※この記事は、過去に公開した記事の画像を貼り直しつつ、加筆訂正したものです 久しぶりの美女シリーズのお時間です。
今回紹介するのは
「天使と悪魔の美女」。サブタイトルに「白昼夢」とあるが、これは乱歩の短編(掌編と言うべきか)で、語り手が真っ昼間の通りで、本物の死体を陳列して道行く人に語りかける男を見ると言う、一種の幻想譚である(一読をすすめる)。
ただし、ドラマのほうは、まったく別の長編の「猟奇の果(はて)」が元になっている。これは昭和5年に執筆された、前半と後半でがらっと印象の異なるヘンテコな作品だが、それは、連載途中で行き詰まった乱歩に、連載誌の編集長だった横溝正史が助言して、後半から路線変更した結果なのである。
で、その内容だが、前半は、典型的なフラヌールの主人公が、自分(や、友人、妻)とそっくり同じ人間が存在しているのではないかと言う疑惑を抱く、奇怪で幻想的なストーリーが丁寧に描かれているのだが、後半からは、まあ、何とも言えないぶっとんだクライムサスペンス(?)っぽくなってしまう。正直、滅茶苦茶なのだが、これはこれで面白い。ちなみに、ビートたけしと田村正和共演のドラマ「明智小五郎対怪人二十面相」は、この後半部分のストーリーが下敷きになっているみたいだ。
ドラマは1983年の1月1日(!)に放送されたもので、節目のシリーズ20作目と言うこともあってか、「序章」「1部」「2部」と、3部構成の体裁で、ボリュームは「天国と地獄の美女」に匹敵するほどである。
「序章」 夜霧に包まれた、まるでロンドンのベーカー街のようなレトロな街路を、コートで渋く決めた我らが明智センセが、コツコツ靴音を響かせながら歩いている。
やがて、古びた屋敷の前に立つ明智。表札には「青木愛之助」の文字が。
明智の声「クリスマスイブの宵、私はかねて招待を受けていた青木邸を訪れた……」

明智が玄関でコートを脱いでいると、正面に立つ甲冑の中から、屋敷の主人・愛之助が顔を出す。演じるのは名優・中村嘉葎雄。
愛之助「やあ、いらっしゃい」
明智の声「彼がこの屋敷の主で、亡父の莫大な遺産を受け継ぎ、何不自由のない生活を送っている彼は世間で言えば働き盛りの壮年にして、既に人生に飽き退屈しているような男だった……妻の様子がおかしい、調査してくれないかと言うのが私への仕事の依頼だった」
彼は余興として仮装パーティーを開いているところだと言う。

明智が奥に進みかけると、宝塚の男役と言った風情の男装の麗人が続いて玄関に立って、呼び鈴を鳴らす。彼女も招待客の一人で、愛之助の主治医の三田村あき(鰐淵晴子)だった。

自分の用意した衣装に着替えろと言う愛之助の言葉に従い、別室で鏡に向かっている三田村女医。
念のため、宝田明さんではありません。

彼女はいきなりここですっぽんぽんになって、テレビの前のお父さんたちのハートを鷲掴みすることに成功する。
もっとも、これは脱ぎ女優さんのおっぱいなのだが、脱ぎ女優さんの中でも、かなりグラマラスなボディである。

愛之助は、甲冑をつけたまま、明智にパーティーの参加者を紹介して行く。
元歌劇団のスターだったという妻の芳江(高田美和)、姪のカオル(美保純)、舞台演出家の九鬼、秘書の佐川など。
カオル「わたし、クレオパトラですのよ」 明智「はぁ……」
……て、言われてもねえ。
そして……

何故か、変な格好をした波越警部の姿まであった。
波越「トゥービーオアノットトゥービー、ザッツイズザクエスチョン」
明智「……」
明智は咄嗟に他人のふりをしようとしたが、やっぱり気の毒なので話しかける。
明智「警部!」
波越「どうだい、似合うだろう」
明智「似合うって……ノートルダムのセムシ男みたいですね」 明智さんにしては珍しいツッコミが炸裂する。
波越「ぶぶっ、ハムレットだよ、これはーっ!」
明智「ハムレットですか」
波越「やめた」
気分を害したようにカツラを脱ぐ波越だが、なんとなく、天知さんも、荒井さんも、「素」で笑っているようにも見える……

