第28話「あ!ストロンガーがこなごなに、、、、、?! 」(1975年10月11日)
前回の続きから、空を飛ぶ荒ワシ師団長に鎖で吊り下げられた状態で、お持ち帰りされそうになっている茂。
やがて意識を取り戻し、自分が飛んでもない状況にいるのを知って焦る。
茂「空を飛んでるのに飛んでもないとはこれいかに?」
荒ワシ師団長「やかましいっ」
じゃなくて、

茂「しまったぁ」
荒ワシ師団長「ええい、じたばたするな、俺はデルザー軍団きってのつわもの、荒ワシ師団長だ」

茂「貴様、デルザー軍団の一員か」
荒ワシ師団長「諦めて静かにしろ」
茂「なにぃ」
口では反抗しながら、

カメラが引くと、まるで人形のように大人しくなる茂ちゃんでした。
鋼鉄参謀との戦いで電気エネルギーが枯渇し、どうすることも出来ない茂であったが、たまたま前方に雷雲が立ち込めているのを見て、
茂(ようし、あの雷雲の中に引き摺り込んでやる!!)
体を捻って荒ワシ師団長を黒雲の中に突っ込ませ、雷のエネルギーを受けてストロンガーに変身すると、なんとか鎖をほどき、地上に逃れる。
ライダー「デルザー軍団か、危ないところだった」
この後、色々あって、またしても鋼鉄参謀があらわれる。

鋼鉄参謀「荒ワシ師団長の手から、どうやって逃げた?」
ライダー「……」
鋼鉄参謀「今度は逃さんぞぉ」
ストロンガー、鋼鉄参謀の足が歩くたびに地面にめり込んでいるのを見て、崩れやすい崖の端まで鋼鉄参謀をおびき寄せ、その自重によって崖下に転落させることに成功する。
そこまでは良かったが、何も考えずに電キックを放ったのはお粗末であった。
当然ながら、前回同様、電キックを跳ね返され、自らダメージを負ってしまう。
鋼鉄参謀「はっはっはっ、俺の体に電気パワーを加えれば、それが直ちにおまえ自身に逆流すると言ったのを、忘れたのか?」
ライダー(忌々しいが、この改造魔人を倒す方法を考えつくまでいくら戦っても無駄だ)
ライダー、前回同様、カブトローを呼んで逃げようとするが、同じ失敗は繰り返さない鋼鉄参謀、すかさず部下が絶縁体のネットを投げ、その体を包み込む。
ところが、前回同様、何処からともなく荒ワシ師団長があらわれ、
鋼鉄参謀「何をする」
荒ワシ師団長「鋼鉄参謀、ストロンガーは貰っていくぞ」
前回同様、鋼鉄参謀の手柄を横取りして、ストロンガーの体を宙に持ち上げて飛んでいく。
これ、まるっきり前回のシーンを繰り返しているだけで、さすがに芸がない。

ライダー「……」
前回と違うのは、ライダーが絶縁体の網の中にいるので、どう足掻いても逃げられないことであった。
度重なる荒ワシ師団長の無法行為にたまりかね、鋼鉄参謀がシャドウに直訴しに来る。

鋼鉄参謀「一度ならず二度までも、横合いから飛び出して俺の手柄を引っさらうとは、なんと言う汚いやり方だ。こんなことが許されていいのか」
ここでシャドウがピシャリと荒ワシ師団長を処罰するか、いっそ除名処分にすれば組織の規律は守られていたと思うのだが、
シャドウ「貴公の怒りはもっともだ……と言って私には、荒ワシ師団長にライダーストロンガーを返せと命令するほどの力はないのでな」
デルザー編になって、急に気弱になってしまったシャドウ、飾り物の管理職のような頼りない言葉を口にするばかり。
荒ワシ師団長のような男こそ、シャドウがもっとも忌み嫌うタイプだと思うのに、シャドウがひたすら傍観を決め込んでいるのは不可解である。
鋼鉄参謀「しかし、ストロンガーを倒したものはデルザー軍団のリーダーになると決めたのはお主ではなかったのか? 荒ワシ師団長の奴はそれを狙っているのだ」
シャドウ「力の強いものが勝つ、それが我らデルザー軍団の掟だからな」
鋼鉄参謀「ようし、腕尽くなら荒ワシ師団長ごときに負ける俺ではない」
鋼鉄参謀、シャドウの矛盾した言動を突くが、基本的に単細胞の鋼鉄参謀、シャドウの口車に乗る形で、実力でストロンガーを奪い返しに行く。
鋼鉄参謀が憤然と出て行ったあと、
シャドウ「お互いが手柄争いに必死になれば、それだけ早くストロンガーが片付くと言うものだ。あとのことはあとのこと……ふっふふふふっ」
まるで計画通りとばかりにほくそ笑むシャドウであったが、それ、完全に間違ってます。
何故なら、荒ワシ師団長が横取りさえしなければ、ストロンガーはとっくの昔に鋼鉄参謀に殺されていたに違いないのは、27話を見れば明らかだからである!!

