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「光戦隊マスクマン」 第17話「破れ!地獄の迷宮」



 第17話「破れ!地獄の迷宮」(1987年6月20日)

 夜、人気のない路地裏で、若い女性が白いジャンパーの若者にハンドバッグを奪われると言う事件が起きる。

 
 翌朝、光戦隊本部の朝食の席で、タケル以外の4人が新聞を見て何やらヒソヒソ話している。

 アキラ「まさか、冗談ですよねえ」
 モモコ「ええ、嘘に決まってるわぁ」
 ハルカ「でも、この似顔絵……」

 
 タケル「おはよう、いやー、寝坊しちまったぜ」

 と、ドアが開いて、タケルが上機嫌であらわれる。

 ケンタ、咄嗟に新聞をテーブルの下に隠す。

 タケル「ね、新聞見せてよ」
 ケンタ「あ、新聞休み」
 タケル「ああ、そっかそっか」

 
 タケル「じゃあテレビでもつけるか」
 アナウンサー「この似顔絵の男が……」
 ケンタ「ぶーっ!」

 最後の「ぶーっ!」は管理人の脚色だが、なんとなくそうなってもおかしくない、コントのようなシーンである。

 
 アナウンサー「この似顔絵の男が、あ、昨夜、赤坂町で連続して若い女性のハンドバッグを奪った泥棒です」
 タケル「泥棒?」
 アナウンサー「あ、この似顔絵の男は白い上着を着た20才過ぎで、身長は170から……」

 タケル、テレビを消すと、「白い上着?」と、自分の服装を見ながらつぶやく。

 ケンタたちは、なおも素知らぬふりを続けるが、ケンタの膝の上からさっきの新聞が落ちてしまい、それをタケルが拾い上げる。

 
 タケル「真夜中のひったくり泥棒……みんな、この泥棒、俺だと思ってんのか!?」

 タケル、やっと状況を飲み込むと、懸命に怒りを堪えながら、仲間に問い掛ける。

 
 アキラ「いや、ただ、顔も」
 ハルカ「上着も身長も良く似てるなぁって」
 ケンタ「いや、昨夜こっそり外に……」
 タケル「冗談じゃない!」

 タケル、新聞をテーブルに叩き付け、怒声を爆発させる。

 
 タケル「腹減ったから屋台のラーメン食いに行っただけだ。俺は泥棒なんかしちゃいない!」
 アキラ「タケル、落ち着いてください!」

 なだめようとするアキラの腕を振り払うと、

 
 タケル「仲間に疑われて落ち着いていられるかっ、真犯人を捕まえてやる!」

 怒りの形相凄まじく、もう一度新聞を床に叩きつけ、ひとりで犯人探しに向かうタケル。

 しかし、最近の戦隊シリーズのメンバーは、箸より重いものを持ったことがないような優男と言うのが相場と決まっている(註・管理人の偏見です)が、この頃はまだ暑苦しい熱血キャラが基本だったんだよなぁ。

 ちびっ子より、一緒に見ている若いお母さんたちの歓心を買おうと、男子メンバーがルックス重視になるのは、「ファイブマン」あたりからかなぁ。

 それはともかく、真犯人を探し出そうと、カッカしながら事件のあった通りにやってきたタケル。

 
 通りにいた若い女性は、タケルの姿を見ると、電話ボックスに入って電話を掛けているふりをして、タケルをやり過ごす。

 分かりにくいが、この女性、フーミンの素顔(?)なのだ。

 そして、冒頭に出てきた被害者女性も、人間に化けたフーミンだったのである。

 通りの反対側のビルの屋上には、イガムがいて、理性を失ったタケルが来るのを待ち構えていた。

 イガム「地帝獣ギーバドグラー、このビルを地獄の迷宮次元ラビリンスにするのだっ」

 
 イガムの命を受けたギーバドグラー、通称ギバちゃんは、クモの巣のような網を吐き出し、ビル全体を覆い、建物ごと、異次元の迷宮に作り変えてしまう。

 その上で、タケルの前に真犯人らしき服装と背格好の男を歩かせ、そのビルの中に誘い込む。

 犯人を捕まえることしか頭にないタケル、何の警戒もせずにビルの中に入り、男を追って、とあるドアを開くが、

 
 ドアの向こうは、眩い光に満ちた異次元空間になっており、タケルをその中に吸い込んでしまう。

 空間の歪んだ、倉庫のような場所に放り出されたタケル。

 と、何処からか、イガムの勝ち誇った笑い声が響いてくる。

 タケル「イガム、出て来い!」
 イガム「タケル、まんまと罠に掛かったな」
 タケル「罠? じゃあ泥棒もお前たちの仕業か?」

 タケルの問い掛けに答えて、タケルの前にタケルそっくりの男があらわれる。

 
 タケル「一体お前は?」
 イガム「はははははっ、気付くのが遅かったな」

 こういう時、普通は、しばらく本物とそっくりさんが戦うものだが、撮影が面倒になるのをスタッフが嫌ったのか、偽者はすぐに天知先生のように自ら顔を剥いで、戦闘員の姿を見せると、後方に飛んで消える。