最後に「メリークリスマス!」と言いながら、ドレスに着替えた三田村あきが降りて来る。彼女も芳江と同じ歌劇団出身らしい。歌劇団と言っても、宝塚じゃなくてSKDの方だが。
愛之助は妻の目の前で、公然と三田村に抱き付いてみせる。すぐにその場を離れようとした妻を語気鋭く引き止めると、熟女二人を左右にはべらせ、ご満悦の愛之助。
芳江「私、ちょっと気分が」
あき「私を見て出て行くなんてあてつけがましいこと」
愛之助「ホステスがいなくてどうする? うん? 月の女神に夜の女王だぁ、ふふふふふふふ」

両手に花の愛之助を、羨望の目で見る童貞の明智さん。
愛之助は「誰かが殺されるかもしれない」などと物騒なことを口走る。
愛之助「だから名探偵と名警部をわざわざお呼びしたんだ」
九鬼「馬鹿なこと言うなっ」
その後、折角名探偵と名警部がいるんだからと、ゲストを地下室の犯罪コレクションに連れて行く愛之助。

愛之助「刺激を求めては、見るもの聞くもの面白いものを集めてみましたがね、だが、残念なことに刺激が強くなればなるほど神経は麻痺していく……」
明智「……」
ツッコミを入れるべきかどうか、真剣に悩む明智さん。
続いて、男女ペアで回転する、まるで本物の人間のように精巧に作られたオルゴール人形を動かして見せる。ま、本物の人間なんだけどね。
波越「わっ、凄い」
愛之助「これが本物の死んだ人間だとしたら素晴らしい。これこそ私の美学です。私はね、この退屈を吹き飛ばしてくれる本物の恐怖、戦慄と言ったものを味わいたいんですよ」
いかにも人生に倦怠しきったように慨嘆する愛之助。
この短いシーンだけ、「白昼夢」から採られた箇所だろう。
愛之助は調子に乗って、ギロチン台に妻を寝かせようとするが、明智は刃を止める安全装置が切れていることに気付いて、慌てて芳江の体を抱き止める。ギロチンが落ち、代わりに人形の首が飛ぶ。
愛之助「良かった、明智先生に来ていただいて……ふっふふふっはっはっはっはっはっはっ」
目の前で妻が死に掛けたと言うのに、ニタニタと嬉しそうに哄笑を響かせる愛之助だった。
ここでタイトル。

美保純さん、早くもおっぱいを出してます。
第1部「黒髪の麗人」 さて、正月と言うことで、文代(高見知佳)も晴れ着姿で事務所に駆け込んでくる。

文代「遅くなってすみません。はぁー、もう何しろ美容院が大変で……はぁ、先生、明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願いします」
明智「いやぁ、こちらこそよろしく……しかしなんだねえ、文代君もこういう格好しているとやっぱり女の子だなぁ」
ホームドラマでありがちの台詞を口にする明智。しかし、初代文代の五十嵐めぐみさんと違い、高見知佳さんだとまるっきりマイホームパパと大学生の娘、と言った感じである。

文代「先生、そんなこと仰ってよろしいんですか? じゃあお礼に私も先生に、お年玉を上げましょうね~」
文代、からかうように言うと、用意していた「節煙」の貼り紙を広げてみせる。
明智「おいっ」
文代「じゃ、早速実行して頂きます」
と、明智がくわえていたタバコをつまみとって、灰皿で揉み消す。
そのタイミングで、横にいた小林少年が「先生、こういうの、『馬子にも衣装』って言うんでしょう?」と囁くのだが、なんかピントがずれてるなぁ。同じようなことを既に明智さんが言ってるからねえ。
そこへ新年早々、依頼人の愛之助から電話があり、事務所の近くのホテルに来てるから明智にも来て欲しいと言ってくる。
よほど金に困っていたのか、元旦だと言うのに、明智は請われるままにホテルへ向かう。
ホテルで待っていた愛之助は、妻・芳江が不審な電話を受けて出掛けたので、尾行しているのだと話す。その後、芳江はタクシーを拾ってどこかへ行く様子。愛之助に言われるまま、明智さんもひとりタクシーに乗って追跡する。
結局、芳江は普通の木造の民家の中に消えた。と、ホテルで別れた愛之助も、先回りしてその家の近くに隠れていた。彼はここだろうと見当をつけていたと話す。

