄のようね」

 完全に蔵人にマインドコントロールされている瞳子は、それに返答すらせず、戦闘マシーンのようにブレード付きヨーヨーを構え、唯と同じように蓋を開けて「桜の代紋」をかざすと、

 瞳子「人呼んで学生刑事、反逆者風間三姉妹、お前たちを粛清する!」
 唯「先輩らが守り続けてきた桜の代紋の誇り、お前なんかにそんげな使い方されたらたまらんわい!」

 唯が吼えるように叫んだ瞬間、

 
 背後から、フックのついたロープが飛んできて三人の首に巻きつき、

 
 そのまま空中へ引っ張り出され、

 
 運河に叩きつけられるように落下する。

 無論、これは女優ではなく、セーラー服を着たおっさんが演じているのだ。

 ロープの先には学生刑事たちの乗るボートが浮かんでおり、ボートは三人を引っ張りながら猛スピードで走り出す。

 
 ボートは一気に東京湾へ出るが、ロングではこのように白い飛沫が発生しているのに、

 
 三人の顔がアップになると、急に水面が穏やかになるのはちょっと失敗。

 由真も、なんか笑ってるみたいだし……。

 唯は途中で姉たちと別れ別れになり、ボートの上に飛び上がって学生刑事たちと戦うが、ヨーヨーもない唯には彼らを倒すことは出来ず、結局また海に飛び込んで逃れるのが精一杯だった。

 ちなみに、ボートに上がった途端、セーラー服が一瞬で乾いているのもNGである。

 もっとも、濡れたままではアクション出来ないからね

 なんとか陸に上がった唯の前に現れたのが、あの三人の子供だった。

 唯は彼らに案内して貰い、無事、学生刑事たちの包囲網を抜け出るのだった。

 後編に続く。
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コメント

劇場版レビュー更新お疲れ様です。

劇場版のレビューお疲れ様です。
以前、劇場版のレビューが残っているとありましたが、私はてっきり”あやや”版の劇場版かと思ってました。
この”風間三姉妹の逆襲”の劇場版は既に管理人様がずっと前(「3」のレビュー化前)にレビュー化されておられ、私も前に拝読させていただきました。が、「3」が完結した後に修正されると、管理人様の数年かけてレビューを続けた「3」への思い入れが劇場版からの内容から伝わりますね。とくに「はにゃあ~」の。不謹慎ながら、このはにゃあ~の唯のドラマ上の般若の死への最後のセリフを管理人様が文字に表したのが面白く、今でも頭に残っていました(笑)

でも、劇場版では、唯とはにゃあ~は顔を合わせることなくあっさり殉職してしまうとは物足りないですね。

以前より、画像も多く内容も濃い仕上がりになってますね。これが管理人様の加筆、恐れ入りました。
>原作や「2」に近い雰囲気となっている。
すべてを物語っていますね。「3」は人間レベルからかけ離れてましたから。

> 果心居士にボコボコにされながらしぶとく生きていた男(この解説は以前ありませんでしたね)
もちろん最初は爆笑させていただきました。が、このボコボコは、一言で簡単に表す言葉ではなく、思い返せば、はにゃあ~は、確かに果心居士前から、姉の仇の新任女教師に殺されそうになるわ、30話でも、オトヒの帯で苦しめられ、ミヨズの口からふく針にもやられ、魔幻の森でも翔の超能力にやられても、それでも生き、そして果心居士の洪水からも生還。安全地帯にいる姉妹を除いて、あの洪水からの生存者は僅か2名(帯庵殿とはにゃ)。とんでもない生命力。さらに、最終話でも、山頂での影の戦士の不意打ちを食らって瀕死状態になりながらも、果心居士に刺し違えるかの如く、腹部を刺したがいいが、効果はなく、悉く、果心居士の強力な電子的な能力によって返り打ちにされ、とうとう死んだかと思えば、なんと生きていたという。

それが、瞳子のとげとげヨーヨーであっさりと殉職してしまうとは。よほど当りどころがわるかったのか。

いつも思っていたことですが、
>「光戦隊マスクマン」22話・23話の中で紹介したことのある、伝説の美少女・田山真美子さんなのである!
>「少女コマンドーIZUMI」終盤に出てきた、三人目のバイオフィードバック戦士を演じていた安田仁子さんですね。
などなど、登場人物がドラマに交差する人物をよく調べておられる。(しつこいようですが、シャイダーの林美穂さんもあんな小さい頃まで。私にとってはありがたい情報でした。)
ドラマの喫茶店もIZUMIと同じ場所?、モノレールも(笑)

そういえば、いまさらながら、トリヴィトヤーにまつわる仏教用語もよく調べておられるなぁと思い出しました。

と、三姉妹が合流したあとが気になりましたので、後編にいきましょう。



長編レビューお疲れ様です

なんか、この作品だけ(漫画原作が開始した)「1970年代風」な感じですね。
最後で「原点回帰」でしょうか?

悪のヒロイン・瞳子は大変魅力的ですね。
藤代美奈子さんはまったく知りませんでした(^-^;

導入部はいささか冗長な気がします。
ここはもう「ほぼ計画が完了しかかっている」でも良いのでは?

Re: 劇場版レビュー更新お疲れ様です。

> 劇場版のレビューお疲れ様です。

こちらこそ、長ったらしいレビューを読んで頂いて感謝です。

> 以前、劇場版のレビューが残っているとありましたが、私はてっきり”あやや”版の劇場版かと思ってました。

それはちょっと勘弁してください(笑)

> この”風間三姉妹の逆襲”の劇場版は既に管理人様がずっと前(「3」のレビュー化前)にレビュー化されておられ、私も前に拝読させていただきました。が、「3」が完結した後に修正されると、管理人様の数年かけてレビューを続けた「3」への思い入れが劇場版からの内容から伝わりますね。

ありがとうございます。昔のレビューはほんと手抜きのお恥ずかしい内容で、読み返す気にもなりません。


>とくに「はにゃあ~」の。不謹慎ながら、このはにゃあ~の唯のドラマ上の般若の死への最後のセリフを管理人様が文字に表したのが面白く、今でも頭に残っていました(笑)

そんなに受けていたとは意外でした。

> 以前より、画像も多く内容も濃い仕上がりになってますね。これが管理人様の加筆、恐れ入りました。

加筆と言うより、一から書き直しですね。キャプも全部やり直しました。

> 思い返せば、はにゃあ~は、確かに果心居士前から、姉の仇の新任女教師に殺されそうになるわ、30話でも、オトヒの帯で苦しめられ、ミヨズの口からふく針にもやられ、魔幻の森でも翔の超能力にやられても、それでも生き、そして果心居士の洪水からも生還。安全地帯にいる姉妹を除いて、あの洪水からの生存者は僅か2名(帯庵殿とはにゃ)。とんでもない生命力。さらに、最終話でも、山頂での影の戦士の不意打ちを食らって瀕死状態になりながらも、果心居士に刺し違えるかの如く、腹部を刺したがいいが、効果はなく、悉く、果心居士の強力な電子的な能力によって返り打ちにされ、とうとう死んだかと思えば、なんと生きていたという。

詳しい解説ありがとうございます。そう言えばその前にもかなりひどい目に遭ってましたね。

ま、般若とは別人だと思えば、あれで死んでも不思議ではないかも。

Re: 長編レビューお疲れ様です

こちらこそ長ったらしいレビューをお読みいただき、かたじけない。

> 悪のヒロイン・瞳子は大変魅力的ですね。

良いですよね~。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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