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「スケバン刑事」 第9話「いじめの根を断て」



 第9話「いじめの根を断て」(1985年6月27日)

 冒頭、学校帰りのサキと三平が、オープンカフェでお茶したり、アクセサリーショップを冷やかしたりしているところを、沼先生と高木先生に見付かって叱られるが、サキが適当なことを言って煙に巻くというシーンの後、

 
 三平「サキ、これどうかな?」
 サキ「……」
 三平「ダメかなぁ」

 ショップに入り、サキの服を一緒に品定めしてやっている三平。

 ま、単に一緒に道草食ってるだけで、改まってデートしている訳ではないのだが、女同士ならともかく、男子がこういうことに嫌な顔しないで付き合うと言うのは、なんだか珍しい光景のような気がする。

 ドラマ版の三平くんって、将来、いかにも優しそうな夫or父親になりそうなキャラである。

 
 と、サキの目に、ガラスの仕切りを隔てた向こう側で、いかにも仲の良そうな親子が、同じように洋服の品定めをしている様子が映る。

 
 三平「お袋さんて良いもんだよなぁ……サキのお母さんは?」
 サキ「三平君、余計なこと聞かないでよ。お母さんのこと聞いたら、絶交よ」
 三平「絶交? そんなぁ」

 三平もそれを見て、迂闊にもサキの心のデリケートな部分に触れてしまい、きつく釘を刺される。

 三平が不満そうに服を戻しに行った後、サキは意外な光景を目撃する。

 さっきの母親がレジに行っている間に、娘の方が別の服を紙袋に突っ込んだのだ。万引きである。

 当然、黙って見過ごせるサキではなく、自分と同世代と思われる娘のそばに行くと、母親がこちらを見ていないのを確かめ、いきなりその腕を掴んで隅の方へ引っ張っていく。

 
 サキ「お母さんを悲しませるような真似するもんじゃないわ」
 優子「……」

 不貞腐れたように俯く優子の紙袋から服を取り出し、もとの場所に戻すサキ。

 OPタイトルの後、母ナツの収監されている北関東刑務所から出てくるライダースーツのサキの姿が映し出される。

 頭の中で、刑務官の「お母さんは君に会いたくないそうだ」と言う声が冷たくリフレインする。

 
 サキ(母さん、どうして私に会ってくれないの? 私は母さんのほんとの心が知りたくて、何度も会いに来てるんじゃないか。私のこと、もう自分の娘じゃないとでも思ってるの? 答えてよ、母さん!)

 心の中で懸命に叫ぶサキに続いて、独房の中で、ひたすら造花を作り続けているナツの姿が映し出される。回想シーンではなく、現実のナツが登場するのは、これが初めてである。

 だが、ナツの真意がサキや視聴者に明らかにされるのは、だいぶ先のことである。

 その夜、バイクを飛ばしてサキがやってきたのは、特撮番組のアクションシーンで良く出てくる、殺風景なコンクリートの壁に囲まれた、中庭のような広場だった。

 サキがバイクから降り、ヘルメットを脱ぐと、暗闇から二本の鉄パイプが飛んでくる。

 サキは一本目をかわし、二本目をキャッチするが、

 
 続いてサキを見下ろす塀の上にあらわれたのは、敵はなく、神恭一郎の長身であった。

 
 その手には、バラの造花が一輪。

 サキ「神、今日の私はイライラしてるんだ。この鉄パイプであんたの頭を砕いてしまうかもしれないよ!」

 昼間の母親の一件でストレスの溜まっているサキ、手にした鉄パイプを神に向けて、いつになく攻撃的な台詞を放つ。

 
 神「(特命)刑事には一瞬の油断も許されない。新しい任務だ、サキ」
 サキ「待ってよ、神!」

 一方的に仕事の話を始めようとする神の言葉を遮り、母親の面会拒否の理由を尋ねるが、

 
 神「何故だか、俺たちにも分からん。だが、お母さんが心の底に秘めたものを知る手掛かりはある。この造花はお前のお母さんが作ったものだ」

 神、そう言うと、花をサキの足元に放り投げる。

 サキがそれを拾い上げると、

 
 神「サキ、その花びらの一枚一枚にお前に対する祈りが込められているとは思わないか?」

 その背後から、訳の分からないことをほざきながら、神がぬっとあらわれる。

 お前は瞬間移動が使えるのか?

