第10話「珍種ポマトの秘密」(1982年4月10日)
冒頭、東都大学にて、ひとりの学生による歴史的大発明の発表が大勢のマスコミ関係者を集めて行われている。

小沼「皆さん、これをご覧下さい、これがポマトです。同じ茎の上にはトマト、下にはポテトが出来ています。すなわち、トマトとポテトの合成植物なので、
トテトポトマと名付けました」
マスコミ「語呂が悪いっ!!」 じゃなくて、
小沼「ポマトと名付けました」
その会見の生中継を、未来科学研究所のたまりで見ているいつものメンバー。
みどり「ポマト? ポマトですって」

黒田「ポマトですって……」
コンボイの誠と将棋を指していた黒田、みどりさんの言葉を口移しにつぶやいてから、
黒田「なんじゃそりゃ?」
何気なくテレビの方を振り向くが、そこに映っている顔を見た途端、興奮気味の声を上げる。

黒田「小沼じゃないか!!」
誠「知ってんの?」
黒田「知ってるも知らないも、将棋部の部員だったんだよ」
青山「そう言えば黒田さんは東都大将棋部のキャプテンだったんですね」
と、そこへ、黄島と大助が飛んできて、
大助「ね、ね、ね、黒田さん、紹介してよ」
黒田「おおっ」
黄島「ポマトって奴を、味見してみたいんだよね」
いかにも大食漢らしいことを言う黄島だったが、あれは単にひとつの植物に二種類の作物が成ってるだけなんだから、それぞれの味は普通の野菜と変わらないのでは?

さゆり「ああーっ、やめて、私のエプロンじゃないの!!」
さゆり、黄島が自分のエプロンを付けているのに気付き、汚物にでも触れたような顔で叫ぶ。

みどり「君たち、また勝手にキッチンに入ったのね?」
みどりさんも怖い顔をして二人を叱る。
大食らいの二人のことだから、しょっちゅうキッチンに入り込んではつまみ食いをしたり、勝手に料理を作ったりしているのだろう。
しかし、「変身忍者 嵐」にゲスト出演した時は、まだあどけない少女だった小林さん、10年後にはこんなしっかりしたお姉さんになるのだから、時の流れは偉大である。

黄島「あーっ、いけねえーっ!!」
蛇のようにペロリと舌を出しておどけて見せる黄島。
「魔女先生」に出てた頃は、可愛くてやんちゃな子供だったのに、10年後にはこんな鬱陶しいおっさんになるのだから、時の流れは残酷である。
え? さっきと言うてることが違う?
細かいことを気にするな!!
大助も同じく舌を出して面目なさそうにコック帽を深く被るのを見て、みんながどっと笑う。

ミキ「小沼さんて、そんなに優秀だったの?」
ミキが話を戻して黒田に尋ねるが、

黒田「うん? いや、将棋もヘボだったしなぁ……」
ミキ「そう」
黒田は明言を避けているが、少なくともそんなに秀才ではなかったらしい。
それはともかく、久しぶりに貼ったミキのお顔の綺麗なこと!!
前にも書いたような気がするが、純粋に顔形の美しさと言う点では、80年代の戦隊シリーズのヒロインの中では、ダントツではなかろうか。
それに加えて、隠そうとしても隠し切れない知性と品位!!
まさにプリンセスと言う感じである。
赤間「ポマトは、ポテトとトマトと言う二つの異なった細胞を融合させて作ったと思われる。これを細胞融合と言うんだが、ま、理論的には可能でも、まだまだ夢物語とされていたんだ」
赤間が子供たちのために分かりやすくポマトについて説明したのを受け、
黒田「それを普通の大学生が卒業論文の実験で成功させてしまったなんて……」

赤間「何か裏があると思わないか?」
赤間の問い掛けに、
一同「いや、別に……」 赤間「……」
こうして事件はタイトルが表示される前に解決する。
第10話「珍種ポマトの秘密」 ―完― じゃなくて、
一同「うん」
素直に頷く一同であった。
ま、ぶっちゃけ、管理人がこのエピソードをリテイクしようと思ったのは、ひとえにこのしょうもないギャグを書きたいがためであったのだ。
なので、ここで終わっても良いのだが、真面目な読者の方にぶっ飛ばされそうなので続ける。
その後、黒田は久しぶりに大学に顔を出し、廊下を歩いていた小沼に声を掛ける。

