「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第40話 前編

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　第40話「悲しみのサキ　総統、愛のために死す」（1986年9月25日）

　物語もいよいよ佳境。

　どうでもいいが、サブタイトルでネタばらしするのは止めて頂きたい。

　前回、父・早乙女七郎の遺志を受け継ぐ天道と地道にその清い心を認められ、キドラの秘宝を見つけ出す為に不可欠な銅鏡のようなアイテムをゲットしたサキ。

　天道は更に、七郎から預ったと言う手紙をサキに見せる。

　
　手紙「鉄仮面と言う宿命を負いながらも、その心を曲げることなく、この手紙を読んでくれていることにまず感謝したい。よくぞここまで成長してくれた。ありがとう」
　サキ「いいえ、どう致しまして」

　
　その手紙を書いている七郎のイメージ。
　七郎「私が発見したキドラの秘宝は、実に素晴らしい力を持っている。しかし、その力は心正しい人間が持ってこそ、素晴らしいといえるのだ。邪悪な心を持つ者がその力を使えば、恐ろしい結末を迎えることになる。キドラの秘宝を決して邪悪な者に渡してはならない」

　七郎は、キドラの秘宝の力を使い、秘宝を欲しがっている鎌倉の老人（信楽老）を倒そうとしたが、秘宝の力が発揮されず、敗北したのだと言う。

　手紙の末尾には、自分に代わって信楽老を打倒してくれと書かれてあった。

　読み終えたサキの目には、涙が滲んでいた。
　サキ「生まれて初めて父上のお気持ちに触れることが出来ました。父上のお気持ち、うちの悲願でもあります。うちはどがいなことがあっても、信楽老を倒して見せます。父上！」

　サキは天道に、恭志郎あての手紙がないか尋ねるが、
　天道「あの男に手紙を読む資格はありません」とばっさり切り捨てられる。

　しかし、「鉄仮面と言う宿命」って言ってるけど、キドラの秘宝の秘密を鉄仮面に封じ込めてそれを娘に被せるなんて言うめちゃくちゃなことを考え付いたのは、他でもない七郎なんだけどね……。

　一方、その信楽焼きじゃなくて、信楽老、鎌倉の屋敷にてコマンドっぽい部下（久保寺健之さん？）から恭志郎が遂に秘宝のありかを突き止めたという重要な報告を受けていた。

　前回のラストに、「こんなところに」と恭志郎たちがびっくらしていた場所なのだが、実は、他ならぬ、サキたちの母校・梁山高校の中にあることが判明する。

　信楽老は、宝を入手した後は、サキと恭志郎を始末しろと部下に命じる。

　
　恭志郎、早くも梁山高校を占拠して、理事長のデスクにふんぞり返っている。

　ムチで鉄仮面を木魚のように叩きながら、部下の報告を待っている様子。

　
　そこへ、義理の弟であり、忠実な腹心である蘭丸が音もなく姿を見せる。
　蘭丸「兄上へ向けて刺客が放たれました。兄上にはもう用はないと」
　総統「俺にはもう用はないと抜かしおったか、そう言う男よ、信楽老と言う奴は……許せよ、蘭丸、貴様がそのように無表情な男になったのは、半分は俺の責任……」
　蘭丸「何を仰いますか、兄上には随分と庇って頂きました。私は一生兄上についていく覚悟！　二人して鎌倉を！」

　蘭丸の健気な言葉に、普段は冷徹な総統も感激の面持ちで蘭丸を見詰めるのだった。

　そこへ部下が来て、
　部下「総統、地下道の入り口らしいものを発見しました」

　部下が、建物の陰の目立たない場所に作られた小さな鳥居のようなところへ二人を案内する。

　
　物凄く目立つんですけど……。

　
　技術スタッフが、例の共鳴音波を人工的に作り出して扉に向けるが、何の反応もない。

　総統「やはり本物のペンダントでなければ開かぬのかも知れんな」
　部下は、力尽くで扉を開けましょうかと提案するが、総統はペンダントを握るサキが来るのを待つという。

　
　蘭丸「兄上、志織さまと？」
　総統「いずれは、決着を付けねばならぬ運命だ」

　相変わらずシャドウが決まっている総統。

　総統が登場するたびに、このシャドウが徐々に長くなっていき、最終的には鼻の下でつながるというようなことになっていたらと想像してみる（みるな）。

　
　さて、サキたちが宮本さんの車でサキの家まで戻ってくると、家の前で西脇がしゃがみこんで彼らの帰りを待っていた。
　西脇「待ってたんですよ、あなたたちを！」

　この期に及んで、サキ以外の人間には、あくまでヘタレキャラで通す西脇。そんなことに拘ってる場合じゃないと思うんですが。

　西脇「梁山高校が、青狼会総統に乗っ取られたんです」
　サキ「それでみんなは？」
　西脇「だいじょぶです、大した怪我人は出ませんでした。しかし、青狼会は梁山高校に宝があると……」

　大活躍の宮本さん、今度は三人を梁山高校まで運ぶ。

　
　門の所には、青狼会のメンバーが立ち並んでいたが、すぐ蘭丸が丁重にサキを招き入れる。

　お京たちも続こうとするが、入れるのはサキだけだと木刀で押し返される。
　サキ「恭志郎はひとりで待っちゅうが？」
　蘭丸「はい」
　サキ「おまんら、ここで待っとうせや……恭志郎は何処におるが？」
　蘭丸「校舎の裏側、社の前です」

　サキはお京たちの制止の声を振り切って、ひとりで敵中に踏み込む。

　約束をたがえず、総統は鉄仮面を床机の上に置いて、社の前でひとりサキを待っていた。

　後編に続く。