 さて、ここでやっと仕事の話になる。

 神が、まだサキのお尻のぬくもりの残るバイクのシートの上に置いた小型テープレコーダーから、例によって暗闇指令の渋い声が聞こえてくる。

 
 暗闇「サキ、お前は今度、都立泉ヶ丘高校に転校する。半年前から集団万引き事件が続発するようになった。万引きされた品物は学園内において密かに売買され、それによって得られた代金が生徒たちを背後から操る人物に渡されてるという事実が浮かび上がった」

 台詞に合わせて、ネガポジ反転された万引き風景がイメージ的に映し出されるが、右側の「クラッシュギャルズ」云々と言う文字が気になった管理人は、親切にももう一度ネガポジ反転を施し、

 
 その、今となっては何もかもが恥ずかしい(by沖田艦長)レコードをみなさまにお裾分けせずにはいられないのだった。

 さらに、PTA役員の青山二郎と言う男性が、万引きした生徒を注意したところ、数日後に何者かに轢き逃げされて殺されるという痛ましい事件も起きたと言う。

 いや、そこまで分かってるのなら、普通に警察が乗り出すべき事件じゃないかと思うのだが……

 伝えるべきことを伝えた後、

 
 暗闇指令の声「サキ、足元を見てみろ」
 サキ「……」
 暗闇指令の声「バカが見ーる、ブタのケーツ!」
 サキ(殺すぞ)

 じゃなくて、

 サキ「お前の足元に生えているのはドクダミ草だ。その一本を根から抜き取ってみろ」

 サキ、言われるがまま、しゃがんでその一本を抜き取る。

 
 暗闇指令の声「一本のドクダミ草の下には、無数の根が張り巡らされているのが分かった筈だ」
 サキ「……」

 が、サキが引っ張ると、それはまるで一度抜いてから地面に埋めていたかのように、何の抵抗もなく抜け、暗闇指令の言わんとしているようなことは全く起きないのだった。

 サキ「あの、神、あっさり抜けちゃったんだけど……」
 神「……察してやれ! 武士の情けだっ!」

 ……と言うのは嘘だが、スタッフとしても、サキがドクダミを抜こうとしたら、広範に伸びている根っこがブチブチと引き抜かれるシーンが欲しかったのだろうが、実際のドクダミを抜くのは結構力が要るし、意図した通りの「絵」になるとは限らないので、こういう「ヤラセ」で処理したのだろう。

 暗闇指令の声「その根を根絶やしにすることが今回のお前の任務だっ!」

 しかし、暗闇指令、そんな説教(別名・うまいこと)を言いたいがために、わざわざドクダミの自生している場所を選んで、そこで神とサキを会わせたのだろうか?

 あるいは、テープの内容に合わせて、前もって神がドクダミを別の場所から持ってきて植えていたと言う可能性もあるが、移植ゴテを持ってひとりでドクダミを植え直している神の後ろ姿はあまりに情けないので、前者だったと言うことにしておこう。

