第21話「見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 北の果てに女神を見た!」(1974年8月30日)
19話から続く、北海道ロケ編である。
レギュラーはゲンとダンだけで、百子さんたちはおろか、MAC隊員すら登場しない異色回である。
これはやっぱり、ロケでお金がかかったので人件費節減のためなんだろうな。

冒頭、1972年に行われた札幌オリンピックの聖火台に火が灯され、その足元に、古代ローマ人のような白いゆったりしたローブをまとった若い女性が立っている。
恐らく、番組のために特別に点火したのだろうなぁ。

で、大変嬉しいことに、その女性がかなりの別嬪なのである。
麻理とも恵さんと言うのだが、後にジャズシンガーとして活躍した阿川泰子さんである。
「レオ」のみならず、ウルトラシリーズのゲストの中でも屈指の美しさである。

せっかくなので、もう一枚貼っておこう。
ちなみに何の説明もないのだが、彼女は聖火台の火を、自分を迎えに来る宇宙船の目印にしているのだろう。
その炎に導かれるように、人間の脳を楕円形にしたような奇妙な宇宙船が、宇宙の彼方から飛来し、真っ直ぐ日本へ向かう。
その接近を知ったダンは、ゲンと北山隊員に、北海道上空のパトロールを命じる。
今まで一度も出たことのない隊員がゲンと行動を共にするというのはめちゃくちゃ不自然だが、一応、北山隊員は北海道出身と言う注釈がつくので、土地勘があるということで選ばれたのだろう。

ゲン「北山さんはこの間のオーロラ国際スキー大会で優勝したんですよね」
北山「うん、間もなく、俺には決して忘れることの出来ないテイネ山が見えてくるぞ」
ゲン「そうですか!!」(日本語訳・知らねーよ)
道々、世間話に花を咲かせる二人だったが、仮にもMAC隊員たるもの、いくら非番だからって、スキーの国際大会にがっつり出場しちゃっていいものだろうか?
せめて、学生時代に優勝したことがある……くらいにしておくべきだったのでは?
ちなみにテイネ山と言うのが、そのスキー大会が行われた場所なのだろう。
調べてないが、たぶん、札幌オリンピックでも会場として使われたものと思われる。

やがて例の宇宙船が、聖火台をかすめるようにして着陸を試みる。
うーん、この炎は、円谷プロにしてはちょっとチャチだなぁ。

腋を全開にしながら、その宇宙船に向かって両手を振る女性……ニケの女神であったが、そこに突然、コウモリのような姿をした星人ノースサタンがあらわれたのを見て、

ニケ「ああっ」
どんな太い恵方巻きでも頬張れるくらいに(註1)大きく口を開け、恐怖の色を浮かべる。
註1……お前はそれしかないんか?

果たして、ノースサタンは口からガスと共に無数の巨大な槍を発射して宇宙船を撃墜してしまう。
北山「一体どうしたんだ」
ゲン「宇宙人の同士討ちじゃないですか」
ノースサタンはさらに、ニケ目掛けて執拗に追いかけてくる。
それを見たゲンたちは、何故か地上に降りて女性を助けようとする。
いや、マッキー2号に乗ってるんだから、それで攻撃しようとするのが普通ではないか。
ノースサタンの放った槍がニケのローブの裾に突き刺さり、その場から動けなくなる。

再び全国の腋フェチを喜ばせつつ、槍を抜こうとするニケ。
ゲンが銃でノースサタンを食い止めている間に、北山が槍を引き抜く。

ニケ「あなたは、あの時の北山さん……」
北山「さ、早く逃げるんだ」
ニケ「でも」
北山「後は僕に任せて」
二人は旧知の間柄らしいが、北山はとにかく彼女をその場から逃がし、ゲンと共に銃を撃ちまくる。
北山は右太ももを槍で貫かれ、重傷を負うが、ゲンの猛攻に辟易したのか、ノースサタンは紫色の煙と包まれて姿を消す。
ゲン「北山さん、しっかりして下さい!!」
ゲンが、足に槍が刺さっている人の体を起こして揺さぶるという無茶なことをしていると、

