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「イナズマンF」 第11話「美しいサイボーグ!暁に分身す!!」

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 第11話「美しいサイボーグ!暁に分身す!!」(1974年6月25日)

 前回のラストからの続きで、合体ウデスパーがイナズマンをボコボコにしているのをモニターで見物しているガイゼル総統。

 だが、優勢の合体ウデスパーが急に苦しみ出す。

 ガイゼル「どうしたのだ?」
 科学者「動力回路が異常に加熱しています。このままでは自爆してしまいます」

 せっかく有利に戦いを進めていたのに、設計ミスからみすみす(シャレ)合体ウデスパーを引き揚げさせざるを得なくなるガイゼル。

 
 ガイゼル「大至急、合体ウデスパーの分離手術を開始しろ」
 科学者「……」

 前回くっつけたばかりのウデスパーを、また分離しろと言い出すガイゼル総統。

 8話→イナズマンに倒されたウデスパーの体から、二体のウデスパーを作り出す

 10話→二人のウデスパーをくっつけて合体ウデスパーにする

 11話→合体ウデスパーを分離してα、βに戻す

 
 時系列に沿ってチャートにしてみると、いったい何がやりたいんだガイゼル? と言う雄叫びが心の奥底からせり上がってくるようだ。

 そばで聞いていた科学者も、「分けろと言ったと思ったら、くっつけろ。くっつけたと思ったら分けろって……、お前はレゴの回し者か?」と、心の中で突っ込みを入れていたと言う。

 合体ウデスパーに続いて向こうへ行こうとした科学者だったが、

 
 ガイゼル「待て!」

 ガイゼルが鋭く呼び止める。

 
 科学者「ギクッ!」

 
 「やべえ、ひょっとして、心の中を読まれたか?」と、ドキドキしながら振り返る科学者。

 だが、ガイゼルは、

 
 ガイゼル「さては、お前、インド人だな?」
 科学者「ひええっ、何故それを? 社食でカレーばっかり注文してるから?」
 ガイゼル「いや、見れば分かるよ……」

 じゃなくて、

 ガイゼル「失敗の罪は重い」
 科学者「申し訳ございません。この失敗の原因を徹底的に突き止めて今度こそ……」

 科学者、平謝りに謝りつつ、ワンモアチャンスを願うが、

 ガイゼル「駄目だ。過失を犯したものは責任を取る!」

 いきなり手にした杖で科学者の首を薙ぎ払い、

 
 あわれ、科学者は文字通り、首と胴とが生き別れとなってしまう。

 しかし、どうせ処刑するのなら、分離手術および再合体手術を行わせてから処刑すべきだったのではないだろうか。

 もっとも、科学者の一人や二人いなくなっても層の厚いデスパー軍団は大して困らなかったようで、この後、無事にウデスパーは分離され、その後、改めて合体ウデスパーに改造されるんだけどね。

 そう、ガイゼルは、今回分離させたウデスパー兄弟を14話でまたくっつけちゃうのである。

 ほんとにもう、何がしたいんだか……。

 
 怪人「ガイゼル総統、ご覧ください、幻円盤はあとM96回路の作業を残すのみです。これさえ完成すればイナズマンなどひとたまりもありません」

 さすがにウデスパーをすぐ作戦に投入することは出来なかったが、かと言って、30分、ガイゼルがボケーッと座ってるだけでは番組にならないので、ガイゼルは既に別の作戦をスタンバっていた。

 女性型サイボーグ・サイレントデスパーの声は、ビジンダーの声でおなじみ、太地琴恵さん。

 その同じ太地さんがナレーションをつとめる、スキーウェアのファッションショーが開催されている。

 
 声「スキーウェアの革命児といわれる、ボウシンのスノー・ファッション、大胆な色彩とナウなデザイン、ポイントはボウシン独特のマジックラインで、体によくフィットし、しかも活動的、冒険好きなヤングに御満足頂けると思います」

 「ナウなヤング」って言い回し、ネタとしてはよく見聞きするが、ギャグじゃなくて実際に使われているのを見たのは初めてである。

 と、観客席へ、ひとりの若い女性が飛び込んでくるが、それを追ってすぐにデスパーの戦闘員たちが乱入してきて、場内は騒然となる。

 
 ひとかたまりになって震えている女性客たち。

 戦闘員「大橋あけみ、出て来い、隠れても無駄だ」

 その大橋あけみは、女性客たちの中に紛れて、いわば彼らを盾にしていたのだが、シャレの通じないデスパー軍団は容赦なくマシンガンを乱射して、無関係な女性たちを皆殺しにしてしまう。

