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「ウルトラマンA」 第25話「ピラミットは超獣の巣だ!」


 第25話「ピラミットは超獣の巣だ!」(1972年9月22日)

 
 冒頭、小学校のグラウンドで体育の授業が行われていたが、突然、子供の一人がその場にぶっ倒れてしまう。

 が、光化学スモッグ全盛の時代なので、教師はたいして慌てもせず、他の子供たちもバタバタ倒れていくのを見るや、すぐ校舎の中に避難するようテキパキと指示を出す。

 
 生徒「先生、たまねぎの腐ったようなにおいがしたよ。見たら花壇のほうから赤い煙が流れてきたんだ」
 教師「赤い煙?」

 最初に倒れていたこどもをお姫様だっこして運んでいた教師に、他の子供たちが耳寄りな情報を告げる。

 それはそれとして、男性教師の胸に顔を押し付けられている子供の、「なんでこの世に生まれてきたんだろう?」とでも言いたげな切ない表情が、かなりのツボである。

 念のため、教師は他の教師たちと一緒に花壇を掘り起こし、その場にTACの北斗と夕子も立ち会うが、特に変なものは出て来ない。

 教師「子供たち、出鱈目言ったんじゃないだろうね?」
 北斗「しかし、ひとりじゃない、何人も見てたんですから」

 などと言ってるそばから、果たして、土中から赤い毒々しい煙が噴き出してくる。

 北斗たちは子供たちをせきたて、急いで避難させるが、

 
 その際、夕子が前を走ってる女の子のスカートをめくるというハレンチな事案が発生する!!

 やがて花壇のあった場所から、先端が金属で出来た、ピラミッドのような三角錐の建造物が出現する。

 二人が逃げ遅れて呆けたような顔で倒れていた子供を保護していると、煙の向こうから若いミニスカの女性が平気な顔をして歩いてくるではないか。

 
 今回のヒロイン、ミチルである。

 ……

 もう帰っちゃダメですか?

 ダメ?

 そうですか……

 演じるのは、田所陽子さん。

 北斗「おーい、君!!」

 北斗が大声で呼びかけながら彼女に駆け寄ろうとするが、

 
 何故かミチルは、ミニスカを翻して反対方向へ逃げようとする。

 ミチル「ああっ、ああんっ!!」
 北斗「こっちだ、こっちへ来るんだ」
 ミチル「あんっ」

 なんでだろう、なんてだろう、ミニスカでスタイルも良く、声も色っぽいのに、な、な、な、なんでちっとも嬉しくないんだろう~?

 北斗「ダメじゃないか、逃げたりしちゃ」
 夕子「おかしいわ、今頃こんなところで何してたの?」

 珍しく、鞭のように鋭い声で詰問する夕子タン。

 北斗「心配しなくたっていいんだ、俺たちはTACの隊員だ」
 ミチル「TACの? あんたたちが……」

 北斗の言葉に弾かれたように振り向くミチル。

 と、地面が再び揺れ始めたかと思うと、

 
 建造物が完全に地上に出て、エジプトのピラミッドそっくりになる。

 毒ガスを吸った子供たちは病院に担ぎ込まれるが、白血球が異常に増えるという白血病のような症状を示すが、輸血によって快癒するとのことであった。

 ヒーローらしく、北斗と夕子が自分の血を輸血に使ってくださいと言ってると、看護婦さんがさっきのミチルの手を引いてあらわれ、

 看護婦「先生、困るんですよ、この患者さん、血液検査するのと、どうしてもイヤだと言って」
 医者「困るねえ。そんなワガママを言っちゃ」
 ミチル「あたし、自分の体のことは自分でようく知ってるわ、余計なおせっかいよ」
 北斗「何を言ってるんだ、君は赤い煙の中にいたじゃないか。輸血が必要なんだよ」
 ミチル「いやよ、私、あなたの血なんか貰ったら、死んじゃうわ」

 北斗が親身になって心配するが、ミチルの態度も頑なであった。

 
 夕子「変なこと言うわね、それどういう意味なの?」
 ミチル「……」
 夕子「北斗隊員はね、病気ひとつしたことのない健康な青年よ、本気で今のことを言ったんなら、そのわけを聞かせて欲しいわ」
 北斗「夕子!!」
 夕子「さっきもあなた、赤い煙の中へ逃げこもうとしたわね、あれは何故なの?」
 ミチル「余計なおせっかいだって言ってるでしょ? ほっといてもらいたいのよ」