 ともあれ、次のシーンでは、早くもサキが泉ヶ丘高校に転入生としてやってくる。

 サキが編入された2年C組の後方の席には、いかにも素行と頭の悪そうな生徒たちがかたまるようにして座っていた。

 
 サキ、教師に言われて青山優子と言う生徒の隣に座ろうとするが、

 
 サキ「……!」

 青山優子なる生徒の顔を見たサキの目が、信じられないものを見たかのように真ん丸になる。

 全く予期していなかったもの、たとえば、セーラー服を着たナツとか、女装した神とかが座っていたのかと思いきや、

 
 優子「……」

 それはただ、先日サキが万引きの現場を押さえたあの少女であったというだけのことであった。

 つまり、何者かに殺されたと言う青山氏の娘こそ、その万引き少女だったのである。

 無論、それはそれで物凄い偶然には違いないのだが、このサキの驚き方はあまりに大袈裟である。

 言い忘れていたが、優子を演じるのはアイドルやってた、つちやかおりさん。

 サキ、とにかく優子の隣に座り、授業が開始されるが、始まるや否や、

 
 優子「キャーッ! キャーッ!」

 突然、優子が大きな声で悲鳴を上げる。

 どうでもいいが、この優子の口の形が可愛いと思いました。

 教師「青山、どうした?」
 優子「すいません」
 教師「昨夜見た怖い夢でも思い出しのか?」

 サキも優子の奇行にびっくりするが、優子の周りの一部の生徒、具体的には不良っぽい生徒たちはそれを見てニヤニヤしていた。

 と、続いて、優子の斜め後ろに座っているバカが、優子の足の上に丸めた紙を投げる。

 それを広げて読んだ優子は、悔しそうに唇を噛んでいたが、

 
 今度はいきなり机の上に上がってしゃがむと、

 優子「コケッーッココココッ、コケーッコココッ!」

 両手を羽根のようにバタバタさせながら、ニワトリの鳴き真似を始める。

 これだけ見たら、優子、心を病んだ気の毒な人のように見えるが、そうではなかった。

 慌てて優子を座らせたサキが紙片を取り上げて見ると、「悲鳴を上げろ」「机の上でニワトリの真似をしろ」と、優子への指示が書かれていた。

 つまり、優子への陰湿なイジメだった訳である。

 優子は悔しさのあまり、机に突っ伏して泣きじゃくる。

 
 サキ「先生、見て下さい」
 教師「……こぉーんなの、冗談に決まってるじゃないか。それを真に受けて」

 サキ、教師にそれを見せるが、絵に書いたような事なかれ主義の教師はメモを文字通り握り潰すと、何もせずに教壇に戻ってしまう。

 昔も今も、教師のこういう体質は変わらないと見える。

 もっとも、そこの担任が中村雅俊みたいな熱血青春教師だったら、それはそれで面倒臭いことになっていたと思うので、サキにとってはその方が都合が良いのだが。

 
 優子「いやぁ、やめてよぉ~、やだ、やめてよぉ~」

 休み時間、校舎の外壁に体を押さえつけられ、背中にマジックで悪戯書きをされている優子。

 ちなみに映像を見ずに優子の声だけ聞くと、結構エロい妄想が出来ることに気付いた管理人であった。

 我ながら最低である。

 
 女生徒「これに懲りたら私たちに逆らうんじゃないよ」

 憎々しげに言い放つ女ボス。

 まぁ、確かにひどいイジメだが、実際のイジメに比べたらまだ生温い気もするが、あまりリアルにやると視聴者が引くからね。

 一方、サキも不良たちに屋上に呼び出され、

 
 女生徒「サキ、転校早々センコーにチクるとは、良い度胸じゃないか」
 サキ「私、ああいうイジメは好きじゃないんです」

 じゃあ、どんなイジメなら好きなの? と思わず聞き返したくなるサキの紛らわしい台詞。

 女ボス、無言でサキの頬をビンタする。

 
 サキ「……何するんですか!」

 ぷにぷにした自分の頬を触りながら、反抗するサキ。

 
 女生徒「この学校を無事に卒業したかったら私たちに逆らうんじゃないよ!」

 無知と言うのは恐ろしいもので、女ボスは、相手が全国でも最強クラスのスケバンであるとも知らず、脅しをかけてくる。

 サキがその気になれば、あっという間に彼らをぶちのめすことも出来ただろうが、彼女の任務は不良たちの背後にいる黒幕を炙り出すことなので、無論、そんなことはしない。

 さらに、男子生徒たちから挨拶料として5万円持って来いと言われ、

 
 サキ「そんなの無理です! 高校生の私に、そんな大金ある訳ないでしょう?」
 女生徒「なかったら作れば良いのさ」

 彼らは商店街の文房具屋の前までサキを連れて行き、高級万年筆を万引きして来いと命じる。

 スケバン刑事としては、あえて彼らの命令に従って彼らの信任を得て、一刻も早く黒幕に近付くべきだったと思うが、刑事としてはまだ未熟で正義感の強いサキは、迷った挙句、結局万年筆を万引きする代わりに安いボールペンを纏め買いすると言う、意味不明の行動に出るのだった。

 当然、不良たちは激怒し、サキを高架橋の下に連れて行って、不良名物・袋叩きの刑に処す。

 ま、袋叩きと言っても、男子二人が無抵抗のサキを殴る蹴るするだけなのだが、こう見えて彼ら意外と紳士的で、

 
 サキの体を押さえる時も、猫パンチのような手で遠慮がちにサキの両肩を掴み、決してデリケートゾーンには触れようとしなかったり、

 
 頭に蹴りを入れる時も、直接ではなく、積み上げたタイヤの上にサキの頭を押さえつけ、そのタイヤを蹴るという、間接的な方法を用いたりするのだった。

 どうせやるなら、サキの制服を引き裂くとか、おっぱいを揉みしだくとか、そういうエッチ方面のイジメをやって欲しかったと、私の知り合いが言ってました。

 しかし、この調子では彼らの信任を得て黒幕に辿り着くのは容易ではないと思われたが、そんなことはなかった。

 何故なら、散々痛めつけられたサキがコンクリートの柱にもたれていると、

 
 その黒幕が、呼んでないのに、2代目セリカXXに乗ってやってきたからである!

