「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」第4話 前編

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　第4話「さらわれたパイパイ」（1989年2月5日）

　高山家の三バカ兄弟が、ファミコン（ツイン？）のコントローラーを巡って醜い争いを繰り広げている。

　
　見かねて、ぱいぱいが「やめなさい！」と一喝する。

　
　ぱいぱい「ほんとにもー、仲良くしなさい！」
　アキラ「ぱいぱいには関係ないだろ、だいたいうるさいんだよ」
　トオル「そうだよー、俺たち頼んでここに居て貰ってる訳じゃないんだから」
　シンゴ「そーだよ、いやだったら出て行けばいいじゃないか！」

　相変わらずクソ生意気な憎まれ口を叩く三バカ兄弟。至近距離からこいつらの顔ひとつひとつにバズーカを撃ちたくなる。

　ぱいぱい「なんてこと言うのぉ、もう知らない！」
　カッとなって部屋を出て行くぱいぱいだったが、延々と続く争いに黙っていられず、もう一度説教に行く。だが、三人がつかみ合ったり、ぱいぱいを突き飛ばしたりしてるうちに、ゲーム機のコードが切れてしまい、遊べなくなる。

　ぱいぱい「なんか考えなさいよ、遊びくらい」
　アキラ「こいつらと遊べる遊びなんてねえよ」
　と、ぱいぱいが何かを思いついたように瞳を輝かせて「あるわよ！」と叫ぶ。

　
　ぱいぱい「あります、麻雀！」

　と言う訳で、女の子向け特撮ドラマでは、およそありえない展開になる。

　ぱいぱい「やり方なら教えて上げられるけど、牌ある？」
　アキラたちは父親の書斎をひっかきまわし、ひとつの麻雀セットを取ってきて、早速卓を囲む。

　
　三バカもすぐルールを覚え、すっかり麻雀にハマる。
　ぱいぱい「どう、面白いでしょ？」
　トオル「うん、最高」
　ぱいぱい「これなら順番争いもないし、4人一緒に遊べるでしょ？　麻雀はねえ、昔、中国の人が発明した偉大な遊びなの」

　その頃、もう2月だというのに着物を着た三軒茶屋のババァがしゃなりしゃなりと高山家に向かって歩いていた。
　ババァは、ぱいぱいがアキラたちに麻雀をさせているのを見て、烈火のごとく起こる。
　ババァ「ぱいぱい、あんたこの子たちの母親代わりでしょ？　それがまぁ、昼間っから麻雀だなんて……」
　ぱいぱい「あの、でも、今日は日曜日ですし」
　アキラ「そ、僕たち別にお金賭けてる訳じゃないし」
　トオル「大目に見てよ、おばちゃま」
　ババァ「いいえ、絶対に許しません！」

　
　ババァは麻雀をやめさせるだけで満足せず、その麻雀牌を橋の上から川にひとつ残らず投げ捨ててしまう。
　ババァ「あ、もう一回節分だぁ」

　柴田さん、イキイキしてるね！

　ババァは更に、ぱいぱいに夕食の献立を尋ね、ぱいぱいが「チンゲンサイとチャーシューの広東風炒め物ですけど」と答えると、

　
　ババァ「それがいけないっつーの！」
　ぱいぱい「ええっ？」（貼りたいだけ）

　
　ババァ「何が中華だい、麻雀も中華だろう？　ここは日本だよ、今日はあんたにね、日本の良さを仕込んであげる！　おいで！　お前たちも来い！」

　ババァ、ぱいぱいたちを引っ張って、自宅へ連れて行く。

　
　んで、まずは茶室で、ぱいぱいたちに茶を点てて見せる。

　しかし4人は慣れない正座で足が痺れて、茶道どころではない。

　
　ババァ「ぱいぱい、日本の味をしみじみ味わいなさい」

　ぱいぱい、恐る恐る茶碗を口に持って行く。が、一口含むと「にっがぁい」と咳き込んでしまう。

　と、隣のアキラが「あ、お茶って確か、中国から来たんじゃなかったかなぁ」と思い出したように言う。

　
　ババァ「あん？」
　ぱいぱい「……そう言えば、この天目茶碗も中国の天目山って山の名前から由来するんですよ、ね？」

　
　ババァ「うぐぅ～」

　思わぬ逆襲を受け、たちまち涙目になるババァ。
　ぱいぱいの手から茶碗をひったくると、庭に叩き付けて割ってしまう。

　
　ババァ「これを御覧なさい、これ、これ、これも、この仏像、これこそが日本の美だよ」

　棚に飾ってある焼き物や掛軸を指差し、白い仏像を手にして訴えるババァ。

　
　だが、トオルに「仏像？　仏教ってインドで生まれて中国・朝鮮を経て日本に来たんじゃなかったっけ？」と鋭く指摘される。

　ババァはヤケクソになって、仏像や焼き物も全部庭に投げ捨ててしまう。

　ここで、ぱいぱいが改まった調子で根本的な質問を投げる。

　
　ぱいぱい「おばさん、どうして中国をそう毛嫌いなさるんですか？」
　（物議を醸しそうな発言だなぁ……）

　だが、ババァは「うるさーい！」と感情的に叫ぶだけで、まともに答えられない。
　で、結局いつものように、「勝手なこと言ってくれてー、許さーん」と、ぱいぱいたちを追い掛け回すのだった。

　つづく。