「花のあすか組！」第17話 前編

★東映まつり[DVD] 花のあすか組! 弐 価格：7,832円（税込、送料別）

　第17話「露天ぶろのニセ者」（1988年8月15日）

　……って、あら、既に完結した筈の「あすか組」のお時間なの？

　実は、1話から順にレビューをしていて、この17話だけ（主に面倒臭かったから）飛ばしてしまっていたのだ。しかし、全23話のうち1話だけ紹介しないままなのは非常にすっきりしないので、改めてレビューすることにした次第。

　え？　勝手にやれ？　分かりました。

　
　今回も地方ロケ作品で、冒頭から上越線の電車（特急たにがわ）にのんびり揺られている三人娘。
　あすかとはるみは、線路沿いの景色にしきりと感嘆の声を上げるが、色気より食い気のミコは、ひたすら駅弁をがっついていた。

　などとやってると、間もなく終点「水上駅」だと車内アナウンスが告げる。あすか、急いで網棚の荷物を降ろすが、その際、バッグから赤い封筒を落としてしまう。彼らの前に座っていたひとりの女の子がそれを拾うが、引っ込み思案なのか、すぐあすかに言い出せないうちに、あすかたちはさっさとホームへ降りてしまう。

　
　目的地に着いてテンションの上がるあすかたち。わいわい言いながら出口へ向かう。

　手紙を拾った女の子、中山樹里は、「あの……」と遠慮がちに声をかけるが、あすかたちは全然気付かない。
　そして、ちょうど彼女が持っていた金貨と、赤くて目立つ封書を一緒に持っているところを、ホームで待っていた地元民の少年少女たちに見られ、有無を言わさず連れて行かれる。

　あすか、14話の時同様、全中裏に圧迫されている地方の中学生から応援を求められ、はるばる水上までやってきたのだが、あすかの顔を知らない彼ら、金貨と彼らの出した手紙を見て、樹里をあすかと思い込んでしまったのだ。

　
　そうとは知らないあすかたち、駅から出てくるが、当然、誰も迎えに来ない。
　あすか「おかしいなぁ、駅に迎えに来てる筈なんだけど」
　ミコ「どうも上手過ぎる話だと思ったんだよ、全部あっちもちで招待なんてよ！」

　空腹を我慢してきたはるみ、その場に座り込んで泣き喚く。
　あすかは、招待状を確認しようとするが、それがなくなっているのにやっと気付く。

　
　三人が途方に暮れていると、旅館の呼び込みらしいおじさんが話しかけてくる。
　「何かあったのかい、力になるよ」（勿論、棒読み）

　
　地獄に仏と、目を輝かせるあすかたちだったが、次の場面では、その旅館で仲居として働いている三人の姿があった。

　
　ミコ「何が力になるよ、だ。なんで水上くんだりまで来てこんなことしなきゃいけねえんだよぉっ」
　お膳を運びながら、豪快に不平をぶちまけるミコ。

　あすか「ミコが帰りの電車賃まで弁当買うからだろう。折角アルバイト探してもらったんだ。文句言うな」

　対照的に、あすかと間違われた樹里は、同じ旅館の豪華な料理で歓待されていた。
　樹里は、自分はあすかじゃないと明言するが、地元のリーダーは「あすかさんは警戒して他人を装っている」と、あくまで彼女をあすかだと信じ込んでいた。

　……ま、そんな話はどうでも良くて（オイ）、

　
　管理人が本当に紹介したいのは、その後のあすかたちの水着姿なのである！

　また始まったかとお思いでしょうが、その通り、また始まったのです。

　見よ、このフレッシュなお尻の数々を！

　
　ピンと体を伸ばして飛び込むはるみ（石田ひかり）の……（以下、自主規制）

　
　ひと泳ぎして、プールから上がるはるみ（石田ひかり）の……（以下、自主規制）

　どうして、どうしてもっとアップで撮らなかったの？　と、キャメラマンの襟首を掴んで小1時間問い詰めたいところだ。

　
　ところが、偶然、近くの露天風呂にあの樹里がひとりで入っていた。
　しかも、「どうすればいいんだろう？　今更、人違いなんて言えない」と、割と周囲にはっきり聞こえる声で独り言を話しているのを、通り掛かった三人が聞いてしまう。

