第17話「家元争いを毒花で飾る夫人と女秘書」(1983年12月2日)
マリーナに停泊中のボートの上で、ひとりの男性が二人のワルモノに無理矢理酒を飲まされて海へ突き落とされるアバンの後、赤坂の迎賓館の前でいつものゴニョゴニョをしているチャンプと園山の迷コンビ。
園山、周りには誰もいないというのに、人目を避けるためか、門衛の詰め所のようなところへ移動して、今回の仕事のファイルを見せる。
それは、アバンで描かれた殺人事件の切抜きであり、被害者は、更級流と言う華道の家元の一人息子であった。

チャンプ「ああ、この事件でっか、警察では事故死と断定しとるが、これはあくまでも、更科流の後継者争いに絡んだ殺し屋やないかと?」
園山「GODもそう睨んでおられる」
チャンプ、報酬が諸経費込みで500万だと聞くと、例によってゴネ始める。今度から、調査費などの必要経費は別途出して欲しいというのだ。
チャンプ「わしらハングマンのキャッチフレーズは、トルコ嬢より高い収入を得ようっちゅうやったけど、どうもこの頃看板倒れになってしもうて……」
園山「甘えて貰っちゃ困るな」
どうしようもないドスケベで、風俗大好きのチャンプらしい台詞が飛び出すが、「トルコ嬢」の部分は音声が消されている。
一時期、チャンプの風俗接待に骨抜きにされてホイホイ札束を上乗せしてくれていた園山だったが、最近はまた、融通の利かない頑固オヤジに立ち返ったようで、しつこくおねだりするチャンプをすげなく袖にしてさっさと帰って行くのだった。
その後、いつものようにチャンプがスライドを使って事件の概要を仲間に説明する。

チャンプ「更科進一26才、次期更科流家元の後継者と目されていた男だ」
ET「確か家元と先妻の間に出来た一人息子だったな」
チャンプ「そのとおり、家元の更科直道は3ヶ月前から病気療養中だ」
その直道、実は末期がんに侵されていて、あと半年持つかどうかと言う状態らしい。
マリア「次の家元は誰がなる訳?」
チャンプ「それそれ、目下のところ、本命視されてるのは先妻が病死して間もなく、家元の後添えに入ったこの女、更科弥生だ。一流女子大出の才媛で、最近じゃベストセラーまで書いとる」
マリア「あ、あれでしょ、夫を成功させる妻の条件って本」
ET「ベストセラーと言っても、更科流の会員に強制的に買わせてるからって噂だな」
おまけに、実際に執筆したのはゴーストライターらしい。
チャンプはそのゴーストライター、陣内誠の写真もスライドに出すが、その顔を見たETたちは、こいつこそ事件の黒幕に違いないと確信する。
何故なら、
演じているのが、西田健さんだったからである! チャンプ「全学連の闘士からトップ屋に転向し、5年前、更級流の事務局長におさまった男だ。この男が後ろから糸を引いて更科弥生を操ってるっちゅう話や。問題はこの陣内誠が、あの大北省吾の息がかかってるちゅう点や」
全学連かぁ……。
まあ、言うても35年前のドラマだからねえ。

ET「保守党の次代を担うニューリーダーの一人と言われている、あの大北か」
チャンプ「陣内誠が、次期家元に後妻の弥生を担ぎ上げようとしとるのは、どうもこの大北省吾の差し金らしいんだ」
マリア「大北にどんな得があるのかしら?」
ヌンチャク「政治家と生花の家元じゃ、まるで畑違いじゃないすか」
若い二人の素朴な質問に、ETが、150万人もの会員を抱え、海外支部も持つ更科流は、総裁の椅子を狙っている大北にとって願ってもない資金源になると明快に解説する。
マリア「弥生を家元に担ぎ上げて、ダミーにするつもりなのね」
チャンプ「そういうこっちゃ、このおばはん、なんも知らんとマスコミに乗せられてチャラチャラ浮かれとる訳や」
哀れむような視線を、スライドの中で得意気に微笑む弥生に注ぐチャンプ。
やがて、その弥生が海外出張から戻ってくる。