黒田「よお」
小沼「黒田!!」
黒田「凄いな」
小沼「ああ、今やっと記者会見が終わったところさ。まぁ明日の新聞を見てくれ、もっと凄い騒ぎになるぞ」
と、小沼は言うのだが、赤木たちが見ていたのだからテレビ中継してる筈だし、今夜のニュースでも報じられるだろうから、なんとなくピントのずれた発言である。
小沼を演じるのは次回作「ダイナマン」でレッドに抜擢された沖田さとしさん。
何気に、ダイナレッドとダイナブラックの共演になってるんだよね。
黒田「なあ、どうやって作ったんだ?」
小沼「それは秘密さ」
黒田「ふーん、ほんとにお前の力でやったのか?」

小沼「なんだと、失礼なことを言うな!!」
黒田との再会を喜んでみせる小沼だったが、黒田の無遠慮な質問にたちまち色をなす。
どうでもいいが、沖田さんの顔って、田村正和に似てる気がする……
小沼、鍵束を取り出して研究室の鍵を開け、中に入るが、

部屋には既に、実写版・峰不二子みたいな(どこがじゃっ)格好をしたマズルカがいて、何やら銀色のメカを持ち去ろうとしているところだった。
小沼「泥棒ーっ!!」
小沼の叫び声に駆けつけた黒田は、咄嗟に将棋の駒を投げつけ、マズルカの手からメカを落とさせる。
マズルカはそのまま窓から飛び降りて逃げようとするが、

黒田「逃がさん!!」
黒田も窓からジャンプして、

マズルカの頭上で一回転して、

その目の前に華麗に着地する。
以前のレビューでも書いたと思うが、やっぱり俳優本人がこういうアクションを決められるというのは、大きな武器だし、ドラマに説得力が生まれるよね。

マズルカ「はっ」
内心「凄いわ~」と思っていたであろう吉田さんだが、険しい顔つきで睨む。
黒田「やはりデスダークか!!」
ここでゴーグルファイブと戦闘員によるバトルが演じられるが、結局、マズルカには逃げられてしまう。

マズルカ「ミニサイザーに間違いありません。小沼秀夫はミニサイザーを使ってポマト作りに成功したのです」
デスギラー「なんと言うことだ、こともあろうに農学部学生の手に入るとは」
マズルカ「その上、ゴーグルファイブまで動き出しています」
デストピアに帰還したマズルカとデスギラーの会話から、あのメカがミニサイザーと言う暗黒科学のハイテクメカで、小沼はそれを使ってポマトを作り出したことが判明する。
デスギラー「バカモノ!」
デスギラーの怒りは責任者であるザゾリヤ博士に向けられる。

ザゾリヤ「はっ……」
怒鳴られて、たちまち涙目になるザゾリヤ博士。
「悪の組織」の幹部にしては、あまりに情けない姿であった。
しかも、
デスギラー「お前が落としたりするから、こんなことになったのだ!」 小沼に盗まれたとかじゃなくて、単に落としただけだったことが分かり、ますますザゾリヤ博士の惨めさが強調される。
しかし、一体どうやったらあんなでかいもんを落とすことが出来るのか、後学のために教えてもらいたいものである。
ザゾリヤ「申し訳ございません」
ザゾリヤ博士が跪いて謝罪すると、
タブー「ネズミの遺伝子!」 それまで沈黙していた総統タブーが、出し抜けに大声で叫ぶ。
ネズミの遺伝子を、怪人製造機こと遺伝子マルチサイザーに投入して新しいモズーを作れという意味であったが、
デスギラー(話の流れを無視して、いきなりでかい声出すんじゃねえっ!!) コミュ障気味の総統タブーに振り回される日々に、だんだん嫌気が差してくるデスギラーであった。
部下は部下でヘタレの能無しばっかりだし、もし15話で(少なくともタブーに比べれば)話の分かる上司デスマルクと巡り合っていなければ、早い段階でデスダークから逃げ出すか、あるいは謀叛でも企てていたかもしれない。
それはともかく、ネズミの遺伝子を注入された怪人製造機が作動を開始するが、工程を経て製造機から出てきたのは、モズーではなく、ただの白いネズミであった。