 夕子、いつになく攻撃的な口調で粘っこくミチルを追及するが、ミチルは気分を害したように声を荒げるだけであった。

 その後、TAC本部で事件について話し合っている隊員たち。

 
 竜「科学調査班のスペクトル分析によれば、ピラミッドは地球上に存在しない高密度の金属または合金で出来てるらしい」
 吉村「と言うと、宇宙から来た?」
 梶「断言は出来ません、しかし、ここ数日来オリオン座に原因不明の変化があり、それと関連があるのではないかと推測されます」

 オーパーツにオリオン座か……なんか、ヒストリーチャンネル好みの話になってきたなぁ。

 今野「なあに、ピラミッドの一つや二つ、いざとなればV9の一発でドカーンさ!!」
 山中「やめろ、楽観は禁物だ」
 竜「とにかく、当分は科学調査班の結論待ちと言うところだ。ところで、そのV9の開発は?」
 梶「は、組立作業も最終段階に入っております」

 どうやら、TAC、またぞろ物騒な兵器を、特に使い道もないのに開発中らしい。

 まあ、卵が先かニワトリが先かと言う話なのだが、怪獣やっつけ隊が余計な兵器を開発するから、それを潰そうとして宇宙人が地球に押し寄せているのではないかと言う気がする。

 ちなみにV9って、やっぱり巨人軍のV9から来てるのかなぁ?

 一方、ミチル、都心の公園の中をふらふら歩いていたが、

 
 ミチル「あ、ああ、あーっ!!」

 不意に頭を抱え、顔を歪ませて苦痛の呻き声を上げる。

 ……

 用事を思い出したんで、帰っちゃダメですか?

 ダメ?

 そうですか。

 
 ミチル、耐え切れないようにそのまま植え込みの中に倒れ込む。

 管理人、キャプ職人となって以来、これほどコマ送りをしたくないと思ったシーンは初めてであった。

 それでも、可能性がある限りはコマ送りするのがキャプ職人の使命なのである。

 で、幸か不幸か、見えませんでした。

 やっぱりウルトラシリーズはガードが固い。

 
 と、ミチル、ハンドバッグから赤い粉末の入ったビニール袋を取り出し、その口を開いてガスを吸い込んで、やっと人心地がついたような顔になる。

 まんま、シンナーやってるようにしか見えないが、同じことを考えた二人のヒッピー風の若者があらわれ、

 若者「カワイコちゃん、俺たちにも吸わせろよ!!」
 若者「一分間100円払ってもいいぜ」

 今の特撮ではちょっと無理だろうなぁと思う、ヤバめの声を掛けてくる。

 ミチル「ね、あんたたちさ、TACのことをよく知ってる?」

 
 若者「TAC? なんだっけ?」
 若者「あれだよ、ほら、超獣やっつける」

 分かりやすいヒッピーの格好をした若者たちが、それでもおぼつかない口調で答えるが、ほんとは全然やっつけてないのにやっつけてると思われていると言うことは、TACのイメージ戦略が成功している証左であろう。

 若者「それがどうしたんだ?」
 ミチル「V9って知ってる?」
 若者「V7なら知ってるぜ、いつか新聞に出てた、あれと似たようなもんだろ」

 ミチルはTAC基地が富士山のふもとにあると聞くや、袋を二人に譲ってさっさと走り去る。

 
 無分別な若者たちは、何も知らずに赤いガスを吸ってあえなく昏倒する。

 ま、実際、当時はシンナー遊びが流行っていて、これも実にトレンディなシーンとなっているが、シンナーは本当に体に悪いので、興味本位で吸うのはやめような!! 管理人とその約束だぜ?

 ミチルは富士山麓のゴルフ場に向かうバスに潜り込むが、

 
 その途中、またしても頭痛に襲われ、あのガス袋を取り出して吸い、ホッとするが、袋の口を開けっ放しにしていたので、たちまち車内にガスが充満し、乗客も運転手もバタバタ倒れてしまう。

 まさに歩く迷惑発生装置であった。

 たまたまバスとすれ違った北斗はパンサーで追いかけて並走し、ハンドルを夕子に任せて走行中のバスの窓から入り込むと言う、アクション映画のようなことをして乗り移り、なんとかブレーキを踏んで大惨事になるのを防ぐ。

