「仮面ライダー」セレクション 第1話「怪奇蜘蛛男」 後編(R版)

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　CM後、

　
　城北大学からミニスカートから伸びるフトモモがまぶしい女子大生が出てくる。

　第1クールのライダーガールと言うよりは、ヒロインと言うべき緑川ルリ子（真樹千恵子）である。

　その名前から分かるように、緑川博士の娘なのだ。

　個人的には、「仮面ライダー」の数多いライダーガールの中では一番綺麗だと思うのだが、藤岡弘の負傷による主役交代と言うアクシデントもあり、1クールだけで退場となってしまうのが非常に残念だ。

　ルリ子と、その友人のひろみ（島田陽子）に、蜘蛛男の指示を受けたショッカーの戦闘員（ただし普通の服装）が前後から迫る。

　
　そこへ乗り付けた車を見て、地獄で仏と言った顔になる二人。

　ルリ子「マスター!!」
　ひろみ「あたし、てっきり……」
　立花「てっきり、なんだい？」
　ルリ子「変な男が……」　

　そう、偶然にも、立花藤兵衛は彼らの知り合いだったのだ。

　二人が周囲を見ると、男たちの姿はかき消すようにいなくなっていた。

　二人はおやっさんの車に乗り込むが、おやっさんはルリ子に父親がここに隠れていると、メモを渡す。

　おやっさんは、ルリ子を乗せて彼の経営するスナック・アミーゴへ。

　彼らはここでアルバイトをしているのだ。

　
　彼らが店に入るなり、素顔を晒した戦闘員たちが襲ってくる。

　ルリ子は不自然に顔を隠して震えていたが、実はそれはひろみで、ルリ子の服を着て成り済ましていたのだ。

　本物のルリ子は、別の車で父親のところへ向かっていた。

　本郷と博士は、とある倉庫に身を潜めていた。

　ショッカーの影に怯える博士に対し、本郷の言う「及ばずながら私も全力を尽くして、人間の自由の為に戦います！」と言う台詞が実に印象的だ。

　本郷、蛇口を捻ろうとして、その凄まじい力で蛇口をねじ切ってしまう。後年の「BLACK」1話にも同様のシーンがあったが、これを意識してのことだろう。

　猛「私の体は死ぬまで改造人間のままなんですか？」
　緑川「すまん、本郷君、私が君を協力者に選んだ為に……」

　本郷、博士が自分を改造人間候補に推薦したのだと知り、ショックを受ける。

　二人の緊迫したやりとりを、倉庫の外まで来ていたルリ子が耳にする。

　
　本郷、洗面台の鏡に自分の顔を写し、

　猛（第三者から見れば、俺はまるで遠い宇宙の彼方から来た遊星人と思うかもしれない……）

　何度聞いても意味がよくわからないたとえである。

　猛（だが、先生と立花さんだけは俺の気持ちが分かってくれる）

　この独白から、既に本郷が、おやっさんに改造されたことを打ち明けていることが推測できる。

　できれば、そのシーンを映像にして見せて欲しかった。

　だが、既に、蜘蛛男の魔手は博士に迫っていた。ルリ子の後をつけて、この場所を突き止めたのだ。

　天井からするする伸びるクモの糸によって、博士は惨殺されてしまう。

　悲鳴を聞いて駆け込んできたルリ子、瀕死の父親を見てギョッとする。

　ルリ子はてっきり本郷が父親を殺したのだと誤解する。

　猛「危険だ、外へ出ましょう」
　ルリ子「お父様の首を絞めて殺し、今度は逆に私を助けるのは何のつもりなの？」
　猛「違う、先生を殺したのは俺じゃない!!」

　ルリ子たちはまだバイトを始めて日が浅いのか、本郷とは初対面であった。

　あくまで本郷は潔白を主張する。

　あとずさるルリ子の背後に蜘蛛男が現れ、彼女を抱きかかえて疾走する。

　本郷はバイクで追いかけながらライダーに変身し、ダムの上でショッカーと対峙する。

　
　蜘蛛男「出たな、今日こそ息の根を止めてやる……」

　それがどんなに困難なことか、ショッカーを初めとする歴代・悪の組織は、これから痛いほど思い知らされることになる。

　初期の戦闘員、顔を出している他にも、服の色が違うんだよね。赤が指揮官クラスのようだ。

　仮面ライダーは、戦闘員たちを蹴散らした後、蜘蛛男にライダーキックを放って倒す。

　最初は、「ライダーキック!!」と言う決め台詞もない。

　倒された蜘蛛男は、緑川博士同様、泡となって地面に吸い込まれる。

　番組的に、人間や怪人の死に方の映像表現を模索していた時代である。

　気絶したルリ子を本郷がお姫様だっこしていると、おやっさんの車がやってくる。

　本郷に向かって力強く頷くおやっさん。

　実際の戦いは見ていないが、何が起きたのかは十分察していたのだろう。

　本郷はルリ子をおやっさんの車に乗せ、ひとり見送る。

　ナレ「ショッカー、その身を犠牲にして戦う本郷猛、理解者であった緑川博士はショッカーの魔の手にかかった。しかも博士の娘・ルリ子は猛を犯人と信じている。その潔白が明かされるのはいつの日か……」

　ルリ子の猛への誤解が、物語序盤のドラマの軸になる……かと思いきや、その誤解は2話であっさり解けてしまうのがいささか拍子抜け。

　まあ、あまりそういうのを引っ張ると、「X」みたいになっちゃうからね。