第40話「美人先生危機一髪」(1979年11月3日)
ピアノを弾き終えると、ベンキョウ怪人、優しい口調で、二人に壁に作られた覗き窓から地下室を見せる。そこには、ベンキョウ怪人に「能無し」と罵られた秀才少年たちが閉じ込められていた。

マリア「あれは誘拐された少年たち、なんてことを!」
ベ「きゃつらは俺が出したこんな優しい問題が一問も出来なかったんだ」
マリア「……これは大学入試の問題じゃない。いくら秀才でも小学生に出来る訳ないでしょう?」
ベ「それがどうした? 俺と北条君なら、こんな問題は5分とかからん。なぁ?」
達也「うん……」
ベ「よし次は宇宙の勉強をしよう。ちょっと待っててくれ」
怪人は部屋を出て行く。
二人きりになった途端、達也が顔を伏せて泣きじゃくる。

マリア「どうしたの?」
達也「僕、勉強なんて大嫌いだし、全然出来ないんだ」
マリア「でも君は、教室で大学生の問題を解いて見せたじゃない?」
達也「ううう、あれは何日もかかって暗記した問題なんだよー」
マリア「なんですって?」
ここへ来ての爆弾発言に、マリアも色を失う。それがベンキョウ怪人にバレたら……。

ベンキョウ怪人が、本を山ほど抱えて嬉しそうに戻ってくる。
ベ「お待ちどお、宇宙の勉強を始めよう」
マリア「待ってください、達也君はこれからダンスのレッスンの時間なんです」
ベ「ダンス? 俺は今までそんな勉強はしたことないぞ」
マリア「天才はダンスを踊れなければ天才とは言えませんのよ。私がお教えましょうか」
マリアの苦肉の策に乗り、ベンキョウ怪人は参考書を放り投げてマリアと一緒に踊り出す。
……ところでこれって、何の番組だったっけ? 中盤まで一切アクションシーンがないと言う異例の事態になっている。
二人が楽しくダンスをしていると、さすがに痺れを切らしてサロメが入ってくる。

サロメ「ダンスなど学問ではありません。その女に騙されてはいけません」
ベ「黙れ、俺はマリア先生が気に入った。マリア先生を俺の学友に決定するぞ」
サロメ「まぁ、なんと言うことを……」
呆れ果てて二の句が告げないサロメに、マリアが得意そうな笑みを投げる。
その頃、今回全く影の薄い他のメンバーは、マリアの写真を持って片っ端から住人に聞き込みを行っていたが、手がかりすら掴めなかった。
サロメ「皇子、この少年は?」
ベ「そいつには飽きた、何処へでも連れて行け」
サロメ「しかし、まだ能力検査が済んでません」
ベ「よし、そうだったな、北条君、光のスピードは秒速何万キロだ?」
達也「……」
ベ「どうした北条君?」

マリアは慌ててベンキョウ怪人と交代して達也と踊り始める。そして踊りながらこっそり質問の答えを教えて行く。
達也「30万キロメートル」
ベ「よし、太陽と地球の距離は?」
達也「1億5000万キロ」
ベ「それでは太陽から地球まで光の速さでどれくらいかかるか?」
マリア「ええと……」
応用問題を出され、マリアが即答できないでいると、サロメがカンニングに気付いてベンキョウ怪人に教える。ベンキョウ怪人はしつこく達也に質問する。
答えに窮し、遂に達也は自分は天才じゃないと白状してしまう。
怒ったベンキョウ怪人、大きな万年筆の先から溶解ガスを二人に噴出する。

マリア、達也の体ごと、床を転がってそれをかわす。
この時、マリアの太腿の間に白いものがちらつくのだが、果たして?(なんだよ)
もっとも、これは萩奈穂美さんじゃなくて、スタントの可能性が高い。
マリア、達也を庇ってベンキョウ怪人の前に立ちはだかる。
ベ「マリア先生、君は俺の学友だ、学友は殺したくない!」 今、殺そうとしてなかった? 
マリア「達也君を守るのが私の仕事、来い、エゴス怪人! とぉーっ」
マリア、そう叫ぶとくるっと回ってミス・アメリカに変身する……。
あれ、ちょっと待って下さい。マリア、館に入るときにサロメにバトルシーバーを没収されてなかった? それを取り戻すシーンもなかったのに、どうやって変身出来たのだろう?
それはさておき、サロメがボタンを押すと、二人の足元に落とし穴が開き、例の地下室へ落とされてしまう。

マリアは少年たちを励まし、出口はないかと上を見上げる。
小さな天窓が開いていたが、

サロメ「ははははは、バカめ、その天窓から出られるのは鳥だけだ。皇子はひどくご立腹になり、1時間後にお前たち全員を銃殺刑に処す」
サロメ、今までの鬱憤を込めて、覗き窓からマリアを嘲笑う。
マリアはサロメの言葉からヒントを得て、

仲間への通信文を書いた紙で鶴を折り、それをみんなで協力して風を起こして飛ばし、天窓から外へ出す。
うーん、さすがに無理なのでは? 何とか天窓まで到達させたとしても、すぐ下に落ちてしまうだろう。

ところが、実際はかなり離れたところにいたジャパンたちの前まで飛んでいるのだ。

1時間後、マリアと達也は十字架に縛り付けられ、処刑されそうになる。
サロメは「全員」と言ってたけど、他の子供たちの姿はない。
マリア「サロメ、私はいい、達也君だけは助けて、達也君には未来があるのよ!」 おっと、マリア、君にも十分未来があるぜ!(誰だよ)
サロメ「おだまり、我々の命令に変更はない」
無慈悲なサロメ、マリアの訴えに耳を貸さず、すぐ射殺させようとするが、間一髪、バトルフィーバーたちが駆けつけ、二人を救出する。

二人の代わりに縛られているカットマン。かなり情けない格好だ。
その後、いつもの戦いが繰り広げられ、エゴス史上、「一体何がしたかったんだ」大賞に燦然と輝くベンキョウ怪人は、見事に散る。

ラスト、公園で遊ぶ子供たちを眺めている5人。
ジャパン「あの天才坊やはどうしてる?」
マリア「今頃家庭教師にこってり油を絞られてる筈だわ」
ケニア「また勉強?」
マリア「うん、その代わり遊ぶ時はバッチリ遊ぶんですって」

フランス「ケニア、お前もたまには勉強しろよ。そうしないと、ベンキョウ怪人に殺されるぞ」
フランス、心底バカにしきった顔でケニアをバカにする。
怒ったケニアがフランスを追いかけるシーンを映しつつ、幕。
マリアの活躍が大変喜ばしい一本だったが、マリアがもうちょっと色んな扮装を見せてくれるとなお良かったな、と。
おまけ。

予告編だけにあるマリアのアップ。