 
 北斗「ミチル!!」
 ミチル「……」

 北斗の顔を見て、安心したようにその胸にもたれるミチルであった。

 再びTAC本部。

 
 夕子「ぜーったい、おかしいわよ、あの子、ピラミッドのときにもいたし、今日もいた。赤い煙の出るところには必ずミチルさんがいるのよ」

 右手の人差し指を立てて、無理してヤングっぽい喋り方でミチル犯人説を唱える夕子タン。

 北斗「同じ人間が二度被害に遭うのがどうしておかしいんだ? 同情こそすれ怪しむ理由はない」
 夕子「被害者って言うけど、病院でのミチルさんを見たでしょ? 平気な顔で悪態ついてたじゃない。あれはどういうわけ?」

 ミチルの関与をめぐって、ほとんど初めてと言っていいくらい、北斗と夕子の意見が真っ向から食い違う事態となるが、そばで聞いていたロン毛の山中は、

 山中「どうやら今回は南隊員に軍配が上がりそうだな。ひとつその子、徹底的に洗ってみるか」

 夕子の肩を持ち、興味深そうに提案する。

 美川「彼女ならメディカルセンターで手当てを受けてますけど」

 
 北斗「南隊員、君はどうして彼女を色眼鏡で見るんだ?」
 夕子「色眼鏡?」
 北斗「はっきり言えば、色の付いた眼鏡だ!!」

 じゃなくて、

 北斗「はっきり言えば、君は最初から彼女に偏見を持ってるように見えた。何故なんだ?」
 夕子「それは……彼女が最初から変だったからよ、子供たちは赤い煙に巻き込まれたけど、あの人は巻き込まれたんじゃない、煙の中から出てきたのよ」

 北斗の斬り込むような質問に、一瞬口ごもる夕子であったが、理路整然とその理由を説明する。

 だが、それは北斗に答えるために急遽組み立てた理屈で、実際は直感のようなものだったのではあるまいか。そしてドラマでは言及されていないが、夕子がミチルに対して漠然とした嫉妬のようなものを感じていたと言うこともありうると思う。

 両者の間がいつになくピリピリするが、

 
 今野「だいたい北斗隊員は女の子に甘いからな。そのミチルって子、そんなにカワイコちゃん?」

 ここで、空気を読めないことで有名な今野隊員が余計な茶々を入れたため、

 
 北斗「バカなことを言うな!!」

 と、一喝される。

 吉村「しかし、なんだってそんなムキになって肩持つんだ?」

 横にいた吉村隊員も、素朴な疑問を口にするが、

 北斗「肩持ってるんじゃない、軽率に人を疑うなって言ってるんです」

 北斗、取ってつけたような一般論で誤魔化す。

 しかし、過去には軽率に人を疑うこともたくさんして来たんだから、ここに来て急に宗旨替えすると言うのも変なので、やはり、北斗が物好きにもミチルに一目惚れしたと言うのが真相だったのだろう。

 だとすれば、北斗にホの字の夕子が、ことさらにミチルを敵視するのも頷ける。

 隊員たちの議論に耳を傾けていた竜隊長はつと立ち上がると、

 竜「みんな、とにかく相手は今、懐に入った鳥も同じだ、ここはひとつ黙って様子を見ることにしてはどうだろう? その代わり、くれぐれも警戒は怠るな、北斗もだぞ」
 北斗「はいっ」

 竜隊長のありがたいお言葉に嬉しそうに答える北斗であったが、夕子は浮かない顔。

 しかし、要するに竜隊長の指示って、ピラミッドもミチルも「見てるだけ」なんだよね。

 夕子、気になってミチルの病室を訪ねるが、ミチルは不在であった。

 
 夕子「……」

 病室に、TACの基地を示す書き込みがしてある地図を発見して、俄かに緊張の色が走る。

 果たして、ミチルは既に行動を開始しており、赤い煙で警備員を眠らせると、V9のある施設に時限爆弾を仕掛けていた。

 

 
 ミチル「ええいっ」

 夕子の姿を見るなり、ハンドバッグから発煙筒のようなものを取り出してセットし、物凄い形相で投げつけるミチル。

 これじゃあ、まるっきり過激派である。

 煙を吸った夕子が倒れたのを見て、ミチルはさっさと逃げ出すが、夕子がただの人間ではなかったことがミチルにとっては不運だった。

 
 夕子、すぐに起き上がると、爆弾の解除に取り掛かる。

 そして間一髪で爆弾を解除すると、パンサーでバイクに乗るミチルを追いかける。

 
 いかにも頼りない握り方でハンドルを握るミチル。

 無論、これは乗ってるふりをしているだけで、実際に運転しているのは男性スタントである。

 
 ミチルは、例のピラミッドの前まで来てバイクから降りるのだが、その際、バイクの風防が割れていて、しかもその割れ目をセロハンテープで補修してあるのが見えて、そのあまりのビンボー臭さに泣きそうになる管理人であった。