 騒ぎを聞きつけた五郎と荒井は、直ちに会場へ駆けつけ、駐車場であけみを保護する。

 
 五郎「大丈夫か」
 あけみ「怖いっ」
 五郎「さあ、泣いていては分からない、いったい何が起こったんだ」

 
 五郎「何故君が狙われるんだ? 話してくれないか」

 あけみを演じるのは、「キカイダー01」に出ていた隅田和世さん。

 ま、美人と言えば美人だが、牧れいさんや今井美佐子さん、久万里由香さんなどと比べるとね……。

 あけみによると、

 
 雨の中、歩いて帰宅中、戦闘員に追われている中屋敷鉄也さんと鉢合わせし、その際、彼が落としたライターを拾ったのだが、その時以来、ずっと彼らに追われているのだと言う。

 ちなみに隅田さん、ロケットおっぱいの持ち主だと言うことが判明する。

 
 あけみ「これがその時のライターです」

 二人がそのライターを預かって調べると、中から、「XY307」と言う暗号めいた記号と数字が書かれた紙片が出てくる。

 
 荒井「XYとは確か……」
 五郎「知ってるんですか?」
 荒井「XYはデスパー軍団の緊急幹部会議」
 五郎「すると307は、会議の場所と時間」
 荒井「そうだ、確かデスパー3区は高尾台、07は午後の4時」
 五郎「……」

 荒井さん、いくらなんでも物知り過ぎ!

 ま、抜け目のないガイゼルのことだから、彼らを罠に仕掛ける為に、あえて事前に暗号に関する機密情報を流していたのかもしれないが。

 
 とにかく、二人はその場所へ行き、割りとあっさり幹部会議の開かれている部屋の前まで到達する。

 怪人の声「我々の新しい作戦にあたっての、対イナズマン作戦を説明する」

 優秀なデスパー軍団だが、セキュリティーの甘さはショッカーとどっこいどっこいで、幹部会議の会話が廊下にいる二人に丸聞こえであった。

 
 おまけに、何故かシャッターの横に、監獄の覗き窓のようなものがついていて、そこから中の様子まで見えると言う至れり尽くせりの仕様になっていた。

 サイレントデスパーが、トンガリ黒頭巾を被った三人の幹部を前に何やら説明している。

 怪人「イナズマン、最大の武器はゼーバーだ。しかし、我がデスパー科学陣は、あのイナズマンフラッシュに対抗しうるある光線を完成した。これがその試作品だ」

 何やらクイズ番組の回答ランプみたいなものを取り出して具体的なことを説明しようとするサイレントデスパーだったが、ここで漸く五郎たちの存在に気付く。

 
 戦いながら外へ出て、イナズマンに変身して円柱の上の屋根に着地するイナズマン。

 サイレンデスパー、巨大なマシンガンを右腕に持つ、遠距離攻撃型のサイボーグであったが、その分、接近戦には弱く、イナズマンに懐に入られて、その右腕を重点的に痛めつけられる。

 敵を撃退してからさっきの部屋に戻る二人だったが、

 
 荒井「おかしい……」

 案の定、すべては彼らをおびき寄せる為の罠で、彼らが入っても、トンガリ頭巾の幹部たちは微動だにしない。

 
 それもその筈、トンガリ頭巾の中身はマネキン人形で、しかも、真ん中のひとりは、ぐるぐる巻きにされたあけみだった。

 しかし、あけみ、駐車場で五郎たちと別れた後、敵に捕まったらしいが、五郎たちが、敵に狙われていると知りながらあけみをひとりにさせたのは、いささか軽率だったろう。

 なお、対イナズマンの試作品と言うのも、ただのフェイクだった。

 いや、フェイクどころか、時限爆弾だった。

 怪人の声「ご苦労だったな、イナズマン、暗号を解読したお前たちが来ると思って会議の場所を変えたのさ。その生意気な娘と一緒に死んで貰おう!」

 時限爆弾によってその建物は破壊されるが、イナズマンたちは逸早く逃げて無事だった。

 CM後、ひとまず病院に入院させたあけみを、五郎と荒井がガードしている。

 
 五郎「荒井さん、どう思いますか」
 荒井「うん、デスパーは合体ウデスパーの致命傷に気付いて慌てて回収した。そしてさらに次の手を打ってきた」
 五郎「デスパーは一体何をたくらんでるんだ?」