弥生「進一さんのことはロスで聞きましたのよ。すぐにも帰国したかったのですけど、海外支部の行事が残っていましたので……まだお若いのにほんとにお気の毒なことを……」
更科流の会館のロビーで、マスコミに取り囲まれて取材を受ける弥生。
演じるのは、時代劇ではだいたい不幸な目に遭うことの多い今出川西紀さん。
ハンカチを目に当てて、白々しく進一の死を悼んでみせる弥生に、記者たちは家元の後継者争いについても尋ねるが、ボディーガードのようにぴたりと弥生に寄り添っている陣内が、これから家元に報告に行くからと強引に打ち切ってしまう。
会館の外に、弥生の専用車が停まっていたが、そこへ、タイガースの帽子を被ったチャンプが、タクシーと間違えたふりをして堂々と後部座席に乗り込んでくる。

チャンプ「おっさん、頼むで、吉原やってくれ、吉原、吉原で一番豪華なトルコ紹介してくれ。阿波踊りやりながら六甲おろし歌たる」
またトルコかよ……。

運転手「……」
あまりのことに口を開けたまま、わなないている運転手のおじさん。
チャンプ「えっ、なんや、これ、タクシーちゃうんかい、そうかいな、おっさん、えらい悪いこっちゃな、ほんまに」
チャンプ、シートに盗聴器を取り付けると、適当なことを言ってさっさと引き揚げる。
その後、なおもダニのように喰らいつくマスコミを引き連れて、弥生と陣内が会館から出てくる。
二人は車に乗り込むが、陣内が自分でハンドルを握り、運転手はその場で頭を下げて見送るのだった。
チャンプとETの乗った車が、すぐその後を尾行する。

弥生の声「あの子もバカよねえ、よりによって、酔っ払って海に落ちるなんて……でも、これで邪魔者が消えてくれた訳よね」
前を行く車の中の会話が、そっくりそのまま聞こえてくる。
あっさり馬脚を現し、さっきの涙が見せかけに過ぎないことを示す弥生の第一声。
もっとも、あの場にいたもので、弥生が本気で進一の死を悲しんでいると思った人間は皆無だったろう。
弥生の声「さっさとくたばっちゃってくれればいいのに、でもあの人、意外にしぶといから、半年以上持つかもしれないわね。いっそ安楽死させればいいのよ」
無論、直道の貞淑な妻と言うのも仮面に過ぎず、鬼のようなことをいけしゃあしゃあと言ってのける。
ET「呆れたもんだ」
チャンプ「夫を早死にさせる妻の条件っちゅうほうがピッタリの女やな」
これには海千山千のチャンプたちも、いささかげんなりする。
だが、彼らのやりとりを聞く限り、弥生は進一が事故死だと本気で信じているようで、少なくとも弥生と陣内が共謀して進一を殺した訳ではないようだ。
さて、直道が病室で、献身的な秘書・村上房子に食事を食べさせて貰っていると、弥生と陣内がノックもせずにずかずかと入ってくる。

房子「お家元はただいまお食事中ですので、面会はその後にしていただきます」
弥生「あなた、誰に向かって物を言ってるの?」
房子「きちんとお食事を取るようにと先生から厳重に言われておりますので……」
直道「いや、構わんよ、村上君、どうせ長居はしないだろう」
房子、物怖じせず、切り口上で弥生たちを追い払おうとするが、直道が割って入る。
房子を演じるのは、三浦真弓さん。
弥生「ええ、すぐに失礼します、あなたのお体に障るといけませんから」
直道「用件は?」
弥生「海外支部の視察を終えてさきほど戻りましたので、そのご報告に……」
直道「ふんっ、視察といえば聞こえは良いが、お前のことだ、夜な夜な乱痴気パーティーでも開いてハメを外していたんだろう?」
直道が見透かしたように指摘するが、弥生は否定しようともせず、

