fc2ブログ

記事一覧

命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話


 第35話「倒れたら立ちあがれ電! 愛は生命の輝き」(1983年11月4日)

 前回、レイダーに死の淵まで引きずり込まれた電であったが、「聖なる者」の導きとリリィの愛によってなんとか命をとりとめる。

 電が健在であると知ったポルターとガイラーはここぞとばかり新参者のレイダーをなじるが、
 レイダー「(電は)しかばねも同然、そう言った筈」

 魔王サイコはワシビーストを作り出すと、電を襲って来いと命じる。

 PDVD_000.jpg
 電、パトロール中に、子供たちが野球をしているのを見掛け、「いいか、バッティングのコツってのはな、ボールから目を離さないこと」などとアドバイスして、お手本を示す。

 だが、電の打ったボールを追いかけて行った千恵が、浮浪者風の男に捕まる。
 千恵を助けようとする電に、数人の浮浪者が襲い掛かる。無論、マドーのファイトローであった。

 電は子供たちを逃がした後、シャリバンとなって彼らを蹴散らす。

 PDVD_001.jpg
 しかし、ワシビーストとの戦闘中、再びレイダーが現れ「お前は死ぬ」と、棺に入った電の死体の幻影を見せる。
 急に戦意をなくした電は、ワシビーストに一方的に押される。

 危いところだったが、リリィがシャリンガータンクで援護に駆けつけ、電を回収する。

 リリィから知らせを受けて、バード星からコム長官とマリーンが地球に飛んでくる。

 PDVD_002.jpg
 コム長官は、電を記憶再生装置にかけて、レイダーの正体を探ろうとする。
 マリーン「一種の気体化した細胞体です」
 コム「エクトプラズムだな」
 マリーン「あの霊的エネルギーですか」
 コム「どうやらマドーは、霊界と手を結んだようだな」

 コム長官は、「自分の心と戦って勝つしかない。それにはまず闘争心を呼び覚ますことだ」と、電にサバイバルテストを受けさせる。と言っても、バーチャル空間の中で行われるもので、電は眠ったままである。

 ここはやっぱり、「ギャバン」の時のようにコム長官自身が稽古をつけてやるほうが説得力があった。体を動かすのが面倒臭かったのだろうか?

 もっとも、バーチャル空間の中でさえ、電はレイダーの影に怯え、コム長官が途中でテストを中止せざるを得ないほどだった。
 コム「今の君に必要なのは十分な休養だよ」

 厳しいコム長官がそんなことを言うほど、電は精神的に参っている模様。
 リリィは懊悩する電の気持ちをほぐそうと、お茶を入れるが、

 PDVD_003.jpg
 グランドバースのモニターに、宙吊りにされた子供たちの姿が映り、
 ポルター「早く助けに来いシャリバン、さもないと子供たちはこの上から次々と……」

 電「マドーめぇっ」
 即座に飛び出そうとする電の腕をコム長官が掴む。
 コム「行ってはいかん、これは君をおびき出す為の……」

 PDVD_004.jpg
 電「俺は行きます。放ってはおけません!」
 電は、コム長官の腕を振り払って出て行く。

 数分後、「場所が分からないんですが……」と帰ってくる電であった(嘘)。

 とにかく、動物的勘でその場所へ急行した電。だが、子供たちは最初からレイダーの作り出した幻影であった。代わりに、再びワシビーストが攻撃してくる。

 その後は、「赤射」→変身プロセスの解説→幻夢界突入→マシンによる戦い、と言うように、スポンサー向けルーティンワーク的なアクションシーンを消化する。

 だが、例によってレイダーの「お前は死ぬ」と言う悪魔の囁きが電の心を乱す。

 手術台に乗せられ、自分自身にメスを刺されそうになったり、再び棺の中にいる自分自身を見せられたり、レイダーの幻術に苦しめられる。ただ、場面のバリエーションは少なく、やや物足りない。

 PDVD_005.jpg
 シャリバンは「グランドバース!」と、ポーズをつけながら母船を呼ぼうとするが、妨害電波によって阻まれる。ここ、シャリバンが3回も「グランドバース!」と叫ぶのが、ちょっと情けない。