 
 夕子「待ってーっ、ミチルさん……あなたは」
 ミチル「そうよ、あなたの想像通り、地球人の敵、オリオン星人よ」
 夕子「やっぱり……でもTACは負けない。V9は健在よ」
 ミチル「えっ?」
 夕子「時限装置は私が外した、あなたは失敗したのよ」
 ミチル「なんですって?」

 だが、次の瞬間、ピラミッドの先端が赤く光ったかと思うと、あっという間に夕子の体が引き寄せられ、ピラミッドの中に吸い込まれる。

 

 
 夕子「うわああああーっ!!」

 異次元のような空間で、男っぽい悲鳴を上げて怯える夕子タン。

 ……

 なんか、夕子タンをハメ撮りしているような主観映像がエロいのです!!

 声「ふっはっはっはっはっ、南夕子、お前は我々の捕虜第1号なのだ」
 夕子「……」

 何処からか男の声が響いてきて、夕子がすかさずタックガンを撃つが、何の手応えもない。

 
 声「抵抗は無駄だ、南夕子、それよりも我々の話を聞くが良い、地球はその昔、我々オリオン星人の植民地だった」
 夕子「……」
 声「ところが大洪水が起こり、地球が水浸しになったので我々はピラミッドに立て篭もった。そして冷凍睡眠を続けながら待ったのだ。1万3000年の間……」
 夕子(さすがに寝過ぎじゃね?)
 声「その間、サル同然だったお前ら地球人も多少文明を身に付けたらしい、しかし、今待ちに待ったときが来たのだ、この星をお前らの手から奪還するときが来たのだ。我々は本国からの指令を受け、1万3000年の眠りから立ち上がった。勝利は目前にある!!」

 そう、かなり唐突ではあるが、今回のは、古代の地球に宇宙人が来ていた、しかも、地球を植民地にしていたのだという、ヒストリーチャンネルでお馴染みの「神々の指紋」ネタだったのである!!

 ちなみに洪水と言うのも、ちゃんと「ノアの箱舟」の神話から来てるんだろうなぁ。

 しかし、夕子タンに突っ込ませておいた(註・ほんとは夕子タンに突っ込みたいのだが……)が、いくらなんでも1万3000年は寝過ぎでは?

 まあ、あと5年、あと5年だけ!! とか布団の中で駄々をこねているうちにこんな途方もない年月が経ってしまったのだろう。

 あと、本国であるオリオン星の人たちは、なんで今まで彼らを起こすとか、改めて地球を侵略するとか、何らかのアクションをしなかったのだろう?

 ついでに、ミチルはスパイとして、ずっと前から地球の文物のことを調べていたと思われる(さもないと、バイクに乗ったり日本語を喋ったりは出来ないだろう)のに、肝心のTAC基地の所在地を知らなかったと言うのは、あまりに間が抜けた話である。

 CM後、ピラミッドに向かって「開けてー」と、夜遊びして親に締め出された女学生みたいな感じで呼びかけているミチル。

 
 声「ミチルよ、お前の使命は終わった」
 ミチル「ええっ?」

 
 オリオン星人「お前はV9の爆破に失敗した、しかも、心の底で地球人に好意を持ち始めている」
 ミチル「そんなことはないわ、私は地球人なんか」
 オリオン星人「弁解無用、お前の使命は終わった、我々はもうお前を必要としないのだ」
 ミチル「でもオリオンガスがないと私は死んでしまいます」
 オリオン星人「死ぬが良い」

 必死で訴えるミチルに対し、犬っぽい顔の上司(?)は冷酷極まりない言葉で突き放す。

 オリオン星人「ミチルよ、もうお前に用はない!! 作戦計画開始!!」

 役に立たないもの、使い道のなくなったものは、たとえ仲間であろうと容赦なく切り捨てる、さすが植民地の総督(?)だけあって、そのオリオン星人のやり方には血も涙もなかった。

 ピラミッドが揺れ、その衝撃で飛ばされたミチルを北斗が助け、あーだこーだ青春ゴッコするのだが、どうでもいいのでカット。

 
 続いてピラミッドが二つに割れ、中から、いかにもエジプトの神様を連想させるデザインの超獣スフィンクスが出現する。

 

 

 
 頭の上に載っているキングコブラの口から、凄まじい火炎放射を行うスフィンクス。

 この、正面から炎が向かってくる見た目ショット、あまり他では見たことのない臨場感に溢れている。

 んで、直ちにTACが出動するのだが、肝心のV9はまだ完成しておらず、結局最後まで使われることはないのだった。わお!!