弥生「相変わらずお口だけは達者なこと」
直道「ふっ、私の人生で最大の過ちはお前と結婚したことだ」
弥生「何度も申し上げましたように、決して離婚はいたしませんわよ、私の人生であなたの妻となったことが最高の幸せなんですから! おっほほほっ」
直道「お前と言う女は!」
死期の迫った夫の前で、自分が金の亡者であることを隠そうともせず、ケタケタ笑ってみせる弥生。
その性格を知悉している直道も、思わず激昂して咳き込む。
それでも、弥生を更科流の後継者にするつもりはないときっぱり宣言するのだった。
しかし、遺産はともかく、家元の地位は黙っていても転がり込むわけじゃないから、むしろ、弥生は、直道のことを気遣って、多少は気に入られるような演技をするのが普通じゃないだろうか?
ま、生地はとっくにバレているので、いまさら取り繕ったところで無駄だと思っているのかもしれないが。

秘書「はい、大北事務所でございます。陣内様、先生がロイヤルサウナでお待ちになっておいでです」
大北の事務所で、陣内からの電話を受ける女性秘書。
ちょっと分かりにくいが、これ、管理人の好きな日高久美子さんなのだ。
でも、せっかく彼女を起用しながら、出番がこれだけで、顔のアップすらないというのはあんまりでごぜえますだ、お代官様!(誰だよ)
どうせなら、次のシーンのロイヤルサウナの従業員をやって欲しかった。
と言うのも、そのサウナは、
何の必然性もなくビキニの水着を着た若い女性がマッサージサービスをしてくれる、ドスケベ野郎御用達のお店だったからである! ま、日高さんってヌードどころか、水着姿もNGだったみたいなので、最初から無理な望みであったが、おのおのがた、ご安心めされい!(誰だよ)
その大北についている女性こそ、我らがマリアだったのである! 大北「見かけん顔だな」
マリア「今日が仕事始めなんです」
大北「ふぅーん、なかなか良い体しとるな」
自衛隊の勧誘員みたいなことを言いながら、左手を伸ばしてマリアのフトモモからお尻を撫で上げる大北。
マリア「困ります」
マリアがやんわりと払いのけるが、大北はなおもおさわりを続ける。

マリア「……」
大北「ふっふふっ」
マリア、殺意を込めた目でセクハラ大王・大北を睨み付ける。
ま、マリアはあくまでハングマンとして潜入しているだけなのだから、セクハラされて怒るのはもっともだが、そもそも、こんなエッチな水着着てマッサージしておきながら、セクハラされて怒るというのもアレなんだけどね。
念のため、管理人は、世にはびこるセクハラを容認するつもりはありません。
……って、毎回のように記事の中でセクハラしまくってる私が言っても説得力ないか。

その後、サウナルームで陣内と密談を交わす大北。
大北「早急に10億ほど必要なんだけどな」
陣内「10億ですか……」
大北「将来の総裁選出馬に備えて駒を集めなきゃならん」
陣内「10億ともなると家元の決断が要りますからねえ」
10億と聞いて、さすがの陣内も渋い顔になる。
大北「要するに弥生を一日も早く家元にすれば良い訳だ。どうせ半年しか持たん命だ、早く楽にさせてやることが本人の為だ」
政治家にあるまじきことを言いだす大北。
……と思ったが、日本の政治家の多くは、自分の金と地位のことしか頭にないのだから、政治家にふさわしい発言と言うべきか。
だが、彼らの会話はサウナレディに扮したマリアによってすべて盗聴されていた。

チャンプ「そうか、奴ら家元を消しにかかる気やな。殺しの方法は?」
マリア「そこまでは分からないけど、早く手を打たないと」
チャンプ「とにかくヌンチャクを病院の方へ回らせる。それよりマリア、おまはんの声は電話できいとるとセクシーやで~。いっぺん、テレフォンセックスせえへんか?」
マリア「真面目にやりなさい!」
マリアから報告を受けたチャンプ、例によって剛速球のセクハラをぶちかます。
お前は、セクハラしないと死ぬんか?
翌日、ヌンチャクが直道の入院している病院にエレベーターの修理工に化けてやってくる。
ちょうど、秘書の房子が「果物を買いに行く」と看護婦に言って出て行くところだった。
だが、別の階のエレベーターの修理に行かされている間に、二人組の男が直道の病室に忍び込んで点滴に細工をして殺そうとする事件が起きる。
ヌンチャクが異変に気付いて病室のあるフロアに戻ると、買い物に出た筈の房子が、廊下で半狂乱になって騒いでいた。
房子「誰か来てーっ! 大変っ!」
すぐに医者と看護婦が駆けつけたのは言うまでもない。

房子「先生、お願いします、助けてください! お家元を助けてください」
医者「大丈夫、助かります」
房子「お家元ぉ……」
医者の頼もしげな言葉に、心から安堵の色を浮かべる房子。
廊下からその様子を観察するヌンチャクの目には、芯から直道のことを気遣っているようにしか見えなかった。
だが、

ET「ちょっと気になるな」
ヌンチャク「何がですか」
ET「その秘書は果物を買いに行くといって病院を出た筈だな? ところが何も買わずに慌てて戻ってきた。まるで家元が殺されかけるのを知っているかのような……」
ヌンチャクから報告を受けたETは、即座に房子に疑惑の目を向ける。
チャンプ「ほな、その女、反家元派と通じてるちゅうのか」
ET「あるいはな」
マリア、コンピューターを操作して、房子のデータを改めて出してみるが、それを見た限りでは特に不審な点は見られない。

チャンプ「ほれ見てみい、考え過ぎやぞ、そら」
ET「そうかな?」
マリア「単なる偶然じゃない?」
チャンプ「彼女が反家元派やったらな、なんで家元を助けたりする?」
ET「そりゃそうだが……」
仲間から否定されるが、なおも疑惑を捨て切れない様子のETであった。
その後、再びサウナルームで談合する大北と陣内。無論、マリアによってすべて盗聴されていた。
ま、冷静に考えたら、そんな重大な話をいちいちこんなオープンな場所でするのはおかしいんだけどね。
彼らの会話で、家元を殺そうとしたのはやはり陣内の差し金だということが分かる。
大北は、あまり何度もやると警察が動き出すからと、暗殺計画は断念する。

陣内、10億の現金は近々用意できると言うが、ひとつ条件をつける。
陣内「先生には借用書を書いて頂けなければなりません」
大北「借用書?」
陣内「それを担保に先生に10億円融資するという形なら家元も承諾するでしょう」
嘘でも借金するのはイヤだと、陣内の案に難色を示す大北だったが、返済期限の来る頃には家元は死んで、弥生が後を継いでいる筈だから、帳簿の上でいくらでも誤魔化せると説かれ、結局承諾する。
大北「金は返さなくてもいい訳か、つまり、闇献金と同じようなものだ」
陣内「先生にはご迷惑は一切おかけいたしません」
一方、ETは独自に房子のことを調べるべく、まず、病院の物干し置き場で甲斐甲斐しく働いている房子に直撃インタビューを敢行する。
ET「食事の世話から下の世話、そして洗濯、家元に対するあなたの献身は並みの秘書にはとても真似できないな」
房子「どなたですか?」
ET「あ、失礼、私はこういうものですが」
ET、いつものフリーライターの名刺を示して、

ET「昨日の事故のことについてお聞きしたいんですがね。本当に単なる偶発事故だとお考えですか」
房子「事故じゃないと仰るんですか?」
ET「臭うんですよ、後継者争いに絡んで誰かが家元を殺害しようとしたんじゃないかって」
房子「私はお家元の体が心配で、そんなことまで頭が回りませんわ」
と、そこへ陣内がやってくる。
陣内「村上君、家元にお会いしたいんだがね」
房子「どんなご用件でしょうか」
陣内「用件は直接会って申し上げる」

