日本じゃあ二番目だ！「快傑ズバット」セレクション 第32話 後編

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　第32話「さらば斗いの日々、そして」（1977年9月28日）

　海沿いの道を逃げていた理沙たちだったが、彼らの前に覆面レスラーのような変な男が、三兄弟や戦闘員を従えて現れる。そう、やっと姿を見せた、ダッカーの真のボス、総統Ｄ（でー）であった！

　
　Ｄ「初めてお目にかかります。ダッカーの総元締め、総統Ｄ！　私が自己紹介する相手は、今すぐ死んで頂く人たちだけに限ります。撃てぇ！」

　このＤの金ぴかの服も、シルベール繊維で作られているのだろうか？

　総統Ｄの命令で、戦闘員が銃口をみどりさんたちに向ける。

　
　ここで、どこからともなくズバッカーが疾走してくる。
　ズバット「フライスイッチオン！」

　
　空を旋回してから着地し、いつもの、そして最後の決め台詞を放つズバット。
　「はっはっはっはっはっ、ズバッと参上、ズバッと解決、人呼んでさすらいのヒーロー！　快傑ズバァッッッッッ！」

　さすがに少々飽きたけど、でもやっぱりカッコイイ。

　ズバット「首領Ｌを表面に立て、悪事の限りを尽くし、あまつさえ殺人を無限に繰り広げて世界征服を狙っていた総統Ｄ！　貴様だけは絶対に許さん！」

　遂に、最後の死闘が開始される。

　……しかし、ダッカーって世界征服を狙ってたの？　日本の地方都市を重点的に支配しようとしていたようにしか思えないのだが。

　
　戦闘員がズバットに向かっていくが、

　Ｄ「構わん、まとめて撃てぇ！」
　と、三兄弟に命じるのが、Ｄの恐ろしいところ。

　
　三兄弟のマシンガンで、大爆発が起こる。

　なんでマシンガンを撃って爆発するのか、良く分からないのだが……。
　ただ、ズバットはズバットスーツを着ているが、戦闘員は平服なので、どう考えても戦闘員の死ぬ確率の方が高い。ズバットの為に、手間を省いてやったようなものだ。

　

　
　砲撃を受けながら、無言でこちらに歩いてくるズバットがめちゃくちゃカッコイイのである！

　Ｄ「ズバットめ、木っ端微塵になりおったわ」
　竜天丸「我ら三兄弟にかなうものはおりませんぞ」

　だが、再びズバットはズバッカーに乗って頭上から現れる。
　ズバットがジャンプしたところで、ズバットを探している東条たちの映像に切り替わる。

　最初に戦っていた吊り橋の近くまで来た東条、ふと視線を向けると、

　
　あの三兄弟が惨めな姿を晒してぶら下がっているではないか。

　
　その体には、いつものズバットカードが添えられていた。

　撮影上の都合もあるのだろうが、やはりここは、ズバットがどうやってシルベールを着た三人を倒したのか、具体的に描写して欲しかったところだ。

　オサム「東条さん、ズバットは勝ったんだね」
　東条「いや、まだ総統Ｄがいる。それにズバットの制限時間はあと40秒しかない」

　
　そのズバット、岩場の上で、Ｄと対峙していた。
　ズバット「俺の親友、飛鳥五郎を殺したのは貴様だな？」

　今まで何十回となく、敵のボスに叩き付けて来た「質問」をするズバット。今までは例外なく否定されてきたが、

　
　Ｄ「そうとも、奴はわしの正体を見破ったのでな！」

　犯行を認めると共に、その動機を説明するＤ。
　しかし、ただの天才科学者だった飛鳥が、どういう経緯でそんな秘密を知ったのか、一切説明はない。

　ズバット「俺も貴様が誰だか分かった。シルベールの作り方を覚えられたのは、貴様しかいない！」
　Ｄ「ははははは、だが死んでは誰にも言うことは出来まい！」

　
　青い海をバックに、ズバットとＤの直接対決スタート。

　
　Ｄ、巨大な銃を取り出すと、ズバット目掛けて連射する。

　さすがＤの武器、たちまちズバットスーツがぼろぼろになる。
　そして必殺「ダッカーキック！」を放つＤ。

　あまりに安直なネーミングの技であるが、その威力は凄まじく、ズバットは防戦一方。いや、ほとんど無抵抗で殴られ、蹴られる。

　
　Ｄ、トドメの「ダッカーキック」を撃とうとジャンプするが、ズバットも同時にジャンプして、「ズバットアタック」で切り返す。

　
　両者、なんとか着地するが、

　
　双方ともダメージが大きく、よたよたする。

　互いに歩み寄って、
　「ズバットＺ！」
　「ダッカーＤ！」
　と、技の名前を叫びながら、泥臭く殴り合う二人。

　なんかもう、ズバットスーツとシルベールスーツの差とか、どうでも良くなっちゃってる感じ。

　あと、とっくに40秒過ぎてますが……。

　カメラがそのまま引いていき、うやむやのうちに戦いは終わる。
　東条たちが駆けつけたときには、総統Ｄが倒れているだけで、ズバットの姿はなかった。

　東条がそのマスクを剥がすと、

　
　なんと、その下から、死んだ筈の神竜の（アホみたいな）顔が！

　そう、Ｄの正体は他でもない、東条の親友にして国際秘密警察の捜査官・神竜伸介その人だったのだ。

　
　東条「神竜、お前が……」

　東条、衝撃を受けながらも、神竜が理沙が金庫から取り出した化学式のメモを一瞬だが見ていたことを思い出す。そう、彼はその一瞥で化学式を暗記してしまい、シルベールを作ったのだ。

　オサム「でも、ズバットは……」
　足元には、切り裂かれたズバットスーツが点々と落ちていた。

　理沙「まさか、相討ちでこの崖から落ちたなんてことは……」

　ここで、ＥＤのイントロが流れ出すと共に、

　
　飛鳥の墓に花を捧げている早川の姿が！

　感極まった様子で、「飛鳥、お前の仇、とうとう取ったぜ！」

　
　その後、東条たちも飛鳥の墓の前に立ち、最後のズバットカードを見付ける。

　早川の声（悪の大組織、ダッカー全滅）
　オサム「ズバットだ、ズバットは生きていたんだね」
　東条「うむ、とうとうやったな、早川！」

　
　みどり「えっ？」
　オサム「ズバットは、早川さんだったのぉ？」

　最後の最後で、ズバットの正体を知らされた二人。

　これが愛しのみどりさんの最後のアップ、最後の台詞となってしまった。
　にしても、最後の台詞が「えっ？」って……。オサム君のほうがよっぽど台詞多いじゃねえか。

　
　そして全32話を締め括るラストカットは、飛鳥の墓の前に立つ理沙と、東条たちと言うものだった。

　ＢＧＭはそのまま途切れることなく流れ、ＥＤには2番の歌詞が使われている。

　と言う訳で、これにて「ズバット」のレビュー、全て終了です。ま、飛ばした回もあるけどね。