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「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 後編


 第4話「マックス号応答せよ」(1967年10月22日)

 ホーク2号で宇宙空間を探索していたフルハシ、マックス号を発見するが、妨害電波のせいで、本部に連絡が取れない。

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 仕方なくフルハシは単身、船内に入り込み、気絶しているタケナカたちを発見する。自分達が船ごと宇宙へ運ばれたと知り、驚きを隠せない三人。

 タケナカ「現在、そんなことが出来るのは……」

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 ゴドラ「はっははははははっ、それは我々ゴドラ星人だ」
 忽然と、ゴドラ星人が室内に現れる。

 タケナカ「何故こんなことを?」
 ゴドラ「こうして船を隠せば地球防衛軍の注意は船の消失した海域に集中する。その隙に我々は地球を征服するのだぁーっ」
 ソガ「この船の乗組員達は?」
 ゴドラ「抵抗したので、宇宙の大海原に放り出してやったのだ!」

 さらっと怖いことを口にするゴドラ星人。
 でも、同じ艦橋にいたのに、三人だけ助かったというのは若干不自然な気もする。

 その後、探索から帰還したキリヤマたち、2号と連絡が取れないので心配していたが、待つほどもなく2号が無事に戻ってきたので、愁眉を開く。

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 ところが、乗っていたのはフルハシひとり。
 いつになく多弁に、「マックス号は何処にも見当たりませんねえ。こうなったら地球防衛軍の総力を上げて、太平洋の海底捜査を行うべきですね。こうなった以上はですよ、各方面の協力を得て徹底的に……」と、自論をまくしたてる。

 勿論、このフルハシは洗脳されているか、ゴドラ星人が化けたニセモノに違いない。

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 ダン(おかしい、何故だろう? フルハシ隊員とは思えない……あんなに難しい漢字を使っている

 新米隊員ダンはすぐ、フルハシの様子がおかしいのに気付く。
 ベテラン隊長キリヤマは、全く、これっぽっちも気付かない。

 フルハシの言動についてはもっとじっくり描いてサスペンスとして盛り上げて欲しいところだが、時間の都合もあってか、次のシーンでは、早くも時限爆弾を片手に、地下の原子炉へ向かっている姿が出てくる。

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 また、ダンがぴったり尾行して、その現場を押さえてしまうのもいささか物足りない。

 ダンに見咎められたフルハシは、大声で笑いながら、ゴドラ星人の姿に変わる。
 ゴドラ星人のビームで、アンヌから貰ったペンダントがちぎれて床に落ちる。

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 さらに、霧状の液体を吹き付けられ、透明なチューブの中に閉じ込められてしまうダン。

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 ゴドラ星人、今度はダンに変身する。

 ゴドラ星人、いつも笑いを絶やさない、仕事を離れて付き合ってみればなかなか良い奴さ。
 偽ダン「あと15分で、君の体は木っ端微塵さっ」

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 5秒ほどのシーンだが、この合成も実に自然である。

 宇宙のマックス号では、ゴドラ星人がセブンを倒したこと、15分で地下18階の第2動力室に仕掛けた爆弾が爆発することなど、言う必要もないことをべらべらとアマギたちに自慢して帰って行った。

 アマギたちは絶望するが、タケナカ参謀は、セブンがやられたのなら自分たちを人質として生かしておく意味がない筈だと、セブンは依然健在だと主張する。

 フルハシ「マックス号には観測用のロケットが積んでありましたね?」
 タケナカ「おお、そうだ」
 フルハシ「ロケットはひとり乗りだ。誰が行く?」
 アマギ「私が行きます!」

 躊躇なく名乗り出るアマギがカッコイイのである。

 タケナカ「その前にこの部屋の見張りを倒すんだ」
 で、隊員たちが、ドアを叩き「オイ開けてくれ」と怒鳴ると、ゴドラ星人はのこのことドアを開けて入ってくるのである。私の「ゴドラ星人、実は良い奴」説を補強してくれるシーンである。

 隊員たちは、そんな素直なゴドラ星人を惨殺すると、観測ロケットへ向かう。
 アマギがロケットに乗り、フルハシが管制室で射出を行おうとする。

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 と、背後のドアを開けてゴドラ星人が顔を出し、フルハシとアマギにビームを放って気絶させる。

 だが、詰めが甘く、死んだかどうか確かめないで立ち去ってしまい、気絶寸前のフルハシにロケットを発射させられてしまう。発射シーンも、実に良く出来ている。

 アマギはなんとか地球に戻るが、意識が戻らず、爆弾のことを伝えられない。

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 アマギの治療を終えて、廊下へ出たアンヌ、通り掛かった偽ダンを見掛け、声をかける。

 と、偽ダンがとても分かりやすい照明付きで振り返る。

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 アンヌ「もう(額の)傷は治ったの?」
 偽ダン「……!」

 アンヌはまた、さっき自分が上げたペンダントが胸にないことにも気付く。

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 地下の本物のダンは、チューブからどうしても出られず泣きそうになっていたが、少し離れたところを、防護服を着た隊員らしき人影を見て、必死で呼びかける。

 だが、それは誰あろう、最初にダンを襲ったあの女だった。

 再び彼女の顔が見れるのは嬉しいのだが……、はっきり言って彼女がここに来る必要は全くない。
 何もしなくても、ほっておけばダンは爆弾で死ぬのだから。

 案の定というか、女はダンが落としたペンダントを拾い上げ、ダンはすかさずそれに向かってビームガンを撃つ。ペンダントの爆発(エネルギーが反射?)により、チューブが消滅し、ダンは自由の身となる。