ニケ「北山さん……」
逃げたはずのニケが戻ってきて、心配そうに北山を見遣る。
北山「ニケの女神……」
ゲン「ニケの女神? 君は宇宙人?」
ゲン、相手が宇宙人だと見抜くが、ニケは何かに怯えるように走り去ってしまう。
ちなみにニケと言うは、ギリシア神話に出てくる勝利の女神のことで、ナイキの由来にもなっている。
次のシーンでは、杖が風を切る唸り声がして、ダンがゲンを寒々しい海辺に追い詰めている。

ダン「なんと言う不手際だ、その女が宇宙人と分かりながら、何故逃がしてしまったんだ」
ゲン「しかし、北山さんが重態だったんです」
ダン「言い訳など要らん」 ゲン「……」
出ました、ダンの理不尽攻め!!
Why?と聞かれて→答える→怒られる
→答えない→怒られる
そう、どっちを選んでも、ゲンを待っているのはバッドエンドだけなのである!!
ダン「その宇宙人を逃がしたためにもっと大きな被害が出るかも知れん」
ゲン「それはだいじょぶです、彼女は被害者ですから……」
ダン「バカァッ!!」 ゲンが何か言いかけた途端、待ってましたとばかりにダンの怒号が落ちてくる。
今更だけど、この番組の視聴率がふるわなかった最大の原因は、ダン隊長の怒鳴り声にあると思う。
下手すりゃちびっ子が泣き出しそうな怒鳴り声が毎週のように聞こえてくれば、誰だってチャンネルを変えたくなるだろう。
今見ても、ダンが些細なことでいちいちキレる姿はあまりに大人気なく、あまり良い気持ちはしない。
要するに、ダン隊長と言うキャラに魅力がぜんっぜんないのである。
平成セブンシリーズじゃないけど、これならまだ毒蝮さんが隊長だったほうが良かったんじゃないかとさえ思えてしまう。
それはともかく、
ダン「考えても見ろ、ノースサタンは宇宙人を狙っているんだ、宇宙人のいる限りノースサタンはあらわれる、その女のいる場所はみんな危険だ」
ゲン「……」
ダン「私はそれを心配してるんだ」
ダンは、一刻も早くニケを探し出せと命じ、自分はさっさと本場の味噌ラーメンを食べに行ってしまう。
しかし、こんな時に限って他の隊員が全く姿を見せないと言うのは相当変である。
ゲン(宇宙人を探せといわれても……一体この広い北海道、どうやって探したら良いんだ)
心の中で、身も蓋もないことをつぶやきながら、荒漠とした原野をさまようゲン。

とりあえず、札幌の時計台や、札幌駅の旧駅舎など、ベタな観光地を巡って、お世話になった北海道観光協会の皆さんへ恩返しするのだった。

ふと、「ニケの像」と言う、塔のようなブロンズ彫刻を見上げたゲン、何かに気付いたように急いで北山の入院している病院へ向かう。
ちなみにこれも、札幌オリンピックの時に岡本太郎あたりが作ったオブジェじゃないかと思うが、良く分からない。

ゲン「容態はいかがですか」
北山「手術をしなくてはならんそうだ」
ゲン「手術を?」
北山「あと3時間後に右足を切断しなければならないかも知れん」
ゲン「……」
北山「もうスキーも出来なくなってしまうかも知れん」
ゲン「……」
北山の重い台詞に、言うべき言葉が見付からないゲン。
北山は手術の前にニケの女神に会いたいと言い、彼女と初めて会った時のことを回想する。
もっとも、前述のオーロラ国際スキー大会に出場した時の話なので、割りと最近のことらしい。
北海道に向かうフェリーの上から海を眺めていると、

舳先に立っていた若い女性に、いきなり宇宙人が襲い掛かったというのだ。

ニケ「ああっ」
ノースサタン「いいじゃねえか、減るもんじゃなし」 とでも言いたげに、無防備なニケの乳を揉むノースサタン。
そこに颯爽と駆けつけたのが北山隊員で、

巨大化したときと同様、ノースサタンが口から吐く太い針のようなものをピョンピョン左右に飛んでかわすと、見事、ノースサタンを海に叩き込んだのだと言う。
素手で宇宙人に勝つとは、ゲンも真っ青の強さであった。

