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「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話「幽霊になったパパ」(リライト版)



 第7話「幽霊になったパパ」(1982年3月20日)

 ※この記事は2015年7月19日に公開した記事を全面的に書き直したものです。

 海辺に建つ、電子工学博士・成田の自宅兼研究所。

 
 その研究室で、成田が頭にたくさんのコードをつなぎ、コンピューターに向かってガチャガチャ、キーを叩いていた。

 タケシ「お父さん、お父さん……お父さんったら」

 
 横から何度も呼ばれてやっと振り向くと、息子のタケシが立っていた。

 
 タケシ「そろそろ職安に行く時間だよ」

 じゃなくて、

 成田「タケシ、遂に成功したぞ、感じるコンピューターが完成したんだ」
 タケシ「感じるコンピューター?」

 
 成田「ああ、コンピューターも心や気持ちが分かるようになったんだ」
 タケシ「……」
 成田「たとえばだよ、どんなに離れていてもこういう脳波の発信機があるとお父さんの気持ちがこいつに伝わるんだ」
 タケシ「へー、すごいなー、よくわかんないけど

 視聴者の気持ちを代弁する、なかなか素直なタケシ少年であった。

 ま、実際、えらい自信たっぷりだが、具体的にどんなコンピューターなのかさっぱり分からない。

 それに、成田の説明では、コンピューターが人の気持ちを理解するというより、単に、人の脳波を受信できるだけってことになりそうだが……

 タケシは、買い物に行ってる母親に早く知らせてやろうと、父親の手を引っ張るようにして研究室を出て行くが、窓の外にデスダークの戦闘員がいて、中の様子をうかがっていた。

 
 タケシ「父さん、早く早く」
 
 トンネル状になった海蝕洞窟の中を通って、父親を先導するタケシ。

 いや、さすがにこんな道を通って主婦が買い物には行かんだろ。

 いくら三浦海岸(?)でロケしているとは言え、不自然きわまりない。

 やがて、岩がちの入り江をまたぐように架けられたコンクリート製の歩道橋の向こうから、買い物カゴからネギを出した母親が帰ってくるのが見えた。

 と、タケシと離れて歩いていた成田の前に、マズルカと戦闘員が立ちはだかる。

 
 成田「な、なんだ、君たちは……恥ずかしくないのか?
 マズルカ「ふふふ、やれーっ!!」

 マズルカが命じると、崖の上から顔のでかい化け猫のようなモズーが飛び降りてきて、成田を海へ突き落とす。

 悲鳴を聞き、母親とタケシが駆けつけたときには、すでにマズルカたちは消えており、直下の海面に、成田の白衣がクラゲのように浮かんでいるだけだった。

 母親「あなたーっ!!」
 タケシ「お父さんーっ!!」

 ちょうどその頃、ミキと黄島が車で付近をパトロールしていたが、人間離れした聴覚を持つ黄島が、二人の声をキャッチする。

 
 黄島「ちょっと停めて」
 ミキ「どうしたの?」
 黄島「誰かが呼んでる」
 ミキ「えっ?」

 
 怪訝そうに首を傾げるミキ。

 ……

 そうじゃ、貼りたいだけなんじゃ。

 しかし、黄島の超人的な聴力が生得的なものとすれば、ヘッドフォンのようにボリュームの調節は出来ないのだから、良いことばかりじゃなく、聞きたくない音まで拾ってしまい、日常生活に支障が出そうな気もする。

 二人は車を降りて岩場に上がり、タケシたちのところへ駆け寄る。

 
 黄島「どうしたんです」
 母親「主人が海に落ちたんです」
 黄島「ええっ」

 ミキ、特撮ヒロインとしては完璧超人に近いのだが、ただひとつ、絶対にミニスカを履いてくれないのが極めて残念である。

 成田は、デスダークのアジトで目を覚ます。

 
 成田「お前たちは誰だ、ここは何処だ」
 マズルカ「科学帝国デスダークのアジトよ」
 成田「何をする気だ」
 マズルカ「死んでもらう」
 成田「ええっ」
 イガアナ「正確には仮死状態になってもらう、仮死状態となったお前から魂を抜き出し、私の素晴らしい発明の幽霊コントロールマシンに送り込む」
 マズルカ「そうするとお前の魂のエネルギーはネコモズーに乗り移って、ネコモズーは幽霊になる」
 イガアナ「コンピューターに心を通じさせようとし続けてきたお前の頭脳でなくては出来ぬことなのだ」
 成田「すいません、最初からもう一回説明して下さい」
 マズルカ&イガアナ「……」

