第50話「将軍は二度死す」(1981年1月24日)
冒頭、下校中の三太たちが、無人の車に追いかけられる。

子供たちが必死に(半笑いの奴もいるけど)逃げ回っている頃、我らがデンジマンたちは、
これ以上ないと言うほどリラックスしていた。 さらに、黄山がコーヒーを運んでくる。

青梅「これにはアンパンが最高なんだよな。あれ、アンパンがない。おい、アイシー、お前食ったろ?」
アイシーに詰め寄る青梅に対し、
アイシー「アホか」 青梅「あ、あは……」
アイシー「子供たちが危険だ、急げ!」

なんだか良く分からないが、アイシーの号令で外へ飛び出す5人。と、ちょうど子供たちが無人車に追われているのが見えた。
赤城「デンジスパーク!」
4人「……」
赤城「おまいら、なんでスパークしないの?」 冗談のようだが、実際、赤城だけレッドに変身して、他の4人はそのままなのだ。
スケジュールか何かの都合だろうか。

レッド、突進してくる車を受け止める。
レッド「うん、だからおまいら、なんで見てるだけなの?」 で、場所が公園の中に移ると、やっと他の4人も変身する。
無論、無人車の暴走はベーダーの仕業だった。続いて、ダストラーたちが襲ってくるが、デンジマンの敵ではない。
戦いの後、
赤城「近頃の事件にいずれも怪物が登場していない。ダストラーが主体だ」
あきら「今まで、怪物抜きの襲撃はなかったわね」
緑川「ああ、やり方も凶暴化してるし、
子供まで巻き込んでる」(いつものことだろ)
青梅(アンパンを頬張りながら)「ベーダーの奴、焦ってるって感じだな」
黄山「お前も焦って食ってるって感じだよ」
アイシー「諸君、ベーダー一族に何かが起こったのだ」
ベーダー城では、再び玉座にバンリキ魔王が居座り、片腕のバンリキモンスと共に、好き勝手に振る舞っていた。ヘドリアン女王たちは幽閉も処刑もされず、その場に留められている。彼らのはらわたが怒りと屈辱で煮え滾っているのは言うまでもない。
だが、バンリキモンスの強力な念力の前に、ヘドラー将軍も抵抗できない。
そのうち、バンリキ魔王は、特攻部隊を編成して、デンジマンを倒して来いとヘドラーに命じる。

たったひとりで出撃しようとするヘドラーを、女王は止める。
女王「ヘドラー将軍、行ってはいけません、犬死は許しません。魔王の挑発に乗ってはいけません」
ヘドラー「デンジマンと刺し違えて死ねたら、本望です」
女王「ヘドラー……」
ヘドラー「では、行って参ります!」
悲愴な覚悟を眼差しに込めて、ヘドラー将軍は出撃する。
で、あっさりやられる。あらやだ。
おまけに、レッドに助けられ、捕虜にされそうになる。
だが、直前にバンリキ魔王によって回収される。

魔王「腰抜けが、お前それでも軍人か」
ヘドラー「もう一度チャンスをくれ。今度こそ倒して見せる」
魔王「うるさい、このくたばりぞこないが! お前のような腰抜けに何が出来る!」
と、バンリキ魔王に罵られ、足蹴にされる。
女王、思わずバンリキ魔王を突き飛ばし、「あまりにも無体な」と、ヘドラー将軍を抱き起こす。
魔王「ケッ、乳離れしねえ坊やだ」
バンリキ魔王、悠々、モンスを引き連れて出陣する。

デンジマンたちに、のんびり釣りをしているところを見せて挑発する魔王。
5人はすぐに出動する。
魔王「ようこそ、デンジマン」
5人「……」
魔王「お忘れかな? 宇宙の用心棒、バンリキ魔王!」
5人(そう言えばいたな、そんなのが……)
考えたら、バンリキ魔王、初登場時にデンジマンを苦しめて以来、全然前線には出てなかったからね。
レッド「貴様、ベーダーを支配したな」
魔王「そういうことだ」

ここでサッと5人がポーズを取るのだが、ブルーはどう考えてもバンリキ魔王のことを小馬鹿にしている。
戦いになるが、バンリキ魔王のパワーとバンリキモンスの念力に、5人は苦戦を強いられる。

必殺デンジブーメランすら、モンスの念力で跳ね返される始末。
モニターで戦いの様子を見ていた女王たち、このままデンジマンが二人に倒されるのではないかと危ぶむ。
ヘドラー、改まった調子で、
「ヘドラーめに、ベーダーの剣を授けて下さい」と、申し出る。
女王「なに、ベーダーの剣? ヘドラー、そなた自らを怪物と化すつもりか」
ヘドラー「悔しくてなりません! 電子戦隊を倒すのは我らベーダーでなければなりません。バンリキ魔王に手柄を立てられるくらいなら……」
女王「……」
互いに瞳を潤ませて、見詰め合う主従。
女王も、ヘドラーの熱意に折れて、ベーダーの剣なる武器を異次元空間から招き寄せ、ヘドラーに授ける。
女王「存分に戦うが良い」
ヘドラー「はっ」
ヘドラーは戦場に現れ、ベーダーの剣を抜く。
ヘドラー「その勝負、ワシが預った!」

刀身が白い光を放つや、その魔力で、ヘドラーの体があっという間に巨大化する。
そう、ベーダーの剣は、それを持つものを巨人に変える宝剣だったのだ。
バンリキ魔王も、その場はヘドラーに任せて、退却する。
で、ダイデンジンと巨大ヘドラーと言う、異色の対決が繰り広げられる。
バンリキ魔王も巨大化してダイデンジンと戦ったことがあるが、キャストが顔出しして巨大ロボットと戦うと言う演出は、「サンバルカン」以降では見られなくなると思うが……。

レッド「電子満月斬り!」
ダイデンジンの必殺技をベーダーの剣で受け止めるヘドラー。
ヘドラー「あれ?」 こうして、ヘドラー将軍は特に何の見せ場も作れないまま、お星様になる。

だが、その潔い死に様に、
レッド「ヘドラー将軍に敬礼!」と、デンジマンたちも敬意を表さずにいられないのだった。

ラスト、海岸で夕陽を見ている5人。

あきら「わあ、綺麗!」
黄山「ふっ、綺麗だな」
緑川「俺には血の色に見えるな」
青梅「お、おい、変なこと言うなよ」
いよいよ次回、最終回である。
ところで、サブタイトルに「二度死す」ってあるから、てっきりヘドラーは一回倒されても復活するのかと思っていたが、特にそう言うことはなかったのがちょっと残念。