「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」第4話 後編

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　第4話「さらわれたパイパイ」（1989年2月5日）
　の続きです。

　激怒したババァに追われ、家から飛び出して歩道を逃走するぱいぱいたち。

　
　ぱいぱいは、ちょうど前を歩いていた二人の男性にぶつかってしまう。
　ぱいぱい「ごめんなさい、あの、だいじょぶですか？」

　が、すぐ後ろからババァが物凄い形相で迫ってきたので、ぱいぱいは「あの、ごめんなさい」と相手の顔もろくに確かめず、走り去ってしまう。

　
　ヌルハチ「これだもんね」

　その二人、実はぱいぱいを付け狙うヌルハチとタクラマカンが変装したものだったのだ。

　ヌルハチ、ぱいぱいとぶつかった時に、ぱいぱいの魔法のコンパクトを抜き取り、代わりにニセモノのコンパクトをポケットに入れておいたのだ。

　ぱいぱいたちはなんとかババァの追撃を振り切り、家に戻って行男と一緒に昼ごはんを食べていたが、その最中、再びババァが、今度は薙刀を持って突っ込んでくる。

　ババァは、ぱいぱいを追いかけて家中を走り回る。

　たまらず、行男が仲裁しようとする。
　行男「お姉さん、やめてくださいよ。ぱいぱいは母親代わりとしてしっかりやってるじゃありませんか」

　ババァは行男の姉なのだ。

　ババァ「何が母親代わりです。昼間っから麻雀してる母親がありますか？」
　行男「麻雀？　……はっ」
　麻雀と聞いて、行男の顔色が変わる。慌てて麻雀セットを探すが、当然、見付からない。

　
　行男「ない、ここに麻雀の牌入れといたんだが、見なかったかね？」
　行男の言葉に、みんな俯いてしまう。

　行男「お前たちか？　ここにあるもの触っちゃいけないってあれほど言ってあるじゃないか！　誰がやったんだ？　タダじゃおかんぞ～」

　雲行きが怪しくなって、ババァも急にシュンとなってしまう。

　と、意を決してぱいぱいが「私です。すみません」と名乗り出て、アキラたちを庇う。
　行男「なにぃ」
　ぱいぱい「すいません！」
　行男「で、牌はどうしたんだ？」

　やむをえず、ババァが川に投げてしまったとありのままを話すぱいぱい。

　
　行男「姉さん、えらいことをしてくれましたね？　あの牌は私が中国の遺跡から発掘した、秦の始皇帝の使った牌なんですよ！」
　ババァ「秦の、始皇帝……」

　こと、発掘品に関しては人が変わる行男、いつになく厳しくババァを責める。

　横で聞いていたぱいぱい、小声で「あれえ？　そんな昔に麻雀なんてない筈だけど……」とつぶやく。
　トオルが「お父さんは信じ込んだらダメなの」と、これも小声でぱいぱいに教える。
　ぱいぱい「あっそう……」

　ぱいぱい「あのう、私が（牌を探しに）行きます！」
　行男「君が？」
　ぱいぱい「はい、その代わりお願いがあります。私が牌を見付けて来たら、ずっとこの家に居させて下さい」
　ババァ「いいとも、牌さえ返してくれたら、なんでもあんたの言うこと聞いてあげる。でもねえ、出来なかったら荷物まとめて出てくんだよ！」
　ぱいぱい「はい、分かりました」

　あれ……、でも、牌をガンガン川に投げ捨てたのは、

　
　他でもない、この人でしたよね。その人が何でこんなでかい態度を取れるんだろうね？　おかしいね。

　これを、行男が言うんなら分かるんだけどね。

　ぱいぱい、家を出て例の橋へ向かっていたが、途中の公園で、ヌルハチとタクラマカンに待ち伏せされる。

　
　逃げるぱいぱいを、ヌルハチが魔法の力を使ってロープで縛る。

　ぱいぱい「ウーラーナ、火の竜巻よ、起これ！　……起これ！」
　ぱいぱいは、魔法のコンパクトを手の平に載せて魔法を使おうとするが、何も起きない。

　
　ヌルハチ「そのコンパクトはニセモノ」
　タクラマカン「さっきすりかえさせていただきました」
　ぱいぱい「えっ！」

　ここで漸く、さっきぶつかったのが彼らの変装だったと気付くぱいぱい。

　ヌルハチ「今のあんたは魔法少女じゃない、ただのギャルよ」
　タクラマカン「ギャルよ！」

　ヌルハチはぱいぱいの体をぐるぐるに縛り上げると、あっという間に中華魔界へ連れて行く。

　
　カゴに乗せられ、ぱいぱいと結婚したがっている五目殿下のいる宮殿へ運ばれるぱいぱい。

　二人が一休みしている時に、ぱいぱいはアキラたちの姿をもう一度だけ見せて欲しいと頼む。
　優しいヌルハチは、魔法のコンパクトを開いて、下界の様子を見せてやる。

　
　コンパクトの中に、三バカ兄弟が浮かない顔を並べている。
　アキラ「困るよなぁ、ぱいぱいがいないと……」

　
　ぱいぱい「あんなに寂しそう。やっぱりあの子たち、あたしのこと慕ってくれてたんだ」

　温かい気持ちになるぱいぱいであったが……、

　
　トオル「3人じゃ麻雀できないし」
　アキラ「1人足りないんだよなぁ」
　シンゴ「ぱいぱいが必要だ」

　と言うオチがつくのだった。

　ぱいぱい「まぁ、あの子たちバカにしてるわ。だからって、中華魔界に……」
　ぱいぱいの脳裏に、五目殿下のおぞましい顔が浮かぶ。

　その幻影を振り払って、ぱいぱいは、二人に、気持ちが悪くなったので子豚に化けて、その愛くるしい姿で自分を癒してくれと、かなり無理のあるお願いをする。あくまで人の良いヌルハチとタクラマカンは、その願いを聞いて子豚になってしまう。

　ぱいぱいは、さっさと本物の魔法のコンパクトを取り戻すと、本来の姿に戻る。

　
　二人の上に檻を降ろし、「ようくお似合いよ、再見（ツァイチェン）！　またね」

　ぱいぱいは下界に戻ると、あの橋の上に立ち、魔法の力であっという間に捨てられた牌をひとつ残らず回収する。

　ぱいぱいは、麻雀セットを行男に渡すと、「おばさま、牌を取り戻したら何でもして下さるって仰いましたよね。じゃあ、麻雀を覚えてください。中華を理解して下さる為に」

　
　「冗談じゃない、嫌ですからね」と逃げようとするババァに、唇を真一文字に結んで迫るぱいぱいが可愛いのである！

　で、なんだかんだ言ってやり始めるとアキラたちより夢中になって麻雀に興じるババァだったと言う、ありがちなオチで終了。