絨毯の上をちょこまかと駆け回るネズミを、「素」の表情で見るマズルカとザゾリヤ。

と、瞬間移動したように、ネズミがマズルカの網タイツに包まれたお尻の上に飛び乗る。

マズルカ「……」
一瞬の間をおいてネズミに気付き、

マズルカ「いやぁーっ!!」
珍しく女っぽい悲鳴を上げながら飛び退くマズルカ。
そして、あまりに激しくのけぞったので、顔の上部を覆うヘルメットのアクリル部分に鼻が押し潰され、かなりのスーブーになってしまうのだが、女優さんの名誉のために、その画像は貼らないでおく。
それはともかく、ネズミは巨大化してネズミモズーと言う怪人の姿に変わる。
タブー「ネズミモズーは小回りが利き、潜入するのが上手い、細胞融合作戦は諦めんぞ」
デスギラー「ははーっ」
あのミニサイザーは、デスダークに常備されていたメカではなく、細胞融合作戦と言う今回の作戦のために特別に作られたものだったらしい。
で、肝心の作戦の内容だが、
デスギラー「細胞融合でお化け植物、人喰いヅタを合成するのだ!!」 と言う、「それ、なんか意味あるの? お前、本気で世界征服しようとする気あんの?」と、真顔で問い質したくなるようなトホホなものだった。
そんなもん作るより、普通にモズー作ったほうがよっぽど戦力になると思うんだけどね。
つーか、ミニサイザーは彼らが作ったのだから、もうひとつ作れば済むことなのでは?
一方、東都大学では、

黒田「小沼、見せてくれ」
小沼「何を?」
黒田「とぼけないでくれよ! あの時、小脇に抱えた機械、あれでポマトを作ったんだろう?」
赤間「どうして君がそんな凄い発明が出来たのか、説明してくれないか」
黒田たちが、小沼を取り囲んで何もかも打ち明けて欲しいと頼むが、
小沼「君たちに理解することは無理だね」
あのメカを使って名声を得ようとしている小沼は、あくまでしらばっくれようとする。

ミキ「細胞融合が悪用されれば、どんな恐ろしいことになるか、お分かりになる筈よ」
ミキも、凛と張りのある美声で諌める。
うう、やっぱり異次元レベルの美しさ!!
まさに二次元の世界から抜け出してきたようなヒロインである。
と、いつの間にか、部屋に6年生くらいの女の子と、4年生くらいの男の子が立っていた。

和夫「お兄ちゃん」
小沼「和夫、清美?」
清美「お兄ちゃん、気になって見に来たの、やっぱり、なんだか恐ろしい研究じゃないの?」
小沼の妹の清美と、弟の和夫であった。
清美を演じるのは、「デンジマン」19話にゲスト出演して、そのロリロリぶりを遺憾なく発揮していた谷田川知恵さん。
和夫は、世界一やる気のない子役として知られる、「バトルフィーバーJ」のマサルこと、佐藤たくみさん。

小沼「何を言うんだ、ポテトとトマトが一緒に出来れば食糧不足に役立つんだぞ、世の為、人の為になる研究なんだぞ」
清美「でもぉ」
小沼「いいかい、兄ちゃんはね、この発明で歴史に名前が残る。ノーベル賞だって夢じゃないんだぞ」
和夫「そんなにえらくならなくてもいいよ」 黒田「和夫君の言うとおりだ!」
赤間「これ以上研究を続けることは危険なんだっ!」
小沼「出て行ってくれ、指図されるいわれはない!」
他の俳優たちの真剣演技の中にあって、佐藤さんの
「兄ちゃんの好きにしたらええがな」と言い換えてもなんら違和感のない棒読み台詞が、物凄ーく浮いている。
と言うか、これ、芝居なの?
小沼「和夫、お前もだ、さあ、出てってくれ!」
小沼は自分の弟妹も一緒に、黒田たちを研究室から無理矢理追い出す。

黒田「小沼……」
小沼「……」
小沼の変わりぶりに一番ショックを受けたのは、親友(?)の黒田であった。
今回のシナリオのちょっと弱いところは、大学時代、黒田と小沼がどの程度の関係だったか、明示されていない点である。
ま、ここはとりあえず親友だったということにして話を進めて行きたい。
その夜は雨になるが、赤間たちは引き続き大学の敷地内に留まり、小沼の動きに目を光らせていた。
赤間たち4人が建物のまわりに散らばり、青山だけは天井裏に忍び込んでいる。
小沼は見張られているとも知らず、ミニサイザーを使って新たな植物融合の実験に取り組んでいた。

小沼「良い出来だぞ、上が茄子で、下がピーナッツだから、ピーナスと名付けよう」
またかよ……
さすがにバカの一つ覚えであろう。
おまけに語呂も悪いし。
黒田が雨に濡れるのも構わず研究室の窓を見上げていると、そこに傘を差した清美と和夫があらわれる。