ライダー「電気ビーム!! くっ、いかん……」
一方、ストロンガー、かなり情けない恰好で、荒ワシ師団長のアジトの天井からぶら下げられていた。
荒ワシ師団長「げっげっげっ、その網は電気を通さぬ絶縁体で出来ている、いくら足掻いても何の効果もないぞ」
ライダー「卑怯者め、俺を殺したければこの網から出して勝負してみろ。その度胸もないのか」
ストロンガー、相手を挑発して局面を打開しようとするが、
荒ワシ師団長「その手には乗らん、そりゃ無論、勝負したところで貴様など問題ではないがな、俺は鋼鉄参謀のように無駄な力は使わん、ここ(頭)で勝負する主義だ」

荒ワシ師団長「じたばたせずに諦めるが良い、今俺はどんな方法でお前を殺そうかと考えているところだ」
と、敵の接近を知らせる警報が鳴ったので、荒ワシ師団長は部下に確認に行かせる。
だが、入り口で見張っていた戦闘員たちは、鋼鉄参謀配下の戦闘員に四方から鎖を巻きつけられる。
荒ワシ師団長の部下は、空が飛べる分、戦闘力では鋼鉄参謀の部下に劣るようである。
それでも、荒ワシ師団長の部下の一人がなんとか反撃して逃げ出し、親分のところへ取って返す。

戦闘員「鋼鉄参謀が来ました!!」
荒ワシ師団長「見りゃあ分かるよ!!」 と言うのは嘘だが、見りゃ分かるのはほんとである。
だが、荒ワシ師団長は慌てず騒がず、
荒ワシ師団長「これは珍しい、鋼鉄参謀ではないか、突然何の用だ」
鋼鉄参謀「だぁまれいっ!!」
抜け抜けとトボけて見せる荒ワシ師団長に、鋼鉄参謀は積もり積もった怒りを爆発させて、鉄球を地面に叩きつける。
鋼鉄参謀「白々しいことを言うな、俺が捕らえたストロンガーを横から盗んで行ったのは何処のどいつだ?」
荒ワシ師団長「盗んだ? 人聞きの悪いことを言ってはいかん、ストロンガーが我らデルザー軍団の共同の敵、誰が捕まえようと殺そうと文句はあるまい」
鋼鉄参謀「そうは行かん、ストロンガーの命にはデルザー軍団のリーダーの地位が掛かっている。一番槍をつけたのはこの俺だ、返せ」
荒ワシ師団長「イヤだと言ったら?」
鋼鉄参謀「腕尽くで貰っていく」
荒ワシ師団長の挑発的言辞に鋼鉄参謀も殺気立ち、一触即発の状態となるが、
荒ワシ師団長「ゲゲゲゲ、俺の悪戯が過ぎたようだ。怒らせてすまん」
急に下手に出て、素直に謝罪する荒ワシ師団長であった。
荒ワシ師団長「獲物は最初の矢の射手のもの、潔くお返ししよう」
鋼鉄参謀「本当だろうな?」
荒ワシ師団長「では、これで失礼する……」
CM後、

無事獲物を取り戻した鋼鉄参謀、網に入れたまま崖の上からストロンガーの体をぶら下げる。
ストロンガーは相変わらず黙りこくって、ピクリとも動かない。
鋼鉄参謀「どうした、恐ろしくて声も出んか」
ライダー「……」
鋼鉄参謀「ただ今からデルザー軍団の名において、貴様の死刑を行う。安心しろ、俺は女の腐ったような荒ワシ師団長とは違う、一思いに楽に死なせてやるわ」
「女の腐ったような」って、今では使えなくなった表現だよね。
鋼鉄参謀、ハンマー投げの要領で、自分の体を軸にして鉄球をぐるぐる回し始める。

