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「ウルトラマンレオ」 第31話「地球を守る白い花」 前編


 第31話「日本名作民話シリーズ! 地球を守る白い花 花咲か爺さんより」(1974年11月8日)

 今回のモチーフは有名な「花咲か爺さん」である。
 よって、冒頭から、腰の曲がった白い眉毛のお爺さんが登場し、まとわりつく子供たちが「裏の畑でポチが鳴く~」と言う童謡を歌っている。

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 老人は、向こうから赤ちゃんをあやしている主婦を見掛け、赤い一輪の花をパッと空中から取り出し、赤ちゃんに握らせる。と、泣き止まなかった赤ちゃんがあっという間に熟睡してしまう。

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 老人は、雑多な物が置いてある空き地へやってくると、バケツに入った銀色の金平糖のような物を「花よ咲け、綺麗な綺麗な花よ咲け」と言いながら、あちこちにばらまく。

 すると、昔話そのままに、枯れ木に美しい花が咲き乱れる。

 老人は調子に乗って、東京じゅうにその不思議な物質を撒き、

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 住宅や工場、資材置場等を色とりどりの花で飾って行く。

 業者は大迷惑だったが、子供たちは大喜び。
 老人は、咲いた花を嗅ぐように子供たちにすすめる。その匂いを嗅いだ子供たちは、さっきの赤ちゃんのようにその場で深い眠りに落ちてしまう。

 花畑の上で、少年少女が熟睡している姿は実にリリカルであったが……、

 ゲン「眠り病?」
 ダン「うん、中には10日以上眠っている子供もいる。宇宙人の仕業と言うことも考えられる。一応調査してくれ」
 当然、MACはその現象を散文的に受け止め、解明に乗り出す。

 さて、今日も仲良く一緒に下校中のトオルとカオルの兄妹。

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 カオル、ふと、街路樹の根元にひっそり咲く野菊を見付け、その心優しさから、わざわざ貯金箱のお金で植木鉢を買い、その花の世話をしてやろうとする。

 トオルは、そんな変哲もない花に貯金を使うのは馬鹿らしいと反対する。
 ちなみに、その貯金はハーモニカを買う為に貯めていたそうです。ほのぼのするわー。

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 さらに、その後、百子さんと三人ですき焼き! 卓上ガスコンロで!

 うう、ワシも百子さんと一緒にすき焼きをつつきたかった……。

 と、ジリリリリリ……とけたたましい音が鳴る。カオルが、例の花に水をやる時間をタイマーで設定していたのだ。その音に驚いて、カオルは肉を喉に詰まらせる。

 百子「カオルちゃん、その水上げて」
 カオル「だめっ、これ、お花のだもん」

 カオルは「欲張ってひとりでお肉ばっかり食べるからよ」と、冷ややかに告げて、むせる兄を尻目に植木鉢にコップの水を注ぐ。

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 百子「はい」
 仕方なく、別のコップに水を入れてトオルに渡す百子さん。

 このコップが、グラスじゃなくて如何にもコップと言う感じ(どんなだ)なのも好ましい。

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 その水を飲み干してやっと一息ついたトオル、無言で植木鉢を持ち上げると、床に叩きつけて壊してしまう。

 カオル「あっ、なにすんのよ!」
 トオル「……」
 トオル、よほど腹が立ったのか、何も言わずに妹を睨み付けると、何事もなかったように食事を続ける。

 カオルは「バカッ、お兄ちゃんのバカッ」と叫ぶと、そのまま家を飛び出してしまう。

 夜、MACの仕事を終え、寝泊りしているスポーツセンターに帰ってきたゲン、入り口のところでカオルがしょんぼりとしゃがんでいるのを見付ける。その手には、ありあわせの容器に移したあの花が揺れていた。

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 ゲンからカオルのことを知らされ、安堵する百子さん。
 百子「良かったわぁ、じゃあ一晩だけお願いします」

 横で聞いていたトオルも、笑顔を見せる。あれから、自分の行為を反省したのだろう。

 カオルはゲンの部屋で他愛なく眠りに落ちる。

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 夢の中で、カオルは髪の長い白い服を着た少女に出会う。
 少女「私はあなたが助けてくれた花の精よ」

 手を取り合って仲良く回る二人。

 少女を演じるのはチー坊こと杉田かおるさん。後の円盤シリーズでは、富永さんに代わってレギュラー子役を務めることになる。

 楽しく遊ぶ二人の前に、黒い衣装を付けた悪魔の化身が現れ、花の精をおびやかす。

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 さっきのことがあるので、夢の中の悪魔はトオルの姿をしていた。

 ハッとして目を覚ますカオル、花が無事なのを見てホッとすると共に、「お兄ちゃんのバカ、お兄ちゃんなんか病気になっちゃえばいいんだ」と呪いの言葉を吐く。

 翌日、自分のお金で買った新しい植木鉢を手に、カオルのところへ急ぐトオルの姿があった。

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 だがその途中、例の老人がまた公園にあの灰をまいて、いたるところに花を咲かせているのに出くわす。
 トオルはその灰を分けて欲しいと頼むが、老人は代わりに一輪の花をプレゼントしてくれる。

 トオルは去り際、こっそりその灰を一握り掴み取っていた。

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 トオルも、他の子供たち同様、花を嗅いで眠り病にかかってしまう。

 ゲンは、トオルが握り締めていた灰をダンに見せられる。
 ゲン「地球の物じゃありませんね。じゃやっぱり宇宙人の……」
 ダン、無言で頷く。

 ナレ「MACは子供たちが外へ出ることを禁止した。子供たちの安全を確保した上で、宇宙人をやっつけようという作戦だ。だが、MACの言うことなど、誰も聞いてくれなかった。ちくしょう

 カオルはこんこんと眠るトオルの枕元に立ち、「お兄ちゃんごめんね、もう病気になれなんて言わないから……」と、つぶらな瞳を潤ませて話しかける。

 カオルは、トオルが持っていた植木鉢を見て、兄の気持ちを知り、急いでゲンの部屋まで白い花を取りに行く。汗だくになりながら、再び兄のところへ向かっていたカオル、自転車をついて歩いていた老人とでくわし、ぶつかりそうになる。

 老人は物腰柔らかくカオルに話しかけ、トオルの病気のことを聞くと、「良いもの上げよう」と、他ならぬ「眠り病」の元凶であるあの花をカオルに渡そうとする。

 カオルは疑いもせずその花を受け取ろうとするが、

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 花の精「ダメっ、その花を貰ってはダメ、その花は悪い花。子供たちを眠らせてしまう毒の花よ」

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 カオル「ハッ」

 ちっちゃな杉田かおるにこんなこと言われたら、そりゃ、びっくりするわな。

 カオルが「要らないっ」とその花を払い除けると、老人は急に怖い顔になり、白い花を容器ごと地面に叩き付ける。

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 迫る老人に怯えて、中腰であとずさるカオル。

 一連の、怯えた表情とか動きとか、実に上手い。さすが富永さんである。

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 恐ろしい形相で、のしかかるようにカオルに近付く老人。

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 ……ま、ハタから見たら、何処へ出しても恥ずかしくない、年季の入った変質者である。

 そこへゲンたちがロディーで駆けつけ、銃を突きつける。

 果たして、老人の正体は?

 後編につづく。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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