 今回はBパートになっても敵の目的が判然とせず、苛立ちを隠せない五郎。

 二人は(暇なので)そのまま一睡もせずにあけみに付き添い、何事もなく一夜を明かす。

 
 荒井にあけみを任せ、屋上へ上がって一息つく五郎。

 五郎(この静けさがもし罠だったとしたら、そろそろデスパーが何か仕掛けてくる頃だ)

 その頃、あけみも漸く目を覚ましていたが、荒井がコーヒーを淹れようと背を向けているうちに、

 
 手招きのような動きをして、その体を二つに分離させていた。

 分離したあけみは、屋上へ瞬間移動する。

 
 荒井、コーヒーを渡そうと近付くが、急に険しい顔になる。

 あけみ「どうかなさいました?」
 荒井「君は何者だ?」
 あけみ「えっ」
 荒井「とぼけるなっ、君はサイボーグだ。サイボーグがその能力を使う時の電波が君から出ている!」

 管理人、てっきり、あけみの顔を見せないアングルなので、それが全然別人の顔になっていて、それで荒井が驚いたのかと思ったのだが、全然そんなことはなかったので、やや肩透かしを喰らう。

 いや、関係のない女性にサイレントデスパーの魂が乗り移って、それで大橋あけみと言う架空の人間に化けていたのかな、と勘繰った訳ね。

 
 荒井に指摘されたあけみは、あっさりサイレントデスパーの姿に変わり、銃を突きつけるが、何故か撃たずにそれで殴ると言う意味不明の行動に出る。

 一方、もうひとりのあけみは屋上で五郎と会うが、

 
 五郎「正体を見せろ、デスパーロボット」
 あけみ「なんのことよ?」
 五郎「この傷は昨日俺と戦った時の傷だろう?」

 あけみが右の手首を怪我していることに気付いた五郎、たちまちあけみの正体に気付く。

 しかし、荒井があけみをサイボーグだと気付いた理由もアレだが、五郎が、その怪我だけでサイボーグだと決め付けるのも、なんか強引と言うか、雑な感じがする。

 ちなみに今回は、島田真之&峰沢脩による脚本なのだが、その前後が上原さんの力作・傑作で埋められているだけに、余計つまらなく感じられる。

 それはさておき、こちらのあけみもあっさり自分がサイトレントデスパーだと認め、病室にいたサイレントデスパーも屋上に現れる。

 五郎「分身するサイボーグ、一方が電波を出さなければ一方が力を出せない。それが分身するサイボーグの弱点だ!」

 あけみの右腕をぎりぎりと掴んでいた五郎、そう言うと、あけみの体を突き放す。

 
 あけみ「さすがは渡五郎……」

 サイトレントデスパーは、あけみの体内に入り込む。

 うーむ、どういう仕組みになっているのかさっぱり分からない。

 幽体離脱ならともかく、どちらもちゃんと実体のあるサイボーグなのだから、それが合体・同化してしまうと言うのは、物理的にも明らかに変である。

 
 五郎「荒井さんは何処だ?」
 あけみ「待って、言うわ全てを、条件次第では」
 五郎「条件?」
 あけみ「ガイゼルを殺して」
 五郎「なにっ?」

 あけみの意外な言葉に、五郎も驚く。

 あけみ「私はガイゼルが憎い。こんな体にされたのはみんなガイゼルのせいよ!」

 この辺、いかにも上原さんが書きそうな展開だが、あくまで上っ面を真似ただけと言う感じが濃厚なのである。

 五郎はあけみに案内させてガイゼルのいるアジトに突入するが、当然、それも罠で、気が付けば、五郎は全然別の、海辺の砂浜の上に立っていた。

 
 あけみ「はっははははっはははははっ……」

 赤いレザー調のワンピースに衣替えしたあけみが、丘の上から戸惑う五郎を見下ろして高笑いしている。

 このコスチュームは悪くないのだが、どうせならもっと早い段階で着せて欲しかった。

 
 あけみ「まんまと騙されたわね、渡五郎、随分容易く罠にかかったものね」
 五郎「やはり君は俺を騙していたのか」
 あけみ「威勢の良いのはそれまでよ、そこは地雷原の真っ只中、少しでも動くと地雷が一斉に爆発するわ!」

