第18話「運が良ければ次期社長」(1979年10月21日)
ダーツがバイトをしているディスコ、いつもながら盛り上がっている。
店の女の子がダーツに、ガールフレンドの智子(真行寺君枝)が会いに来たと知らせに来るのだが、

その女の子、実は高橋ひとみさんなのだった。台詞もほとんどない、このシーンだけの端役である。
ダーツ、智子とフロアの真ん中に進み出て、楽しそうに踊る。
だが、そんな彼らの様子を盗み撮りしている者がいた……。
それを撮らせたのは智子の父親、菊村健三、菊村コンツェルンの社長であった。
菊村は、娘が変な男と付き合っているのではないかと心配で、ダーツ、つまり入江省三の身辺調査をして貰いたいと、ある私立探偵に依頼する。その探偵と言うのが、

他ならぬ麻生雅人だった。
ダーツの写真を見せられ、思わず目を見交わす麻生とユーコ。
麻生「なるほど、悪い虫みたいな男ですね、こりゃ」
智子は赤坂のマンションで一人暮らしをしているらしい。菊村はとりあえず調査費として50万をポンと渡す。

仲間の身辺調査を依頼されて戸惑う麻生だったが、ユーコは何の迷いもなく仕事を受けさせる。
麻生(カメラに向かって)「女はコワイ!」

さて、ナビとジュンは、テレビ局のバイト中。
久しぶりに登場の秋野太作と福崎和宏のコンピ。大スターを迎えて、ヴィーナス味噌のコマーシャルフィルムを撮っている。
大スター「僕この後、新幹線に乗らなきゃいけないのよ」
秋野「京都の時代劇でございますか」
大スター「気が進まなかったんだけど、ギャラがいいもんで」
大スターを演じるのは、イデ隊員でお馴染み、二瓶正也さん。
二人は、ユーコからの電話を受けると、仕事をほったらかして事務所へ向かう。
依頼内容を聞いて、ナビは、「仲間のプライバシーを調べるなんて陰険だ」と反発する。ジュンは、仲間のダーツのことなので、適当な報告書をでっち上げれば済む筈だと意見を述べる。だが、麻生は探偵としてそんな手抜きは出来ないと、あくまで本気でダーツの身辺調査をするつもりらしい。
二人はいよいよ反対し、さっさと帰ろうとするが、ユーコが引き止める。もし、ダーツが菊村コンツェルンの一人娘と結婚することになれば……?
ジュン「菊村コンツェルンの次期社長?」
麻生「そうなると、一体俺たちはどういうことになる?」

麻生の言葉に、未来の自分たちの姿を思い浮かべる一同。
ダーツが社長で、ナビが専務、ジュンが常務、そして何故か麻生が部長の椅子に座っている。
ユーコが現れ、麻生たちを素通りしてダーツの膝の上に乗る。

そして、アホみたいにでかい葉巻をくわえるダーツ。葉巻と言うより、サツマイモだ。
そして、アホみたいにでかいライターでそれに火をつけるユーコ。その後、ダーツにキスまでする。

麻生「なはははは」
ナビ「俺たちの生活はすっかり安定するだろう」
ジュン「シワの出来ない悠々自適の生活」
麻生「子供の頃から夢見ていたな、バラ色の老後だ!」 何と言う夢のない台詞だろう(詠嘆)
結局、ナビとジュンもその話に乗ることになる。
……しかし、仮にダーツが社長になったからって、麻生たちが重役になれるとは思えないけどね。
で、早速ナビとジュンが、ダーツのアパートの前に張り込んで、その生活を監視する。

巨大なラジカセを担いで、音楽をかけながら道を歩くダーツ。

定食屋でメシ食ってるダーツを、女装(オカマ?)したナビとジュンが見張っている。
ジュン(店員に)「何ジロジロ見てんのよ、私たち見世物じゃないのよ」
ナビ「不愉快ねー」

こちらを見ているダーツに、えげつない笑みを投げるナビ。
ダーツ、思わず吐きそうになる。ただし、二人だとは気付かない。

更に、その格好のまま往来を走る二人。いやー、立派です。
麻生「なんだ、あれは?」
車で待っていた麻生、思わず叫ぶ。

麻生「どうだった、ダーツは?」
ナビ「ちょいと気付かれそうになってね、けど、俺たちがあんまり美しいもんだからね、あの野郎、ボーッと見とれてやんの……ちょっとキャプテン、何を怯えてんのよ?」
麻生、怖くて二人の顔を正視できないのだった。
その夜、いつものようにディスコで踊っているダーツと智子。
ユーコが、気付かれないように近くから二人を窺っている。
だが、ちょうどミス・キャステル(?)と言うイベントがあって、スポットライトの当たった女の子はダーツと踊らなくちゃいけないのだが、たまたまそれがユーコに当たってしまう。

ユーコ、適当なことを言って誤魔化し、智子の前でダーツとしっとり踊る。BGMは「いとしのエリー」。
当然、智子は面白くない。
ユーコは、二人の関係を試そうと、わざとダーツといちゃいちゃして見せる。智子は我慢できなくなってダーツを引っ張って店を出て行ってしまう。

翌日、美女オーラをまとって出勤するユーコさん。

麻生とジュンが「おはようございます、姫!」と頭を下げるのも納得の美しさである。
やがて、菊村が経過報告を聞きに事務所を訪れる。
なにしろ金持ちの依頼人と言うことで、麻生たちも最敬礼で出迎え、極上のコーヒーでもてなす。
菊村(報告書を読む)「朝は8時に起床で図書館で勉強か……、なかなか良い青年のようだな」
麻生「この入江と言う青年はですね、大変苦学でございまして、少年時代は新聞配達、牛乳配達、涙なくしては語れない……」
菊村「見上げたもんだなぁ」
ジュン「この青年、見た目はしんどいですが、なかなか苦学の青年でして」
菊村「ワシも少年時代、苦学をして過ごしたんだ」
無論、報告書の内容はデタラメである。麻生たちは、父親の信用を勝ち得て、ダーツと智子を結婚させようと企んでいるのだ。
菊村は、引き続き、今度は二人の関係がどうなっているのか調べて欲しいと、追加費用として20万をポンと出す。その際、

ユーコ(調査費は)「現在、少し足が出ております」
麻生「足?」

麻生「あ、ほんとだ」
ユーコ「キャプテン!」
と、麻生がユーコのスカートの裾を開こうとするシーンがある。
このドラマとしてはなかなか際どい。
その後、麻生たち三人は智子のマンションに侵入し、盗聴器を仕掛けようとする。が、何処に仕掛けるか悩んでいるうちにダーツと智子が帰ってきてしまう。三人は慌ててカーテンの後ろに隠れる。

智子に「カーテン閉めて、部屋を暗くしてぇ」と言われ、ドギマギするダーツ。
更に、下着姿になった智子に迫られ、「もっと健康的なことしようよ」と、怖気付く。意外と純情。
だが、智子は色仕掛けでダーツに迫りながら、「私の為に2億円を盗んで欲しい」と、とんでもないことを言い出す。しかも、それは自分の父親の金で、盗んでも罪にはならない金だと。
つづく。