 ……と言うのは嘘だが、何度聞いても意味が分からないのは事実である。

 ま、別に成田にシステムを説明する必要はないんだけど、無論、視聴者のためである。

 あと、前掛けの竜のイラストがラブリーなイガちゃん、「素晴らしい幽霊コントロールマシン」って自画自賛してるけど、「コンピューターに心を通じさせようとし続けてきた」人間の頭脳が必須って、めちゃくちゃ中途半端な製品だよね。

 第一、「コンピューターに心を通じさせようとし続けてきた」人間なんて、世界中探したってそうそういないだろうし、そもそもどうやって探せばいいんだ?

 魂を抜き取ってコントロールマシンに送り込むだけなら、誰の魂だって構わないと思うんだけどね。

 とにかく今回のシナリオ、この基本的な設定が曖昧過ぎて、話に乗れないのが欠点だ。

 一方、当然ながらタケシは、父親のことを思ってメソメソ泣いていた。

 その後ろ姿を痛ましそうに見ている黄島たち。

 と、タケシが振り向き、

 
 タケシ「ねえ、聞こえなかった、お父さんの声?」
 母親「タケシ……」
 タケシ「お父さんは死んじゃいないよ、お父さんが呼んでたんだ」
 ミキ「ほんとに聞こえた?」
 黄島「まさか、いくら俺の耳が良くたって、タケシ君の気のせいだよ。お父さんが死んだなんて信じられないんだよ」

 この段階では、二人にも成田が誤って転落したとしか思えず、父親生存説を訴えるタケシにも掛ける言葉が見付からなかった。

 ……

 いや、警察に通報しろよ。

 あと、「ほんとに聞こえた?」と言う台詞、ちょっとおかしくないか?

 アジトでは、電気ショックで成田が仮死状態となっていた。

 
 イガアナ「絶好の仮死状態だ、ネコモズー、ゆけい」
 ネコモズー「ははっ、おまかせをー」
 イガアナ「スタート!!」

 イガアナに言われて、ネコモズーが幽霊コントロールマシンの中に立つ。

 「絶好の仮死状態」と言うのもアレだな……

 
 メカが起動すると、仮死状態の成田の魂が吸い出され、それによってネコモズーが幽体化(?)して、何処かへ転送される。

 うむ、何度見ても良く分からない。

 ネコモズーはまず、東日本太陽熱発電所に侵入する。

 
 ネコモズー「にゃーっ!!」

 いかにも化け猫の怪人らしく、バカでかい顔になって所員をおどかす。

 
 所員「うわーっ!! ば、化け猫だ」

 で、以前も書いたように、この左側の所員が、下積み時代の唐沢寿明さんなのである。

 ネコモズーは所員を殴り倒すと、ビームを放って施設を破壊する。

 ちなみにネコモズーの声は西尾徳さんなのだが、たまに穂積隆信さんの声に聞こえるのは、管理人だけだろうか?

 直ちにゴーグルファイブが出動するが、

 
 幽霊となったネコモズーの体はどんな攻撃も手応えがなく、ゴーグルビクトリーフラッシュさえ効かない。

 ネコモズー「にゃんともない!! にゃはははは」

 しかし、だとすれば、ネコモズーからも物理的な干渉は出来ない筈なのだが、さっきは普通に所員をぶっ飛ばしてるんだよねえ。

 それとも、自由自在に実体化と幽体化を切り替えられるのだろうか?

