俺が正義だ「巨獣特捜ジャスピオン」セレクション 第46話 後編

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　第46話「手をつなぐ全銀河の人類たち」（1986年3月24日）
　の続きです。

　
　大サタンゴースの攻撃で、老人とは思えないほど派手に吹っ飛ぶエジン。

　その衝撃で、頼みの綱の杖を落としてしまう。慌てて拾い上げようとするが、大サタンゴースにへし折られてしまう。万事休す。

　間髪入れず大サタンゴースが放ったビームが、エジンを直撃する。

　
　その直後、ジャスピオンがかけつけ、エジンの体を抱き起こす。
　エジン「赤子は？」
　ジャスピオン（首を横に振る）
　エジン「探し出すのだ」
　ジャスピオン「無理だ」

　こういう場合、嘘でも「必ず探し出して見せる！」とタンカを切るところだが……。

　エジン「探せ、探し出すのだ、光に打たれし赤子を……」
　それがエジンの最期の言葉だった。

　師であり、育ての親でもあったエジンの死に強い悲しみを受けるジャスピオン。その悲しみはやがて激しい怒りの炎となって燃え上がる。

　
　メタルテックスーツの顔の上に丸いワイプが出て、生身のジャスピオンが強く拳を握り締める姿が映し出される。ただ、前回のマッドギャランの迫力には程遠い。

　と、5人の子供がやってきて、彼らの力でサタンゴースを倒して見せると豪語する。

　5人がそれぞれ銀河バイブルのかけらを持つと、それが黄金の鳥になり、大サタンゴースの周囲を飛び回る。そして、5羽の鳥が合体し、巨大な黄金の剣に変わる。

　
　ジャスピオン、意気込んでダイレオンに乗り込み、その剣を構える。
　「ダイレオン・コズミックーハーレー！」

　これで勝負ありかと思いきや、大サタンゴースは変幻自在の動きで攻撃を全てかわしてしまう。

　さらに、ギルマーザたちが子供たちに襲い掛かる。

　
　ダイレオン、大サタンゴースと戦いながら、地上にビームを放ち、

　

　
　傭兵に追われる子供たちを助ける。

　このシーンは、ビジュアル的に大満足。

　ダイレオンは、再び窮地に追い込まれる。
　ジャスピオン「やはりエジンの言ったとおりだった。赤子が必要だったんだ。家帰ってうどん食ってりゃ良かったんだ」

　特撮ヒーローらしからぬ弱音を吐くジャスピオン。後半は嘘である。

　
　子供たちも「無駄だったのね、私たちの努力は」などと、絶望的な台詞を吐いて涙を流す。

　ジャスピオン「あの動きを封じなければ……」
　大サタンゴース「地球はワシが貰った。超生命体のパワーを見よ」

　勝利を確信した大サタンゴースが、強烈なビームを浴びせる。大地を踏んで耐えるダイレオンだったが、その衝撃で、地面が割れる。

　するとその中から、黄金に輝く卵のようなものが浮かんでくる。そしてその中から赤ん坊の泣き声が……。
　最後の最後に、光に打たれし赤子が出現したのだ。

　ジャスピオン「赤ちゃんの声が、大サタンゴースの動きを！」

　赤ん坊の泣き声に怯え、素早い動きが取れなくなる大サタンゴース。

　
　ジャスピオン「よし、今だ、ダイレオン・コズミックハーレー！」

　今度こそ、必殺技が炸裂する。

　
　エネルギーを放出しながら悶え苦しむ大サタンゴース。

　
　ギルマーザ「大サタンゴース様ぁーっ！」

　ギルマーザたちはしぶとく健在だったが、大サタンゴースの断末魔のエネルギーに巻き込まれ、

　
　全員まとめて爆死する。

　ギルマーザ、せめて最期はジャスピオンに倒されたかっただろうに。合掌。

　そして大サタンゴースも赤い球体になり、大爆発を起こして塵となる。

　それと同時に、ジャングルと化していた東京も一瞬で高層ビルの林立する街に戻る。

　……ただ、それを素直に喜んでいいものか？

　とにかく、ジャスピオンの長い戦いにやっと終止符が打たれたのだ。

　あの卵の中には、羽毛に包まれた元気な赤ちゃんが入っていた。

　ジャスピオンたちはエジンの里にエジンの墓を作り、手を合わせる。

　アンリ「可愛い赤ちゃん」
　南原「地底に隠れていたんだって。見付からない筈だ」
　ジャスピオン「俺と同じだ。この子は両親と宇宙を旅行中に海賊に襲われ、両親だけが死んだんだ。この子だけ生命維持装置に入れられ、脱出し、この地球に辿り着いてずっと眠り続けていたんだ。俺も遭難してエジンに拾われた、この子は俺の弟、銀河のターザンだ」

　命名「銀河のターザン」

　元祖キラキラネームである。

　アンリ「でも、どうして5人の子供に黄金の鳥を？　それに赤ちゃん」
　ジャスピオン「5人の子供が手をつないだ時、黄金のエネルギーがスパークした。地球の若い力と宇宙から来た赤ちゃんが力をあわせて大サタンゴースを倒した」
　アンリ「全銀河の人類よ、手をつなぎ、力をあわせて平和を守れと？」
　ジャスピオン「それは万能なる神の意思であり、願いだ」

　
　アンリ「うふっ、強引にまとめたわね。良く頑張ったわね。ご苦労様」
　ジャスピオン「本当に良く頑張ったぜ！」

　さすがに感慨深いジャスピオン。ここで、ちょっとした名場面集が流れる。

　ラスト、地球に別れを告げ、ダイレオンで宇宙へ飛び立ったジャスピオン、アンリ、ミーヤ、そしてターザン。
　まるで若夫婦のように競ってターザンの世話を焼くジャスピオンとアンリ。
　ジャスピオンは、今度は自分がエジンのように、ターザンを立派に育て上げるつもりなのだ。

　ナレ「超生命体の歴史を始めようとした大サタンゴースの野望は砕かれた。だが銀河の歴史は未来永劫絶えることはない。君たちが希望を持って生き、平和を望み続けるならば！」

　
　そして最後までアンリは可愛かった。

　今まで続けてこれたのも、彼女の存在があったればこそ。

　以上でレビューを終わりにしたいと思うが、ＤＶＤ最終巻には、「ビデオスペシャル　俺が正義だ！」が収録されている。そのほとんどは本編のダイジェストなのだが、

　
　最後に、番組終了間もない頃に撮られたと思われる、黒崎氏、塚田氏、春田氏によるトークがあり、これがなかなか面白い。

　塚田さんに「視聴者にメッセージを」と言われ、悪役（マッドギャラン）を演じた春田さんが「普段はこんなに優しいお兄さんですから、画面はね、作ってるだけで、普段はこんなに優しいからあんまり怖がらないで」と、語りかけるのがとても微笑ましい。

　他にもクレジットなしのＯＰ・ＥＤなどが収録されている。