 
 地上に降りて、スフィンクスを攻撃する竜たち。

 前にも書いたけど、なんでそんな一箇所に密集して攻撃するの?

 攻撃されたらイチコロではないか。

 ともあれ、竜隊長たちとは別に戦っていた北斗、スフィンクスの炎に煽られて倒れるが、そこへミチルが駆けつける。

 
 ミチル「北斗、しっかりして」
 北斗「ミチルか」
 ミチル「私のこと、許してくれる?」
 北斗「許すって何を?」
 ミチル「あなたには何度も助けられたのに、私、嘘ばっかり……オリオン星人だってことも隠して……」
 北斗「オリオン星人? 君はやっぱり……」
 ミチル「お願い、北斗、許すって言って」
 北斗「……」

 北斗、自分が騙されていたことを知り、茫然として言葉を失う。

 が、そこへ他の隊員たちが駆けつけ、北斗を保護したので、結局ミチルに「許す」と言ってやれないまま終わる。

 しかし、このやりとり、ミチルとしてはオリオン星人なので仕方なく破壊活動しちゃいました、てへって言うことなんだろうけど、目下のところ、仲間に見捨てられただけで、特に地球のために何かした訳じゃないので、そんな人から「許して」って言われても、いまひとつ釈然としないのだ。

 せめて、ミチルが自分の身を犠牲にしてAを助けた後なら、まだ理解できたんだけどね。

 やがてV9完成の知らせが届くが、発射するまで30分も掛かると言う。

 番組終わっちゃうがな。

 と、その動きを察したように、

 
 ピラミッドの先端から夕子が縛られた十字架がせり出してくる。

 
 山中「あ、あれを見ろ!!」

 いや、山中さん、今笑うところじゃないです……

 オリオン星人「はははは、V9を使うが良い、的はこれ、南夕子だ」

 北斗、TACアローに乗ってピラミッドに突撃するが途中で撃墜され、パラシュートで脱出する。

 
 夕子「星司さーん!!」

 二人はウルトラタッチをしてAとなり、V9など当てにせずにスフィンクスに立ち向かう。

 元地球の支配者が送り出してきた超獣だけあって、スフィンクスはめちゃくちゃ強く、Aは大ピンチに陥る。

 と、何処からか郷愁を誘うような笛の音が聞こえてきて、

 ミチル「ダメよ、暴れちゃ、大人しくするのよ」

 ミチルに誘導されて、スフィンクスは大人しくAから離れる。

 北斗に報いるための、ミチルの英雄的行為であった(貼ってやれよ……)

 が、当然オリオン星人の怒りを買い、あえなく殺される(貼ってやれよ……)

 A、その隙に体勢を立て直すと、怒りの鉄拳を連打で浴びせ、スフィンクスの首を剣で切り飛ばす。

 
 さらにカラータイマーから虹色のビームを放ち、

 
 その胴体を木っ端微塵に粉砕する。

 首はなおも生きていて、ピラミッドの中に戻るが、

 
 Aはピラミッドを抱え上げ、大空に放り投げると、

 
 トドメのメタリウム光線を叩き込み、これまた跡形もなく粉砕するのだった。どっとはらい。

 オリオン星人、あのままずーっと寝てりゃ良かったのに……

 A、せめてもの思いやりに、ミチルの死体を拾い上げると、はるか彼方のオリオン星まで連れて行くのだった。

 でも、オリオン星人って、たぶん、宇宙のあちこちに植民惑星を広げている帝国主義的で好戦的な種族らしいから、Aが行くとまた宇宙戦争に発展するんじゃないかなぁ。

 ラスト、美しい星空を見上げているTACの隊員たち。

 
 美川「あら、なんて言う星かしら、あの星? ほら、あの星、オリオン座の隣に」
 吉村「あんな星あったかなぁ?」
 今野「ひょっとしたら、新しく生まれた星かもな」
 山中「もしかしたら彼女の、ミチル(発音が変)の星かも知れんぞ」
 美川「そうね、きっとそうよ。星になったのよ、ミチルさん」
 竜「うーん、彼女、星になって、幸せを掴んだかな?」(日本語訳・どうでもいい)