 ここまでは、まあ、罠としては悪くないアイディアだったが、

 
 何故か、あけみたちは、あっさり荒井を解放してしまうのだった。

 
 五郎「荒井さん!」

 思わず駆け寄ろうとした五郎の足元で、激しい爆発が起きる。

 ピンチかと思われたが、五郎がサナギマンになると、地雷も銃撃も利かなくなり、手間隙かけてお膳立てした罠もあっという間に無駄になる。

 ……

 だんだん、デスパーもショッカーみたいになってきたなぁ。

 この後、イナズマンがライジンゴーで幻円盤を撃墜し、サイレントデスパーも倒して事件解決となる。

 以上、せっかくの女性ゲストがあまり活かされていない、凡作に終わった11話であった。
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コメント

意味なく繰り返す

ウデスパーも合体と分離を繰り返しては、一体カイゼル総統は何がしたいのでしょうか?これこそ、無駄の極みのお手本ですね😥

タイトル負け

この回,(隅田さんのファンがいらしたら申し訳ないのですが),「美しきサイボーグ」って言いきっちゃったわりには,うーん,それほどでも〜,と思ってしまうのが如何ともしがたいですね。その意味で,管理人様の「盛り上がってない感」が伝わってくるようで,ある意味,とても納得です。

隅田さんと言えば

管理人様がご紹介くださって、レンタルで見た「破れ傘刀舟悪人狩り」第17話「他人の顔」に
顔に火傷の跡があるお姫様が隅田さん、皮膚の移植手術をする医師の娘に松木聖さん
と「01」のヒロイン2人がなかなかお綺麗でしたので、お得感ありました(^^)

あけみの台詞

今回も楽しく拝見しました😊ところで「何故君が狙われるんだ?話してごらん」の台詞は五郎ではないのでしょうか?

エグいですよね

>あわれ、科学者は文字通り、首と胴とが生き別れとなってしまう。
仮面ライダーだと「溶ける」とかなのに、描写がエグいですよね。
社長から「学生映画撮ってんじゃねえよ」の20話とか「F」って子供番組らしくない。
そこが好きなんですが。

Re: 意味なく繰り返す

さすがにちょっと呆れますね。

Re: タイトル負け

> その意味で,管理人様の「盛り上がってない感」が伝わってくるようで,ある意味,とても納得です。

ほんとはスルーしようかなと思ったんですが、冒頭のガイゼルと科学者のやりとりがどうしても書きたかったので……。

Re: 隅田さんと言えば

そうでしたね。結構そういうのってありますよね。

Re: あけみの台詞

ご指摘ありがとうございます。早速直しておきました。

Re: エグいですよね

> 社長から「学生映画撮ってんじゃねえよ」の20話とか「F」って子供番組らしくない。

だからこそ、今でもファンがいるんですけどね。

隅田和世さん

「キカイダー01」でも書いた通り、隅田和世さんは大好きな忘れがたい人です。
加藤貢プロデューサー(イナズマンのカラーを決定づけた方)によると、
日活最後の一般映画(ロマンポルノ移行前の映画)「八月の濡れた砂」を見て
起用したとのこと。
(私も好きな映画です。)

もっともこのエピソードでの、実は悪人(サイボーグですが)だったというのは、
彼女には似合わなかったと思う。
渡五郎の母のように心ならずも悪の手先に・・・という方が、
彼女の持ち味に合っていたと思います。

それにしてもコメント欄で彼女に否定的な人が多いのはへこみますね。
管理人様だけなら、好みの問題と片付けられるが、
他の人も皆となると・・・。そんなにあれかなあ・・・。

Re: 隅田和世さん

> 加藤貢プロデューサー(イナズマンのカラーを決定づけた方)によると、
> 日活最後の一般映画(ロマンポルノ移行前の映画)「八月の濡れた砂」を見て
> 起用したとのこと。

そうなんですか。知りませんでした。

> もっともこのエピソードでの、実は悪人(サイボーグですが)だったというのは、
> 彼女には似合わなかったと思う。
> 渡五郎の母のように心ならずも悪の手先に・・・という方が、
> 彼女の持ち味に合っていたと思います。

まあ、ストーリー自体がいまいちでしたからね。

> それにしてもコメント欄で彼女に否定的な人が多いのはへこみますね。
> 管理人様だけなら、好みの問題と片付けられるが、
> 他の人も皆となると・・・。そんなにあれかなあ・・・。

自分が好きなら人の意見など気にする必要ないですよ。

自分は一ノ瀬康子さんと坪田直子さんのファンですが、誰も賛同してくれたことないし。

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