ニケ「ありがとうございました。お礼にこれを受け取って下さい」
北山「とんでもない、僕はただ……」
ニケ「いいえ、どうしても受け取って下さい。あなたは私の命の恩人です」
ニケはにこやかに微笑むと、自分の掛けていたペンダントを外し、北山隊員の手に握らせる。

ニケ「勝利の女神像ですわ。それを持っている人は必ず勝利の栄光に浴すると言われています」
北山「僕はこれからオーロラ国際スキー大会に行くんです」
ニケ「あなたはきっと優勝いたしますわ。自信を持ってください、北山さん」
北山「え、どうして僕の名を? あなたは一体誰なんですか」
ニケ「ニケの女神です」
戸惑う北山の前で、ニケの女神は霧と共に消えたと言う。
北山がスキー大会で優勝したのは、そのペンダントのお陰だったのである。
要するに、インチキ野郎だったのである!!(註・違いますっ)
北山「たとえ彼女が人間でなくても良いんだ、俺は彼女がここに来てくれたらこの手術は成功するに違いないと信じてるんだ」
ゲン「北山さん、彼女の姿を見たのは聖火台のところでしたね」
ゲンは車を飛ばし、遊園地から伸びる坂を登ったところにある聖火台にやってくる。
果たして、ニケの女神は聖火台の下に立っていた。
そうそう、思い出したが、テイネは手稲と書き、ここは、オリンピックの競技場跡地に作られたテイネオリンピア(現・サッポロテイネ)と言うレジャー施設の中なのである。
だが、彼女はゲンの顔を見るなり逃げ出してしまう。
CM後、ゲンはなだらかな斜面を駆け下りて、白樺の疎林の中でやっとニケの女神に追いつく。

ゲン「逃げないでくれ」
ニケ「私のことを宇宙人だと知っているあなたは、サタンの仲間ね」
ゲン「違う、僕はウルトラマンレオだ」
ニケ「ウルトラマンレオ?」
ニケの女神、どうやらゲンのことをノースサタンの一味だと思ったらしいが、これはどう考えても変である。
その目でゲンがノースサタンを攻撃しているのを見てる筈なのだから。

ゲン「お願いだから聞いてくれ、北山さんの伝言を持ってきたんだ」
ニケ「北山さんは無事なのね」
ニケの問い掛けに頷くと、
ゲン「しかし、ニ度とスキーを履けなくなるかもしれない……仕事をサボってスキー大会に出ていたことがダン隊長にバレたんだ」
ニケ「うわ……」
じゃなくて、
ゲン「しかし、ニ度とスキーを履けなくなるかもしれない……君を助けようとして彼は右足を傷付けてしまったんだ。手術の前に会ってやってくれ」
ニケ「北山さん……」
ニケの女神は目をつぶり、オーロラ国際スキー大会で優勝した北山の姿を思い浮かべる。
ニケ「私だって二度も命を救ってくれたお礼がしたい。でも、私にはそれが出来ない。私は人間じゃないのよ。地球ではアルファ星に住む私たちのことをニケの女神と呼んでいるわ。私たちの星では4年ごとに誰かが地球を訪れ、人類の幸福を祝福することになっていたの、それが悪いノースサタン星人に邪魔されて……」
ゲン「君が帰ろうとしていた宇宙船を壊してしまったのか」
ニケの女神は、4年ごとに訪れるオリンピックみたいな星人であった。
しかし、「人類の幸福を祝福する」って、いくらなんでも漠然とし過ぎの目的であろう。
ゲンも「それってただの観光じゃねえの?」と思ったり思わなかったりしたと言う。
それ以上に不可解なのは、ノースサタンがなんでそんなムキになってそれを邪魔しようとしているのかということである。
あるいは、この儀式とは関係なく、アルファ星とノースサタン星が戦争状態にあるのだろうか?
ちなみにこれを書いているのはバッハが来るの来ないのと騒いでいる5/29だが、キャストもスタッフもまさか50年近く後にオリンピックのことで日本中が振り回されることになるとは夢想だにしなかったに違いない。
なお、この記事を公開する頃にはオリンピックが実施されたのかどうかも判明していると思うが、管理人は今回のオリンピック招致には0.01秒たりとも賛成したことはない。
10/29追記 まさかパラリンピックまできっちりやるとは、夢想だにしてなかった……
ここで駄句をひとつ。
「もう誰も 覚えていない メダルの数」 話を戻して、
ニケ「もう私は自分の星へ帰ることは出来ないわ」
ゲン「だったら北山さんに会ってやってくれ。北山さんは君に会えたら手術が成功すると信じているんだ」
ニケ「でも、私が行って迷惑なことが……」
ダンと同じような懸念を漏らすニケの女神であったが、ゲンは強引に彼女を説得して北山のところへ連れて行く。