陣内は、早くも大北から取った借用書を病床の直道に見せて、10億円融資の許可を得ようとするが、直道は借用書を叩きつけて猛反対する。
陣内、次期総裁候補の大北に貸しを作っておくのは更科流にとって決して損にはならないと説くが、
直道「君の腹は読めているよ、君が大北代議士氏と繋がってるのは先刻承知だ。大北代議士の力を借りて弥生を家元に担ぎ上げ、更科流を思いのままにしようとたくらんでいることもな」
陣内「家元、それは誤解でございます。私はただ更科流のためを考えて……」
結局、直道はけんもほろろに陣内を追い返す。
正面からそんなことを頼んでも、直道がおいそれと承知する筈がなく、陣内の行動は一見不可解であったが……。

房子「あのお家元、差し出がましいようですが、奥様に連帯保証人になって頂く条件でお金をお出しになったらいかがでしょうか」
直道「弥生に?」
陣内が帰った直後、房子が急にそんなことを言い出す。
房子「はい、まあ、期限が来てもどうせうやむやに出来るとお考えなんでしょうけど、奥様が連帯保証人となると話は別です。そんないい加減な借用書の保証人なさるような方が、更科流のお家元になるということは全国の会員が賛成する筈ありません」
直道「うーん、場合によっては弥生を更科流から追い出せるかも分からんな」
房子「その手切れ金だと思えば10億円は決して高い買い物ではないと思いますけれど」
房子に言われ、直道はあっさり条件付きで10億円を貸すことを容認する。
なにしろ、普段から肉親のように献身的に介護をし、それでいて何かねだるようなことは一度もなかった房子の言葉である。すっかり房子を信頼しきっている直道が、言いなりになったとしても不思議はない。
ま、150万も会員がいる巨大組織なのに、直道が他に相談できる相手がひとりもいないというのも変な話なんだけどね。
しかし、そのすぐ後、房子は人目のない地下道である人物と会っていた。

陣内「どうだった?」
房子「オッケイよ」
陣内「よく家元を説得できたな」
房子「当たり前よ、この日の為に献身的な秘書の役を演じ続けてきたんですもの……それより大北の方は大丈夫?」
陣内「ああ、闇献金だと頭から信じ込んでる」
房子「ふふふ、政治家なんて単純ね」
そう、ETが睨んだとおり、房子の献身的な秘書の顔は仮面に過ぎず、弥生と同じ金目当ての女狐に過ぎなかったのだ。
しかも、敵対していると思われていた陣内とグルだったと言うのはなかなか面白いどんでん返し。
……ま、これで、サブタイトルで最初からネタばらしされてなきゃ、もっと良かったのだが。

房子「あとは弥生を連帯保証人にすればすべて完了」
陣内「任しといてくれよ、あの女を騙すぐらい訳はない」
狡知に長けたコンビだったが、肝心のやりとりを、そんなところでしちゃったものだから、全部ETに聞かれてしまうと言うトホホなミスを犯してしまう。
それはさておき、陣内は家元の屋敷に戻ると、弥生に保証人のことを伝える。

弥生「私が保証人に? あの人、何を企んでるのかしら」
陣内「わかりません、しかし奥様が家元の座におつきになれば、この借用書は屑紙同然ですから何のご心配も要りません」
弥生は弥生で陣内の言いなりになっていたので、そう言われてあっさりハンコを押してしまう。
その様子を、庭に入り込んでいたヌンチャクが覗いていたが、あっさり陣内にばれてピストルを突きつけられ、あの二人組に連れて行かれてしまう。
今回と言うか、最近、ヌンチャクがやたらミスを連発してる気がする。
その後、ETの調査で、房子が陣内と共に学生運動に関わっていたことが判明する。

