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獅子の瞳が燃えて「ウルトラマンレオ」第23話


 第23話「ベッドから落ちたいたずら星人」(1974年9月13日)

 「レオ」の中でも特にメルヘンチックでコミカルな一本である。

 冒頭、音楽が好きで陽気なコロ星人のひとりが、ベッド型宇宙船の上で宇宙遊泳を楽しんでいたが、ふとした弾みでベッドから落ち、地球の引力圏に吸い込まれてしまう。

 宇宙空間で「落ちる」と言うのもアレだが……。

 一方、地球(日本)では、トオルたちが空き地に放置してある廃バスを基地に見立て、リトルMAC隊ごっこをして遊んでいた。

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 トオル「敬礼!」
 隊長(昭男)「よし、ごくろう、これから全員の任務を言う。女子隊員はパトロール、京一隊員は隊長車の掃除、トオル隊員は本部の掃除!」
 トオル「ええっ、またかい」
 隊長「イヤなら、おやつはなしだぜ」
 トオル「分かったよ、パン屋には勝てねえや」

 隊長に扮した昭男の家はパン屋で、彼らはそこから支給されるパンを楽しみにしているのだ。ああ、牧歌的。
 ちなみに、昭男、木材を杖代わりにして、ちゃんとダン隊長の真似をしている。

 やがて、その空き地に主人を失ったベッド型宇宙船が舞い降りる。

 続いて、パトロールに出ていたカオルたちが、変な生き物がいると知らせに来る。

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 目玉のついた尻尾のようなものが地面から突き出ていて、子供たちが総出で土を掘り返すと、その中からあのコロ星人がひょっこり顔を出す。

 コロ「感謝、感謝」
 ほっぺたが赤くて可愛いコロ星人、演じるのは増田康好さん(後の「スケバン刑事」の三平)。ただし、声は全て高橋和枝さんによる吹き替え。

 高橋和枝さんと言えば、そう、2代目カツオの声を演じていた人だ。つまり、間接的であるが、この時点で3代目カツオの声の冨永みーなさん(カオル)と共演していたことになる。不思議な巡り合わせよね。

 コロ星人は空腹を訴え、その場にぶっ倒れる。子供たちは彼を廃バスに運んで、昭男の用意していたドーナツを食べさせる。コロ星人は昭男の家のドーナツを全て平らげてしまう。

 昭男「お前の住んでる星はなんて星だ?」
 コロ「コロ星、最高の星よ、地球より2000年は進んでる」
 トオル「良く言うよ、尻尾があるくせに」
 コロ「それは発信尻尾、怪獣レンボラーをコントロールする発信機」
 京一「嘘つけぇ」
 コロ「コロ星人、嘘つかない」

 昭男たちにレンボラーを呼んで見せろとせがまれ、コロ星人も仕方なく立ち上がる。

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 コロ(振り向いて)「でも、ちょっとだけよ手書きハート

 コロ星人、「レンボラー!」と叫び、尻尾の先端から電波を発信する。

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 だが、レンボラーがなかなか現れないので、少年たちはコロ星人を嘘つき呼ばわりする。
 京一(カオルに)「これで大人なんだってさ、子供が43人、孫が62人だって」
 カオル「へーーーっ」
 コロ「曾孫が14人よ」
 京一「またまた嘘をつくぅ! もし怪獣が来なかったらぶっ飛ばしてやるからな!」

 だが、その直後、宇宙空間で待機していたレンボラーが降下してくる。

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 京一「あっ、来たーっ」

 この京一クンの風貌も、実に味わい深い。

 子供たち、慌てて逃げようとして、パトロール中のゲンも駆けつける。

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 だが、レンボラーは完全にコロ星人にコントロールされていて、命じられるままに珍妙なポーズを取ったり、宙返りをしたりする。

 子供たちは拍手喝采。ゲンはコロ星人にレンボラーをすぐ帰らせるよう指示し、コロ星人も従おうとするが、

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 ここで急に悪戯心を起こした昭男が、「この発信尻尾があれば、僕だって」と、コロ星人の尻尾を全力で引き抜こうとする。そうしないと話が進まないからかもしれないが、この行動はちょっと不自然だ。

 コロ星人は抵抗するが、結局尻尾がポンと抜けてしまう。
 それと同時にレンボラーは怪獣本来の攻撃性を取り戻し、ビルを破壊し始める。

 MACは(一応それで給料貰ってる手前もあるので)マッキーで怪獣を攻撃するが、いつものように何の役にも立たない。だが、レンボラーが苦手な雨が降り出したので、レンボラーは退散し、MACも撃墜されずに済む。

 雨が上がり、綺麗な虹が出来る。と、虹が好物と言うレンボラーが再び飛来して、虹をガジガジ齧って行く。

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 その様子を見上げる子供たち。

 雨に濡れて、昭男がブラつけてるように見える……。俺様、疲れてるのか?

 コロ星人が、早く尻尾を生やす為に逆立ちしている間、ゲンはレオに変身してレンボラーと戦う。

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 その戦いをノリノリで観戦する子供たち。可愛い。

 今回はバトルもコミカルで、トオルが「よし、レオ、今度はボクシングだ!」と叫ぶと、

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 互いにボクシングの選手っぽい動作をして、律儀にどつきあうのだった。

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 その合間合間に、カオルが小さなラウンドガールを演じるのがこれまた可愛い。

 激戦の末、レンボラーは泡吹いてぶっ倒れるが、コロ星人はタイムを要求する。

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 レオ「よし、君の尻尾が生えるまで待ってやろう」
 レオ、ゲンの声で答える。こういうのはかなり珍しい気がする。

 レンボラーは体を鎖でぐるぐる巻きにされる。コロ星人は夜を徹して逆立ちして、一刻も早く尻尾を生やそうと努力し、昭男やトオルたちも付き合う。

 翌朝、目覚めたレンボラーは鎖を引き千切り、再び暴れ出す。MACも、死にそうな形相で攻撃するが、全く何の役にも立たない。MACだからね。

 ゲンがもう一度レオになって戦っているうちに、やっとコロ星人の尻尾が元通りになる。

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 コロ「謝れー、謝れー」
 コロ星人の呼びかけに、ぺこぺこ頭を下げ、倒した鉄塔を直そうとする健気なレンボラーであった。

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 ラスト、コロ星人との別れを惜しむトオルたち。
 ダン「これに懲りて悪戯はやめるんだぞ」
 コロ「はい、レンボラーも反省して帰りました。私も反省してます」
 昭男「お、俺も……、これ持ってってくれよ」
 昭男、ドーナツの入った袋を渡す。

 コロ「感謝、感謝、それでは地球の皆さん、さようなら、オオトリさん、さようなら」
 コロ星人、ゲンがレオだと知っていて、こんな言い方をしたのだろうか?

 コロ星人を乗せたベッドが、ゆらゆらと浮上して行く。

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 肩の荷を降ろしたような顔になるダンとゲン。
 ゲン「ふーっ、これでやれやれだ」
 ダン「帰りに特訓でもするか?」
 ゲン「いいっすね!」(信じないように)

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 竹竿の先にぶら下げたラジカセからフィンガー5の「学園天国」を鳴らしたり、たくさんのドーナツを吊るしたり、またコロ星人がやって来ないかと心待ちにする子供たちの姿を映しつつ、幕であります。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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