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「ケータイ刑事 銭形泪」セレクション 第29話

 第29話「ああ、さそり違い~銭形泪誘拐事件」(2004年7月18日)

 同年にBS-iで放送されていたドラマ「さそり」とのコラボ企画。
 「さそり」は、梶芽衣子の「女囚さそり」のテレビドラマ版と言う触れ込みだったが、全くヒットせず、その知名度の低さは「ケータイ刑事」の比ではない。自分もちょっとだけ見たことがあるが、忘却の彼方に葬り去られたのも納得のつまらなさであった。

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 冒頭から、公園の遊具の中で「私の網の中で溺れなさい!」と、お仕置きの決め台詞を放っている泪。ただし、その相手は人間ではなく、本庁の危険動物保管室から逃げ出したサソリであった。

 サソリを警官に渡してホッとしていると、高村から電話がかかる。
 高村「銭形君、何処までソーメンのソース買いに行ってるの? いつまで経っても流しソーメンできないじゃないの!」
 泪「あ、サソリを捕獲してました」
 高村「さゆりを捕獲? どっちのさゆりよ。吉永小百合? 国生さゆり?」

 泪が簡単に事情を説明して電話を切った直後、得体の知れない二人組の男がそのゆくてを阻む。
 恩田「お姉ちゃんがさそり捕まえたんか」
 泪「ええ……あのサソリの飼い主さんですか」
 恩田「ある意味飼い主であることは間違いないわな」

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 二人は、泪の注意を反らせて、その隙にクロロフォルムに浸したハンカチで泪を眠らせる。

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 泪は、彼らのバンに監禁される。
 恩田を演じているのは木下ほうかで、その部下・相原は曽根英樹。
 どちらも、同じ役で、「さそり」に出演しているのだ(と思うが?)。

 相原は、警視正と書かれた泪の警察手帳を見て「世も末ですねー」と嘆くが、恩田は「こいつは刑事やない。こんな警察手帳見たことないぞ。こいつは女スパイや」と、決め付ける。

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 泪「何が目的なんですか?」
 恩田「用があるのはさそりや」
 泪「私がさっき捕まえたサソリのことですか。その為に私を誘拐したんですかー?」
 恩田「おい、お前の相棒の連絡先教えろ、お前とさそりの身柄、交換や」
 泪「なにこれ、弁当箱?」

 巨大な無線機を見て、きょとんとする泪が可愛いのである!

 恩田は、無線機で高村に「女スパイを預っている。さそりの身柄と交換や。この要求に応じられへん場合、人質の命はない。また1時間後に連絡する」と一方的に告げる。

 当然、高村や柴田たちにはなんのことだかちんぷんかんぷん。

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 高村「さそりの身柄交換て何よ? ハッ、そうか、犯人はさそりでもさゆりでもなく別な物を要求したんだよ。さおりだよ」
 柴田「由紀さおり?」
 高村「違う、南沙織だよ。犯人は南沙織の熱烈なファンで間違って銭形君を誘拐してしまった。そしたら、身柄交換の辻褄が合う」
 柴田「…………?」

 高村のぶっ飛んだ発想についていけない柴田。

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 泪、ポケットをまさぐって、肝心のケータイがないことに気付く。
 見れば、相原が不思議そうに泪のケータイをいじっている。
 相原「これってなんだ?」
 泪「ケータイも知らないんですか?」

 ケータイと言い、無線機と言い、彼らはどうも世間とかなりずれた生活を送っているらしい。
 ドラマの「さそり」でも、そう言う設定なのかなぁ?

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 泪は適当なことを言って相原をごまかし、その面前で堂々と高村からの電話を受ける。
 泪「今ね、怖いお兄さん達に誘拐されちゃったの」
 高村「何処にいるの?」
 泪「ここって、何処ですか」
 相原「お台場」
 泪「今、お台場にいるのよー」

 だが、そこへ相原よりは抜け目がない恩田が現れ、泪のケータイを奪い取る。

 恩田は、白金にある、ルーシーと言う仲間の隠れ家に移動すると告げ、すぐ車に乗り込む。

 泪は「白金」と聞いて、急いで地面に足で高村へのメッセージを書き残す。

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 お台場と言っても広いから、高村たちがそのメッセージに気付くのはかなり困難だと思われたが……、例によって簡単に見付けてしまうのである。

 明敏な柴田は「Ptと言えばプラチナの化学記号、プラチナと言えば、ハクキン……、シロガネ?」と、正しく泪のメッセージを読み取るが、高村は「よく見たまえ、アルファベットの横に銭形君のFOMA、これは濁音を意味する。つまり、PtではなくPD、PDと言えば、我が母校、ペッパーダイン大学のイニシャル!」と、無茶苦茶な推理を披露する。

 柴田「え~~~~? じゃあ、ロスに連れて行かれたってことですか?」
 高村「違う違う、ペッパーダイン大学は日本にも存在する。ワールドワイドな大学だからね!」

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 泪は白金にある、黄色に塗られた外壁が目を引くマンションのような建物に連れて来られる。
 そこは偶然にも、ペッパーダイン大学の白金分校であった。

 この悪ふざけ一歩手前のストーリー展開が、このシリーズの魅力である。

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 ルーシーの部屋でくつろぐ恩田と相原。ルーシー自身は不在だったが、彼女は大学の講師をしているらしい。

 ちなみにペッパーダイン大学は、当時、某政治家が卒業したのしないのと話題になったペパーダイン大学をもじったもの。もう誰も覚えてないと思うが。

 そこへ「所長」と言う人物から無線が入る。
 恩田は平身低頭、「なんとしてでも701号を奪還いたします。既にその手筈は整っておりますので、所長は吉報をお待ち下さいませ」と、恐縮して応じていた。

 泪「所長、さそり、701号、奪還……、そうか、あのサソリは生物兵器だったんだ」

 泪は謎が解けたと思い込み、「別名701号と言う強い毒性を持つサソリがあなたたちが管理する檻から逃げ出した。世間にバレたら一大事。だからあなたたちは、私と引き換えにサソリを取り戻そうとしている……」と、二人に確認する。

 恩田「さそりの毒は猛毒や。下手に手を出したらお前らが殺されっぞ」
 泪「サソリも檻の中で飼っていれば死ぬことなんてないですよ」
 相原「最初は俺たちも檻の中で飼ってたんだよ。それをあいつ自ら抜け出しやがって……」

 無論、泪は文字通りの「サソリ」のことを念頭に、二人は「女囚さそり」のことを念頭に話しているのだ。

 何気なく窓から外を見た恩田、高村と柴田がこちらにやってくるのを見て慌てて伏せる。
 柴田は鑑識の格好をしているので、一発で警察関係者だと分かるのだ。

 高村「さあ見たまえ、これが栄えあるペッパーダイン大学の分校だ」
 柴田「白金に、ペッパーダイン大学、何たる偶然」
 高村「銭形君はこの部屋のどこかにいる、片っ端から当たろう」

 もっとも、柴田は高村の推理が的外れであることは承知しているのだから、彼に従うと言うのも変なんだけどね。ま、それを言うなら、「白金」だけでは、泪の居場所を探し出せる筈もないのだが。

 恩田は、今度は三田にある隠れ家へ移動すると相原に告げる。
 それを耳にした泪、再び、高村への手掛かりを急いで残す。

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 三人が出た後、高村たちはルーシーの部屋に踏み込み、泪の残した手掛かりに気付く。それは、「太陽王ルイ14世」の肖像画の近くに置かれた、たくさんの腕時計だった。それらは全て3時ジャストで止まっていた。

 柴田は「腕時計→ウォッチ→見る→(3時で止められていたから)過去形→見た→三田」と、またもや的確に泪の意図を読み取る。

 しかし、(3時で止められていたから)過去形と言うのは、さすがに無理があるのでは?

 ただし、今度も高村が「いや違う、太陽王と言うのは日焼けサロンの暗号だ。僕の行きつけの店に違いない。行こう!」と、強引に決め付ける。

 ところが、その店と言うのが、「日焼けエステティックサロン ベルサイユ宮殿 三田店」だったというオチ。もっとも、さすがにその中には泪はいないのだが、彼らの様子を近くに停めていたバンから、恩田たちが見ていた。

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 恩田は無線機で高村に連絡を取る。
 恩田「人質どうなってもええんか?」
 高村「沙織ちゃんはみんなのものだ。お前たちの要求を呑む訳には行かない」
 泪「高村さーん、私死にたくありません! 食べてみたい物があるんです。馬肉の鍋をお腹一杯。ちゃんとしたお店の本店で! ふぇええーん!」

 泪、得意の嘘泣きをまじえつつ、高村に暗号メッセージを送る。

 それはともかく、この泪の盛大に泣き喚く様子がこれまた可愛いのである。

 で、最後の暗号は、
 柴田「馬肉の鍋は桜鍋、本店は警視庁の隠語……」
 高村「いや、馬肉と言うのは虫や動物の猛毒を使った殺人のことなんだよ」
 柴田「そんな隠語聞いたことない……」
 高村「銭形君の居場所は、警視庁の危険動物を管理している場所だ」
 と言うことになる。

 今回も高村のめちゃくちゃな推理が偶然ビンゴなのだが、柴田が正しく読み解いた情報ではほとんど意味がなかった気がする。多分、「警視庁に保管されているサソリを持ってきて欲しい」と言うことなのだろうが、だったら暗号にしないでストレートに訴えれば良かったのでは?

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 で、色々あって、漸く泪は互いが誤解していたことに気付く。

 泪「謎は解けたよ、ワトソン君!」

 相原が思わず「可愛い~」と叫んでしまうのも納得の可愛さである。

 泪「あなたたちが探しているのは生物兵器のサソリではなく、脱獄した囚人だった。つまりあなたたちの職業は刑務官?」
 恩田「その通りやおめでとう、正解したからにはご褒美やらんとな」

 二人は警棒を取り出して泪に迫るが、そこへ高村たちが駆けつけ、最後は、柴田からケータイを受け取った泪が、二人をお仕置して事件解決。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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