チャンプ「ほな、二人はその頃から繋がりがあったっちゅうわけか」
ET「ああ、陣内も村上房子もそれを隠して更科流に潜り込み、敵対関係を装っていたのさ」
チャンプ「家元もかみさんの弥生も二人にまんまと騙されとったわけや」
ET「代議士の大北も一杯喰わされてる口だな」
チャンプ「大北の借用書をどうする気かな?」
ET「恐らく金の二重取りだろう。直道に出させる10億円のほかに、借用書を市中の金融業者に流して金を手に入れるつもりだ。あわせて20億近くになる」
そう、陣内たちは大北に渡される10億円を、そのままネコババするつもりだったのだ。
さらに借用書まで金に替えてしまうつもりだろうと言うETの推測を聞かされて、その途方もない額にチャンプが目を丸くする。

チャンプ「20億? ごっついネコババやなぁ。なんやそんな話聞くと、ちまちまとハングマンやってんのがイヤになってくんな」
ET「はっはっはっ」
チャンプのぼやきにETも思わず苦笑する。
さて、ここまで来れば後は詳しく書くこともない。
ヌンチャク、あの二人組の事務所に連れて行かれ、激しい拷問を受けるが、ETによって救出される。
その後、いよいよハンギングとなる。
まず、例の二人組を捕まえてから、自分で10億円を運搬しようとしていた陣内、ついで、借用書をそのまま金融業者に持ち込もうとした房子をテキパキと捕まえる。
そして、事件の共犯者とも被害者とも言える大北と弥生にそれぞれ電話をして、渋谷の109まで来るよう指示する。

チャンプ「どや?」
マリア「弥生にも伝えたわ」
チャンプ「あのおばちゃん、今頃金切り声上げとるで」
こういうゆったりした服の上からでもはっきり分かるマリアの巨乳。
番組スタッフは、もっと彼女の潜在能力をドラマに活かすべきだった。

この後、某所に監禁された4人を大量の花で囲った上で、ダイナマイトで脅して力尽くで口を割らせ、

その一部始終をスピーカーとテレビで生中継して通行人に見せると言う、いつものパターンが繰り返される。
進一を殺したのも、あの二人組だったことは言うまでもない。
洗い浚い白状してヤケクソになった房子は、
「あの女、豚よ、皺だらけの顔におしろい塗りたくった最低のメス豚だわ!」 などと、いかにも元全学連らしい独創的な罵声を弥生に向けて放つのだった。
やがて、周りの人間も、弥生と大北のことに気付き、彼らを取り囲んでもみくちゃにして非難轟々となるのだった。

ラスト、パトカーが集まってくるのを潮に、珍しく4人揃ってその場を離れていくハングマン。
マリア「でもなんだか惜しいわね、この10億円」
ヌンチャク「1割、いや1パーセントでもいいから貰えるもんなら貰いたいっすよ」
陣内から取り返した10億円を前に、情けないことをぼやくヌンチャク。
チャンプ「こらこら待て、お前ら、なんちゅう浅ましいことを言う」
もっともらしく二人をたしなめるチャンプだったが、

ET「チャンプ!」
チャンプ「いややなぁ、これ、いつの間に紛れ込んだんやろなぁ?」
いつの間にか懐に入れていた分厚い札束をETに発見され、白々しいことを言いつつ車の中に戻す。

ET「みんなハンギングだ」
ヌンチャク「チャンプ!」
マリア「しょうがないわねえ!」
チャンプ「降参、降参……」
ヌンチャク「ああっ!」
みんなにとっちめられるチャンプだったが、そのポケットからさらに数枚の紙幣が出てくる……と言う、久しぶりにユーモラスなクロージングであった。
以上、なかなか捻りのあるストーリーではあったが、お楽しみシーンがマリアのビキニだけと言うのは寂し過ぎる。
それと、よくよく考えたら、家元の直道は、今度の一件で一人息子を殺され、妻は勿論、陣内にも房子にも裏切られた訳で、おまけに本人は余命半年……って、どんだけ不幸やねん! と言う感じで、ひたすら後味が悪いのもマイナス材料であった。
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