 おまけに、

 
 女生徒「会長、どうぞ」
 矢口「……」

 彼らが上納金を納めていることまでサキの前で堂々と見せてくれる親切設計。

 刑事の捜査がみんなこんな感じで進むのなら、楽だよね。

 もっとも、この矢口と言う男については、ただのチンピラでバックに暴力団がついているのか、彼自身、暴力団組員なのか、詳しいことはさっぱり分からない。

 ま、暴力団が高校生を従えて良い気になるとも思えないから、前者であろうか。

 それはともかく、三人は矢口を見送った後、サキを放置して引き揚げる。

 サキがやれやれと言う顔で立ち上がり、服についた汚れを払っていると、

 
 いつの間にあらわれたのか、神が愛車のポルシェを従えて、意味もなく立っていた。

 サキ「神、バックにいる奴が現れたようだよ」

 正直、神がここに来る必要性はないのだから、矢口のインチキスポーツカーに対抗心を燃やして、自分のポルシェで大人と小僧の違いを見せ付けに来たのか、あるいは、純粋にサキ(の貞操)が心配だったのかもしれない。もう、神ったら、素直じゃないんだから。

 その後、サキは優子の母親が切り盛りしているラーメン屋にやってくる。

 店の手伝いをしていた優子は迷惑そうな顔をして、

 優子「何しに来たのよ」
 サキ「ラーメン食べに来たのよ」
 優子「食べたらすぐ帰ってよ、私のことはほっといてよ」

 店の奥には、さっきの仲良し三人組もいて、食べ終わると、金も払わずに出て行こうとする。

 
 サキ「ラーメン代払わないつもりなの?」
 女生徒「サキ、さっきあれだけ痛めつけられたのに、まだ懲りないの」
 サキ「待ちなさいよ、優子さんのお母さんが一生懸命作ったラーメンなのよ、払うのは当然でしょ?」
 女生徒「……」

 元々根っからの不良ではない彼女、サキに正面切って諭されると、悔しそうに黙りこくり、他の客たちの視線もあって、とうとう下っ端に命じて払わせる。

 
 母親「おまちどおさま……」
 サキ「……」

 優子の母親はサキの前にラーメンを置いてから、深々と頭を下げるのだった。

 たぶん、今まで彼らに何度もタダ食いをされてきたのだろう。

 ちょっとほんわかした気持ちになるサキだったが、その直後、優子がレジから金を抜いているのを目撃してしまう。

 サキは店から飛び出した優子に公園の中で追いつくと、ポケットの中で紙幣を握り締めていた優子の手を掴んで引っ張り出し、

 
 サキ「ほっとくわけに行かないのよ! これは何、いつまでこんなことを続けるつもりなの?」
 優子「お金を渡さなければ学校で毎日いじめられるのよ。死ぬほどつらい万引きだってしなくちゃならないのよ」

 サキは深い溜息をつくと、あえて優子の父親のことを持ち出す。

 優子「だけどその為にお父さんは殺されたわ」
 サキ「だったらどうしてお父さんを殺した人間に怒りを燃やさないの? どうして戦おうとしないの?」
 優子「私、そんな強い人間じゃないもん、そんな勇気ある人間じゃないもん!」
 サキ「……」

 サキ、開き直る優子の正面にまわると、その顔を思いっきり引っ叩く。

 
 公園の外でその様子を見ていた母親は、思わず手で顔を覆う。

 サキ「あんたのそういう弱気が、悪の根っこを蔓延らせるんじゃないか。死んだお父さんに恥ずかしいと思わないの?」
 優子「だって、どうしたら良いか分からないのよ。先生にも相談したけど、何にもしてくれないし……」
 サキ「先生や他人を当てにしたって仕方がないよ」