 
 タケル「おのれ、イガム」
 イガム「地帝獣ギーバドグラーの異次元ラビリンス、その苦しさをたっぷり味わい、苦しみ、のた打ち回れ!」
 タケル(注文が多いなぁ……)

 早速、タケルの身に様々な攻撃が加えられる。

 
 爆発で吹っ飛ばされ、階段の踊り場からジャンプするが、

 
 タイミングがずれたのか、空中で爆風にもろに巻き込まれるタケル(のスタント)。

 スタッフも一瞬ドキッとしたのではないだろうか?

 その後、魔空空間みたいなステージで変幻自在の戦闘員たちと戦うタケル。

 今回、この異次元ラビリンスでのビジュアル、ギミックが話の肝になる筈なのだが、全体的にその仕掛けが安っぽくて、あまり盛り上がらないのが難点である。

 「宇宙刑事ギャバン」15話の、息もつかせぬ目まぐるしい場面展開には程遠い。

 だから、今回の話で一番面白いのは、実は冒頭のタケルたちのコミカルなやりとりだったりするのである。

 
 ケンタ「タケルのブレスがこのビルから発信しているのは間違いないんだが」
 ハルカ「まったくタケルったら、こんなとこで何やってんのかしら」
 モモコ「昨夜事件があったのはこのビルの付近よ。ひょっとしたら……」

 一方、ケンタたちもタケルのことが気になって、マスキングブレスの電波を手掛かりに、そのビルまでやってきていた。

 5人は手分けして、ビルの中を捜索する。

 
 と、アキラが偶然さっきのドアを開けると、激しい光が溢れ出て、その中で、レッドマスクとギバちゃんが戦っている姿が見えた。

 アキラ「レッドマスクーっ!」

 アキラがレッドマスクに向かって必死に叫ぶが、こちらからは見えても、向こうにいるレッドマスクにはアキラの姿は見えず、声も聞こえないようで、何の反応もない。

 ならばと自分が入ろうとするが、空間に弾き返され、ドアも閉まってしまう。

 アキラの声を聞いて、他の仲間も駆けつける。

 
 ケンタ「アキラ、どうしたんだ?」
 アキラ「あのドア……」

 
 と、今度は向こうからドアが開いて、イガムがあらわれる。

 ケンタ「イガム!」
 イガム「レッドマスクは異次元ラビリンスでギーバドグラーの餌食になる。邪魔をするな」
 ケンタ「なにぃ、異次元ラビリンス?」
 イガム「タケルは俺の仕掛けた罠にはまり、カッカして飛び込んでいった。亡骸になって戻るまで、焦り苦しんで待つが良い」

 高笑いを響かせながら、イガムがドアを閉める。

 ケンタ「待て、イガム!」

 ケンタがすぐ追いかけてドアを開くが、そこは既にただのロッカールームに戻っていた。

 
 姿「なにぃ、猛がチューブの罠に?」
 ケンタ「はい」
 姿「いいか、良く聞け、罠に嵌ったのはタケルひとりじゃない、タケルを疑ったお前たちも罠に嵌ったんだ」

 姿長官に叱られて、モニターの中でしょんぼりする4人。

 東「でも、長官も、さっき、とっとと警察に通報しろとか……」
 ケンタ「え?」
 姿「わーわーわー! 東博士、今日も綺麗だね~!」

 じゃなくて、

 姿「とにかく、異次元ラビリンスの入り口を探し、タケルを脱出させるんだ」

 久しぶりに東ちゃんが出てきたので、嬉しくなる管理人。

 ぶっちゃけ、東ちゃんがいなかったら、今回スルーしてただろうなぁ。

 さて、4人は必死になって異次元への入り口を探すが、どうしても見付からない。

 その間もレッドマスクはギーバドグラーとの果てしない戦いで消耗させられ、どんどんオーラパワーが低下していた。

 ただ、光戦隊本部のモニターには、タケルのオーラパワーの状況がしっかり映し出されているのだから、レッドマスクからの電波をちゃんと拾っていると言うことになる。

 だったら、それをたぐっていけば、異次元への入り口も発見できそうなものだけどね。

 
 モモコ「タケルが、死んでしまう」
 アキラ「俺たちが、俺たちがタケルをこんなことに追い込んでしまったんだ」

 階段に座り込み、絶望の呻き声を上げるアキラたち。

 そして遂にタケルのオーラパワーが枯渇し、変身も解けてしまう。

 
 タケル「ひとりじゃ勝てないのか……」

 ま、毎回5人で怪人ひとりを袋叩きにしてますからねえ。

 既に立ち上がることも出来なくなったタケルの前に、イガムとフーミンが現われ、イガム自らトドメを刺そうとするが、

 タケル(やられてたまるか、ここでやられたら、俺は何の為に……)

 ここで、タケルが過去のつらい特訓や戦いの様子を振り返り、自らを叱咤して奮い立たせる。

 タケルはイガムの腹を蹴り、その反動で崖の上に舞い上がると、

 
 タケル「俺はレッドマスク、地球は渡さん!」

 え、地球って人間のものだったの?

