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「ウルトラセブン」傑作選 第20話「地震源Xを倒せ」 前編


 第20話「地震源Xを倒せ」(1968年2月18日)

 冒頭、「国際核研究センター」を訪れているダンとソガ。

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 廊下で、「バカモノーッ!」と大きな雷を落とされ、たじろぐ。

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 雷喝の主は、岩村博士(吉田義夫)。
 岩村「帰れ、帰ってヤマオカ君に言いたまえ、急用ならそっちから来いと」

 ソガ「ですがお迎えに……」
 岩村「わっからんやつだなぁ、今は手が離せないんだ。分かったか?」

 目の前でピシャリとドアを閉められ、しかめっ面を見合わせる二人。
 百戦錬磨のウルトラ警備隊員も、博士の迫力の前には形無しであった。

 ダン「驚きましたねえ」
 ソガ「ああ、聞きしに優る頑固者だ」

 そこへ博士の助手を名乗る榊と言うにこやかな青年が「どうしたんです?」と声をかける。
 二人は、博士の助手が良くつとまるものだと心から感心する。

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 二人が本部へ戻って報告すると、キリヤマは「ははははっ、やっぱりやられたか」と予期していたように破顔する。
 ダン「隊長ぉっ、ご存知だったんですか」
 キリヤマ「有名な男だよ。だが、地球の核の研究者としては世界でも有数な学者だよ。しかし弱ったな、至急博士の意見を聞きたいんだが」
 ダン「例の局発性地震のことですね」
 キリヤマ「うん、ほとんど人体には感じない小地震だが、どうもおかしいんだ。地震が続いているのはこの点線の部分だ」
 と、地図で示す。

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 ちょうどその付近を、ラリーに参加している二人の女性が走っていた。

 玲子「おかしいなぁ」
 光子「玲子、しっかりしてよ。ラリーの勝敗はかかって玲子にあるんだから」
 玲子「でもおかしいんだ、どこ走ってるのか分かんなくなっちゃった……とにかくもうちょっと行ったところで、三叉路へ出ればOKよ」

 しかし、車はどんどん人気のない山道へ入り込んで行く。

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 光子「玲子、道がなくなったわよ」
 玲子「ごめん、あたし方向音痴なの」

 オンエア時、視聴者が一斉に「方向音痴がナビゲーターやるんじゃねえ!」と突っ込みを入れたと言う。

 光子はUターンしようとするが、崖から落ちそうになって慌てて外へ飛び出す。車がその場から動かせなくなり、二進も三進も行かなくなる。

 と、二人は足元に転がっていた紫色の鉱石を見付け、拾い上げる。同時に、地震が起きて岩がごろごろ落ちてくる。

 その地震は、当然、ウルトラ警備隊もキャッチしていた。
 キリヤマは、ダンとソガにもう一度岩村博士のところへ行って来いと命じる。

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 ソガは、エア握り寿司をしながら(註・してません)「だぁめですよ、堪忍してくださいよ、隊長の命令なら宇宙の果てだろうと地獄の果てだろうと喜んですっ飛びますが、岩村博士のところだけは……」と泣き言を並べる。

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 ソガ、作戦室に入ってきたフルハシを見て、急に笑顔になる。
 ソガ「隊長、フルハシ隊員が適任です」
 フルハシ「岩村博士? と、とんでもないっ」

 うろたえるフルハシを見上げるアンヌが可愛いのである!

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 ソガ「そうだ、アンヌ隊員が最適任です!」
 アンヌ「えっ」

 驚いて正面を向くアンヌ隊員が可愛いのである!

 ソガ「頼むよ、アンヌ隊員」

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 アンヌ「ええ、いいわ」

 快く引き受けるアンヌ隊員が可愛いのである!

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 アンヌ「ね、ダン?」
 と、ダンに声をかけるアンヌが可愛い……、え、いい加減にしろ?

 でも、しつこいと言われても貼らずにおれない可愛さなので、ご理解下さい。

 振り返ったダンも「うん」と言いながら、(何こいつ、クッソ可愛い)と思っていたに違いない。

 既に夜になっていたが、二人はポインターで「国際核研究セソター」へ。
 ダン、昼間のことを思い出し、博士の部屋の前で怖気づく。
 アンヌ「ここね、さっ」
 ダン「頼むよー」
 アンヌ「弱虫!」

 仕方なくアンヌがドアを開けて入ろうとするが、ちょうど中からたくさんの荷物を抱えた榊助手が出てきて、アンヌとぶつかってしまう。

 榊「ああ、こりゃどうも」
 アンヌ「あの、岩村博士は?」
 榊「出発しました」
 ダン「何処へ?」
 榊「青沢山岳地帯ですよ」

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 アンヌ「ええっ、もうイッちゃったの?」

 すいません、(わざと)間違えました。
 アンヌ「ええっ、もう行っちゃったの?」
 榊「あのあたりで異常な地震が続いていることはご存知でしょう。データやら調査の機材やら持って私も今から行くんです。早く行かないとまた雷ですよ」

 キリヤマは、ダンとアンヌ、そしてフルハシを加えた三人を、調査と博士の警護の為、青沢山岳地帯へ派遣する。

 三人は、偶然、山道に乗り捨ててあったあの13番のラリー車を発見する。そして、近くの茂みに身を潜めていた玲子と光子を保護する。二人は大きな唸り声がしたと怯えていた。

