第19話「運が悪けりゃターゲット」(1979年10月28日)
の続きです。
ジュンの恐怖の接待旅行も、はや最終日、伊豆下田カントリークラブでゴルフをすることになる。

無論、命を狙われていることを知っているジュンは、ゴルフどころの騒ぎではない。
男「そう怖がらなくて大丈夫ですよ。午前中、このコースを回り、後は東京へ戻るだけですから」
ジュンを安心させるようなことを言うが、その実、周囲の林の中に殺し屋がいて、ジュンを狙っていることは百も承知だった。見晴らしの良いゴルフ場で、今後こそジュンに実際に撃たれて貰うつもりなのだ。
で、即座に殺し屋が銃をガンガン撃ってくる。ジュンはクラブを放り投げて必死に逃げ回る。
林の中で、二人の殺し屋に追い詰められたジュンだったが、東京から救援に駆けつけた麻生のブーメランが飛んできて、間一髪でジュンを助け出す。
麻生は「大丈夫ですか、組長!」と、わざと二人に聞こえるように大声で言いながら、ジュンと一緒にひたすら逃走する。
最後は、港まで行き、ボートで沖へ漕ぎ出し、頃合を見計らって弾に当たったふりをして、海中へ没する。
紅興業の殺し屋に、響組の組長を殺したのだと思い込ませる為である。
その頃、東京では、ナビと谷村女史の凸凹コンビが、とあるレストランの周りをうろちょろしていた。響組の連中が、店を借り切って優雅なランチをしたためているのだ。

窓越しに、組長の井口の顔を見た二人、ジュンに瓜二つなのに改めて驚いている。
ナビ「目の横の傷がなければ、まるで、ザ・ピーナッツだ」

谷村「古いねアンタ!」
ナビ「あんたに合わせたの」
谷村「なぬーっ?」
ナビ「男の独り言」
芸達者二人のやりとりがとても楽しい。

井口が席を立ってトイレに向かうのを見る谷村女子の顔が可愛いので貼ってみた。
谷村(カメラに向かって)「男、島岡到の出番です!」
ナビ「お待たせ、しました」

谷村「ちゃんとやってよ」
ナビ「俺の辞書に不可能と言う文字はない」
谷村「辞書なんか見たことあるのかよ?」 ナビ「傷付くな~」
谷村「ほれ行け!」
ナビの尻を蹴飛ばす谷村女史。いやぁ、もう言うことナシ。

ナビは、大胆にも、小用を足している井口に銃(オモチャだけど)を突きつけ、拉致する。
麻生は、首尾よく井口を連れてきたナビに、「響組の金庫から金を頂く」と、益々無茶を言う。
麻生「谷村女史、今度の暴力団壊滅作戦をスクープして儲けてください」

麻生の言葉に、「了解」と気取って葉巻を咥える谷村女史。

その後に見せるおどけた笑顔がまた辛抱たまらんのです!
その夜、今度は紅興業の事務所。
久しぶりに、ダーツと久美子の名コンビが復活し、井口を殺したと思い込んで祝杯を挙げている事務所の中に忍び込む。

ブレーカーを落とす時の、久美子の舌使いが可愛いので貼ってみました。
建物が真っ暗になった混乱に乗じて、ダーツは紅興業の組長を拉致してしまう。
一方、ジュンは井口の服を着て、響組の事務所に何食わぬ顔で現れる。
平島「何処行ってたんですか、心配してたんですよ」
ジュン「うん、その、女のところへな……」
平島は、計画通り、組長殺しを警察に訴えて紅興業を合法的に解散に追い込もうとするが、組長に化けたジュンは強引にその計画を中止させ、紅興業との全面戦争を主張する。
さて、事務所の別々の部屋に監禁されている井口と紅興業の組長、互いの存在に気付き、口汚く罵り合う。

怖い物なしの女性軍は、
谷村「うるさいね、お前らぁっ!」
久美子「少し静かに出来ないのかぁっ!」
とドスの利いた声で、組長たちを黙らせてしまう。

久美子「はい、どーぞ」
麻生「メルシー、明日の朝、両方の組を若杉町の廃工場に集める」
谷村「両方の組をぶつけて一気に壊滅する。面白い!」
麻生「いい加減やりやったところで警察にご登場頂き、一網打尽! 俺たちはヤクザがやりあってる間に響組の事務所に行き、金庫の中の金を頂く!」
谷村「なぁるほど!」
いや、「なぁるほど」じゃなくて……。
それって、ただの泥棒だよね。
拉致監禁に窃盗と、今回の麻生たちはいささか暴走気味である。
で、まずナビが紅興業に電話して、組長の身柄を預っているから、廃工場へ来いと指示する。
そして響組にいるジュンも、打ち合わせどおり、組員たちを廃工場へ集めさせ、それから紅興業を襲撃するのだと、かなり強引に段取りをつけていた。

いつもと様子が違う組長に、胡乱な目を向ける平島。
おどおどとジュンがマイルドセブンを咥えるのを見て、意味ありげな目付きをする。
で、翌朝、麻生たちも廃工場へ先着している。

麻生「ワットタイムイズイットナウ?」
ダーツ「明け六つ少し前」
ナビ「英語で聞いてるのに純国産風に答えるな!」
最初に響組が数台の車でやってくる。
ジュン「これで響組は全員か?」
平島「やだな組長、組員の人数も知らないんですか?」
ジュン「今年は新入組員は入らなかったんだな」
平島「……そのサングラス、取ってくれませんか?」
サングラスを外されたジュン、目の横にある筈の傷がなく、組長でないことががバレてしまう。
もっとも平島は、もっと前から気付いていたらしい。
平島「おかしいと思ってたんだ。組長は洋もモクしかお吸いにならない」
しかし、この段階で正体がバレてもストーリーにはあまり影響がないのが惜しい。
すぐに紅興業がやってきて、乱闘になるからだ。
その混乱の中、麻生たちは連れてきた二人の組長を解放すると共に、ジュンを助け出す。
そして、ユーコの通報で駆けつけた警察が、組員を全員逮捕する。
その隙に麻生たちは、響組の事務所へ急行し、金庫を開けて金を取ろうとするが、肝心の組み合わせ番号が分からず、結局無駄骨に終わる。

いつものパターンで終わり、果てしなく落ち込む一同。
ダーツ「みんな天中殺じゃないの……特にひどいのが一人」
麻生「いや金にこそならなかったがな、暴力団を二組も壊滅させた。人助けをしたと思えば良い」
ユーコ「そうよ、みんな素敵な天使だわ」
ダーツ(ナビを指して)「こんなニクニマでも?」(註・肉体労働派二枚目)
ナビ(ジュンを指して)「こんな天中殺でも?」
ジュン(ダーツを指して)「こんなカメレオンでも?」
ダーツ(麻生を見て)「こんなキザニマでも?」(註・キザな二枚目)
ユーコ「こんな美人でもぉ?」
自分の顔に指を当てるユーコ。

麻生「そう」
全員「俺たちは、天使だ!」
最後はいつものポーズで決める5人。
と言う訳で、ストーリー的には突っ込みどころが多いエピソードだが、谷村女史の魅力が存分に堪能出来ると言う点で、管理人としては100点満点の内容であった。
いよいよ次回、最終話である。