「仮面ライダーアマゾン」第23話 前編

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　第23話「にせライダー対アマゾンライダー！！」（1975年3月22日）

　
　ガランダー帝国の開発したヘリウム爆弾により、八丈島南方で巨大な爆発が起こる。

　この映像、昔のライダー作品でちょくちょく出てくるが、元々は「仮面ライダー」のなんとか爆弾（ちゃんと調べろ）の映像だったと思うが？　「スカイライダー」でも、プラスアルファ爆弾（笑）の実験映像として使われていた。

　
　その報告を、「支配者」にするゼロ大帝。
　ゼロ「ああー、我らが全能の支配者に栄光あれ」
　支配者「ヘリウム爆弾実験の成功を祝おう。ヘリウム爆弾を東京に仕掛ければ京浜地帯はおろか、日本の1/3は焼け野が原になるだろう。その死の灰の上に、ガランダー帝国を築き上げるのだ。ただし、我らの持つヘリウム爆弾はあと1つだ。これに全てをかけ失敗することは許されんぞ」
　ゼロ「分かりました。万全を期します」

　ヘリウム爆弾は水爆の数十倍の威力があるえげつない核兵器なのだ。
　……しかし、何も「焼け野が原」にしなくてもねえ。そんな放射能まみれの廃墟の上に一からガランダー帝国を築き上げるって、めちゃくちゃ金と人手と時間がかかるぞ。

　分相応に、ヘリウム爆弾を使うぞと政府を脅して、金品を巻き上げるぐらいにしとけば良いのだ。

　
　さて、自宅でそのニュースに接したりつ子は、慌ててベッドで寝ているまさひこに、「大変なことが起こったのよ！」と呼びかける。何の反応もないので布団をめくると、

　
　そこにはまさひこならぬ、巨大なサンショウウオが横たわっていた。しかも「ぐーぐー」いびきまでかいて熟睡している。可愛い。

　びっくりして声も出ないりつ子、そこから逃げ出そうとするが、ちょうどまさひこが部屋に戻ってくる。
　まさひこ「どうしたの、姉ちゃん」
　りつ子「あああ……」

　
　やがてサンショウウオは、ガランダー最後の獣人、サンショウウオ獣人に変化する。

　二人が家の外へ出ると、

　
　いつものように、変態の黒ジューシャの皆さんが颯爽と登場する。

　なんか「アマゾン」って、毎回りつ子の家の玄関先で事件が起きている気がする……。

　だが、そこへおやっさんの車が突っ込んできて、二人を乗せて走り出す。
　と、りつ子がリアウィンドウに獣人の姿を見て悲鳴を上げる。

　
　おやっさんは車を止め、周囲を確かめるが、何の気配もない。

　りつ子の見間違えだろうとおやっさんが言った直後、前後から黒ジャーシャの乗ったトラックが急接近してきて、道を塞ぐ。

　
　アマゾン「待てえ！」

　続いてアマゾンも登場するが、実はこのアマゾン、サンショウウオ獣人が化けた姿なので、第一声の「待てえ！」は、別人の声のようである。

　偽アマゾンはりつ子たちを信用させる為、ジューシャたちを全員殴り飛ばす。

　
　立花「実はな、この子たちの家がガランダーの獣人に襲われたんだ。もうあの家は危険だからな、隠れ家を探そうと思って……」
　偽アマゾン「よし俺が案内しよう」
　立花「そうか、そりゃありがたい。これに乗ってくれ。ジャングラーも良いが、たまにはこんなのも良いだろう」

　改めて車に乗り込む面々。
　ほんとは邪魔なトラックをどかさないといけないのだが、展開がもたつくので省略されている。

　
　助手席に座った偽アマゾン、「早く出せ」と、本物のアマゾンなら言いそうもない台詞を、横柄な口調で言う。

　一瞬、おやっさんも固まるが、「う、うん」と、とりあえず車を出す。

　アマゾンの指示で、車は人気のない造成地へ。

　立花「（ヘリウム爆弾は）俺の想像だが、ひょっとしたらガランダーの仕業かも知れんぞ。お前どう思う？」
　偽アマゾン「ふははははははっ」
　立花「何がおかしい？　あの実験で被害を受けることを思ったら……」
　偽アマゾン「さすがだな、立花藤兵衛」

　ここで偽アマゾンの声が、サンショウウオ獣人の声に変わる。

　おやっさん、思わずブレーキを踏む。

　

　
　偽アマゾン、おやっさん、りつ子、それぞれ緊迫した顔で見詰め合う。
　この無言の数瞬はなかなかスリリングだ。

　
　まさひこはひたすら可愛い。

　偽アマゾン「お前の言うとおり、あの実験は我らガランダー帝国がやったのだ」
　偽アマゾン、獣人の姿に変わる。

　立花「貴様、ガランダーの獣人！」
　獣人「そのとおり、娘と子供はさらっていく」

　あわれ、おやっさんだけ車から突き飛ばされて、おいてけぼりを食う。

　なんでおやっさんもついでに拉致しなかったのか、謎であるが……。

　そもそも今回、ガランダーの方からわざわざアマゾンたちにちょっかいを出しているのも意味不明である。一応、人質を使ってアマゾンをおびき出す、と言う作戦らしいが、別にアマゾンに気付かれてないんだから、アマゾンなんか相手にしないで粛々とヘリウム爆弾を仕掛ければ良いだけなのでは？
　（……と思ったが、アマゾンは何故か既にヘリウム爆弾がガランダーの仕業だと知って、アジトを探し回っていたことが後に判明する）

　それはともかく、おやっさんがよろめきながら歩いていると、今度は本物のアマゾンがジャングラーでやってくる。

　
　立花「アマゾン！」
　アマゾン「おやっさん、そんなところで一体何をしてるんだ？」

　一瞬喜ぶおやっさんだったが、すぐ険しい顔になり、「貴様、ガランダーの獣人！」とお約束の反応を示す。また偽アマゾンだと思ったのだ。

　……でも、論理的に考えて、今放り出した男のところへ、またアマゾンに化けて戻ってくる意味があるか？

　
　だが、おやっさんは論理的に考えない人だったので、あくまで相手を偽アマゾンだと決め付けて掴みかかる。

　アマゾン「何をするんだ、良く見ろ、本物だ！」
　立花「……」

　ここでおやっさんが、アマゾンの澄んだ目を見て、「おお、本物のアマゾンか、すまんすまん」となれば、二人の麗しい信頼関係も確かめられるのだが、

　立花「じゃあ本物と言う証拠があるか？」
　と、味も素っ気もない反応。

　アマゾン「そいつにギギの腕輪があったか？」
　そう問われて、やっとおやっさん、偽アマゾンに腕輪がなかったことを思い出す。

　しかし、サンショウウオ獣人、形態変化できるのなら、腕輪も再現して変身できそうなものだけどね。

　アマゾンは二人が連れ去られたと聞き、ジャングラーで後を追う。

　つづく。