fc2ブログ

記事一覧

「仮面ライダーBLACK」セレクション 第1話「BLACK!!変身」 その3


 第1話「BLACK!!変身」(1987年10月4日)

 光太郎は、キャンプディアブロ跡地の廃墟に入り込み、養父である総一郎と再会する。

 PDVD_045.jpg
 光太郎「父さん」
 総一郎「光太郎、心配したぞ」
 光太郎「ゴルゴムって何です? どういう関係なんです?」
 総一郎「私はゴルゴムのメンバーだ。これから話すことは本当のことだ。落ち着いて良く聞いてくれ」

 そう前置きして、総一郎は全てを語り始める。

 19年前の日食の起きた日、総一郎に信彦が、総一郎の親友・南夫妻にも光太郎が生まれる。
 3年後、光太郎の両親が事故で亡くなり、総一郎は光太郎を引き取って実子同様に慈しみ育ててきた。

 実の兄弟のように仲の良い信彦と光太郎の様子がイメージ的に描かれるのだが、

 PDVD_047.jpg
 これはちょっとまずいんじゃないかと。色々とね。

 つい、信彦「いいじゃないか、減るもんじゃなし」などと言う台詞をコラージュしたくなる。

 PDVD_002.jpg
 落ちた石鹸が排水口に吸い込まれるカットでこのシーンが終わるのも、何かを暗示しているように見える(註・頭、大丈夫か?)。

 かつて、総一郎と南博士は古代遺跡の発掘に従事していた。だが、発掘の為の資金が足りず、困っていた二人に援助の手を差し伸べたのが、秘密結社ゴルゴムだった。

 PDVD_003.jpg
 総一郎「しかしそれには条件がついた。ゴルゴムのメンバーになれというのだ。私は色々と考えあぐねた。しかし背に腹は替えられん。私は援助を受けることにした。入会キャンペーンもやってたしな。だがお前のお父さんはそのメンバーになることだけは嫌だといった。で、きっぱりと断ってしまった」
 光太郎「……! あの事故は? 殺されたんだ、父さんたちはゴルゴムに……、何故ゴルゴムのメンバーになんかなったんです?」
 総一郎「ゴルゴムに一度目を付けられたら逃げることなどできやしない。ゴルゴムは悪魔の集団だ」
 光太郎「その悪魔の集団に、あなたは俺たちを売ったんだ!」

 倉田さん、名優・菅貫太郎さんを相手に、デビュー作とは思えぬ堂々とした演技である。

 ここで、地球のいたるところに跳梁跋扈するゴルゴムの凶悪な怪人たちの姿が挿入される。

 PDVD_005.jpg
 高層ビルの林立するコンクリートを突き破って登場するサイ怪人(?)。

 PDVD_009.jpg
 海中からひょっこり顔を出すトカゲ怪人。

 PDVD_032.jpg
 岩山をぴょんぴょん飛び越えるノミ怪人。

 他にも、カニ怪人やコウモリ怪人などが、うじゃうじゃ出てくる。

 ゴルゴムの怪人はそれまでと比べても一際シンプルである。ハサミとジャガーとか、イソギンチャクとジャガーとか、とりあえずくっつけとけば良いだろうと言うような合成怪人は一切出てこない。言ってみれば、「仮面ライダー」初期に戻った感じか。そして何より、そのリアルな造型と動きが素晴らしいのである。

 たった数年前の「スーパー1」などと比べても、格段の進歩が見られる。

 PDVD_017.jpg
 総一郎「生き延びる為にはゴルゴムに従うしかないのだよ!」
 光太郎「俺はイヤだ。従うもんか。この体を見てよ」
 光太郎、手近にあったバルブを素手でもぎとってしまう。

 総一郎「おっ、便利だな」
 光太郎「……」

 じゃなくて、
 光太郎「改造されてもう普通の人間じゃないんだ。こんなことが許されていいのか」
 総一郎「これからの世界はゴルゴムによって選ばれた人間だけしか生きられない。人類は淘汰されてしまうんだ」
 光太郎「なんてこと言うんだ。そんなこと聞きたくない」(やべぇ、淘汰の意味が分からん)
 総一郎「お前と信彦だけは、ゴルゴムの世紀王となって生き延びてくれ」
 光太郎「冗談じゃないよ、父さん、奴ら人間の自由を奪おうとしているんだ。父さんだって戦わなければこの廃墟と同じじゃないか
 総一郎「……え、どういうこと?」
 光太郎「あ、いや、つまり……」