 隊員たちの毒にも薬にもならない会話のあと、笑って顔を見合わせる北斗と夕子の姿を映しつつ、幕となる。

 以上、ひっくるめて言うと、あんまり面白くなかった。

 かつて地球を植民地にしていた宇宙人が再び襲ってくると言うクトゥルー神話的プロットだけ聞くとワクワクするのだが、やってることは別に普段の侵略者と変わらないし、地球人はそもそもそんなこと知らないので、TACの反応もいたって普通で、そんな設定にした意味が感じられないのである。

 ミチルにしても、キャスティングは別にしても、一体今までどんな暮らしをしてきたのか、オリオン星人社会の中でどんな立ち位置なのか、何故スパイに任命されたのか、さっぱり分からないまま登場して死んでいくだけなので、見てるほうも感情移入のしようがないのである。

 北斗と夕子の対立にしても、ほんとにただ対立するだけで、ドラマとしての面白さに結びついていなかったし。

 にしても、何度も言ってきたことだが、やっぱり特撮のゲストヒロインのキャスティングは大事だな、と。
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コメント

百読は一見にしかず

>今回のヒロイン、ミチルである。
>……
>もう帰っちゃダメですか?
>ダメ?
キャプ画像一見の後、読んでいる方は、この時点で大爆笑です。
ヤケクソ気味のネタにする事でテンションを保つのが丸解り。
「A」レビューとしてはルミ子おっぱい編だった第10話と陰陽の関係的な
序盤で先の内容が想像出来てしまう一篇だったでしょうか。

終盤の貼りつけにされている夕子が笑っているように見えるのが逆に妙に可愛いのが救い?

帰っていいです

私は女性ゲストにはあまり興味はなくドラマや防衛チームの活躍の方に興味があるのですが、今回は「帰っていいです」と言いたくなりました。一目で管理人さんの気持ちがわかりましたし、生意気な雰囲気でしたからね。
ところで北斗はエースに変身する割に特殊能力はないみたいですね。郷秀樹は並外れた運動能力や常人には聞こえない怪獣の声を聞き取ることができるのに(もっともそれで他の隊員たちとのいざこざの一因になりましたが)。

ゲストヒロイン

管理人様の仰る通り今回はゲストヒロインがイマイチな上にストーリーもグダグダのようですね😅贅沢は言えませんが、もう少しまともな女性が他にも沢山いたかと思うのですがね。結局はミチルも使い捨てカイロのような最期でしたね

もうあの星はそっとしといて!

昭和ウルトラシリーズの地球って
(1)どっかの宇宙人が適当な理屈付けて侵略を行う⇒(2)追い詰められた後に新兵器を開発し何とか撃退する⇒(3)今後の備えに兵器開発や防衛組織の強化を行う⇒(1)に戻る
の繰り返しで、その果てにR1号とかUN-105Xとかの惑星破壊兵器まで開発してしまう訳ですが、実は現状の地球って宇宙にとってはそこまで脅威ではないんですよね、外宇宙への航行技術を持ってない以上侵略者が来なけりゃ惑星破壊兵器は倉庫の奥でお蔵入りなので(侵略を受けるというマイナスを消せても資源や領土等のプラスが得られない)
寧ろ「地球人が外宇宙への航行技術を手に入れては危険なので先制攻撃しよう」とかやるとお礼参りの為に超光速航行技術を開発しかねないので、もう完全に放っといて人類の文明が成熟するか自滅するのを待った方が宇宙は安全

ひょっとするとウルトラ兄弟が地球に来てる理由の一つは、地球人が超兵器の開発に手を出すまで追い詰められないようにするためなのでは・・・・・・

どいつもこいつも寝てばっか!(『空想歴史読本』より)

1万3000年眠りについていたオリオン星人、多分冷凍睡眠がオリオン星からの解除コードで解ける仕組みになってたんだろうなあ
まあ侵略者が来る時代を1万年も間違えてずっと眠りについてたサンダーマスクよりはマシか(しかも「宇宙時代では1万年なんて地球の1年位さHAHAHA」位の認識)

それにしても何度聞いてもタイマーショットでスフィンクスの胴体を爆殺した時のエースの声は「死ねっ!」にしか聞こえない

No title

ウルトラマンエースに敗れたヤプールは「ヤプール死すとも超獣死なず!!」と言ったものの、オリオン星人配下のスフィンクスの種別は「古代超獣」だから、やはりヤプール亡き後の超獣は継続中ですね。さ~て次回は「エースを渡せ!」の宣言と同時にエースをカプセルに閉じ込め、石像の姿で死なせて、エースの敵を取ろうとするゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックも全てエースと同じで死なせた宇宙人。それが強敵・ヒッポリト星人の登場です。さあ、みんなで見よう!

文明

揚げ足とっても意味ないですが…

この場合、エジプト文明はオリオン星人が築いた可能性がある設定になるんでしょうか…?いや、この人たちが寝てから5000年後の文明だからエジプト人は逃げなかったオリオン星人の末裔とか…
しかし教会の屋根みたいにピラミッドの上に十字架とは何かズレてますね。

最低のゲスト

この作品での田所さんは人相が悪いですね。オリオンガスのシーンといい見ていて気持ちのいいものではありませんね。スフィンクスのデザイン以外は見るべきものがありません。
ヒロインが常識人かどうかが評価の決め手になるというのがV3との比較でよく分かります。

Re: 百読は一見にしかず

> キャプ画像一見の後、読んでいる方は、この時点で大爆笑です。

ありがとうございます。

> ヤケクソ気味のネタにする事でテンションを保つのが丸解り。

うっ、鋭いですねえ……

ほんと、こういう話でモチベーション保つのは大変なんです。

Re: 帰っていいです

> 私は女性ゲストにはあまり興味はなくドラマや防衛チームの活躍の方に興味があるのですが、今回は「帰っていいです」と言いたくなりました。

いくらなんでもねえ……

> ところで北斗はエースに変身する割に特殊能力はないみたいですね。郷秀樹は並外れた運動能力や常人には聞こえない怪獣の声を聞き取ることができるのに(もっともそれで他の隊員たちとのいざこざの一因になりましたが)。

確かにただの気の良いアンちゃんですね。一応、夕子とはテレパシーで話せるみたいですが。

Re: ゲストヒロイン

イマイチどころの話じゃないですけどね。

Re: もうあの星はそっとしといて!

> もう完全に放っといて人類の文明が成熟するか自滅するのを待った方が宇宙は安全

なんか、我々が生きてる間に滅びそうな雰囲気ですね。

> ひょっとするとウルトラ兄弟が地球に来てる理由の一つは、地球人が超兵器の開発に手を出すまで追い詰められないようにするためなのでは・・・・・・

一理ありますね。ダンがあんなに怒ったのも……

Re: どいつもこいつも寝てばっか!(『空想歴史読本』より)

> まあ侵略者が来る時代を1万年も間違えてずっと眠りについてたサンダーマスクよりはマシか(しかも「宇宙時代では1万年なんて地球の1年位さHAHAHA」位の認識)

「サンダーマスク」って見たことないですが、なんか凄い作品だったみたいですね。

Re: No title

ああ、気付けば次はヒッポリト星人ですね。書くのが楽しみです。

Re: 文明

> この場合、エジプト文明はオリオン星人が築いた可能性がある設定になるんでしょうか…?いや、この人たちが寝てから5000年後の文明だからエジプト人は逃げなかったオリオン星人の末裔とか…

でしょうねえ。「ヒストリーチャンネル」で一年中やってる「古代の宇宙人」だと、古代文明はだいたいみんな宇宙人に教えてもらったことになってますから。

Re: 最低のゲスト

> この作品での田所さんは人相が悪いですね。

せめてもうちょっと陽性な役だったら良かったんですけどね。

No title

 ミチルはあまりかわいくはないですが現代的な感じがすると思いました。
再放送組ですがこの回をまねして弟と超獣ごっこをした記憶があります。
活発な夕子が見られるのであまり捨て回という印象は薄いです。

Re: No title

夕子がいつになく攻撃的と言うか、アグレッシブでしたね。

No title

小学生の女の子がワンピースというのも今の時代と比較するとすごいし、それがまたデフォルトでリアルワカメちゃんなのがすさまじいですね。白いワンピースの女の子もしっかり見えているし。でもやっぱりこれ「ブルマNG」なのかと思います。

>その際、夕子が前を走ってる女の子のスカートをめくるというハレンチな事案が発生する!!

押しているわけですが、押していなければ見えなかったのかなという感はありますね。やっぱりねらっていた!?

