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「スーパーロボット レッドバロン」セレクション第34話


 第34話「裏切りの宇宙特急便」(1974年2月20日)

 前回からの続き、兄の親友・吉村教授に鬼怒川温泉に招待され、博士の開発したレジャー用ロボット、ドンキーワンのテスト運転をつつがなく済ませた健だったが、いろいろあって、今は割と大ピンチ。

 スパイダーロボとドンキーワンに挟まれて劣勢に立たされたレッドバロン。

 三神(通信機で)「紅君、空へ逃げろ!」
 健「バロンフライト、パワーオン! ……飛行回路をやられました。てへっ
 三神「なんだってぇ」

 三神「ドンキーワンをバロンミサイルで破壊したらどうだ?」
 健「ダメです、博士は殺せません。そう、飛べなくても地底へなら潜れる。よーし、アースマーカー!」

 レッドバロンはスパイダーロボに羽交い絞めにされたまま、その場でクルクル回転し始める。加速していくと、やがてスパイダーロボは遠心力で吹っ飛ばされる。レッドバロンはドリルのように地中を掘って、姿を消す。

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 女指揮官「はっ、何処へ消えた? 探せ!」

 レッドバロンは谷の間に身をひそめ、健と三神博士によって回路の修理が行われていた。
 鉄面党の探索の手が近付くが、真理たちがわざと彼らの前に姿を見せ、全然別の場所へ誘導し、時間を稼ぐ。

 真理、哲也、熊野の三人は、前回鉄面党にさらわれた大助たちを助けるべく、健からアジトの場所を聞いてそこへ潜入する。大助たちは、催眠状態になって鉄面党の仕事を覚えさせられていた。真理は三人を助けようとするが、逆に捕まってしまう。

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 拷問用の椅子に縛られ、女指揮官と睨み合う真理。
 女指揮官「レッドバロンは何処に隠してあるの?」
 真理「聞くだけ無駄なことはあんたが一番良く知ってるわ」

 女、いきなり真理に往復ビンタをかます。

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 唇から血を流しつつ、反抗的な目をやめない真理。

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 女指揮官「スイッチを入れなさい」
 真理「あっ、ああっ、ああーっ」
 高圧電流による拷問と言う古典的な手段に訴えるが、真理はあくまで耐え抜く。
 女はどんどん電圧を上げていく。

 さすがSSIの真理、激痛に晒されながらも、女のはめている指輪を見て、(どこかで見たような、どこかで)と観察を忘れないのだった。

 真理はすぐ熊野たちに救出されるが、大助たちの姿は消えていた。
 三人は一旦ホテルへ引き揚げるが、吉村博士が鉄面党に追われ、銃で撃たれているのを見て、博士を助ける。
 博士は腕を撃たれていたが、命に別状はなかった。

 吉村「紅君、許してくれたまえ。僕は一言君にお詫びが言いたくて脱走したんだ。(妹の)千恵子を殺すと脅されて、つい……」
 健「分かっていましたよ、博士、地球人であるあなたが敵側に味方するからには、それなりの事情があるということくらい」

 健は博士の行為を責めない。妹のことを心配する博士に代わって真理が吉村邸へ行き、千恵子を連れてくることになったが、

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 玄関先に出た千恵子を、いや、千恵子の右手にある指輪を見た瞬間、真理は全てを悟る。
 真理(やっぱりこの人の指輪……)
 千恵子「どうかなさいまして?」
 真理「いえ、あの、お兄さんが大変なんです、すぐ来て下さい」

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 真理が車椅子を押して、広大な原野の丘までやってくると、
 千恵子「あの、傷は深いんですの?」

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 千恵子の言葉を聞いた途端、真理は無言で車椅子を前方に放り出す。

 斜面を走っていく車椅子のうえから、千恵子がピョンと飛び降りる。
 千恵子「何をするの?」
 真理「いつから立てるようになったんですの? 千恵子さん、いえ、アンドロイドサーシー!」

 何故か、真理、いつの間にか女指揮官の名前を知っている。
 真理「姿は変えても、その指輪を変えなかったのはあなたの失敗ね。それにあんたがサーシーだという証拠は、吉村博士が傷を負っていたことを知ってたことよ。あたしは大変だとは言ったけど、傷を負ってるとは言わなかった筈!」

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 千恵子「ふふふふ、さすがSSI、良くぞ見破った。しかし、あたしの秘密を知ったからには生かしておけぬ」

 何処から持ち出したのか、長ドスを構える千恵子。真理も、愛用のムチを取り出して構える。

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 冷たく澄んだ空をバックに、激しくきりむすぶ二人の美女。

 真理が、千恵子の帯をムチでクルクル引き剥がす、時代劇の定番シーンも織り交ぜつつ。

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 千恵子、空中で回転しつつ、サーシー本来の姿に変わる。

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 シュタッと着地するサーシー。
 サーシーと言うより、「稲妻お竜」と言う感じだが。

 なおも飛んだり跳ねたり、転がったり回ったり、激しいアクションが展開されるが、パン チラは一切ない。

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 それぞれの武器を構え、突進する二人。

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 最後は、真理が相手のドスを奪って投げ、それがサーシーの体を貫いて勝負あり。
 なんかこの刀、曲がってるけど。

 サーシー「お見事、だけど、レッドバロンの隠し場所は分かったわ。吉村を助けたのが(あなたたちの)間違いの元……」

 真理が仲間のところへ戻り、千恵子がサーシーだったことを告げると、博士はたちまちキャラを変え、信号弾を撃ってスパイダーロボとドンキーワンを呼び出し、レッドバロンを攻撃させる。

 レッドバロンの健、スパイダーロボを粉砕するが、催眠状態の大助たちが操縦するドンキーワンには迂闊に手が出せない。それでも、ドンキーワンの電ノコを逆用して、頭部の操縦室だけを切り離すことに成功。だが、操縦室は大助たちを乗せたまま、逃げてしまう。

 吉村「子供たちを返す訳にはいかんのだ」
 熊野「あんたはそれでも科学者なのか」
 健「子供たちを返して下さい、お願いします」
 吉村「断る」
 真理「博士、サーシーは私が倒しました。もうあなたに指令するものはいない筈です」
 吉村「指令だと? サーシーはアンドロイドだ。俺の召使に過ぎん」
 三神「あなたは脅迫されていたんでしょう?」
 吉村「ふっはははっ、バカを言っちゃいけない、俺は鉄面党とビジネスをしたんだ」
 健「レッドバロンを倒す代償は?」
 吉村「宇宙特急便の切符だ。俺はもっとロボット工学の勉強がしたい! その為にはロボット帝国へ行くのが一番だと考えたんだ」

 吉村博士、最初から納得ずくで鉄面党に協力していたのだ。

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 熊野「魂を悪魔に売って、貴様、それでも人間か」
 吉村「お前たち、50年後の地球を考えたことがあるのか? 人口は増え、資源は全て底を尽く。そこで起こるのは核戦争だ。そして人類は滅びる。人類が永遠に生き延びる為には、ロボットをうんと増やし、人間を少なく抑える必要があるんだ。分かるかっ? ……いや、お前らのような滅び行く人間には、俺の気持ちなど分かるまい。とにかく俺はロボット帝国へ行く、そしてお前たちが滅び去った後、再びやってきて、新しい地球、新しい人類を育てて見せる!」

 真理「待って下さい、大助君たちを連れて行くつもりでは?」
 吉村「あの三人の子供は俺の夢、人類の未来だ!」

 大助たちを人質に取られているので、吉村に手が出せない健たち。
 だが、鉄面党の宇宙船は、彼を置いてさっさと飛び立ってしまう。さらに、レッドバロン壊滅作戦に失敗した廉で、あっさり処刑されてしまう。

 鉄面党は、大助たちも空中から放り出して殺そうとするが、レッドバロンに間一髪拾われて無事だった。
 そして、宇宙船もレッドバロンのアームミサイルで粉砕される。

 アホやなぁ、大助たちを手放さなければ、攻撃されることもなかったのに……。

 と言う訳で、いかにも上原正三氏らしい脚本でした。


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コメント

管理人様

タイトルの下の美女はどなたですか?

Re[1]:「スーパーロボット レッドバロン」セレクション第34話(05/07)  

ニンジャ飛猿様
>タイトルの下の美女はどなたですか?

タイトルと言うのはこのブログのタイトルのことでしょうか? だったら、「つみきみほ」さんですが。

「成長の限界」  

放送の2年前、1972年にシンクタンク・ローマクラブによる「成長の限界」-
「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」
と警鐘がなされたそうです。
吉村の台詞とかネオショッカーの「人減らし計画」の元ネタなのかもしれません。

Re:「成長の限界」(05/07)  

影の王子様
>放送の2年前、1972年にシンクタンク・ローマクラブによる「成長の限界」-
>「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」
>と警鐘がなされたそうです。
>吉村の台詞とかネオショッカーの「人減らし計画」の元ネタなのかもしれません。

鋭いご指摘、ありがとうございます。

吉村の発言から40年以上経ちましたが、中々考えさせられる発言でしたね。不可解なのは、何故大助を最後の最後で解放したのでしょうか?

Re: タイトルなし

> 吉村の発言から40年以上経ちましたが、中々考えさせられる発言でしたね。

核戦争こそ起きてないですが、環境は取り返しのつかないところまで来ちゃいましたね。

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