 
 優子「だったらどうしたら良いの?」
 サキ「あんたがイヤだって言うの。二度と万引きなんかやらないって奴らの前で宣言するのよ」
 優子「だけどそんなことしたら……」
 サキ「つらい目に遭うだろうね、だけどどんなにつらくても、一度はそこをくぐらないと、あんた一生奴らに食い物にされるんだよっ! 優子さん、あんたにはお母さんがいるじゃないか。それだけでも十分幸せじゃないか。少しぐらい痛い目に遭うくらい、なんだよ」
 優子「サキさん、私やってみる、弱い人間だってイヤって言うことぐらい出来るわ」

 サキの硬軟両面の説得を受けて、優子も遂に決心する。

 しかし、いくらなんでも「一生食い物にされる」ことはないと思うんだけどね。

 卒業したらそれで縁は切れるのだし。

 あと、「一度はそこを……」と言う言い草が、ヤクザがカタギになるときの通過儀礼のことを差しているようで、ちょっと怖い。

 で、翌日の新聞に、川で優子の惨殺死体が発見されたと言うニュースが載ってたら、サキはスケバン刑事をめでたくクビになっていたと思うが、責任感の強いサキは、けしかけっぱなしではなく、優子の戦いを陰ながら見守っていた。

 優子は、すぐに彼らに会いに行き、きっぱりと彼らと絶縁宣言をする。

 が、矢口たちが「はいそうですか」と放免してくれる筈がなく、

 
 優子の顔を無理やり川の水に漬けると言う、今となっては放送できないやり方で、優子をいたぶる。

 と、そこへ割り込んできたのが、サキではなく、優子の母親だった。

 
 母親「待ってー、やめてー、娘は私の命です。リンチをすると言うのなら私もしてくださいっ!」
 優子「母さん!」

 母親は優子の体を抱き締めると、不良たちに向かって絶叫する。

 ドMなのであろうか?(註・違います)

 まともな神経の持ち主なら、こんな場面で母親なんかに出てこられると白けてやる気がなくなってしまうものだが、矢口は構わず二人とも痛めつけろと命じる。

 このタイミングで土手の上にあらわれたのが、バイクにまたがったサキであった。

 サキは斜面を下ると、そのまま川の中に進入して、青山親子を守るようにその周囲を走り回ると、先に二人を逃がしてから、

 
 サキ「私はね、弱いものいじめをする奴がだいっ嫌いなんだ!」

 
 サキ「生徒を脅して万引きをさせ……」

 タンカを切りながらバイクから降りる時、ライダースーツに包まれた股間をカメラに向かって全開にするサキが、実にエロティックである。

 はい、いま、栃木の読者の方から、「死んでしまえ」と言うお言葉を頂戴いたしました。そんなあなたにも読んで欲しい。

 サキ「その上がりを掠めるなんざ、男として最低だよ!」

 そう叫んで投げつけたヨーヨーが、

 
 矢口「……」

 見事に矢口アニキの眉間にヒット!

 普通は死ぬか、気絶すると思うのだが、何故かその後のシーンでは、矢口アニキの額には傷ひとつない。と言うことは、寸前で見切ってかわしたのだろうか?

 すげえぜ、矢口アニキ!

 ま、ほんとはサキが当たらないギリギリのところに投げたんだろうけどね。

 この後、下っ端たちとラス殺陣となるが、本気になったサキが相手では戦いにも何にもならず、一方的にぶちのめされる。

 続いて、極めて教育的なサキの説教連打シーンとなる。

 
 女生徒「サキ、許してよ、私たちは脅されて嫌々ながらにやったのよ!」
 サキ「ふざけんじゃねえよ、脅されてやったといえば、それで済むと思ってんのか?」

 
 サキ「お前ら一人一人が、優子のように性根を据えていやだといえば、悪の根っこが蔓延ることはなかったんだ!」

 
 サキ「心の中を覗いてみな、悪の根っこは外にあるんじゃないよ」

 
 サキ「あんたたちの心の中にも生えてるんじゃないか!」

 
 サキ「甘ったれんじゃねえよ!」

 ……と言うように、その間の動きをカットして、サキの説教だけをモンタージュした、なんか、ACの「いじめ撲滅」CFを並べたような、独特の映像空間になっている。

 特に三枚目、サキに叱られていかにも内省的な表情で沈んでいる二人の男子生徒が笑える。

 好き放題に怒鳴りまくったサキ、情けなくも逃げ出した矢口アニキを追いかけ、散々肝を冷やさせた後、いつものように「2年C組麻宮サキ、またの名は……」と、決め台詞を放つ。