愛之助はそこの女主人と顔見知りのようで、明智を伴って秘密の階段で2階に上がる。
どうやらそこは、民家を利用した連れ込み宿のようなところらしい。しかも、寝室の中が覗ける隠し部屋まで作られていた。愛之助は明智に寝室の中を見るよう促す。
赤い照明の下、抱き合っている男女は芳江と、舞台演出家の九鬼であった。
ここでは高田美和さん、ガンガン脱いでおっぱいを勝部演之さんに揉みしだかれている。初めて見たとき、管理人は高田美和さんには清純派女優のイメージしかなかったのでちょっと驚いた。
妻の不倫現場をその目で見たと言うのに、愛之助はさしてショックを受けた様子もない。
その後、愛之助の車で屋敷へ向かう途中、明智はクライアントの心底をはかりかねたように、
明智「一体、どういうおつもりですか? 私に奥さんの調査を依頼なさった理由です。離婚なさりたいんですか?」
愛之助「ふっふっ、とんでもない」
明智「あなたはまるで喜んでいらっしゃるようだ。ああなるように仕向けたのはあなたじゃないんですか」
明智、愛之助の不可解な態度に、つい、なじるような口調になってしまう。
ところが、二人が屋敷に戻ってみると、その芳江がちゃんと家にいるではないか。

愛之助「出掛けたんじゃなかったのか?」
芳江「そのつもりだったんですけど、やめましたの」
明智と愛之助は思わず顔を見合わせる。
芳江「明智先生、新年おめでとうございます」
明智「は、おめでとうございます」
何の後ろ暗いところもないように、明るい笑顔で型どおりの挨拶を施す芳江。とても直前まで、別の男性とくんずほぐれつようにしていたとは見えない。
では、さっき見た芳江は何者だったのか?
原作だと、まず、愛之助の友人の品川と言う男が二人いるのではないかと言う謎が提示されるんだけどね。
そこへ秘書の佐川がやってきて、芳江たちを映写室へ案内する。
芳江はしばしば彼女の歌劇団時代の舞台のフィルムを見て、ひとり心を慰めているらしい。
芳江に誘われてはイヤとも言えず、明智も映写室でフィルムを見せられるハメになる。

芳江「嬉しいですわ。いつも私ひとりなんですもの」
明智(新年早々、なにやってんだろ、俺?) そもそも明智が、つまらない浮気調査のような依頼を引き受けると言うのがおかしいんだけどね。やっぱり、相当困窮していたのだろうか?

そのフィルムは、無論、このドラマのためにわざわざ作ったもの。ちなみに撮影時、高田さんは35才で、さすがに歌劇団の主役を張るのは勇気がいる。
と、フィルムが一瞬途切れたかと思うと、全然別の舞台に画面が切り替わる。

オペラ「カルメン」で、カルメン役の芳江の前にホセ役として現れたのは、あの三田村あきであった。だが、芳江と踊っている最中、あきは階段を踏み外して転げ落ちてしまう。思わず目を背ける芳江。
芳江「やめて、やめて!」
芳江の悲痛な叫び声に、映写室から佐川が飛んでくる。
佐川「奥様、大丈夫ですか」
芳江「誰が、誰がこんなことを……」
どうやら、いつの間にかフィルムに細工が施されていたらしい。
そこへ着物姿のカオルが現れる。

カオル「誰かがフィルムを入れ替えたのかもね」
明智はそこでやっと、フィルムの中で転倒したのが三田村あきだと気付く。
明智「あれは……」
カオル「そうよ、三田村先生。叔母様とのゴールデンコンビで売り出し中だったのに、何故かあのカルメンを最後にお辞めになったんですって……何故かしらねえ」
と、そこへ当のあきも現れ、
あき「もう、その話はいいわ。過去なんか思い出したくもないわ!」
激しい口調で切り捨てる。あきが2階へ上がっていくと、愛之助もすぐ追いかける。
カオル「叔父様はね、週に一度の定期健診なの。いったい何を診て頂いてるのか……」
意味ありげにニヤニヤしながら明智に説明するカオル。芳江が席を外した後、
明智「奥様は、今日は外出は?」
カオル「一日中家にいましたわ。叔母様はね、
忘れられたスターだけじゃないの、忘れられた妻なのよ」
カオルの台詞から見ても、やはり今回のストーリーはコロンボの名作「忘れられたスター」から着想を得ているのだろうか。

