(2018年2月21日加筆訂正)
ネタに困ったら反逆同盟と言うことで、連荘で紹介します。第11話は「カケフ君危機一髪!」と言う、わかるやつだけわかれという、やや投げやりなサブタイトル。1986年12月22日の放送で、本来ならば、この回で最終回の予定(たぶん)だったが、高視聴率だったために1クールから2クールに延長された経緯がある。
全23話の中でも特にコメディ色が強く、内容も薄いので、チャッチャと済ませる。

冒頭、普段は木刀を振り回している暴力教師、佐伯が生徒たちに向かい、「青春とは何か、愛とは何か?」などと、大演説をぶっている。
佐伯「清く、正しく美しく生きること、そして優しい心を持つこと、それが人生を明るく照らし出す……」 とうとう発狂したのかと思ったが、どうもマジらしい。

ほとんどの生徒はろくに聞いてもいなかったが、ユミなどはむしろ「この先生にもこんな面があったんだぁ」と言うような、好意的な顔で聞き入っていた。
そんな中、教室に一匹の犬が紛れ込み、生徒たちは小学生のようにはしゃいで大騒ぎする。

犬は別に可愛くないのだが、犬を可愛がっている女の子は可愛いのである! それが宇宙の真理なのだ。

結局、雄太が犬を保護して連れて帰るが、その途中で、

犬の飼い主と言う小汚いユニフォーム姿の子供が現れて、ろくに礼も言わず犬を連れて行ってしまう。
その可愛くない態度に憤慨する雄太たち。
子役は相良健治と言う名前だが、一定以上の世代にとっては「カケフ君」と言った方が話がはやいだろう。阪神の掛布に似てるからと言う理由でカケフ君と呼ばれて、当時、大人気だった(らしい)子供タレントである。

その後、ユミたちは、大胆にも原宿での街頭ロケに挑み、貴重な私服姿を披露なさっておられる。
ついでに森口博子たちが万引きしようとして未遂に終わる事件などもあるが、そんなのはほっといて、

その人込みの中、再びカケフ君と出会う四人。

カケフ君、どうやら迷子になってしまったらしいので、雄太が彼をおんぶして、自宅まで送り届けようと言うことになる。この、アップダウンの多い住宅地を延々と歩くロケシーンも、なかなか貴重である。

だが、いつまで経っても家に着けず、イライラするユミたち。
ルリは、いきなりべたっと座り込んで、
「あたし疲れたっ!」と、駄々をこねる。
さらに、ユミに引っ張られて
「いや~ん」と何故か色っぽい声を上げる。山本理沙ファンは必見である。
散々歩かされた挙句、およそ釣り合いの取れない豪邸に案内されて、てっきりウソだと思い込み、怒るユミたち。

ところが、実はカケフ君はほんとうにその家の息子だったのだ。唖然とする一同に礼を述べるお手伝いさんを演じるのは田崎美也子さん。

その後も学校周辺に出没するカケフ君につきまとわれ、閉口する雄太。それでも一見不良でも、実は彼もお坊ちゃん育ちなので、カケフ君につきあって遊んでやる。だが、カケフ君にねだられてサーティワンアイスクリームを買っている間に、以前から付け狙っていた誘拐団にカケフ君をさらわれてしまう。

その監督責任を問われて、カケフ君の母親にねちねち叱られる雄太。

雄太もユミたちに協力してもらい、家の前で張り込みなどをするが、ここでもルリは
「もう、やだぁ、こんな寒いところで立って待つのぉ~」とワガママ言い放題で、とても可愛い。
張り込み中、警察に事情を聞かれ、しかもそれが何故か下着泥棒で捕まったなどとあらぬ噂になって学園に広がり、ついでに佐伯に殴られるという、踏んだり蹴ったりの雄太であった。

誘拐されたカケフ君は、プレハブ小屋に監禁されていたが、その太平楽な性格でいささか間の抜けた誘拐団をふりまわしていた。
その後いろいろあって、

ユミは、あのお手伝いさんが共犯だと見抜き、全員プレハブ小屋に集まったところで戦いを挑む。
もっとも、肝心の誘拐の方は、身代金の要求の一つもしないで、警察が介入したことを知っただけであっさり諦めてしまうという、実に杜撰なもので、誘拐ストーリーとしてもあまりにお粗末であった。そのくせ、誘拐犯は
「あんなに綿密に計画練ったのによぉ」などとほざくのであった。どこがじゃ!

で、白いセーラー服姿になって決め台詞を言うユミたち。撮影は10月前半だと思うが、吐く息が白くてかなり寒そうである。
相手はお手伝いさんにズッコケ誘拐団なので、戦いは一瞬で終わりそうなものだが、そうするとアクションシーンの尺が足りなくなるので、ユミたちはややわざとらしく苦戦する。
バトルシーンでも、手下のひとりがやることなすことドジで、かえって味方の足を引っ張ってしまうというコミカルな味付けがされている。

なかでも、ルリは今回、妙に弱い。
後ろから抱き起こされて、イヤイヤしている様子が、とても可愛い。
それでも最後は、ミホが何の前フリもなく(バンク映像で)現れ、バラを投げて、

田岡美也子さんを面白くする。

そこへトドメの一撃を加えんとするユミが綺麗なので貼りました。
勝利した反逆同盟であったが、今回の戦いは学園との闘争とは全く何の関係もないのだった。

無事事件が解決し、ホッとする雄太だが、またカケフ君につきまとわれるのではないかとビクビクしながら下校する。

で、おそるおそる校門の横を見ると、案の定、やつがいた!

恐怖のあまり、カバンを放り出して逃げ出す雄太。

笑いながら後を追いつつ、ちゃんと雄太の投げたカバンを拾ってあげる優しいユミでした。
……と言う訳で、今回のシナリオ、あまりと言うかぜんぜん面白くなかった。長時間の街頭ロケなど、映像的には見るべきところはあるんだけどね。