ユリ子「あれは鋼鉄参謀だわ」
立花「見ろ、網ん中に閉じ込められてるのはストロンガーだ」
ちょうどそこへおやっさんたちがあらわれるが、引き続きユリ子の胸元が開いているのが望ましい。
どうせなら、もうひとつボタンを外して欲しかった……
ユリ子たちにもどうすることも出来ず、鉄球は十分勢いをつけて投げられ、ストロンガーの体に激突、爆発と共にその体がバラバラに砕け飛ぶ。

ユリ子「ああ……」
あまりのショックに、思わず気が遠くなるユリ子。
女性が、恐怖やショックのあまり失神すると言う描写も、今では見られなくなったなぁ。
鋼鉄参謀「ふぁーはっはっはっ、呆れるほど他愛のない奴だったな」
哄笑を響かせてライダーの死体の一部を拾い上げる鋼鉄参謀だったが、笑い声はたちどころに怒声に変わる。
鋼鉄「ええい、これは人形だ!! おのれ荒ワシ師団長め、よくもこの俺を笑いものにしたな」
狡猾で貪欲な荒ワシ師団長がそう簡単に獲物を返す筈も、また、ストロンガーがそう易々とやられる筈もなく、鋼鉄参謀に引き渡されたのはダミー人形だったのである。
そう、カメラが一旦アジトの外に飛んだが、その間に、本物とニセモノを入れ替えていたと言う、視聴者をも騙すトリックが使われていたのである。
ここは本気で感心した。
しかし、鋼鉄参謀はライダーの体が機械であることを見て人形だと見抜いているが、ストロンガーは元々改造人間なので、機械なのは当たり前なのではないだろうか?
一方、荒ワシ師団長のアジトでは、

荒ワシ師団長「ぬっはっはっはっはっはっ……」
クルクル回る本物のライダーを前に、荒ワシ師団長が愉快そうに笑っていた。
荒ワシ師団長「鋼鉄参謀め、さぞ地団駄踏んで、悔しがっているだろう。愉快だと思わんか?」
ライダー「うるっせえっ、いまそれどころじゃねえんだよっ!!」 荒ワシ師団長「すみません……」
じゃなくて、
ライダー「うるさい、自分の悪賢さを自慢してなんになる? 悪党めっ!!」
吐きそうになりながら悪態をつくライダーだったが、「悪の組織」の幹部に向かって「悪党めっ!!」はないんじゃないかと……
荒ワシ師団長、その場で首チョンパすればいいものを、複数の滝が、滝壺をぐるっと囲むように流れ落ちている風光明媚な山の中にストロンガーを運び、そこから突き落とそうとする。
どう考えても、死なないと思うんですが……
せめて重りくらいつけないと。

ライダー(俺が死ねば、世界はデルザー軍団の手に渡ってしまう、なんとかこの絶縁体の網を破壊する方法はないか……待てよ、たとえ絶縁体でもその中に水が浸み込めば……)
ストロンガー、暗闇の中に一筋の光明を見つけ、そこに希望をつなぐ。
過去、ストロンガーが水の力を借りて何度も窮地を潜り抜けてきたことを知らなかったのが、荒ワシ師団長の不運であった。

色々あって、ストロンガーはひとつの画面では入り切らないほど高い滝を落ちていき、滝壺に吸い込まれる。
無論、ストロンガーはピンピンしており、それどころか、絶縁体を水で濡らして電気を流し、遂に自由を取り戻すのだった。
ほどなく、荒ワシ師団長を追ってきたのか、ユリ子たちも下流の滝壺に駆けつける。
ユリ子「滝で行き止まりだわ」
立花「茂の奴、この上流にでもいるのかな」

そこへストロンガーを探して上流から荒ワシ師団長たちが降りてきて、遭遇戦となる。
すぐ後ろを大量の水が流れ落ちて飛沫が上がって天然のクーラーの役目を果たし、見ている方も涼しくなるようなアクションシーンである。
以前にも他の作品(新マン?)に出て来た気がするが、ここ、何処なんだろう?
ちなみに今回一番頑張ってるのは茂でもおやっさんでもなくユリ子で、