2階では、愛之助とあきが変態的な情事に浸っていた。
女王様風のコスプレをした三田村の脚に、愛之助が縋り付いて狂ったように笑っている。
カオル「醜い人たち……この家を救うには誰か死ぬしかないのよ」
そこへ電話が鳴り響く。カオルが出ようとしないので仕方なく明智が受話器を取る。意外にもそれは波越警部からで、九鬼が例の連れ込み宿で刺殺死体となって発見されたと言うのだ。
(今年は新年早々、色んなことが起きるなぁ) と、思いつつ、明智はあの民家へ取って返す。
女将や明智から事情を聞いた波越は、すぐ、愛之助が犯人だと決め付ける。
情事を覗き見した後、愛之助が、明智と別れたわずかな時間を利用して部屋に踏み込み、九鬼を刺し殺したと言うのだ。
波越警部は明智と共に、演出家の九鬼殺しのアリバイを愛之助に確認しに行くが、皮肉にもそのアリバイをその時一緒にいた明智が証明することになる。
明智の方は、むしろ芳江が二人いるのではないかと言う疑惑にとらわれていた。芳江本人に直接聞いてみるが、芳江はずっと家にいたと言い、第三者の証言もあった。

明智「つかぬことをうかがいますが、奥さんに双子の姉妹は?」
芳江「いいえ、双子どころか、兄弟もおりません」
明智さん、恥をしのんで、そんなアホらしい質問までしてみるが、あっさり否定される。
もっとも、仮に芳江に双子の姉妹がいて、芳江と共謀して九鬼を殺したのなら、芳枝がその存在を明智に教える訳がないのだが。
逆に、芳江は、殺人現場にあった黒い薔薇が自分の机の上にも置いてあったと言い出し、自分も殺されるのではないかと明智に保護を求める。そんな話をしている最中、ドアの隙間からどこからともなく矢が飛んできて、危うく芳江に突き刺さりそうになる。確かに、誰かが彼女を狙っているようであった。
その後、明智たちは事務所で事件について話し合う。

文代「私、思うんですけど、女の敵は女です」
明智「おいおい文代君」
文代「私、真面目なんですから」
文代は、自分の意見を言いながら、さりげなく明智の手からタバコの箱を取り上げ、胸元にしまう。
文代「とにかく、芳江さんは誰かに恨まれてるんです。となると、カオルさんが怪しいんじゃないかしら。だって自分の好きな男の人が他の女の人に気を取られていると知ったら」
明智「君は佐川君のことを言ってるの?」
文代「ええ」
波越「それだったら佐川に何かするんじゃないか?」
文代「あら、女ってものはですね、肝心な男より、まず相手の女を恨んじゃうものなんです」
波越「へえ、そういうもんなの?」
文代「そういうものよ、断然、女の嫉妬!」
文代は自信たっぷりに断言するが、

波越「いやぁ、俺はやっぱり男の嫉妬が気になるなぁ」
小林「青木愛之助ですか」
波越警部は波越警部で、愛之助犯人説を捨てようとしない。
話しながら、警部が取り出したタバコをさりげなく拝借しようとする明智だったが、

再び文代に横から掻っ攫われてしまう。
不満げな明智に対し、文代は黙って背後の「節煙」の紙を指差す。
明智「……」
波越「さあて、かえろ」
明智はその後、三田村あきの勤めている病院を訪れる。三田村の元にも例の黒い薔薇が送り付けられていた。

あき「そうですか、九鬼先生の死体に……」
明智「犯人に心当たりは?」
あき「いいえ……その犯人と黒薔薇の送り主は同じなんでしょうか?」
明智「たぶん」
あき「私を憎んでいるとすれば……」
明智「心当たりがあるんですね?」
あき「いいえ……私が芳江さんの名前を挙げるとでもお思いになりましたの? 愛したり憎んだり、愛されたり憎まれたり、人間生きていれば当然誰でも免れませんわ」