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 フルハシたちは近くの山荘に彼女たちを連れて行く。

 いやぁ、実に雰囲気のあるロケーションである。

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 フルハシが「ごめんください」と、ガンガン玄関を叩いていると、中からランプを掲げて出て来たのは、意外にも岩村博士であった。
 岩村「誰だっ、家をぶっ潰す気か? いい加減にせんかっ。この家は地震でガタガタになってるんだ。何の用だ?」
 ダン「偶然です、博士の家とは知らずに」
 岩村「ワシの家ではない、調査の為に借りてるんだ。お前たちは何しに来た」
 ダン「調査です、地震の」
 岩村「遅い、遅過ぎる!」
 フルハシ「いや、あの、そのしかしですね。我々防衛軍の任務は宇宙の侵略から地球を守ることで、つまり……」
 岩村「理屈を言うな、今度の連続自身が宇宙からの侵略でないとどうして言えるんだ?」

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 とにかく、5人は山荘の中に腰を落ち着ける。
 岩村「そこに湯が沸いている。コーヒーを淹れろ」
 フルハシ「いえ、我々は結構です」
 岩村「うん? ワシが飲むんじゃ!」

 博士の横暴ぶりに「ええーっ」と揃って渋面になるフルハシとダン。

 2階から榊が降りてくる。
 榊「機械の準備が終わりました」
 岩村「機械が来ても電気がないんじゃ、どうしようもない」

 コーヒーを注いでいたアンヌ、榊に気付いて声をかける。
 博士は、アンヌたちが榊と顔見知りだと知ると、急に態度を軟化させる。
 岩村「この男はワシの右腕だ。若いが優秀な科学者だ」

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 博士は、光子たちが持っていたあの奇妙な鉱石に気付き、興奮気味に榊に見せる。
 岩村「これを見ろ」
 榊「先生!」
 岩村「そうだ、ウルトニウムだ」
 アンヌ「ウルトニウムって?」
 榊「地球を形作っている物質の中心、つまり核です」
 岩村「こんなものがその辺に転がっている筈がない。地下深くから誰かが運び出した……大量に運び出されると、地球は核を失ってバラバラになるぞ」

 キリヤマは、アマギとソガに命じ、ホーク3号にマグマライザーを乗せて青沢山岳地帯へ急行させる。

 つづく。


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コメント

アンヌって、男のすべてを受け入れてくれる大らかさがあるような感じですよね。
最終回の名シーンこそ、その真骨頂ですが。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第20話「地震源Xを倒せ」 前編(11/03)  

影の王子様
>アンヌって、男のすべてを受け入れてくれる大らかさがあるような感じですよね。

自分もレビューしてアンヌの魅力に改めて気付かされることが多いです。

この話は、ダンとソガ隊員が「国際核研究セソター」に来たところから始まった。  

管理人さん、こんばんは。ご無沙汰しています。
遅ればせながら300万ヒットおめでとうございます。

「地震源Xを探せ」は、いきなり岩村博士の怒鳴り声の洗礼をうけるダン&ソガのコンビで幕を開けますが、「帰ってヤマオカ君に言いたまえ!急用ならそちらから来いと!」とダンとソガを一喝したり、「この家をぶっ潰す気か!?」と荒っぽい歓迎のあいさつでダンたちを出迎える「お湯が沸いているからコーヒーを入れてくれ」とダン・フルハシに指示して「ワシが飲むの」とオチをつける岩村博士の姿を見ると、吉田義夫さんの演技に圧倒されますね。

第20話前半は「エアー握りずし」の芸をしながら岩村博士のところへ行くのを渋る「そうだ、フルハシ隊員が適任です!」とフルハシを指名するソガや「国際核研究セソター」の岩村研究室の扉を前に嫌な顔をするダンなど笑いの描写が多いように感じました。

Re:この話は、ダンとソガ隊員が「国際核研究セソター」に来たところから始まった。(11/03)  

マシンX2000様
>遅ればせながら300万ヒットおめでとうございます。

ありがとうございます。これからも頑張ります。

>第20話前半は「エアー握りずし」の芸をしながら岩村博士のところへ行くのを渋る「そうだ、フルハシ隊員が適任です!」とフルハシを指名するソガや「国際核研究セソター」の岩村研究室の扉を前に嫌な顔をするダンなど笑いの描写が多いように感じました。

細かいネタを拾っていただき、恐縮です。

「セブン」は、ハードなものから奥の深いもの、そしてこういう気軽に見れるエピソードと、彩り豊かなのが良いですよね。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第20話「地震源Xを倒せ」 前編(11/03)  

今回は方向音痴なナビゲーターの女性とエアー握り寿司をしてごまかした?ソガ隊員が印象的ですね〜😅前半はコント仕立てのような気がします。雷親父って今の世の中ではほぼいませんよね

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第20話「地震源Xを倒せ」 前編(11/03)  

ふて猫様
>今回は方向音痴なナビゲーターの女性とエアー握り寿司をしてごまかした?ソガ隊員が印象的ですね〜😅前半はコント仕立てのような気がします。雷親父って今の世の中ではほぼいませんよね

ストーリーはどうってことはないんですが、全体的にユーモラスで楽しいエピソードですね。

No title

今から55年前の今日、放送されました。なお、間違いが一つあります。
「国際核研究センター」→(○)
「国際核研究セソター」→(×)
「ソ」ではなく、正しくは「ン」です。是非書き直して下さい。

No title

「国際核研究センター」→(○)
「国際核研究センター」→(×)
「ソ」ではなく、「ン」が正しいので、是非書き直して下さい。

Re: No title

了解です。

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