 無敵のネコモズーだったが、そのエネルギーの源である成田博士が苦しみだしたので、イガアナは一旦退却させる。

 とにかく仕組みの分かりにくい装置だが、イガアナたちの説明が正しければ、ネコモズーの体には成田の魂が宿っていることになり、だとすれば、その言動に成田の性格が影響しそうなものだけどね。

 その後もネコモズーは、次々と未来エネルギー関連施設に出没しては、破壊の限りを尽くす。

 なぜ、未来エネルギー施設限定なのか、よく分からない。

 相手が幽霊では手の打ちようがないゴーグルファイブだったが、タケシから耳寄りな情報を得る。

 ネコモズーが暴れている間、例の脳波受信装置が作動していたと言うのだ。

 
 黄島「ほんとうに、何もしないのに動き出したのかい」
 タケシ「お父さんが動かしているんだ」
 母親「タケシ、もうその話はおやめなさい」
 タケシ「お母さん、お父さんは言ったんだ、これは心が通うコンピューターだって……」
 母親「……」

 などと言ってるそばから、またしてもオシロスコープに大きな波が生じる。

 タケシ「あっ、お父さんだ、ほら、呼んでる、僕のことを呼んでるんだ」
 黄島「タケシ君、お母さん、このコンピューターを調べさせて下さい!!」

 黄島は二人にお願いして、そのコンピューターを未来科学研究所に運び込む。

 しかし、今回の事件、いまのところ、成田博士の行方不明とネコモズーの破壊活動との関連性が全く見当たらないので、そこまでやるだろうかと言う気がしなくもない。

 たとえば、オシログラフの反応だけじゃなく、実際に成田の声で、自分がデスダークに利用されていることをタケシに訴えたとしたら、まだ分かるんだけどね。

 あるいは、ネコモズーが成田をさらうところを、黄島たちが見ていたとか……

 ともあれ、ゴーグルファイブとコンボイは、成田の開発したコンピューターを未来科学研究所に持ち帰る。

 
 黒田「どうやら脳波で動かす仕組みになっているようだ」
 さゆり「そんなことできるの?」

 さゆりの疑問に、

 
 誠「人間には念写とか千里眼とか予知能力とか、超能力と言うものがありますからね」

 未来科学研究所の人間とは思えないオカルティックな発言をする誠。

 赤間「よし、コンボイピューターに接続して分析するんだ」

 この辺、何がどうなってるのかさっぱり分からないが、コンピューターが作動して、モニターに地図を映し出し、その一点を光らせる。

 あかね「ここ、地熱発電所よ」
 赤間「ゴーグルファイブ出動!!」

 5人は直ちにその場所に向かうと、果たして、ネコモズーがあらわれる。

 今のは、成田の脳波を機械がキャッチしたと言うことなのだろうか。

 ともあれ、待ち伏せされて動揺したネコちゃんは、一戦も交えず退散する。

 
 ネコモズー「ただいまにゃー」
 イガアナ「どうした」
 ネコモズー「いやー、ぶったまげちゃって、つい戻ってきてしまった」
 マズルカ「化け猫の方が驚く奴があるか!!」
 ネコモズー「にゃんともすまん」

 やってることはえげつないが、そのやりとりが妙にほのぼのしている悪の人たち。

 ただ、待ち伏せされてもネコモズーが無敵であることは変わらないので、別におたおたする必要はないと思うが、イガアナ博士はその原因を突き止めるようネコモズーに厳命する。

 ネコモズーはとりあえず研究所に行き、

 
 ネコモズー「やい、成田博士は何か残していなかったか、知っているなー、何を残して行ったんだ。何処にある?」

 タケシ少年を捕まえて口を割らせようとするが、ゴーグルファイブに邪魔されて果たせず。

 
 イエロー「そうだ、タケシ君、君が信じてたとおり、もしかしたらお父さん、生きてるかもしれないぞ」
 タケシ「えっ」
 レッド「このコンピューターは成田博士と通じているのかもしれないんです」
 タケシ「やっぱり、お父さんと繋がってるんだ」
 イエロー「ああ、君があれほどお父さんが生きてると言い張らなければ、とても俺たちも考え付かなかったけど、今はこのコンピューターと君を信じたい」
 タケシ「どうするの?」
 イエロー「君自身がこのコンピューターで何処にいるか分からないお父さんに呼びかけてみるんだ」

 色白で、まるで女の子のように可愛らしいタケシ少年。

 是非、女の子に生まれて欲しかった……

 この後、ゴーグルクーガーにコンピューターとタケシを乗せ、タケシの頭に、冒頭で成田がやっていたようにコードを繋いだ状態で走り、父親に呼びかけさせる。

 成田は息子の呼びかけに感応して仮死状態から目覚め、幽霊コントロールマシーンから離れる。

 そして、コンピューターでこの場所を知ったレッドが壁を蹴り崩して飛び込んできて、成田を救出、ついでに幽霊コントロールマシンも破壊して一挙にデスダークの計画を粉砕する。

 長い長いラス殺陣&巨大ロボバトルのあと、感動を再会を果たす親子。

 
 母親「タケシ、あなたーっ!!」

 それは良いんだけど、さすがに草履履きで砂浜を走るのはおかしいのでは?

 そもそも、夫が行方不明と言う緊急状況なのに、わざわざ和服に着替えているのもどうかと思うが……

 以上、父と子の愛情が、デスダークの邪悪な企みを打ち砕くと言う戦隊シリーズらしいストーリーだったが、本文でも指摘したように、人間の心が分かると言うコンピューターや幽霊コントロールマシンの仕組みが分かりにくいため、いまひとつ盛り上がりに欠けるエピソードだった。

 
 いつものように、最後はミキの美しい横顔で締めましょう!!
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コメント

確かに今回は珍しく良い作戦だったと思うのですがね😅それにしてもどうもマズルカのキャラがヘイドリアン女王と比べるといまいちな感じですね😓

Re[1]:ああ「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話(07/19)  

ふて猫様
>それにしてもどうもマズルカのキャラがヘイドリアン女王と比べるといまいちな感じですね

ま、曽我町子さんと比べたらね。

Re:ああ「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話(07/19)  

バケ猫怪人(ネコモズー)が驚くってどういう事でしょうか?意図的にやっているワケでは無いのが面白いですね😅(なんでやねんな!)

Re:ああ「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話(07/19)  

>仮にも未来科学研究所のメンバーが口にしていい台詞じゃないよな。

誠は、時々コンボイらしからぬ事を言ったり思い付いたりする事がありますね。ムササビモズーのお話では、風向きに動きを左右され易いムササビモズーの弱点を掴むためにお天気研究所の所長だと言う級友のおじじ様に「お知恵拝借」しようと級友宅を訪れた処、既に網を張っていたムササビモズーに級友たち共々捕まり
「お前たちには、これより空中飛行を楽しんでもらう♪」
と「Xライダー」のイカルス若しくは、ムササビ繋がりなら「RX」のムサラビサラのお話で小学生たちが受けたのと似た様な仕打ち(しかも全二者とは異なり正気のまま!!)を受ける羽目になっていました!

Re[1]:ああ「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話(07/19)  

ふて猫様

化け猫モズーは可愛いですよね。

Re[1]:ああ「大戦隊ゴーグルファイブ」 第7話(07/19)  

笑太郎様

ムササビモズーの回のレビューは、長いこと迷った挙句、残念ながら断念しました。

運転出来るの?

ミキ役の大川めぐみさんは当時運転免許を習得していたのでしょうか?それとも単にハンドルを握っていただけなのでしょうか?

Re: 運転出来るの?

いや、確か運転してたと思いますが……

勝手が違う?

やはり幽霊だと普段の怪人とは違ってゴーグルファイブの皆さんも苦戦していましたね。どうも勝手が違うようですね😅

世の中には自分で入力ミスしといて「何故俺の気持ちが分からん!?」とか言う人がいるらしい

まず「コンピューターに心を通じさせようとし続けてきた」人間が必要っていうのをどうやって突き止めたのやら、色々試した結果コンピューターに話しかけながら操作している人間の方が良い結果が出たとかか?

Re: 勝手が違う?

なんか釈然としない敵ですね。

Re: 世の中には自分で入力ミスしといて「何故俺の気持ちが分からん!?」とか言う人がいるらしい

> まず「コンピューターに心を通じさせようとし続けてきた」人間が必要っていうのをどうやって突き止めたのやら、色々試した結果コンピューターに話しかけながら操作している人間の方が良い結果が出たとかか?

無限にツッコミが入りそうな謎設定でしたね。

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