fc2ブログ

記事一覧

「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 前編


 第4話「マックス号応答せよ」(1967年10月22日)

 マナベ参謀にアマギ、ソガが呼び出され、極秘命令を与えられる。
 それは、某地点へ行き、ある人物と会ってその指揮下に入れと言う至極曖昧な内容だった。

 マナベ「重大な任務だ。誰にも気付かれないように基地を出るんだ」

 次の場面では、ポインターがジ・エコーズの「ULTRA SEVEN」(ワントゥスリーフォ~♪)をバックに軽快に走っている。

 PDVD_001.jpg
 だが、運転席には何故かダンの姿が……。

 PDVD_000.jpg
 肝心のアマギとソガは、後部座席でのんびりくつろいでいた。

 「誰にも気付かれないように」って言われてたけど、ダンは良いのだろうか?
 まぁ、ポインターを乗り捨てる訳に行かないからね。

 やがてポインターは海の近くで止まる。

 PDVD_003.jpg
 岩場に立った三人の前には、繋留されたモータボートと、沖合いに浮かぶ原子力船マックス号の雄姿があった。

 PDVD_004.jpg
 ダン「あれに乗るんですね。さすがは地球防衛軍の誇る新原子力船だ。かっこいいなぁ。僕も一度は乗ってみたかったんですよ」

 少年のように目をキラキラさせるダン。こういう子供っぽいところが、ダンの魅力のひとつである。

 アマギたちはここでダンに別れを告げ、モータボートでマックス号へ向かう。

 PDVD_006.jpg
 来た道をひとり引き返していたダン、路上で、若い女性が車のボンネットを開けて立ち往生しているのを見掛け、いそいそとポインターから降りて、「故障ですか、見てあげましょう」と親切ごかし(註・ごかしじゃありません)に手助けする。

 PDVD_007.jpg
 この、いかにも怪しい女を演じるのは水上竜子さん。セブンに出てくる女優の中ではなかなかの美人である。

 それにこのファッションが実に決まっている。

 PDVD_008.jpg
 ダン「何処も悪くないですよ」
 と、振り返った瞬間、女がスパナで思いっきりダンの頭を殴る。

 PDVD_009.jpg
 女は素早くダンの体をまさぐり、ウルトラアイを手にすると、嬉しそうに微笑んで自分の車で走り去ってしまう。ダンはそのまま意識を失ってしまう。

 最初に書いてしまうと、女は侵略者ゴドラ星人が化けたものなのだが、なんでウルトラアイを盗むだけじゃなく、その場でダンを殺さなかったのか、いまいち釈然としないシーンである。

 一方、アマギとソガはマックス号の船員にある部屋まで案内される。緊張の面持ちでドアを開けると、

 PDVD_010.jpg
 彼らを待っていたのは意外にもタケナカ参謀だった。

 PDVD_011.jpg
 ソガ「タケナカ参謀!」
 タケナカ「驚いたかね?」
 ソガ「いえ、別に……」
 タケナカ「そうか……」

 じゃなくて、
 ソガ「はぁ」
 タケナカ「ま、かけたまえ。この船に乗ってる間、君たちの指揮は僕が取る。どうだね、マックス号の乗り心地は? いかなるアクシデントにも耐えうるようにあらゆる科学の粋を集めて作られてるんだ」
 ソガ「参謀、それよりマックス号は何処に向かってるんですか」
 タケナカ「地獄だ」
 ソガ「なんですって?」
 タケナカ「ははははっ、いや、場合によっては本当に地獄行きだぞ」

 参謀は、海図の上にライターを置いて、「ここだ、一ヶ月前にこの地点で我が国の原子力タンカー2隻が相次いで消息を絶ったんだ。一週間前、海上保安庁の調査船までがやられてしまった。単なる遭難とは考えられない。色々検討した結果、何者かの陰謀ではないかと言う説が出て……」などと説明する。

 そして彼らに課せられた任務は、船の捜索と陰謀団の撃滅であった。

 PDVD_013.jpg
 その頃、ダンは防衛軍のメディカルセンターで愛しのアンヌの手当てを受けていた。
 アンヌ「ね、何があったの?」
 ダン「そいつは僕も知りたいんだ」
 アンヌ「だって自分がやったことでしょう」
 ダン「うん……」

 ダンは心ここにあらずと言う感じで、生返事を繰り返す。
 恐らく、隊長には女のことは報告せず、自分の不注意で怪我をしたとでも説明しているのだろう。

 PDVD_014.jpg
 アンヌ「これでよし、と。もう絶対乱暴しちゃダメよ」

 保母さんのように優しいアンヌ。うう、可愛い。

 しかも、「そうだわ、ダンに良い物上げる」と言って、4500万円をくれるのだった(註・くれるか)。
 ダン「やったぁ、前から欲しかったんだ、これ」

 じゃなくて、それは、金色のペンダントであった。
 アンヌ「お守りよ、これでどんな時でも大丈夫、アンヌがついてるわ手書きハート

 それだけでも十分幸せだが、アンヌはダンの首に腕を回して、ペンダントを自らつけてくれるのだった。
 そんな状況だと言うのに、依然、ダンは(女は初めからウルトラアイを狙ってたんだ。くそう、なんて迂闊なことを……)と自分ひとりの考えに囚われていた。