北山「ありがとう……」
感激の面持ちで、ニケの女神の手を握る北山隊員。
だが、案の定、ノースサタンが彼女の存在に気付き、札幌の町に出現する。
無言で部屋から出て行こうとするニケを、北山が必死で引き止める。

北山「待ってくれ、行かないでくれ」
ニケ「止めないでください、私がいたら、ノースタンはここを襲ってきます。私はアルファ星から来た宇宙人なんです。ノースサタンは私を狙ってるんです」
北山「そんなことは問題じゃない、僕には君が必要なんだ」
ニケ「北山さん、手術の成功をお祈りします」
ニケは、北山の懇請を振り切って、部屋を飛び出す。
しかし、いくら病床にあるとは言え、北山隊員の態度はMAC隊員にあるまじきものと言わねばならない。
自分の恋のためなら、病院が潰されても構わないと言ってるようなもので、ダン隊長に滅多打ちにされても文句の言えないところである。
もっとも、ダンは、一般の隊員を怒鳴ったり殴ったりすることはないので、

ダン「ゲン、貴様一体何をしたんだ?」
ゲン「隊長……」
ダン「私があれほど言ったのに……彼女が現れるところに怪獣が現れることは分かっていた筈だ」
ゲン「しかし僕には会いたがっている北山さんと彼女の気持ちを無視することは出来ません」
ダン「バカァッ!!」 ゲン(トホホでやんす……)
代わりにゲンが怒鳴られる羽目になる。
北海道くんだりまで来て、ニ度もダンに怒鳴られて凹むゲン。
もっとも、この件に関しては怒鳴られても仕方あるまい。

病院の駐車場で、両腕を伸ばし、怖じる色なくノースサタンに向き合っているニケの女神。
ほんと、溜息が出るほどの美しさである。
ゲン「彼女は北山さんを助けようと命懸けなんです。僕には黙って見てられません」
ダン「やめろ、レオにはなるな」 ここで、ダン、とんでもないことを口走る。
つまり、下手に怪獣を刺激せず、ニケの女神を見殺しにしろと言ってるわけである。
でも、ニケの女神を殺したからって、ノースサタンが大人しく帰ってくれる保証はないのだし、だいたい、仮にも隊長なのに、なんで怪獣が目の前にいるのにMACに出動を命じないのか、撮影の都合とは言え、ダンの態度は矛盾に満ちている。
ゲン、ダンの制止を無視してレオに変身してノースサタンに立ち向かうが、例の槍を胸に刺され、なすすべもなく悶絶する。
だが、ノースサタンもエネルギーが切れたのか、レオにトドメを刺さず、紫色の煙を出して退却する。