二人が病院のテラスへ出て、なおもあれこれ話していると、頭上から大きな木枠が唸りを上げて落ちてくる。明智はあきの体を抱えてなんとかかわす。
急いで屋上へ行くと、それを支えていたロープが何者かに切断されていた。
事務所に戻った明智は、芳江とあきの関係などを調べていた文代たちから報告を受ける。
あの「カルメン」の舞台で、芳江の足があきを躓かせてあの事故につながったのは、劇団関係者の中では公然の秘密だそうで、それを契機に、芳江とあきの「ゴールデンコンビ」も解消してしまったという。
文代「かたやそれから大スター、かたや泣く泣く舞台を断念……じゃあ、15年前の仕返しに、あきさんは青木さんの愛人になったんでしょうか」
明智「それがどうも違うようなんだな、青木愛之助の方からわざわざそう仕向けたようなんだ」
どうにも不可解な愛之助の行動に不審を抱き、文代たちも波越の説に傾きつつあった。
明智が街を歩いていると、芳江が、三田村あきの青年助手・辰巳と車に乗っているのを見掛ける。明智はちょっと気になって、芳江が舞台復帰を目指して稽古をしている筈のレッスン場へ向かう。

その芳江は、紫色のレオタードを着て、若い女の子たちと一緒に踊っていた。
……
うむ、下腹がセクシーぢゃ。

管理人的には、高田さんの熟女コスプレより、時折画面をよぎる若い女の子たちのお尻の方が興味ありますけどね。

ゴロゴロ転がる芳江さん。
一体、何の練習なのだろう?
この、往年のスターが若いダンサー達に混じって汗をかいているあたりも、コロンボの「忘れられたスター」とそっくりである。
稽古の後、舞台袖で待機していた佐川が芳江にタオルを渡しながら、芳江の動きをべた褒めする。
そこへ明智がやってきて、芳江にさっきのことを訊ねるが、本人も佐川も朝からずっと稽古場にいたと証言し、明智はすっかり混乱してしまう。芳江とそっくり同じ顔をした女がいるのだろうか?
佐川によると、愛のない夫婦生活を送っている芳江にとっては、舞台に返り咲くことだけが心の支えなのだと言う。
だが、夫の愛之助は芳江の舞台復帰には否定的だった。(註・これまた、「忘れられたスター」と同じ)
愛之助「まだそんなバカなこと言ってるのか。カムバックなどして何になる……バカな夢は見んことだ、捨てろ、捨てろ。九鬼が死んだ今、誰がお前の力になろうと言うんだ? もっと大人になりなさい、舞台なんかのあだ花になるより、性の深淵を極める……その方がどれだけ豊かで、幸せなことか」

冷たく言い放ちながら、芳江の白い肌にナイフを這わせる愛之助。
そこへ佐川がやってきて芳江を擁護するが、愛之助は嘲笑い、さらに、芳江へのファンレターがすべて佐川が仕組んだヤラセだと暴露してしまう。
愛之助「自分が楽しむ為なら金は惜しくないが、他人の目を楽しませるなんて御免だね」

愛之助「何度も言うが、私は一銭も出さんよ」
妻の夢を念入りに踏み潰してから、その服をナイフで切り裂いておっぱいをポロリさせる愛之助。

目の前に愛する人のおっぱいがちらつき、目の遣り場に困るとか言いながら、しっかり目に焼き付けている佐川クンでありました。
ただ、ここは不自然にカットが切り替わっているので、高田美和さんのおっぱいじゃないのかもしれない。まあ、他のシーンではガンガン脱いでいるのだから、ここだけ代役を使うのも変なんだけどね。
愛之助「佐川は芳江に惚れとるぞ、ふっはっはっはっはっ、ええ、カオル?」
それだけでは飽き足らず、物陰からこちらの様子を窺っていたカオルにそんなことを言って嬉しそうに笑う愛之助。
愛之助、別に犯罪者でも殺人鬼でもないのだが、金の力で、家族や周りの人間を振り回し、困惑させ、悲嘆させ、もてあそぶことにこの上ない喜びを感じる精神的なサディストであり、「美女シリーズ」の登場人物の中でも一、二を争うゲス野郎と言えるだろう。
その2へ続く。
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