戦闘員に両脇から腕を取られ、滝の下に立たされて水責めを受けたり、

戦闘員に胸を揉まれたり、散々な目に遭っている。

ユリ子「あっ、ぐっ……」
……
ほんと、岡田さんの女優根性には頭が下がりますな。

立花「ユリ子!!」
ユリ子「おじさん」
なんとかおやっさんと合流するユリ子であったが、まともに戦って改造魔人に勝てる筈がなく、絶体絶命のピンチに追い込まれる。
だが、ここで、聞き慣れた「待てい」と言う掛け声がして、

振り向けば、黒い岩壁を噛む白い水流をバックに茂が颯爽と立っていた。
いやぁ、実に絵になる背景だ。
涼しいし、夏場のロケ地としては最適ではなかろうか。
ユリ子「茂、無事だったのね」
茂「ああ、実は俺も一時は駄目かと思ったくらいだ、デルザー軍団と言うのはブラックサタンとは比べ物にならんほど恐ろしい奴らだ」
茂、率直にデルザー軍団の実力を認め、ユリ子たちに注意を促してからバトル開始。
ちなみに、デルザー軍団の強さを示す為か、あのおやっさんが、戦闘員にボコボコにやられてます。
……って、まあ、それが普通なんだけどね。
今までの戦闘員が弱過ぎたのだ。
ストロンガー、荒ワシ師団長に電キックをお見舞いするが、鋼鉄参謀の時と全く同じ仕組みで跳ね返される。
荒ワシ師団長「言っておくがな、ストロンガー、我々デルザー軍団のものに電気キックは効かんぞ、げっげっげっげっ」
ライダー「……」
電気攻撃が通用しないのは鋼鉄参謀だけでなく、デルザー軍団全てがそうだと言う、絶望的な情報を教えられるストロンガー。
思わず家に帰って天ぷらうどんが食いたくなったに違いない。

と、荒ワシ師団長、マジンガーZのジェットスクランダーのような翼を装着して、空中戦に持ち込もうとするが失敗する。
ライダー(そうだ、絶縁体の網と同じように、こいつも水の中なら……)
と、ここで、水に濡らせば通電するのではないかと言う謎理論を思いつき、荒ワシ師団長を滝壺の中に引き摺り込む。
正直、絶縁体を水に入れても絶縁体であることに変わりはないと思うのだが、
ライダー「水中エレクトロファイヤー!!」
何故か、今度は電気攻撃が通じ、その一撃で荒ワシ師団長は爆死する。
いや、仮に通電したとしても、エレクトロファイヤー一発で改造魔人か死ぬなんて、いくらなんでも弱過ぎる。
ともあれ、ほとんど僥倖に近い勝ちを拾ったストロンガーであったが、毎度同じ状況に持ち込めるとは限らず、今後も厳しい戦いが予想された。
一方、ひきこもりのシャドウは、

シャドウ「スペードの9、荒ワシ師団長は死んだか……」
暢気にトランプ占いをして、それで荒ワシ師団長の死を知る。
それだけなら、規律違反の荒ワシ師団長を、あえて見殺しにしたとも取れるのだが、
シャドウ「さて、次は鋼鉄参謀の対抗馬に、誰を出すか……ふっふっはっはっ……」
……
お前はアホか? 思わず馬鹿でかい字で突っ込んでしまったが、鋼鉄参謀と荒ワシ師団長が手柄争いをしたために、少なくとも三回はストロンガーを殺す機会を得ながらみすみす負けてしまったばかりだと言うのに、懲りずに同じことを繰り返そうと言うのは、端的に言って、三国一のトンチキのすることである。
デルザー軍団、圧倒的な実力を持ちながら、早くもその行く手に暗雲が立ち込めているように見えるのは、あながち、管理人の気のせいだけとも言えまい。
この27話と28話を振り返れば、やはり「悪の組織」には、絶対的な独裁者が必要なのだと痛感させられた。
ま、ぶっちゃけ、ヒーローにはどう足掻いても勝てないんだけど、デルザー軍団の場合、実力では確実にストロンガーを上回っているのに、指揮系統の欠如によって、自ら敗北を招いているように見えるのが、実に勿体無いと思うのである。
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