俺が正義だ「巨獣特捜ジャスピオン」セレクション 第45話 後編

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　第45話「おれはサタンゴースの息子だ」（1986年3月17日）
　の続きです。

　ジャスピオンとマッドギャランの最後の戦いが繰り広げられる。

　
　互いの剣をあわせたまま、

　
　コンクリートの壁を、火花を散らしながら走らせる。

　キャプでは分かりにくいが、とてもかっこいい映像である。

　ギルマーザや傭兵たちが加勢しようとするが、
　マ「手を出すなぁっ！　これはジャスピオンと俺との勝負だ！」

　その言葉に従い、ギルマーザたちは後ろへ下がる。

　
　マ「父上の夢、俺の夢、そうだ、超生命体の幕開けだ！」

　剣をまじえながら、本気モードになるマッドギャラン。
　この辺はもう完全に、二人の立場が逆転している感じである。

　マッドギャランを演じる春田氏は、かつて「ゴーグルファイブ」「ダイナマン」で熱血ヒーローを演じていたせいもあってか、悪役と言っても陰険な感じが全然しないんだよね。

　
　緊迫した戦いが続くが、途中でいきなり、アイアンウルフとジャルドブーマの追いかけっこが始まるのが折角の盛り上がりに水を差している。

　ま、今回は巨獣とダイレオンの戦いがないので、スポンサー対策かなぁ？

　
　それはともかく、その後のバトルも、様々な演出が使われていて、飽きない。

　マッドギャランに押されて、宙を滑空するように後退するジャスピオン。無論、ワイヤーで引っ張っているのだが。

　
　極めつけはこれ。

　高低差のある場所から、

　
　雄叫びを上げて同時に飛び上がり、位置を入れ替えて着地する。

　
　続けて、空を舞いながらビームを放つマッドギャラン。

　小さくて分かりにくいけどね。

　そしてトドメを刺そうと地面に倒れるジャスピオンに飛び掛るマッドギャラン、だが、

　
　逆に胴体を貫かれてしまう。

　それでもなんとか立ち上がり、戦おうとするマッドギャラン。

　
　マッドギャランからの視界も表示される。その視界も焦点が合わなくなる。

　
　地面に剣を突き立て、なんとか立ち上がろうとするマッドギャラン。
　マ「俺は超生命体だ。その超生命体が虫けら同然の人間に負ける筈がない。俺は勝つぅーっ！」

　
　ふらつきながらジャスピオンに向かおうとするマッドギャランだったが、ジャスピオンは情け容赦なく必殺「コズミックハーレー」を叩き込む。

　正義のヒーローの方が、悪役よりよほど残酷に見えることがあるが、これはその好例である。

　
　マ「俺はサタンゴースの息子だ！　良く聞け、俺は父上と二人で巨獣帝国を建設する。この地球は我らの物だ。偉大なるサタンゴースは俺の父上だ。俺もサタンゴースとなる。やがて大サタンゴースとなる！」

　激しく痙攣しながら、魂からの叫び声を放つマッドギャラン。
　悪人とは言え、ちゃんと理想を持ってその実現に努力する姿には敬服させられる。それに比べると、正義の戦士のジャスピオンが、エジンや銀河バイブルに言われるまま、受動的に悪と戦ってるだけの空虚な操り人形のような存在に思えてしまう。

　マッドギャランの体から発する光が、本当にサタンゴースの姿を形作る。
　それは瀕死のマッドギャランが見たかなわぬ夢であった。

　ただし、既に戦う力は尽きた。
　マッドギャラン、いや、二代目サタンゴースは一矢を報いることなく倒れ、

　
　変わり果てた姿となる……。

　と、地面を裂いて大サタンゴースが現れ、マッドギャランの死体を手の平に乗せて嘆く。
　大「息子よ……」

　ジャスピオンは勝利の余韻を味わうゆとりもなく、ダイレオンに搭乗して怒りに燃える大サタンゴースと向かい合うのだった。

　最終回へ続く。