清美「黒田さん?」
黒田「はっ、なんだ、君たちか」
和夫「そんなに濡れて風邪引いちゃうぞ」
黒田(タメ口……)
清美はハンカチを取り出して、黒田に差し出す。
黒田「ありがと」
清美「こちらこそ、ずっと兄さんを見ていてくださったんですね」
黒田「俺たちがいるから、君たちは心配しないで帰るんだ」
和夫「はい、傘」
黒田「ありがとう、気を付けてな」
清美たちは傘を黒田に渡して素直に引き揚げていく。
結局何事もなく夜が明け、翌朝は快晴となるが、ネズミとなって研究室に潜り込んだネズミモズーが巨大化して小沼に襲い掛かる。
天井裏にいた青山がゴーグルブルーに変身して飛び込み、騒ぎを聞きつけて集まってきた赤間たちにも、戦闘員が向かってくる。
4人も変身するが、それを窓から見ていた小沼、はじめて黒田がゴーグルブラックであることを知る。
小沼は混乱の中、ミニサイザーを抱えて建物から出るが、そこへ滑り込んできた車に迷わず乗り込むと、さっさと逃走してしまう。
CM後、あえなく失敗して戻ってきたネズミモズーたちを、デスギラーがしばき倒している。
マズルカ「申し訳ありません、実は小沼秀夫が例の細胞融合の研究を帝国財団に売り込んでしまったのです、その上、ゴーグルファイブもうろついていますので、簡単にミニサイザーを奪い返すことが出来なくなってしまったのです」
デスギラー「良い考えがある。奪い返す必要はない」
マズルカ「え?」
デスギラー「要は人喰いヅタを作ればよい」
デスギラー、不敵な笑みを浮かべ、謎めいたことを口にする。
しかし、この手の話で、善でも悪でもない第三者が割り込んでくるというのは、戦隊シリーズでは珍しく、なおかつリアリティーのある展開である。
資本家が、小沼の発明に目を付けて金儲けの道具にしようと言うのは、いかにもありそうな話だからである。
ただし、帝国財団の研究所が出てくるだけで、肝心の帝国財団の人間が一切出て来ないのは物足りないし、それまで小沼が財団について何も言及していないので、消化不良の感じは否めない。

清美「お願いします」
和夫「電話だけでもいいからさ」
警備員「所長命令で誰とも連絡が取れないことになってるんだ」
その後、清美と和夫が、兄に会わせて欲しいとその研究所に押しかけるが、警備員に追い払われる。
同じ頃、黒田たちも何とか研究所に入り込めないかと、その裏手を調べていた。
そこにたまたま通り掛かったのが、門前払いを食ってしょんぼり帰宅中の清美たちだった。
二人は黒田の姿を見掛けると、思わずその胸に縋りついて泣く。

黒田「おいおい、どうしたんだ」
清美「バカよ、兄さん、デスダークが作り出したものを利用しようとするなんて……人が変わったとしか思えないわ」
黒田「それはね、あまりに凄い発明なもんだから、熱に浮かされてるんだ。でも、必ず目が覚める」
和夫「ほんと?」
黒田「君たちの兄さんじゃないか、信じるんだ」

和夫「……」
黒田「……」
黒田の言葉に、嘘泣きであることを隠そうともせず、おまけに人を小馬鹿にしたような目を向ける和夫に、一瞬殺意を覚える黒田であったが、嘘である。
嘘であるが、ここまでひどい子役の演技にはなかなかお目に掛かれないのは事実である。
才能がないのは仕方ないとしても、佐藤さんにやる気がないのは見え見えで、こんな子役をスタッフがわざわざ使う気にはなれないのは道理で、これが最後の出演作になってしまったのも頷ける。
要するに、芸能界自体に興味がなかったんだろうなぁ。
黒田「今度こそ必ず兄さんを助け出して見せる、だから心配するな」
和夫「うん」
その後、色々あって、赤間たちは研究所の敷地内に入り、ゴーグルアイで建物内部を透視して小沼の所在を探すが、なにしろ馬鹿でかい施設なので、なかなか見付からない。
彼らより先に、ネズミになって潜り込んだネズミモズーが小沼の研究所に辿り着くが、小沼が席を外した隙に巨大化すると、

ネズミモズー「食虫植物の細胞液と、ツタの細胞液……」
ミニサイザーの中に、あらかじめ用意していた二つの細胞液をセットし、人喰いヅタの製造を開始する。
そう、デスギラーの「良い考え」とは、ミニサイザーを奪うのではなく、直接細胞液を持ち込んで、その場で人喰いヅタを作り出そうというものだった。
……
いや、ネズミに変身できるネズミモズーなら、普通にミニサイザーを持ち帰れたのでは?
それが証拠に、巨大化した後、二つの試験管を取り出しているが、ネズミがそんなものを運べる筈がないので、同じように、ミニサイザーを持ってネズミに化ければ、ミニサイザーも極小化して持ち運べるに違いないからである。
その後、敷地内でゴーグルファイブと警備員たち、さらにはネズミモズーたちとの乱戦になるが、小沼は財団の警備員に案内されて、秘密の抜け道からミニサイザーを持って脱出する。

