第19話「見よ!ウルトラ怪奇シリーズ よみがえる半魚人」(1974年8月16日)
の続きです。

知らせを受けて、ダン隊長以下、MACの頼もしい面々も漁村へやってくる。
歩く星人事典であるダンによると、海坊主の正体はボーズ星人らしい。
いつものことだが、
まんまである。 ゲン「隊長、この村の人達はひどい、自分達の仲間が目の前で殺されかかってると言うのに誰一人助けようとしないんです!」
ゲンが、熱血漢らしく訴えるが、
ダン「お前は他人の力を借りて戦おうとしていたのか?」 ゲン「いや、僕が言いたいのはそういうことじゃなくて……」 ゲン「違います! 今日だってひとりぼっちになってしまったカズオ君に誰も同情すらしないんですよ!」
ダン(そっぽを向いて)「村の掟だ」
ゲン「冗談はよして下さい! そんな掟はなくしてしまうべきです」
ダン「
ゲン、お前は星人を逃がしてしまったんだぞっ。お前がやらねばならないことはただひとつだ、星人を倒すことに全精力を注ぐんだ」
しかし、ゲン、何の武器も持たない素手で星人と殴り合って撃退しているのだから、誉められこそすれ、叱られる筋合いはないと思うんだけどね。
ダン「星人は100年以上ここに住み着いて村人の心の中に入り込んでいる。いきなり現れた我々を信じ込ませることの方が無理と言うもんだ」
ゲン「奴は伝説を隠れ蓑にして、100年もの間、村々を騙し続けてきたんだ。なんて卑怯な奴だ!」
でも、星人は穏やかに定住してるだけで、別に営々と悪事を働いて来た訳じゃないと思うんだけどね。せいぜい、お盆期間中に漁を禁じたくらいだろう。今回の一件も、元はと言えば、星人に一方的に暴行を加えたカズオの父親に非があるのだし。
……もっとも、この後、星人は急に無差別的に破壊活動を開始するんだけどね。

そのカズオ、両親を殺された仇を自ら取るのだと言って、モリの先端を尖らせていた。
そんなもので倒せるのか、懐疑的なトオルたちの目の前で、モリを投げて木の幹に見事突きたててみせるカズオ。トオルは「はっ、すっげぇ~」と心から感嘆するが、カオルは
全く興味がなさそうであった。女の子だからね。

その後、再びボーズ星人が砂浜に現れ、船の手入れをしていた横山夫婦を襲う。
カズオは待ってましたとばかりにモリを投げつけ、命中させるが、星人はピンピンしている。
MACも駆けつけ、ゲンは果敢に肉弾戦を挑み、
他の隊員は安全な場所から銃を撃つ。 しかし、結局また星人に逃げられてしまう。
横山は、奥さんを殺されて嘆き悲しみ、海坊主の伝説などもう信じないから、星人を倒してくれとゲンたちに頼む。
ダン、ここでゲンひとりを別の場所へ連れて行く。

川沿いの松林(どう見ても北海道ではない)へ移動すると、「肉を斬らせて骨を斬ると言う言葉がある。
それがこれだ!」と、いきなりムチを振り回して襲ってくるダン。
今度こそ本当に発狂したのかと思いきや、もう見られないと思っていた「特訓」の始まりなのだった。
無論、ムチはボーズ星人のムチ状の腕を想定しての武器である。

びっくりして飛び退るゲン。

無言でムチをしならせ、ヒュンヒュンと空気を切り裂くダン。
遠くから見たら、ただの変態である。 
ゲン「い゛うっ」
ムチをさけきれず、カメラに突っ込んでくるゲン。
ひとしきりゲンをいじめた後、
ダン「これが星人だったら今頃お前は死んでいただろう。今度はお前が打って見ろ」
ゲン「隊長」
ダン「いいからお前が打って見ろ!」

ムチを渡されたゲン、
(積年の恨み、今こそ晴らしてやるぅ!)と思ったかどうかは知らないが、とにかくムチを振るう。

が、ダンは、自ら体を回転させてムチを体に巻きつけ、ゲンの攻撃を無力化する。
そして、自分の体を勢い良く回転させ、ムチを持っているゲンの体を逆に投げ飛ばす。
ダン「星人がお前だったら……あの星人に勝つ方法はこれだ」
と言う訳で、今回は「特訓」と言っても、ダンがゲンに必勝法を授けると言うシンプルなものだった。

その後、今度は巨大化した星人が出現し、暴れる。
今まで、100年の間ほぼ大人しく暮らして来た筈なのに、ここへ来ての豹変ぶりはなんなんだろう?

マッキー各機が出撃するが、いつものように撃墜される。わざわざ北海道までやられに来なくてもいいのに……。

地上から攻撃していたMAC隊員も、後退に後退を重ねた末、
ガードレールから落ちる。 
満を持してゲンがレオに変身するのだが、今回の変身シーンは妙に派手である。
青い光の束が降り注ぎ、その中からレオの雄姿が現れる。
レオ、ダン直伝の技で相手のムチを自らの体に巻きつけ、急接近すると、

その腕を手刀で切断する!

更に切り取った腕のムチで、星人をボコボコにする。ひでえ。
星人、倒れると口から緑色の煙を吐き出し、頭部に骨のぶらさがった状態で踊った後、昇天する。
カズオ「父ちゃん、母ちゃん、
MACじゃなく、レオが仇を取ってくれんだよ!」
ラスト、東京へ帰るゲンたちとそれを見送るカズオ。

百子「カズオ君はこれからどうするの」
横山「この子はわしが面倒見させて貰います。幸か不幸かわしらには子供がおらんでしたからな」
ゲン「良かったなぁカズオ君」
カオル「羨ましいわ、カズオさんに新しいお父さんが出来たのね」
トオル「カオル、僕たちにもお父さんとお母さんがいるじゃないか」
カオル「ええーっ?」
トオル「ほら見てご覧、お父さんとお母さん」

トオルが示したのは、ゲンと百子さんだった。
百子さん、「まあっ」と言う風に口を結ぶ。

さらに、それぞれ和服に老けメイクになる二人。

笑うと三村マサカズみたいになるゲン。
しばし二人を見ていたカオル、「やあだ、オオトリさんがお父さんだなんて」と、ゲンにだけダメ出しするのだった。
どうでもいいが、これのどこが「怪奇シリーズ」なの?