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 女「うっはははははっ、ははははっ」

 今、笑うところじゃないと思うんですが……。「ゴドラ星人、実は笑い上戸」説を唱えたくなる。

 女「もう全ては終わりよ。あと3分でこの基地は爆破されるわ」
 ダン「何故逃げようとしないのだ?」
 女「それはもとより覚悟の上、地球防衛軍と共に滅びること、それが私に与えられた使命なのさっ」

 時折見せる、イッちゃったような目付きが素晴らしいのである。

 ただ、笑いながらゴドラ星人(♂)になってしまうのが、少年の夢を壊す不粋な演出であった。

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 で、信じがたいことにゴドラ星人、ウルトラアイを後生大事に持っていて、ダンと揉み合った際にコトッと落としてしまうのである。うーむ、いくらなんでもバカ過ぎる。

 ダンはそれを拾い、セブン(等身大)に変身する。

 二人が戦っているところへ、アマギからやっと話を聞いたキリヤマが、爆弾を解除しに来る。

 偽ダンのゴドラ星人(リーダーと思われる)は、部下にそんな命令を与えておきながら、自分だけはアンヌを人質にしてさっさと基地から脱出しようとする。

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 だが、セブンに追いつかれ、巨大化する。

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 セブンも負けじと巨大化。この巨大化シーンはとても印象的である。

 あとは特に書くこともない。セブンはゴドラ星人を倒すと、マックス号へひとっ飛び。
 残りのゴドラ星人(常に一体しか出てこない)を倒しつつ、タケナカたちのところへ辿り着く。

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 セブンがロープを持ち、それに捕まってタケナカたちがマックス号から脱出する。

 そして、ホーク2号で迎えに来たキリヤマとアンヌがそれを見付け、大団円となる。

 ところで、セブン、あの時限爆弾を持ってきて、マックス号に仕掛けて爆破しているのだが、冷静に考えたら、別に壊す必要なかったんじゃないの? ゴドラ星人に乗っ取られているとは言え、防衛軍のれっきとした原子力船だからね。

 と言う訳で、優れた科学力を持ちながら、どうにもやることがちぐはぐなゴドラ星人の侵略作戦であった。


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コメント

管理人様

私がこの第4話を好きな最大の理由は
NG主題歌(CDでは「ウルトラセブンの歌 パート2」の名称)
のメロオケが巨大化戦以降でかかるからです。
このNG主題歌は、主題歌と同じ歌詞で異なるメロディで製作され
放送前に子供たちに2種を「プレゼン」し、落選したものです。
もちろん主題歌が大好きなのですが、こちらも大好きです。

あと、満田監督がインタヴューで語ったところでは
偽ダンとセブンが対峙するガレージのポインターを「合成で増やした」そうです。
結局、特撮ってセンスなんですかねぇ?

Re:ウルトラセブンの歌 パート2(10/02)  

影の王子様
>私がこの第4話を好きな最大の理由は
>NG主題歌(CDでは「ウルトラセブンの歌 パート2」の名称)
>のメロオケが巨大化戦以降でかかるからです。

そう言えば聞き覚えのない曲でした。なんとなく心楽しくなりますね。

>あと、満田監督がインタヴューで語ったところでは
>偽ダンとセブンが対峙するガレージのポインターを「合成で増やした」そうです。

げげっ、全然気付きませんでした。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 後編(10/02)  

何故ウルトラアイを盗んだ時点でダンを殺さなかったのでしょうか?
どうやらゴドラ星人は複数いるような感じですね〜😅

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第4話「マックス号応答せよ」 後編(10/02)  

ふて猫様
>何故ウルトラアイを盗んだ時点でダンを殺さなかったのでしょうか?

そういやそうですね。

お喋り好きな悪人さんたち  

マリバロン
「ゴドラ星人、あなたたちお喋りが過ぎるわよ。
「あと15分」なんてリミットを告げるなんで論外だわ。
それから「飛んで火にいる夏の虫」なんて古過ぎよ。
あとヒーローにはちゃんとダメージ与えるように技を鍛えておくことね」

Re:お喋り好きな悪人さんたち(10/02)  

影の王子様

ゴドラ星人「クライシス皇帝の娘を死なせたあんたに言われたくないわよ」
って、言い返されそうですね。

アンヌ対宇宙人美女軍団

ひし美ゆり子さんの「アンヌ今昔物語」には、ゴドラ星人の女を演じた水上竜子さん・湖のひみつでピット星人が化けた女の子を演じた高橋礼子さん・サロメ星人の女を演じた嘉手納清美さんとひし美さんの座談会「アンヌ対宇宙人美女軍団」が収録されておりますが、水上さんの「出演のきっかけは覚えてません(笑)私は悪役大好きなの!だって楽しいんだもん(笑)」と言う発言や高橋さんは湖のひみつの撮影が終わった後に女優を辞めていたことを触れていたり嘉手納さんの「悪い役なんだけど、子供番組のせいか、そんなに悪い役だと思ってない」など宇宙人女優の思い出話が堪能できるので読んでみてください。

Re: アンヌ対宇宙人美女軍団

貴重な情報ありがとうございます。凄く面白そうですね。

使い捨て

最初の水上竜子さん演じるゴドラ星人は使い捨てカイロの如く扱われる事に最後まで疑問を持たなかったようですね😅自分の命と引き換えにセブンを倒す事が出来たら良かったのですがね😖

Re: 使い捨て

マヤとはだいぶ違いますね。

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