　更に、地元民が「あすかさん、早速力を貸して欲しい」と頼んでいるのを見て、大体の事情を察する。

　
　樹里は、地元民と一緒に河原に行き、その地方の全中裏の兵士たちと対峙させられる。
　少年「ええい、控えろ控えろ、この方をどなたと心得る」
　少女「花の東京は西3区から全中裏を追い出し、今や生きる伝説となられた、九楽あすかさんだ！」

　まるっきり、水戸黄門のノリで紹介される樹里。

　
　その様子を物陰から窺っている三人。
　ミコ「お前のこと、ゾンビみたいに言ってるぞ」
　はるみ「それは生きる死体ですわ」

　緊張しまくっている樹里、「どうも、初めまして」などと、間の抜けた挨拶をしてしまう。

　地元民に「例の金貨でやっつけて下さいよ」と言われ、とにかく自分の持っていた金貨を取り出す。
　あすかは、樹里が投げる前に自分の金貨を投げ、樹里の金貨に当てて、はねかえった金貨で全中裏のリーダーにぶつける。

　それまで本物のあすかがこんなところまで来る訳がないとせせら笑っていた彼ら、急に怖気付いて逃げ出してしまう。
　調子に乗った樹里は、「九楽、九楽あすかだ！」と見得を切る。だが、金貨が2枚落ちているのを見て、不審に思う。

　ミコ「いいのかよ、ニセモノのさばらせといて」
　あすか「あいつ、ひとりで温泉来たのかな？　中学生がひとりで温泉なんて、寒いなぁ」

　
　その晩、樹里が地元民から歓待を受けている間に、あすかは樹里の部屋に忍び込んで荷物を探る。

　案の定、バッグの中からこんな物が……。

　
　あすか（漢字で書けよ……）

　宴会場で、地元民に「最後まで私たちと戦ってくださいね」と言われ、樹里もなんとなく約束してしまう。

　
　しかし、部屋に戻ってくると、樹里は沈んだ様子でその遺書を見て、自分の暗い過去を振り返る。

　ま、暗い過去と言っても、成績が上がらなかったり、彼氏ができなかったり、その程度のことなのだが。

　樹里「これが私の現実、もう逃げ出したい……どうして追いかけてくるの？　一生懸命、逃げてるのに……」

　翌日、樹里は荷物をまとめてさっさと逃げ出そうとする。

　
　が、吊り橋の上で、本物のあすかにゆくてを阻まれる。

　樹里はしどろもどろになって平謝りに謝り、金貨も返そうとするが、

　あすか「あたしになりすましたことは何も言わない。でも約束したでしょ、みんなと最後まで戦うって」
　樹里「でもぉ、あれは」
　あすか「約束だけは守って。いつまでも逃げ続けて生きていけるもんじゃないよ。逃げてばかりいないで、くるりと振り向いてみなよ、きっと風景違って見えるよ」

　あすかは優しく語り掛けると、着ていた赤い戦闘服を脱いで、樹里の足元に投げる。
　あすか「赤い色は勇気が出るんだ」

　むきだしの肩を見せて立ち去るあすかに、樹里は「逃げて悪い？　世の中にはあんたみたいに強い人間ばかりじゃないんだ、惨めで最低で、真っ暗な人間だっているんだ！」と叫ぶ。

　
　一方、東京の全中裏本部。
　春日「中部地区侵攻部隊からの報告です。水上にあすかと名乗る少女が現れました。しかしその正体はまだ定かではありません」

　ひばりは、春日に現地へ赴いて真偽を確かめるよう命じる。

　つづく。