「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」 第8話「ホネまで愛して」

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　第8話「ホネまで愛して」（1988年3月5日）

　家の掃除をしていたぱいぱい、押入れを整理しようとして、乱雑に突っ込まれていたたくさんの頭蓋骨が降って来る。

　
　頭蓋骨のひとつがウィンクし、「キャーッ！」と叫んで目を回してしまうぱいぱい。

　
　隣の部屋にいた三バカ兄弟がすぐ飛んできて、心配そうにぱいぱいを見守る。

　最初の頃のように、三人がぱいぱいを邪魔者扱いしたり、バカにしたりするシーンはほとんど見られなくなった。
　シンゴ「そうだ、お金の音でも聞かせてみる？」
　シンゴのアイディアで、アキラがぱいぱいの耳元で小銭を振って見せるが、何の反応もない。しかし、アキラが千円札をはばたかせると、たちまちパチッと目を開けるぱいぱいであった。

　たくさんの頭蓋骨は、行男が発掘してきた人類の祖先の骨だった。

　
　その後、自転車で買い物に向かうぱいぱいを見付け、同じく自転車でヌルハチたちが追いかける。
　ぱいぱいは魔法のコンパクトで自転車を三輪車に変えて、まこうとする。

　が、ヌルハチもれっきとした魔法使い、直ちに魔法の電卓を取り出して逆襲する。

　
　体を左右に揺らせながら気持ち良く走っているつもりのぱいぱい、

　
　気がつくと、いつの間にか自転車が健康器具に変わっていて前に進めない。

　ぱいぱい「やられた！」

　今度は自転車から降り、追いかけっこを始めるぱいぱいたち。

　ぱいぱい、公園で行男に会い、助けを求めるが、行男は考え事に没頭していて当てにならない。
　と、何を思ったのか、行男はタクラマカンに駆け寄り、その巨大な頭部を抱えてうっとり見入る。

　ぱいぱい「おじさま、その男は危険です。触らない方が……」
　行男「とんでもない、これこそ、今世紀最大の傑作だ。君は実に良い頭をしている」

　行男、タクラマカンの頭の寸法を測ると、「君はまさに北京原人だ！」と叫ぶ。
　正気を失っているとしか思えない行男、タクラマカンの頭を撫でながら、「この頭欲しい、おくれ」と言い出す。さすがにタクラマカンも怖がって逃げ回る。

　そんな彼らの様子を、近くから見ている男たちがいた。行男のライバル、武部博士とその部下たちだった。
　武部も、一目見るなりタクラマカンの頭蓋骨に惚れ込んでしまう。

　ヌルハチは、行男がお金を出すと言うと、急にタクラマカンを行男に売ろうとする。
　騒ぎながら走っていく三人を見送って、

　
　ぱいぱい「こりゃ手に負えないわ……、あっ、買い物行かなくちゃ」

　アキラたちは、行男たちの騒動と、武部の怪しい素振りが気になり、武部の屋敷の敷地に入り込み、スパイしていたが、あっさり見付かって捕まってしまう。

　買い物から帰ったぱいぱい、三バカがいつまで経っても帰ってこないので心配でいてもたってもいられない。

　
　一方、大人の三バカの方は、どうしてそういうことになったのか不明だが、おでんの屋台でとぐろを巻いて、すっかり出来上がっていた。

　酔っ払ったタクラマカンは、「こんな頭でよけりゃ、貸しましょう」と、とんでもないことを口にする。
　ヌルハチ「こうなりゃゼニ金の問題じゃない、気持ちですよ」

　行男は用意していた「頭蓋骨譲渡契約書」にサインさせ、拇印も押させる。

　行男「これで北京原人の研究は大いに前進するぞ！」

　するか


　
　アキラたちを探していたぱいぱい、騒いでいる三人を見付け「まぁ、おじさま！」

　ぱいぱいのお口がとても可愛いのである。困るのである（何が？）

　ぱいぱい「おじさま、子供たちが帰ってこないんです」
　行男「ほっとけ」

　
　ぱいぱい「おじさま、おやつの時間だと言うのに帰ってこないんですよ。なんだか胸騒ぎがして」
　行男「僕は今嬉しくてね、それどころじゃないの、ホーネまーでー♪」
　ぱいぱい「いい加減にして下さい！　子供たちが行方不明だってのに、真っ昼間から酒かっくらって、おじさまは子供たちと研究、どっちが大切なんですか？」

　ぱいぱいの真剣な問い掛けに、

　
　行男「研究」

　何の迷いもなく即答する行男。ある意味、立派だ。

　ぱいぱい「ええっ？」
　行男「子供はその気になればまた作れますよ。この愛しい頭蓋骨ちゃんは二度と手に入りませんよ、さぁ、飲み直しましょう」

　ぱいぱいは「ダメ親父」と罵ると、ひとりでアキラたちを捜す。

　その後、泥酔したタクラマカンを背負って、行男がよたよたと自宅へ向かっていると、武部たちの車が接近し、タクラマカンを奪おうとする。

　武部は、アキラたちを人質にして、タクラマカンを引き渡すよう強要する。
　行男「こういうの見せられると弱っちゃうよなぁ、どちらにしよう……」

　この期に及んでも、最低オヤジ振りを発揮する行男。考え込んでいる間に、武部の部下に張り倒されて気絶してしまう。

　トオル「だらしないなお父さん」
　シンゴ「がっかり」

　続いてぱいぱいが腕まくりしながら「やいやいてめえら待ちやがれ」と、「あすか組」のミコを思わせるタンカを切りながら駆けて来る。

　が、アキラたちの前では魔法が使えず、投げ飛ばされて行男と同じくあっさり気絶してしまう。

　アキラ「だらしないの」
　シンゴ「パパと同じだ。がっくり」

　武部は、タクラマカン、三バカを車に乗せ、走り去る。
　だが、抜け目のないぱいぱい、気絶していたふりをしていただけで、すぐ目を開いて、車のナンバープレートを記憶する。

　
　そして中華魔女に変身すると、テレポーテーションで武部の屋敷へ。
　（ナンバープレート関係ないじゃん……）

　
　武部は、行男を上回るキチガイで、生きたままタクラマカンの頭蓋骨を取り出そうとする。

　そこへぱいぱいが現れ、三バカとタクラマカンの戒めを解いて逃がすと、武部たちを懲らしめる。
　武部たちは魔法の力に仰天して家を飛び出すが、

　
　次のシーンでは、いきなり特撮に良く出てくる人里離れた荒れ地を走っているのがご愛嬌。

　
　ぱいぱいも瞬間移動して来て、

　
　彼らの眼前に可愛らしい爆発を起こす。

　そしてガイコツを操って武部たちを散々脅かし、お灸を据えるのだった。

　
　ラスト、行男にこんな誓約書を書かせるぱいぱい。

　だが、次の瞬間には、アキラたちが庭で見つけてきたという骨を見て、「シーラカンスの骨だ！」と興奮し、スコップで見る見る穴を掘って行くのであった。

　
　そんな様子を見て、「困ったお父さんだね」と笑うぱいぱい、冬の陽光を受けて眩しく輝いていた……。

　いやー、しつこいようだけど、ぱいぱいって可愛い！