普段なら豪快にビルをぶっ壊しているレオだが、著名な観光地と言うことで、絶妙な姿勢でぶっ倒れて、被害ゼロに抑える。
続いて、今回三度目の説教タイムとなる。

ダン「私の忠告を無視して、お前って奴は……」
ゲン「……」
土下座するように両手を地面について項垂れているゲンに、ダンが呆れ果てたように吐き捨てる。
せめて地方ロケくらい、もっと明るい話に出来ないのだろうか?
ダン「いいか、かつて北山があの星人に勝つことが出来たのには理由があったんだぞ」
ゲン「……」
ダン「彼はスキーの回転競技の優勝者だ。だからあの含み針をかわすことが出来たんだ。サタンを倒すには含み針の攻撃をかわすことだ」
ゲン「回転競技……」
そう言えば、確かに北山は回想シーンの中で反復横飛びのように右に左にステップを踏んでいたようであったが、スキーは板をつけてやるものなので、あまり関係がないような気もする。
つーか、なんでダンはそんなことを知ってるのだ?
北山自身、夢のような話だったと言ってるくらいだから、ダンに報告していたとも思えないし、ゲンからの又聞きでは、そんな細かいことまで分かる筈があるまい。
ともあれ、

ゲンは、わざわざ北海道まで来て、特訓をさせられる羽目になる。
ゲン(トホホでやんす……)
それは、スキーのコースのようにフラッグを立てた中を左右にステップを踏みながら制限時間内に駆け抜けるというものであった。
しかし、こんなことをちょっとやっただけで、急に俊敏性が高まるとは到底思えないし、こんなトレーニングなら、普段からスポーツセンターでやってるような気がするんだけどね。
その後、自らの命を捨てることで地球を守ろうとしたニケの女神は、聖火台のそばに立ち、無抵抗でノースサタンにその身を捧げようとするが、ダンが現れて銃を撃ち、間一髪で助ける。

ニケ「やめてください、私さえいなければサタンは帰るんです」
ダン「待て、命を無駄にするものではない、我々に任せるんだ」
ニケ「いいえ、どうせ私は故郷の星へ帰ることは出来ないんです。同じことです」
ダン「私を信頼しなさい!!」
自暴自棄になるニケの女神を、叱り付けるように励ますダン。
ひょっとしてその胸には、ウルトラ警備隊時代、似たような境遇のマヤをむざむざ死なせてしまったことへの自責の念が渦巻いていたかもしれない。
やがてゲンが駆けつけ、レオに変身してバトルとなる。

特訓の成果を生かし、ノースサタンの含み針攻撃を華麗にかわすレオ。
……
特訓の意味、ほとんどなし!! ま、いつものことなので気にしないことだ。
実際、こんな動き、今までだってしてたよね?
一応、この後、普段より余計に回っております的なアクションはしてるけど、さっきのフラッグ巡りとの因果関係が、限りなくゼロに近いのは確かである。

色々あって、最後は右拳でノースサタンの体に穴を開けるという、以前にも見たような殺り方でタマを取る。
……
それ、最初からやれやっ!! ま、いつものことなので気にしないことだ。
戦いの後、しゃがんで右手を差し伸べるレオに、ものといたげな視線をダンに向けるニケの女神。

ダン「あなたの星まで届けると言ってる……
こいつは俺の下僕みたいなもんだから、遠慮なくこき使ってやってください」
ニケ「まあ」
レオ(叩き潰したろか……)
じゃなくて、
ダン「あなたの星まで届けると言ってる」
ニケ「まあ」
ダン「さ、早く」
ニケ「ありがとうございます」
こうしてニケの女神、いや、アルファ星人の女性は、レオによって無事アルファ星に送り届けられるのだった。
もう一度北山に会ってやればいいのに……

それを見送りながら、「いやぁ、いい女だったなぁ」とでも言うように、目の下をぽりぽり掻くダンだった。
無論、北山隊員の手術は成功し、またMACの仕事をサボってスキー大会に出られるようになったのだった。

最後、車で例の「ニケの像」の前を通り掛かり、なんとなく見上げる二人。
北山の胸に、あの美しいニケの女神の面影が浮かんだことは言うまでもない。
北山「行こうか」
ダン「はいっ」

しばらく走ったところで、
北山「ところでワシら、マッキー2号で来たんじゃなかったっけ?」 ゲン「あ……」
以上、極端に登場人物の少ない、人間と宇宙人との淡い恋を描いた、すぐれて幻想的なエピソードであった。
これで百子さんも出ていれば、ニケの女神との美の競演も実現していたかもしれないのに……
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