 
 タケル「うううーっ!」

 とにかく、タケルが握り拳を固めると、その目の奥に再びオーラの炎が激しく燃え上がり、タケルは完全に復活する。

 しかし、オーラパワーはともかく、タケルが体力を消耗していたのは事実なのだから、気合を入れ直しただけで蘇ると言うのは、さすがにご都合主義が過ぎるのでないだろうか。

 ここは、是非、気合だけじゃなくて知恵を使ってピンチを切り抜けて欲しかったところだ。

 
 東「長官、タケルが!」
 姿「タケルのオーラが蘇った!」

 
 ついで、タケルのバイオリズムのグラフも映し出されるのだが、これって、あまり関係ない数値なのでは?

 あと、カタカナで書くのは恥ずかしいのでやめて欲しい。前は確か英語だったと思うが。

 ま、ここまでくれば後は簡単である。

 ケンタたちも、タケルのオーラパワーを頼りに遂に異次元への入り口を見つけ、変身しながらその中に突入し、その衝撃でラビリンスを破壊する。

 その後、ギバちゃんを倒して事件解決となる。

 ……と言いたいのだが、ひったくり事件の方はどうなったのだろう?

 被害を受けたのはフーミンだけじゃなく、複数いるみたいなので、今後も、タケルが容疑者として警察に逮捕される可能性もあるのではないだろうか。顔はまんまタケルなんだし。

 以上、スルーしても良かったような凡作であった。
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コメント

No title

なぜかこの回を記憶していました。スピルバンの混乱家族の回といいトラウマだったんですかね。

Re: No title

> なぜかこの回を記憶していました。スピルバンの混乱家族の回といいトラウマだったんですかね。

自分とそっくり同じ顔をした人間がいると言うのが怖かったんでしょうかね。

本物対偽物対決

偽レッド正体が、一戦闘員であったと言うのが今一つ盛り上がりに欠けますね。それもその所業がひったくりとは・・・。どうせならレッドが「仮面ライダー」の地獄サンダーのお話での偽滝(=ゾル大佐)がお巡りさんたちをリンチした罪を着せられた滝さながらに逮捕され、拘置所の窓から
「今逃げ出したら無実が無実でなくなる。まあ、暫くそこで暮らすんだな。」
とブラックが一文字の様に諭す場面でもあれば随分と違った印象になっていたかもしれません。
また、「ゴーグルファイブ」のタヌキモズー、「ダイナマン」のキツネシンカのそれでの各ブラックの様な本物対偽物対決(「ゴーグルファイブ」ではピンクも!!)が観られないのも寂しいです。
一方で、ついさっきの他記事でのコメントでも書いた「チェンジマン」の宇宙獣士ミラルカのそれでは、ブーバがミラルカを偽マーメイド(変身前)に変装させチェンジマン本部を攻撃しようとしたものの、マーメイドとフェニックスの共同作戦によって反対にお手玉に取られマーメイドの本物と偽物の区別がつかなくなってしまう(!)と言う珍妙な展開に!!その際のブーバは、正に「トムとジェリー」の「なにがなんだかわからない」と言うそれでトムと瓜二つの従兄弟ジョージ(猫だてらにねずみ恐怖症!)を怖がらせて楽しみながらも、トムとジョージによる二匹がかりの仕返しに遭い狂乱してしまったジェリーそのもので、
「ジョージがあんまりトムそっくりなので、ジェリーさんなにがなんだかさっぱり意味がわかりません。」
と言う谷幹一さんのナレーションを
「ミラルカがあんまりマーメイドそっくりなので、ブーバさんなにがなんだかさっぱり意味がわかりません。」
として被せても違和感無しでした(笑)!!

Re: 本物対偽物対決

確かに、他の作品の似たような作戦と比べると、「ひったくり」じゃあ、迫力ないですよね。タケル同士の戦いもなかったし。

全体的にマイルドな時代になってたんですかね。

本者と偽者

チェンジマンのさやか姉さんの時ほど盛り上がりに欠けますね😅あちらは本者も偽者もチラし放題でしだがね😅

Re: 本者と偽者

野郎ですからねえ。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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