 光太郎は建物から飛び出そうとするが、来た時にはなかった太い蜘蛛の糸があちこちに張り巡らされているではないか。光太郎はすぐ引き返して総一郎と一緒に脱出しようとするが、あちこちから不気味な怪人が現れて二人を包囲してしまう。

 PDVD_050.jpg
 それは5体のクモ怪人であった。

 光太郎につかみかかり、総一郎にも襲い掛かる。

 PDVD_051.jpg
 で、この顔がまた気持ち悪くて。こんなのが団体で襲ってくるのだからたまったものではない。

 PDVD_052.jpg
 総一郎は外へ引っ張り出され、鉄塔の上に吊り上げられた挙句、そのまま突き落とされてしまう。

 ゴルゴムに逆らった者は死あるのみ、なのだ。

 光太郎は必死に走って総一郎の体を抱き止めるが、その命を救うことは出来なかった。

 PDVD_053.jpg
 光太郎「父さん!」
 総一郎「杏子を、信彦を、頼んだぞ」
 光太郎「父さぁーーーん!」

 光太郎の腕に抱かれて息を引き取る総一郎。

 その手首には、「1986EB」と言う、ゴルゴムのメンバーであることを示す数字が刻まれていた。
 父親の体を抱いて、「父さん、うわわわわわーっ、ううわーっ」と号泣する光太郎であったが、さすがに経験のない倉田さんには荷が重い演技であった。

 PDVD_008.jpg
 光太郎の悲しみなど斟酌せず、じりじりと距離を詰めるクモ怪人たち。

 PDVD_054.jpg
 光太郎、悲しみを怒りに変えて、ゆっくりと振り向く。

 いよいよ、変身の時がきた。

 ……のだが、4へつづく。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

>落ちた石鹸が排水口に吸い込まれるカットでこのシーンが終わるのも、何かを暗示しているように見える
石鹸=石=キングストーン を奪い合う運命の描写と何かで見ました。

>この顔がまた気持ち悪くて。
初期のゴルゴム怪人は本当に最高です。クレームが来て控え目になりましたが。

>その手首には、「1986EB」と言う、ゴルゴムのメンバーであることを示す数字が刻まれていた。
悪の強大さ・非情さ・残酷さを描写した名シーンだと思います。

>さすがに経験のない倉田さんには荷が重い演技であった。
僕はこの素人っぽさが却って迫真さを増してる気がします。

この一連のシーンには、本当に続々します。

Re[1]:「仮面ライダーBLACK」セレクション 第1話「BLACK!!変身」 その3(10/10)  

影の王子様
>石鹸=石=キングストーン を奪い合う運命の描写と何かで見ました。

なるほど~。
不純なことしか頭に浮かばない自分が恥ずかしいです。

Re:「仮面ライダーBLACK」セレクション 第1話「BLACK!!変身」 その3(10/10)  

どうもファンの者でございます。
このゴルゴムの圧倒的な不気味さ、怪人の生命力溢れる描写が気に入っている所です。造形も恐ろしくクオリティが高くこういった生命体が生きているように見えるほどよく作りこまれてますね。
だからバイオニックなライダーに説得力が生まれているように感じます。

Re[1]:「仮面ライダーBLACK」セレクション 第1話「BLACK!!変身」 その3(10/10)  

TTX様
コメントありがとうございます。

>このゴルゴムの圧倒的な不気味さ、怪人の生命力溢れる描写が気に入っている所です。造形も恐ろしくクオリティが高くこういった生命体が生きているように見えるほどよく作りこまれてますね。
>だからバイオニックなライダーに説得力が生まれているように感じます。

なるほど。確かに、「仮面ライダー」もほんとは怪人の一種ですからね。

クモ怪人の姿

子供が泣きますよ

Re: クモ怪人の姿

怖いというか、気持ち悪いです。

クモ🕷怪人

クモ🕷怪人のビジュアルは相当なインパクトですね😅

Re: クモ🕷怪人

造型が素晴らしいですね。

怪人について

怪人のデザインは以前の作品よりもシンプルになったので原点回帰したようですね

Re: 怪人について

造型が素晴らしいですね。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980

最近のコメント

カテゴリー

カレンダー

04 | 2023/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター