第38話「レッドバロン火星に遭難」(1974年3月20日)
火星の宇宙鉄面党基地に監禁されている父親を救出すべく、レッドバロンで宇宙へ飛び立った健。だがその途中、あのデイモスZに自由を奪われ、火星基地へ連れて行かれる。

健は、地球のSSI本部へ無事だと連絡を入れてから、宇宙服を着て火星の大地に立つ。
いつもと同じところで撮影しているのだが、セピア色に加工してそれらしい雰囲気を出している。
健「レッドバロンは鉄面党の最大の敵だ。何故、ここまで無傷で運んできたんだろう?」

照明弾片手に進んでいくと、お馴染みのメカロボが襲い掛かってくる。
ここも、スローモーションにして重力の小さい火星の雰囲気を苦労して出している。
多勢に無勢で、健は彼らに捕まり、基地の奥へ連行される。

彼らが真っ先に健を連れて行ったのは、意外にも父・健太郎のいる部屋だった。

健太郎は、再会の握手を交わした後、息子が怪我をしているのを見て、激怒する。
健太郎「誰だ、私の息子に傷を負わせたのは? バカモノ、ふんっふんっ、丁重に出迎えろと言った筈だぞ」
健太郎はメカロボの隊長を鞭打ち、さらに杖に仕込んだ銃で射殺してしまう。
健は、奴隷のようにこき使われている筈の父が、まるで帝王のように振舞っているのを見て、驚きを隠せない。
健太郎「手紙のことは忘れなさい。あれはお前をここへ呼び寄せる為に書いたんだ」
健「なんですって」
健太郎「お前も今日からここで暮らすのだ。私の息子としてな」
健「何を言うんですか。父さんは鉄面党に魂まで売ってしまったんですか」
健太郎「人類はもうすぐ我ら鉄面党の奴隷となる」
健「我ら鉄面党? なんて情けない言葉を使うんですか!」
決死の思いで助けに来た父の、信じられない言動にショックを受ける健、その部屋を飛び出すと、追っ手を振り切ってレッドバロンの操縦席へ戻る。
デイモスZと戦うレッドバロンだったが、分離しておいたスペースウィングスを破壊されてしまう。それがないと、地球へ戻ることが出来ないのだ。

健は、新たに組み込まれた武器「レインボーショット」を初めて使う。
それはマーブルチョコのような七色の円盤を射出して敵の体に吸着させ、

爆破させるという物だった。
どう見ても木っ端微塵になっているのだが、健は「また消えた」とつぶやく。

健はとりあえずSSI本部へ連絡する。
真理「どうだった、お父様に会えた?」
健「……ああ」
真理「お元気?」
健「元気だよ。それより、スペースウィングスを破壊されてしまったんです」
真理「なんですって」
哲也「じゃあ、健は二度と地球に戻れない?」
三神「紅君、心配するな、代わりのスペースウィングスは何とか送れるようにする」

健「早いとこ頼みますよ、なにせ火星ってところは
パチンコ屋もないんですからねえ」
真理(……)
哲也(い、言うに事欠いて)
三神(パチンコ屋……)
およそ特撮ヒーロー番組の主人公らしからぬ発言に、「あちゃー」と言う顔をする面々であった(嘘)。
健、再びメカロボに捕まり、用意された部屋に案内される。

健太郎「ここがお前の部屋だ。何不自由なく暮らせる」
健「はっきり言っておくぜ、父さん、俺は鉄面党が憎い! こんなとこに住むくらいなら死んだほうがましだ」
健太郎「では私もはっきり言おう。今度勝手な行動を取ったら、息子でも容赦しない」

真理「三神博士、火星にスペースウィングスを送ることは可能ですか」
三神「不可能だ。スペースウィングスは一種の推進装置なんだ。火星まではとても」
真理「じゃあ健は?」
三神「……」
哲也「なんとかならないんですか。健は帰れるものとばかり思ってますよ」
三神「すぐ宇宙ロケットの建造に掛かったとしても1年は掛かります」
哲也「そんな長く火星で生きられる訳ないよ」
三神博士の言葉に、衝撃を受ける真理たち。

と、作戦室に突然、変な男が現れ「その心配は要りませんよ」と言葉を挟む。
ストッキングを被った通りすがりの変態、ではなく、宇宙鉄面党の使者だった。
男は、東京の街を歩くデイモスZの映像を見せて、レッドバロンのないSSIに降伏を勧める。
哲也、「これが答えだ」といきなり発砲するが、弾丸は男の体を突き抜け、後ろの操作盤に命中する。
男「ふふふふ、10分間待ちましょう。10分で地球の運命を決めて下さい」
男はデイモスZ同様、フッと姿を消す。
三神「分かったぞ、奴らは電送移動してるんだ。そうでなければ火星でレッドバロンと戦っていたロボットが、東京に現れる訳がない。待てよ、火星と地球を電送移動するには双方に受信装置と送信装置が要る」
真理「では、日本の何処かにも?」
三神「いや、東京の何処かにある筈だ」
熊野「その場所を探すのはワシに任せてくれ」
真理たちは、敢然とデイモスZに戦いを挑む。
10分を過ぎ、デイモスZは好き放題にビルを破壊していた。

デイモスZは、顔の部分が4種類に変化し、それに応じた様々な武器を操れる凶悪なロボットだった。
三神、真理、哲也はそれぞれの車両に乗って、デイモスZに砲撃を加える。
三神「顔が回転する時に隙が出来る。その時を狙うんだ」
哲也「やってみます」
真理「私が囮になるわ」

男勝りの真理、自ら囮になって敵に突っ込む。

真理「ああっ」
火炎攻撃を浴びて、車から投げ出されるのだが、

その際、実に可愛らしいパン チラを披露されている。

続けて大股開きで転がる。うってかわって豪快なパン チラである。
こういう多彩なパン チラがこの作品の最大の魅力と言えよう(言えるかバカ)。
真理「私に構わないで、撃って!」
こういう危険なアクションも、自ら演じている牧れいさんには頭が下がります。
哲也のバズーカ砲がデイモスZの顔に命中するが、さっきと同じように木っ端微塵になる。つまり、また逃げられたようだ。
火星の健は、鉄面党が小惑星フォボスにロケットエンジンのようなものをつけているのを見て気になり、部屋を抜け出して健太郎の執務室へ忍び込む。
健太郎のデスクを引っ掻き回し、フォボスを惑星ミサイルに改造して地球を攻撃しようと言う鉄面党の恐るべき計画を知った健、戦いを終えてSSI本部に戻ってきた真理たちにそのことを伝える。

健、通信の途中でメカロボに捕まり、健太郎の前に連行される。
健太郎「お前は鉄面党の秘密を地球に知らせた。極刑だ」
健「極刑だと? 母さんや兄さんが殺されたのを忘れたのか?」 そう言う健も、一緒に殺された弟・健三のことはすっかり忘れている模様。もっとも、視聴者もスタッフも忘れているので問題ない。
健「その死刑執行、あんたにやって貰おうか。魂まで鉄面党に売り渡した父親だ。息子を殺すことぐらい、訳はないだろう」
健太郎「極刑の者は苦しみながら死んでいく」
健太郎は黄金のリボルバーを取り出し、弾を一発だけこめて、引き金を引いていく。
覚悟を決めて銃口に向かう健であった……。
いよいよ次回、最終回である。