「星雲仮面マシンマン」 第31話「危険なひょうたん」

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　第31話「危険なひょうたん」（1984年8月24日）

　葉山家の庭先で、学校で発表する紙芝居の稽古をしている勝たち。
　内容はオーソドックスに「西遊記」である。

　
　美佐「昔々、中国でのお話です。天竺にお経を取りに行く為に三蔵法師の一行は……」

　
　観客は、健と真紀の二人。
　この段階になると、二人はもう完全に恋人同士と言う感じである。

　
　美佐「金角大王は魔法のひょうたんの中に孫悟空を吸い込んでしまったのです！」

　一生懸命な美佐ちゃんがとても可愛いのです。

　練習の後、勝たちが、如意棒や芭蕉扇など、物語に出てくるアイテムが本当にあったら面白いだろうな、などと子供らしい話をしていると、家の電話が鳴り、

　
　真紀「あ、編集長……えっ？　孫悟空？」
　と言う分かりやすい展開になるのであった。

　
　ある美術館に、まさに孫悟空を思わせるような風貌の賊が現れる。
　孫悟空「俺様は孫悟空だ！」

　自分で言ってるんだから間違いあるまい。

　
　猪八戒「俺様は猪八戒だ！」

　自分で言ってるんだから間違いあるまい。

　二人は美術館の絵を奪い、警備員を相手に大暴れ。

　
　孫悟空を演じるのは「サンバルカン」などのスーツアクターをしていた伊藤久二康さん。さすがの身体能力を披露する。とても1年半前に首の骨を折る重傷を負った人とは思えない動きである。

　
　パトカーに続いて、真紀たちも現場に駆けつける。カメラで猪八戒の顔を見ていた真紀、
　「あの男、確かオクトパスの……」と、気付く。無論、それはトンチンカンの変装だった。

　孫悟空は、如意棒で警官を薙ぎ払った後、巨大な扇を取り出して「芭蕉扇！」と叫んで風を起こす。
　激しい突風に、真紀も健も吹き飛ばされ、芝生の上を転がる。

　その隙に孫悟空と猪八戒はサイドカー付きのバイクで逃走を図る。

　猪八戒「ごっそり名画も頂いたし、西遊記大作戦は大成功だ！」

　悦に入る二人の前にマシンマンに変身した健が現れ、捕まえようとする。しかし、孫悟空は並外れた体術と、不思議なアイテムを駆使してマシンマンを寄せ付けない。そこへちょうど亀太が通り掛かり、芭蕉扇の風に飛ばされて川に落ちそうになる。マシンマンが亀太を助けている間に、二人は姿を消してしまう。

　トンチンカンと孫悟空……その正体はサル男と言う戦闘アンドロイドなのだが、意気揚々と戦利品を抱えてオクトパスの本部へ帰還する。

　だが、レディＭは鼻の頭が赤くなる子供アレルギーに悩まされていて、それどころではない。
　ト「前にも増して真っ赤じゃございませんか。はっ、あっ、悟空ちゃんも真っ赤、真っ赤、真っ赤兄弟！」
　Ｍ「よくも笑ったわねえ！　悔しい！」

　
　ブチ切れたＭは、二人が盗んできた額縁入りの絵を振り上げ、思いっきりトンチンカンの頭に叩き付ける。

　なんてことのないシーンだが、Ｍ役の湖条さんによれば、この時、間違って枠の部分がトンチンカンの頭に当たらないかと気が気ではなく、めちゃくちゃ緊張されていたらしい。それを踏まえて見ると、確かにＭの腰が引けているように見える。

　子供アレルギーを治すには、子供をいじめるしかないと、
　Ｍ「盗みなんかどうでもいいから子供をいじめるのよ、今まで以上にうんっと」
　ト「しかし、どうやって……？」
　Ｍ「おじさまが発明して送ってくれた西遊記の武器がいっぱいあるじゃないの。お前（孫悟空）の持っている如意棒に芭蕉扇、あ、それに、この魔法のひょうたん！　このひょうたんの中に片っ端から子供たちを閉じ込めるのよ！」

　Ｍは、巨大なひょうたんを抱えて、目を輝かす。
　それは「西遊記」同様、呼ばれて返事をするとその中に吸い込まれる魔法のひょうたんであった。

　
　二人は早速、獲物を求めて外へ。
　ちょうど勝の友人たちが、野球をしに行くところを狙う。

　「俺、今日は4番バッターだぜ」
　「俺、今日はやる気あるぜ」
　と言うやりとりが妙におかしい。

　トンチンカンと孫悟空が飛び出し、ひょうたんの口を開けた上で「ちょっと坊やたち」と呼びかける。

　
　何気なく子供が「なぁに」と応じた途端、ひょうたんから白いガスが噴出し、子供たちの体を縮めながら吸い込んでしまう。

　……冷静に考えたら物凄いテクノロジーである。恐るべしＫ（Ｍのおじ）！

　二人は次々と子供たちに声を掛け、ひょうたんの中に閉じ込めて行く。

　美佐たちも彼らの魔手にかかるが、その現場を勝に目撃されてしまう。

　
　真紀が、孫悟空たちの写真を早く撮って来いと編集長に怒鳴られていると、勝が飛び込んでくる。

　で、真紀、編集長、勝の三人で美佐が吸い込まれたところへ、ススキの林をかきわけながら進む。
　しかし、いざ孫悟空に出会うと、編集長は一目散に逃げて行く。

　
　孫悟空「カッ、キン斗雲！」

　
　孫悟空は、空を飛ぶキン斗雲まで呼び寄せ、それに乗って三人の前に先回りする。

　基本的に低予算の番組だが、今回は、全体的にお金がかかっている感じだ。

　
　ト「やい、そこのテカテカ頭」
　そう言われて、逃げる途中の編集長が戻ってくる。

　編集長「なにぃ、はははははっ、テカテカ頭は貴様じゃないかーっ」
　ト「うるさい、この半テカ！」

　文字通り不毛な言い争いを繰り広げる二人。

　編集長は豪快に返事をして、ひょうたんの中へ消える。
　当然、孫悟空たちは残る真紀と勝も吸い込もうと襲ってくる。

　
　二人に追われ、尻餅をつく真紀。

　こういうシーンで、必ずコマ送りをしてパンツが見えないかどうか確認するのが、管理人のお仕事です。

　……で、今回は見えませんでした。良かった良かった。

　マシンマンが駆けつけるが、なんだかんだで全員ひょうたんの中へ吸い込まれる。
　トンチンカンは、ひょうたんに爆弾をセットして水中に沈めるが、マシンマンは間一髪でひょうたんの縮小機能を壊し、みんなと一緒に脱出することに成功する。

　
　「星雲仮面マシンマン！」

　
　キン斗雲の上から、マシンマンを爆撃する孫悟空。

　アイテムの力に助けられているとは言え、孫悟空（サル男）は恐らく最強の戦闘アンドロイドと言っていいだろう。演じる伊藤氏へ敬意を払った為、結果的に強くなっちゃったのかも知れない。なにしろバルパンサーだからねえ。

　勿論、最後はマシンマンが勝利を収める。

　ラスト、今度は庭で「西遊記」の劇の稽古をしている勝たち。

　
　だが、健と真紀はこれ以上ないと言うほどイチャイチャしており劇など眼中にない。特撮ヒーローがこんなにイチャイチャしていいのだろうか？

　
　おどける真紀に体当たりされる健がとても羨ましい管理人であった。