 
 サキ「(前略)だがなっ、てめえみてえな小悪党には体中の血が燃えるんだ!」

 矢口、それでもナイフを取り出して抵抗しようとするが、サキのヨーヨーにあっさり叩き落される。

 
 サキ「優子さんのお父さんを車で轢き殺した犯人はお前だね? 正直に言わないと、このヨーヨーでお前の鼻っ柱を叩き割るよ!」
 矢口「ま、待て、優子のオヤジを轢き殺したのは確かに俺だ。万引き事件のバックが俺だと突き止めやがったんだよ」

 そしてサキがヨーヨーを構えて恫喝すると、矢口は拍子抜けするくらいあっさり自白してしまう。

 なんかサキ、毎回ヨーヨーで脅して無理やり容疑者に口を割らせているだけで、証拠や証言を集める気が全くないようである。こう言うのを刑事の捜査手法と呼んでいいのだろうか?

 原作では、もうちょっと刑事らしいことしてるんだけどね。

 あと、矢口アニキ、生徒たちに万引きさせてたのがバレたから殺すって、バカなの?

 ともあれ、こうして事件はあっという間に解決してしまう。

 ラスト、すっかり明るくなった優子が店を手伝っているのを窓の外から見届けたサキ、

 
 サキ(神、花びらに込められた母さんの祈り、ちょっぴり分かったような気がするよ……)

 再びあの造花を手に、心の中で神に語りかけると、バイクにまたがって走り去るのだった。

 以上、今も昔も存在するいじめの問題を真っ正面から取り上げた意欲作であったが、サキと母親の関係や、冒頭の沼先生たちとのやりとりなど、本編とは関係のないシーンが多い分、事件が難渋することなくバタバタ解決してしまうのがいささか物足りないエピソードであった。

 黒幕が誰かと言う、謎解きの面白さも皆無であったし。

 ま、4話や5話よりは、よっぽど面白かったけどね。
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コメント

普遍的な回

私はドラマの内容としては、この回が庶民的でカタルシスを感じる一番好きな回ですね。

現実、世間では教師が教師をいじめるという(しかも子どもがやりそうないじめ)事象が発生しているので、この前代未聞のいじめをぜひサキに成敗してほしいと思ってた今日この頃に、この回、いいですね。

>男子がこういうことに嫌な顔しないで付き合うと言うのは、なんだか珍しい光景のような気がする。
 ドラマ版の三平くんって、将来、いかにも優しそうな夫or父親になりそうなキャラである。

確かに、男性が入るにはちょっと気恥ずかしいですね。三平はいいパパになりそうですね。
三平一押しなんですね~(大五郎~(悲))

三平はひたむきな姿勢に好感を持てますね。

>その手には、バラの造花が一輪。

やはり、神サマにバラが似合う。

>お前は瞬間移動が使えるのか?

もうここまできたら使えるのでしょうね(笑)
ちなみに、このぬっと現れる瞬間移動の発見は管理人様のHPでした。

>暗闇指令の声「バカが見ーる、ブタのケーツ!」

懐かしい(笑)
実際、私も小学~中学のころ、聞いたことがあるような、使用してたような、すっかり忘れてた表現(笑)

>ともあれ、次のシーンでは、早くもサキが泉ヶ丘高校に転入生としてやってくる。

いいですねぇ、違う制服、確か他校の制服を着るのはこれが最後だったかな。

>何故なら、散々痛めつけられたサキがコンクリートの柱にもたれていると、
>サキがやれやれと言う顔で立ち上がり、服についた汚れを払っていると、

ボコボコにされても、全くダメージを受けてない、強すぎるサキ。

>その黒幕が、呼んでないのに、2代目セリカXXに乗ってやってきたからである!

管理人様は車の歴代車種まで精通されてましたか(驚)
矢口という男はきっと日銭に困ってて、ほぼ毎日取立にきてたのでしょう。

>いつの間にあらわれたのか、神が愛車のポルシェを従えて、意味もなく立っていた。

確かに(笑)
サキがボコボコにされてるのを見てるだけですもんね。

>サキ「神、バックにいる奴が現れたようだよ」

なんだか、管理人様のブログをずっと読んでると、

サキ「あんたの後ろにいるよ」
神「ヒィィィィ」

と勝手に想像しちゃいます(笑)

>正直、神がここに来る必要性はないのだから、矢口のインチキスポーツカーに対抗心を燃やして、自分のポルシェで大人と小僧の違いを見せ付けに来たのか

これは大爆笑ですね(笑)
なるほど、対抗意識でしたか、視点が面白すぎです。ポルシェを従えてですもんね(笑)

>あるいは、純粋にサキ(の貞操)が心配だったのかもしれない。もう、神ったら、素直じゃないんだから。

なるほど、いやらしいことが始まったら、ようやく神サマの重い腰が上がり、華麗な神サマキックが見れるのですね。

>サキ「ラーメン代払わないつもりなの?」

当時観てて、お金払わず出ようとしてる、いわゆる食い逃げをしてる~思ってましたね。私は子どもの頃、特撮のような明るいテーマではなく、反社会的な、どす黒いテーマのテレビをみてたのだなぁ~としみじみ思います。「3」も別の意味で怖いもんなぁ~軽くホラー系。
そういえば、乳姉妹も優子が自分で覚せい剤を注射してるのも覚えてました。子どもならではの注射嫌いで、自分で自分にお注射してる~と不思議に思ってました。
どれもドロドロしすぎたドラマで、子どもに何をみせとるんじゃ~と、親に言いたいですね(笑)

>サキ、開き直る優子の正面にまわると、その顔を思いっきり引っ叩く。

ここの部分がグッときますね~、悪者を倒すだけではなく、弱い人間も強くさせる箇所。

>その間の動きをカットして、サキの説教だけをモンタージュした、なんか、ACの「いじめ撲滅」CFを並べたような、独特の映像空間になっている。

ここも最高のシーンですね。カタルシスを非常に感じます。

>黒幕が誰かと言う、謎解きの面白さも皆無であったし。

確かに、矢口アニキの力だけでは見るからに心もとないので、もっと上の組織がいそうですね。

管理人様の慧眼力には恐れ入りますね。
重層的な内容で昨年末にドラマを観た以上に充実した回でした。
更新お疲れ様でした。

母親と言えば…

確か斉藤由貴は十年チョイ前に制作された
劇場版における四代目サキの母親役という役回りでしたか。

南野陽子と浅香唯の劇場版はあったけど
初代サキは無かったんでしたっけ?

Re: 普遍的な回

> 現実、世間では教師が教師をいじめるという(しかも子どもがやりそうないじめ)事象が発生しているので、この前代未聞のいじめをぜひサキに成敗してほしいと思ってた今日この頃に、この回、いいですね。

たまにはこういう真面目なストーリーも良いですよね。

> 懐かしい(笑)
> 実際、私も小学~中学のころ、聞いたことがあるような、使用してたような、すっかり忘れてた表現(笑)

自分は使ったことないですが、なんとなく頭の片隅に残ってました。

> 管理人様は車の歴代車種まで精通されてましたか(驚)

いえいえ、その逆で、まるっきり疎いんです。

たまたま、手元に当時のプラモデルのカタログがあって、それに載ってたので分かっただけです。

> なんだか、管理人様のブログをずっと読んでると、
>
> サキ「あんたの後ろにいるよ」
> 神「ヒィィィィ」
>
> と勝手に想像しちゃいます(笑)

そんなギャグ書いてましたねえ。

> これは大爆笑ですね(笑)
> なるほど、対抗意識でしたか、視点が面白すぎです。ポルシェを従えてですもんね(笑)

ありがとうございます。ちなみに矢口の車は、のちに久巳が乗っていた車と同じですね。HPでも書いてたかな?

> 当時観てて、お金払わず出ようとしてる、いわゆる食い逃げをしてる~思ってましたね。私は子どもの頃、特撮のような明るいテーマではなく、反社会的な、どす黒いテーマのテレビをみてたのだなぁ~としみじみ思います。

ま、特撮も、70年代ではかなりダークな作品もありますけどね。

> ここも最高のシーンですね。カタルシスを非常に感じます。

それこそ、現実のいじめっ子たちに見せてやりたいシーンですね。

> 管理人様の慧眼力には恐れ入りますね。
> 重層的な内容で昨年末にドラマを観た以上に充実した回でした。
> 更新お疲れ様でした。

過分なお褒めのお言葉、恐縮です。

こちらこそ痒いところに手の届くコメント、ありがとうございました。

Re: 母親と言えば…

> 南野陽子と浅香唯の劇場版はあったけど
> 初代サキは無かったんでしたっけ?

無いですね。テレビ版も斉藤さんのスケジュールの都合で早く終わったらしいので、映画は無理だったでしょうね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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