清美「お兄ちゃん!」
和夫「お兄ちゃん、行かないで!!」
小沼「はなせ!!」
だが、抜け道を出たところで、偶然清美たちに会い、必死に引き止められる。
ここでも佐藤さんが
「なんか食うもんない?」と言う台詞と差し替えても何ら違和感のない、テキトーな顔で芝居しているのがお分かり頂けると思う。
あと、警備員が、何故か小沼を放置してひとりでさっさと行ってしまうのも、かなりのツボである。
何処に行くんだ?
二人と揉みあっているうちに、ミニサイザーから人喰いヅタの苗(?)が落ちるが、小沼は気付かない。

清美「お兄ちゃん、恥ずかしくないの?」
小沼「なにっ」
清美「お兄ちゃんが有名になってお金持ちになりたくて研究している間、黒田さんは一晩中雨の中、守っていてくれたのよ!!」
小沼「そう言えば、あの時……」
妹の言葉に、黒田が自分を守るためにゴーグルブラックに変身して戦っていた姿を思い出す小沼。
しかし、小沼の目を覚まさせるための献身にしては、「一晩中雨の中」に立っていたと言うのは、いかにもパンチ不足だよね。
単に「傘差せよ」って、話になっちゃうし……
と、ここで一気に太いツタを伸ばした人喰いヅタが、ウツボカズラのような巨大な捕虫袋で、和夫を頭から飲み込もうとする。

小沼「和夫ーっ!!」
小沼さん、反射的に弟の名を叫びつつ、
「このまま食われても、ま、いいかな……」と、思ったり思わなかったりしたそうです!
しかし、手間隙かけた挙句に出て来たのが、こんな中途半端なクリーチャーではねえ……
こんなもん作るくらいなら、帝国財団のようにミニサイザーを金儲けの手段として使い、その金で合法的に社会を支配したほうが、よほど確実で効率的だと思うんだけどね。
小沼「なんだこれは? 俺はこんなもの作らないぞ」
ネズミモズー「へへへへっ、俺が作った合成植物・人喰いヅタで食われてしまえーっ、チューチューチュー!」
小沼の疑問に答えるように、そこにネズミモズーがあらわれ、可愛らしい叫び声を上げる。

小沼「うわっ」
清美「助けてーっ!!」
「ダイナマン」では見せたことのないような情けない顔で悲鳴を上げる小沼。
と、そこへゴーグルブラックが駆けつけ、和夫からお化けヅタを引き剥がして退治し、ミニサイザーも破壊させる。
ここから長い長い、21世紀まで続くのではないかと思われるほど長いラス殺陣&巨大ロボバトルを経て、漸く事件は解決する。
ラスト、小沼は清美たちを引き連れ、大きな荷物を持って大学から出てくる。
その前に、赤間たちがあらわれる。

黒田「小沼、どうしたんだ、その格好は?」
小沼「田舎へ帰って農業をやるよ、大学で勉強したことを今度こそ本当に活かすんだ」
清美「私も手伝うの」
黒田「ああ、自然の恵みを受けて出来たものこそ、最高だよ」
黄島「うん、栄養もあるしね」
和夫「取れたら一番に送ってあげるよ」
黄島「ほんとー? じゃあ楽しみにしてるぞ!!」
しかし、小沼は田舎から上京して大学に通っていたのだろうが、なんでその妹と弟まで、東京にいるんだ?
ミキ「もう、すぐこれなんだからっ!」 黄島の意地汚い言葉に、可愛らしく呆れて見せるミキ。
ああ、かわええ……
小沼「じゃ、僕たちはこれで失礼します」
黒田「うん、元気でな」
旅立つ三人を手を振って見送る5人の姿を映しつつ、幕となるが、

最後も、ミキの飛び切りの笑顔で締めましょう!
なお、田舎に帰った小沼であったが、
父親「けえれ、畑仕事なんてそっだら気軽にやれるもんでねえ」
母親「んだ、んだ」
小沼「……」
すぐ追い返されたそうです。ひでぶっ!!
以上、当時話題になっていたバイオテクノロジーをテーマに、男と男の友情を爽やかに描いた力作であった。
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