第37話「戦慄のカーニバル-名古屋篇-」(1983年2月27日)
ぜーはー、ぜーはー、続いて、名古屋篇である。
実は、管理人が本当に書きたいのは38話であり、前述したように名古屋篇の二本は、それぞれ別個のエピソードになっているので、こちらの37話はスルーしても良かったのだが、これだけ外すというのは気持ちが悪いので、簡単に紹介しておくことにした。
冒頭、西部署の真ん前に、寝袋に入れられた若い婦警の他殺死体が投げ捨てられるという凶悪な事件が発生する。
時を移さず、捜査課に、得体の知れない男、ハヤタこと黒部進からの電話があり、彼らが捕らえたばかりの強盗犯半沢を釈放しろと要求してくる。しかも、彼が奪った17億円相当の宝石類を持たせて。
ハヤタ「要求が容れられなければまた婦人警官の死体を送ってやるよ」
その後、殺された婦警の同僚で21歳の婦警が行方不明になっていることが分かり、ハヤタの脅しがハッタリでないことが分かる。
大門「五郎、ポッポ、豚箱の半沢を叩け」
沖田「わかりました」

大門の命令に、「待ってました」とばかりに、嬉々として半沢を痛めつける二人。
信じられないかもしれませんが、半沢を虐めている人たちはヤクザじゃなくて刑事です。
その結果、半沢は、名古屋の宝石ブローカー土屋から宝石強盗を頼まれたと白状する。
ただ、録音したハヤタの声を聞かせたところ、半沢は土屋の声ではないと言う。
鳩村「団長、これは盗品の宝石を売り捌くブラックマーケットの組織がからんでるんじゃないでしょうか」
大門「……」
南「団長、こりゃ奥が深そうですな」
大門「……」
沖田「なんか言えよ」 また、ハヤタがどうやら名古屋から電話してきたらしいことが分かったので、例によって大門軍団が総出で名古屋に出張するという、現実にはありえない展開となる。
つーか、彼らが留守中に凶悪事件が起きたらどうするつもりなのだろう?
一方、彼らを監督する立場の小暮捜査課長は、
昼間っから酒かっくらっていた。 悪党の皆さ~ん、今、今が、西部署を襲撃する絶好のチャンスですよ~!
ちなみに彼らがいるのは、2での刑事たちの溜まり場であるスナック「セブン」である。小暮っちの左右には、ママの七重(吉行和子)と、珍しく明子もいて、
明子「かんぱーい、課長さん、飲もっ」
小暮「よし、かんぱーい」
明子「うふふふ」
小暮「幼稚園の保母さんが悪酔いですかね、こりゃどういう風の吹き回し?」
七重「淋しいのよ、アコちゃん」
小暮「兄貴がいなくて清々してると思ったけど」
酔っ払ってる明子がめっちゃ可愛いのである!
さて、静岡篇と同様、名古屋の警察署、それも、県警本部に乗り込んで我が物顔で捜査を始める大門軍団。
土屋を追いかけて、必要以上に長いカーチェイスの末、なんとか土屋を捕獲する。
と、大門にまたハヤタから電話が掛かる。

大門「大門ですが」
ハヤタ「こら、名古屋まで乗り込んで派手にやってるようだが、
あんたねえ、少しは周りの人の迷惑も考えなさいよ」
大門「反省しております」
悪党にまで説教される大門であったが、嘘である。
ハヤタ「こら、名古屋まで乗り込んで派手にやってるようだが、肝心なことを忘れて貰っちゃ困るよ」
大門「……」
ハヤタ「え、どうなんだ?」

大門「……」
鳩村(ほんとに忘れちゃったんだろうなぁ……) じゃなくて、
ハヤタ「半沢を釈放するのか?」
大門「条件がある」

ハヤタ「ガタガタ言うんじゃないよ、今からな、いいものを聞かせてやるよ」
電話の向こう側のハヤタが部下に顎で合図すると、

部下は婦警の猿轡を外して、首筋にタバコの火を押し当てるというむごいことをする。
婦警「あっ、いやっ、あんっあんっ! いや、やめて……ああーっ! ああーっ!」 電話越しに響き渡る、婦警のちょっと色っぽい叫び声に、

大門「
待てぇっ! ……念の為、もう一度聞かせてくれないか?」
鳩村(真顔で言うな、真顔で……)
うっかりコーフンしてしまった最低野郎・大門であったが、嘘である。
大門「待てぇっ!」
ハヤタ「これで無事だってことが分かったな、こっちの要求を飲んでもらうぞ」
ハヤタの要求は、半沢に宝石を持たせて長島温泉……スパーランドに来させろというものだった。
この後、人込みでごったがえすスパーランドを舞台に刑事たちと犯人たちの行き詰る駆け引きが描かれるのだが、特にどうでも良いのでカット。
ちなみに、チョーさんこと南長太郎(小林昭二)が、ハヤタと電話で話すシーンがあるのだが、考えたらこれってムラマツキャップとハヤタの共演なんだよね。
あと、南長太郎って、南光太郎に似てるな。
色々あって、犯人たちの乗った車を大門軍団や現地の機動隊などが追いかけて、園内での爆発を交えた激しいカーチェイスが繰り広げられる。
極めつけは、

犯人たちによって護送車(?)が爆破され、

さらに、もうもうと吹き上がる大量の黒煙の下を、まるでトンネルでもくぐるように走り抜けて犯人の車を追うパトカーの列と言う、とてもテレビドラマとは思えない大迫力シーンであろう。
その最中、子供を人質にして喫茶店に立てこもった犯人の一人に、小暮っちが防弾チョッキもつけずに手ぶらで近寄り、普通に撃ち殺されて「バカじゃねえのか?」と犯人に言われる、刑事ドラマ史上、最低の殉職シーンがあるが、管理人の見た幻覚である。
実際は、小暮の……と言うか、プロデューサーの威光に恐れをなした犯人は銃口を向けたままで引き金を引くことが出来ず、最後は小暮っちにぶっ飛ばされて逮捕されるのである。
一方、ハヤタたちは、園内を暴走して数え切れないほどの爆発を起こした挙句、

大門のショットガンに撃たれて火ダルマになりながらジャンプし、

空中で爆発しながら池の中に突っ込み、

炎と一緒に大量の水飛沫を跳ね上げるのだった。
この後、駆けつけた大門たちが池の中に飛び込んで犯人たちと激しく殴り合うのだが、はっきり言って蛇足である。
とにかく、「西部警察」って、アクションシーンが多過ぎる。
言い換えれば、中身のない脚本が多過ぎる。
ともあれ、大門たちの活躍で犯人たちは全員逮捕され、人質になっていた婦警も無事救出されて、事件は解決する。

小暮「みんなごくろうさん」
大門「分かりました。こっちは寒いです、参りました!」
小暮から無線で、人質が無事だと知らされた大門、よほど水が冷たかったのか、珍しくおどけたような、ほとんど渡哲也の素になって音を上げる。
まぁ、それは良いのだが、
大門「さ、行こうか」 だーかーらー、
悪人を退治したらすぐ帰ろうとするのやめいっ!! ひとんちの縄張りで大暴れしておいて、後始末もせずに帰っちゃう奴がありますか?
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