> 演じるのは、田所陽子さん。

意外といえば意外なんですが、この方、このころはけっこう知名度の高いドラマにわりと顔を出しているんですよね。「なんたって18歳」とか。バリバリのレギュラーですからね。まあでもちょっとねえ・・・。

>ちなみにV9って、やっぱり巨人軍のV9から来てるのかなぁ?

巨人の優勝は、'65~'73で、この放送のころはV7ですから、多分違うんじゃないんですかね。

ところでミチルの写真のバックに京王プラザホテルが写っていますが、70年代~80年代初頭くらいは、ほんとドラマに、この新宿の高層ビル群が写っていますよね。当時としては、やっぱり「東京」を象徴するのがここだったんでしょうね。もちろんロケのしやすさなどもあります。

>無論、これは乗ってるふりをしているだけで、実際に運転しているのは男性スタントである。

実は私バイカーなんですが(大型免許も持っています)、免許を持ってみると、なるほど「仮面ライダー」ってすごいなというのが文字通り理解できました。

>にしても、何度も言ってきたことだが、やっぱり特撮のゲストヒロインのキャスティングは大事だな、と。

エースの場合、ヒロインが夕子と美川隊員で、夕子降板の後は宮野リエさんが後を継いだわけですが、彼女も途中降板ですからね。レギュラーの女性が2人途中降板というのは残念だし(関かおりさんもいれれば3人ですか)、ゲストももう少し視聴者が夢を見られる人がありがたいですよね。そう考えると「レオ」は大人から子役にいたるまで、わりといい女優さんを起用していますね。

Re: No title

> 押しているわけですが、押していなければ見えなかったのかなという感はありますね。

我ながらなんちゅう画像を貼ってるんだと……

ちなみに「ゴーグルファイブ」の12話、書いたんですけど、怖くて公開できません。

> 意外といえば意外なんですが、この方、このころはけっこう知名度の高いドラマにわりと顔を出しているんですよね。「なんたって18歳」とか。バリバリのレギュラーですからね。まあでもちょっとねえ・・・。

自分も最近になって見ましたが、コメディエンヌとしては悪くないですよね。

> 巨人の優勝は、'65~'73で、この放送のころはV7ですから、多分違うんじゃないんですかね。

すいません、またしてもアホなところをさらけ出してしまいました。

> 実は私バイカーなんですが(大型免許も持っています)、免許を持ってみると、なるほど「仮面ライダー」ってすごいなというのが文字通り理解できました。

そうなんですか。凄いでね。

> そう考えると「レオ」は大人から子役にいたるまで、わりといい女優さんを起用していますね。

これで内容も良ければ……

No title

次回はいよいよ、超獣ではなく、宇宙人である強敵・ヒッポリト星人の出現です。さあ、みんなで観よう!

Re: No title

もうしばらくお待ちください。

No title

さ~て、次回の「ウルトラマンA(エース)」は?
エースと戦う次なる敵はいよいよ、超獣ではなく、宇宙人で、「地球人に告ぐ!ウルトラマンエースを渡せ!」と恐ろしい宣言をする強敵・ヒッポリト星人の出現です。そして、ゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエースの5兄弟全てカプセルに閉じ込めて、石像の姿になってしまうサブタイトル通りの「全滅!ウルトラ5兄弟」をみんなで観よう!

Re: No title

楽しみですね……って、俺が書くのか。

ヒロイン

今更ですが(なら言うなよ😖)やはりヒロインは大事ですよね😅(そんなの当たり前だよ❗️)

Re: ヒロイン

あまりにねえ……

No title

異次元人ヤプールは死んだものの、ヤプールを失った超獣は最終回まで続きます。次回はいよいよ、「地球人に告ぐ!ウルトラマンエースを渡せ!」と恐ろしい宣言をヒッポリト星人が登場する前編をみんなで観よう!

Re: No title

コメントありがとうございます。

No title

この回に登場するスフィンクスもそうですが23話でのヤプール壊滅後、明らかにヤプールと関係あるマザリュースみたいのはともかく、他の連中も肩書きをすべて「超獣」にしたため、怪獣との違いがあやふやになってしまいましたね。

・マザリュース、バクタリ、ガスゲコン(はっきりヤプールの怨念っぽいものが出てきてる例)
・コオクス、ベロクロン2世、ジャンボキング(コオクス人間体など残党っぽい奴がいた例)

こいつら以外は怪獣で良かったと思います。

Re: No title

同感です。とりあえず全部超獣って呼んでる感じでしたからね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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