第11話「明かされた秘密!」(1988年1月21日)
いづみと三人のコマンドーとの激しい戦いが繰り広げられる。
いづみ、散々走り回って斜面を転げ落ちたあとで、万全の体調ではない。コマンドーは3話のターミネーターほどではないが、かなりの強さを誇り、いづみは苦戦する。

石津(使え、使うんだ、いづみ!)
冷徹に戦いを観察しながら、心の中でいづみをけしかける石津。

いづみも、このままでは勝てないと、バイオフィードバックを発動させようとする。しかし、

恵子「あの力使っちゃだめよ」
佐織「いづみ先輩はいつもそれを望んでた筈です」
冒頭で二人に言われたことを思い出し、何とか感情を抑えて発動させない。
いづみ、自在にバイオフィードバックをオンオフ出来るようになった訳ではないが、過去の例から、感情の爆発がその引き金になっていることは知っているのだろう。

一方的に攻撃を受け、口から血を滲ませて倒れ伏すいづみ。
いづみ「恵子、佐織、健……」
無意識のうちに仲間の名を呼ぶ。
いづみがここまでダメージを受けるのは、無論、初めてのことであった。

そこへ、一台のジープがやってくる。
いつの間にかその場を離れていた石津が、服を着替えて滝沢の運転するジープで再登場したのだ。

石津「いづみがバイオフィードバックを使わん気なら用はない、潰せ!」

いづみ「やっぱりあなたが、私の敵!」
正体を見せた石津に、険しい視線を向けるいづみ。

その脳裏には、バイオフィードバック実験場での体験が甦っていた。
石津「バイオフィードバック、戦う意志がお前を最終兵器に変える。……バイオフィードバック、戦う意志がお前を最終兵器に変える!」
発動時にいつも流れるあの言葉は、いづみがこの時延々と聞かされていた台詞だったのだ。
同じ言葉を聞かされる方はたまったもんじゃないが、延々と石津が「バイオフィードバック~」と語りかけていたのかと思うと、ちょっと笑える。
耳鼻咽頭科にて。
医者「ちょっと喉が腫れてますねー」
石津「あ、そうですか」
医者「何のお仕事されてるんですか?」 石津「いや、その……」
(以上、管理人の妄想ミニ劇場でした)
(死ねない、まだ死ぬ訳には行かない、私は許さない、私から全てを奪ったお前を! お前だけは!) いづみ、不屈の闘志で立ち上がり、遂にバイオフィードバックを発動させる。

で、いつもの発動演出。
真の能力に目覚めたいづみ、三人のコマンドーを圧倒する。

それでも、靴の先から針を出して、いづみをドキッとさせるなど、一筋縄で行かない強敵ではあった。

石津(無意識のうちに、あの力を目覚めさせた。豊かな感受性、秘めた野性の感性だ……)
石津「バイオフィードバックの力が見えた!」
見えたそうです。 
いづみ、最後の敵の腕をへし折り、拳をその顔に突きつけ、「命だけは……」と、怒りをセーブする。

石津「よく私の声を覚えていてくれたな、いづみ。バイオフィードバック、何故お前だけが成功したのか、その能力の秘密は掴ませて貰った。我々がこの日本を、陰から動かす日はもうそこまで来ている! もう一度言う、いづみ、われわれの組織に戻って来い!」
無論、そんな誘いにいづみが乗る筈もない。

3年前から胸にぶら下げていた認識票をひきちぎり、石津に放り投げ、
いづみ「私は五条いづみ、番号は要らないわ!」 いづみ「人を兵器に変えて、番号をつけて若者たちの未来を奪う、それがどれだけの若者たちの怒りと悲しみか、あんたなんかに分からないわ! 私はあんたを、その組織を決して許さない。犠牲になった人たちの為に、未来の為に私は戦う!」
石津「どうやらお前とは戦う以外に道はなさそうだな! 今度会う時は戦争だ!」
石津はジープでその場を去って行く。
入れ違いに、やっと藤原たちの車が到着。
すぐ傷だらけのいづみに駆け寄る恵子と佐織。

恵子「いづみ、大丈夫?」
佐織「あの人が、あの人が私に嘘の証言を……!」
いづみ「いいの、もう全て分かったから」
恵子「いづみひとりじゃ戦わせないから、絶対くっついて離れないからね!」
佐織「わたし、三枝佐織に撤退の文字はありません!」
笑顔で敬礼をする佐織。
二人のかけがえのない友を前に、いづみは心からの笑顔を見せ、がっちり手を合わせる。

石津「プロトタイプ1号の役割は終わった。いづみは抹殺する」
滝沢「……」
滝沢に重々しく告げる石津。
しかし、1話から、いづみを殺すなとか、奪還しろとか、観察しろとか、力を試せとか、コロコロ意見の変わる上司に、滝沢もいい加減ウンザリしていたのではないだろうか。
12話へつづく。