 シャリバンがひとりで騒いでいると、ワシビーストが襲ってくる。
 ワシビーストの猛攻に反撃すら出来ないシャリバン。

 PDVD_007.jpg
 その様子を見て、魔王サイコが珍しく感情を顔に出して「へへへへへへへっ」と品のない笑い声を上げる。

 苦戦の最中、

 PDVD_009.jpg
 電が夢うつつで、川の中へ入ろうとするのを、聞き覚えのある女性の声が呼び止める。
 声「で~ん!」

 PDVD_008.jpg
 それは既にこの世にいない、電の母・優子(吉野佳子)であった。
 電「母さん!」
 優子「その先は深くて危険よ。上がってらっしゃい」

 PDVD_010.jpg
 電はその声を聞いて、幼い頃の、母との懐かしい日々を思い出すのだった。

 優子「(ユキワリソウのように)厳しい寒さや冷たい雪もはねのけるくらいでなくっちゃね!」
 電「うん……」

 優子は、電が幼い頃、事故で亡くなったのだった。
 電「母さんの夢を見た……」

 PDVD_011.jpg
 シャリバン、我に返ると、処刑台に拘束され、今しもワシビーストが迫ってくるところだった。

 シャリバン「ここでくたばってたまるか!」

 と、崖の上に再び「聖なる者」が現れ、「諦めてはいけない。最後の力の一滴まで振り絞るのだ」と励ます。

 PDVD_012.jpg
 たくさんの人たちの思いを胸に、シャリバン、遂に本気モードになる。
 自力で拘束具をほどき、ワシビーストの攻撃を寸前でかわす。

 その後は淡々と、ワシビーストを「シャリバンクラッシュ」で地獄へ叩き込む。

 魔王サイコ、あと一歩のところで逆転され、怒り狂うのだった。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

この話も大好きです。
第11話(ショウリビースト)のように精神力で逆転する展開はヒーローの醍醐味だと思います!!

川はやっぱり「三途の川」を現しているんでしょうか?
前回といい、やや直接的とはいえ、見応えのあるビジュアルです。

しかし、妨害電波でグランドバースを防げるなら←言わない約束

Re[1]:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

影の王子様
34話・35話は、レイダーの強さを存分に描いたストーリーでした。ボスを除けば「宇宙刑事シリーズ」の中では最強の敵でしょうね。

>しかし、妨害電波でグランドバースを防げるなら←言わない約束

「シャイダー」では、電波を遮断したりして「焼結」を阻止すると言う戦法がしばしば使われましたね。

Re:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

管理人様

宇宙刑事に直接倒されていない敵幹部では

マクーのハンターキラー・・・ギャバンと闘おうとすらしない。サンドルバに遅れをとる。

フーマの神官ポー・・・シャイダーを叩くも、ダメージを与えられない。戦闘力不明。

仰るとおり、ボスを除けば、レイダーこそ最強ですね。
3人の宇宙刑事では、シャリバンこそが最も過酷な闘いを強いられたと思います
(レイダーだけでなく、愛する仲間の死とか・・・)。

Re[1]:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

影の王子様
>仰るとおり、ボスを除けば、レイダーこそ最強ですね。

考えたら、あと一歩でマドーを乗っ取るほどでしたもんね。

Re:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

妖術を凶器にする指揮官と言えば、アニメ作品でもマジンガーZのピグマン子爵やグレートマジンガーの悪霊将軍ことハーディアス将軍がいましたが、初登場から早くも二話目でここまでシャリバンを妖術でやり込める事に成功している処を観ると、レイダーは更にそれらの上を行く存在である事がわかります!

Re[1]:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

笑太郎様
>妖術を凶器にする指揮官と言えば、アニメ作品でもマジンガーZのピグマン子爵やグレートマジンガーの悪霊将軍ことハーディアス将軍がいましたが、初登場から早くも二話目でここまでシャリバンを妖術でやり込める事に成功している処を観ると、レイダーは更にそれらの上を行く存在である事がわかります!

例によってアニメは見せませんが(こればっかり)、そんなキャラがいたんですね。

Re[2]:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

>zura1980さん

>例によってアニメは見せませんが(こればっかり)、そんなキャラがいたんですね。

ご返信ありがとうございます。例えばグレートマジンガーの「地獄におちた剣鉄也」と言うお話では、前述のハーディアス将軍に使役される戦闘獣サイコベアーがアイスピックの様な凶器で呪いのマジンガー像を刺し通す事でグレートマジンガーの操縦者剣鉄也に原因不明の激痛を与え続け、鉄也をシャリバン同様呪殺の一歩手前まで追い込んでいます!しかし終盤ではアジトを突き止めた炎ジュンがビューナスAのミサイルで呪いの像を爆破した事で鉄也はあっさり全快し、サイコベアーもグレートマジンガーにあっけなく倒されました。
それに対しシャリバンのこのお話では、そう言った単純な解決をさせなかった(シャリバン自身の精神力やおっかさんの愛情、それを以ってしても打ち破れない妖術!)事でシャリバンの強さとレイダーの辛辣ぶりをよりダイレクトに描く事に成功しています!
-----

Re[3]:命が燃える赤射!「宇宙刑事シャリバン」第35話(09/03)  

笑太郎様
>詳細な解説ありがとうございます。

渡さんと降矢さん  

現在発売の「東映ヒーローMAX」という雑誌に、渡さんと降矢さんの対談が載っていますが
降矢さんは渡さんより5歳年上なんですね。
降矢さんにとっては「弟」というより「この子」という感じだったそうです。
シャリバンを気遣うリリィの優しさが自然に醸し出されているのが良いですね。

Re:渡さんと降矢さん(09/03)  

影の王子様

ゲッ、そんなに離れていたんですか。

キツい試練  

このキツい試練、大ちゃんだったらどう克服するんでしょうか?

Re:キツい試練(09/03)  

影の王子様
>このキツい試練、大ちゃんだったらどう克服するんでしょうか?

「これは夢なんだ!」と、現実逃避するんじゃないでしょうか。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

最近のコメント

カテゴリー

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター