第29話「日本名作民話シリーズ! 運命の再会! ダンとアンヌ 狐がくれた子より」 (1974年10月25日)
ダンがアンヌと再会すると言うウルトラシリーズファン狂喜のエピソードである。
OPクレジットは、「ひし美ゆり子」「丘野かおり」「藍とも子」と、三大特撮美人女優の名前が並んで壮観だが、非常に残念ながら、藍さんはクレジットだけで実際には出演していない。
下町の神社の境内。百子さんとトオル、カオル、子供たちが「おしくら饅頭」をして遊んでいる。

もう決して見ることの出来ない(?)心和む光景である。

と、百子さん、離れた所からこちらを見ている変な子供に気付く。

百子「トオルちゃん、あの子だぁれ?」
トオル「知らないよー」
ここで、後ろから押された百子さんの神聖なおっぱいが、手前のカメラ目線少年の肩に何度も押し付けられるのが、とても、とても羨ましいのである! ううっ……(何も泣かなくても……)

心優しい百子さん、子供たちの輪から抜けてその子供の前に立ち、
「何処の子? 一緒に遊ばない?」と話しかける。

子供の手を取って、トオルたちのところへ連れて行く百子さんのベルボトムジーンズの脚がスラッとしてとても綺麗で、ついでにその揺れ動く小ぶりなお尻にも堪らない魅力を感じている管理人であったが、はい分かりました真面目にやります。
百子「みんなほら、入れてあげてねー」

半ば無理矢理、おしくら饅頭の中に突っ込まれる子供。ややこしいので、以下ウリーと呼ぶ。
冨永みーな(カオル)と密着したりして、嬉しい筈だったが、ウリーはそもそもそれが遊びだと知らないようで、露骨に嫌そうな顔になって天を仰ぐ。
そして「うぐわぁあああーーー」などと曰く言い難い奇妙な呻き声を放ち、子供たちの密集から離れると、山伏のような印を結び、気合と共に外側から子供たちを押し動かす。

たったひとりで、大人の百子さんを含めた全員を塀まで押し返してしまうウリー。
やがてパッと力を抜いて、再び距離を取る。

反動で、その場に倒れてしまう百子さんや子供たち。
百子「あなたは、誰?」
ウリー「ウリーだ!」
トオル「宇宙人だ!」
カオル「違うわ、だってあたしたちと同じよ」
なお、最初からやたら百子さんの画像を貼っているのは、彼女の出番がこの導入部分だけだからである。
トオルを先頭に、数人の男の子達がウルトラマンのような構えを作ってじわじわとウリーに近付く。
トオル「MACへ連れて行こう」
百子「トオルちゃん、およしなさい」

追い詰められたウリー、なんともいえない表情をしていたが、再び印を結んで気合を発すると、トオルたちを一斉に吹き飛ばす。
それにしても、この子役、実にいい顔してる。山崎邦正を思い出さずにはいられない。

さらに、激しいつむじ風を起こし、石灯籠から鳥居までひょいひょいと浮かべて見せる。
ウリーは得意げに鼻の下を指でこすると、そのまま駆け去って行く。
トオルはひとりでウリーを追いかける。

ダンとゲンは、ウリーの超能力を感知して、既にその近くまでロディーで来ていた。
言い忘れたが、ウリーと言うのは前年に超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラーに由来していると思われる。
トオル「オオトリさん、隊長さん、あの子は宇宙人かもしれないんだよ」
ダン「ううん?」
トオル「向こうでみんなが倒されちまってるんだ」
ダンは子供たちの介抱をゲンに任せ、ひとりでウリーの後を追う。
ウリーはダンに気付くと、立ち止まって振り返り、超能力で手当たり次第に人や物を浮遊させて威嚇する。
ダン、いまこそ本家ウルトラ念力で立ち向かう時だ……と思いきや、
いきなり発砲。 こういうのを大人気ないと言うのである。
もっとも、直後に、ウルトラ念力を使うんだけどね。

下町の一角で、二人の超能力が激突して空間が歪んでいる図。
ここではダンが勝ち、ウリーは「うあわわえー」などと叫びつつ逃走する。
狭い路地へ駆け込むウリー、「助けてー、ママー!」と、前方に立つ着物姿の女性に向かって叫ぶ。

悠然と佇むその女性こそ、誰あろう、アンヌその人であった!

ダン「アンヌ!」
さすがのダンも凝然と息を飲んで立ち尽くす。
ここでフラッシュバックが起こり、「セブン」の最終話での「僕はウルトラセブンなんだ!」うんぬんかんぬんと言う名場面が挿入されるのが心憎い演出。
ちなみに「セブン」最終回が1968年9月なので、単純計算して6年ぶりの再会となる。

一応ここでナレーターが「アンヌとはダンがまだウルトラ警備隊の隊員であり……」などと説明する。
思わず、ぼろぼろのウルトラアイを手にして往時を思い出してしまうダン。

と、ここでセピア調の画面で、草むらの中で顔を見合わせる二人の様子が映し出される。
ダン「アンヌ……」
6年前と変わらず美しい笑みを浮かべるアンヌ。

ダン「アンヌ、君はアンヌだろう?」
ダンの問い掛けに、アンヌは無言で首を横に振る。
ダン「何故こんなところにいるんだ。ここは何処なんだ?」
アンヌ「ウリー、ウリー、いらっしゃい」
アンヌの呼びかけに、ひょっこりウリーがやぶの中から顔を出し、「ママー」と言いながらアンヌに抱き付く。
ダン「ママ? 君の子供か? その子は宇宙人だ。君も宇宙人なのか?」
ウリーと共に走り去るアンヌにダンの「アンヌーっ!」と言う声が空しく響く。

その瞬間、ダンは夕闇の路地裏でひとり立つ自分を発見する。
このシーン、実にリリカルかつ幻想的で良い。
結局、今のはアンヌがダンに見せた幻影だったのだろうか?
MACステーションに戻っても、ダンは黙りこくって自分の考えに沈んでいた。
やがて、「ゲン、出掛ける、後を頼む」と、外出する。
ゲン「あ、でも、隊長、ここ宇宙ですよ」
ダン「ぎゃーっ、忘れてたーっ!」
(思いついたことを何でも書かないように) ダン、私用と言うことで、制服ではなくビシッとスーツで決めて、橋の上に立っている。
手押しポンプの井戸と言い、小型船のエンジン音と言い、とにかく雰囲気が抜群なのである。
と、探すまでもなく、ダンの前にアンヌが現れる。
つづく。