 さて、マックス号は、直ちに問題の海域へ針路を取り、波を蹴立てて進んでいた。

 艦橋に、船長以下、タケナカ参謀、アマギ、ソガが勢揃いしている。

 PDVD_018.jpg
 船長「あと一分でタンカーが消息を絶った地点です。……エンジンストップ」
 タケナカ「何も起こりそうにないね」
 船長「相手が地球防衛軍と知って尻尾を巻いたんでしょう。どわっはっはっはっはっ」

 船長を演じるのは幸田宗丸さん。さすがにまだ若い。

 船長につられて、アマギたちも緩み切った笑い声を上げる。
 さすがにまだ何も調査が進捗していないのにこの余裕はまずいだろう。

 30秒後、

 PDVD_020.jpg
 船長「うぇっ、ええーっ!」

 ……

 マックス号が突然、目に見えない力で空に引っ張り上げられたのだ。

 マックス号はそのまま大気圏を越えて宇宙空間へ……。

 なにが、「いかなるアクシデントにも耐えうるようにあらゆる科学の粋を集めて作られてるんだ」(byタケナカ)だっ。

 ウルトラ警備隊本部でも、マックス号と連絡が取れなくなって、大騒ぎになっていた。

 PDVD_021.jpg
 キリヤマ「ようし、ウルトラホーク1号、スタンバイ。ダン、一緒に来い」

 PDVD_022.jpg
 ダン「イヤです!」(きっぱり)
 キリヤマ「……」

 PDVD_023.jpg
 キリヤマ「フルハシ、君は念の為、大気圏外を調べてくれ」

 PDVD_024.jpg
 フルハシ「お断りします!」(きっぱり)
 キリヤマ「……」

 キリヤマはやがて、警備隊に顔を見せなくなる。

 題して、「キリヤマ、警備隊やめるってよ」

 ……などというしょうもないことを日夜考えている管理人でありました。
 無論、ダンもフルハシも「はい」「了解」と、即答しているのだ。

 ただ、マックス号で待っていた相手がタケナカ参謀と分かった時の、ソガの嬉しそうな表情が妙に目に焼きついている。その喜び方は、本来の上司であるキリヤマへの不満の裏返しと見えなくもない。

 とにかく、ダンとキリヤマはホーク1号で、フルハシはホーク2号でそれぞれ捜索を行う。
 ホーク1号は全く空振りだったが、宇宙へ出た2号は、簡単にマックス号の船影を発見する。

 つづく。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

管理人様

この第4話は好きなので、取り上げてくださり、とても嬉しいです。
脚本に難はありますが、話のテンポが良く、爽快感があります。

美女の水上竜子さんは後に「仮面ライダー」(第1作)第5話にご出演されてます。
この方もお綺麗ですね。ちょっと「ラテン系」的で・・・

幸田宗丸さんは第25話「零下140度の対決」にも出てますね。
個人的には「バイオマン」の総統ドクターマンが大好きです。

しかし、アンヌは最高ですね。
「清純さ」と「エロさ」を兼ね備えているのは稀ではないでしょうか?
僕がダンなら舞い上がってしまいます。

ダンは当初は「諸星弾」"少年”として設定されていたそうで
ダンの子供っぽさはその名残りだと指摘する書籍もあります。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 前編(10/02)  

影の王子様
>この第4話は好きなので、取り上げてくださり、とても嬉しいです。
>脚本に難はありますが、話のテンポが良く、爽快感があります。

最初は取り上げる予定はなかったんですが、改めて見るとツッコミどころが多そうなのでやってみました。

だんだん、どこが傑作選じゃ?と言う感じになってきてます。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 前編(10/02)  

以前のブログへのコメント投稿ごめんなさいm(__)m

私が初めて見たセブンは、この回でした。
「ワン ツー スリー フォ、ワン ツー スリー フォ、
 ウルトラ~ セブン~」
の曲のカッコよさにいちころ(表現が古い!)でした。

『700キロをつっ走れ』の冒頭で、雪を頂く山の麓を激走
するラリー車と、湖に浮かぶ巨大原子力船の映像は
50年経っても忘れられないのです。
やっぱりセブンは良いですね♪

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 前編(10/02)  

ピコちゃん様
>『700キロをつっ走れ』の冒頭で、雪を頂く山の麓を激走
するラリー車と、湖に浮かぶ巨大原子力船の映像は
50年経っても忘れられないのです。
やっぱりセブンは良いですね♪

ほんと、良いですね。半世紀経っても全然色褪せない魅力があります。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

カテゴリー

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター