第4話「ネバー・ギブアップ」(1984年5月8日)
前回いつやったか思い出せないほど久しぶりの「不良少女」のお時間です。
奇しくも、ちょうど31年前の放送ですな。
相模愛育女子学園の授業風景。

江田先生の指導で、ジャズダンスをしている笙子たち。
相変わらず、笙子に憎悪の眼差しを送るトキ子の乳が割とでかいのだった。そんだけ。
大磯による剣道の授業の後、グラウンドでダメケイによる陸上。

ジグザグ走をさせた後、ひーひー言ってる生徒たちに、
「お前たちは真っ直ぐ走るよりはジグザグに走る方が得意の筈だぞ」と皮肉を言うダメケイ。
五月「もう、頭に来ちゃう、ダメケイ、許さないからね!」
ダメケイ「面白い、このダメケイに挑戦するとは良い根性だ。50メートルダッシュか、それとも100メートル競走か」
五月「キスしちゃうから」 
五月の予想外の言葉に、「なにぃ?」とおたつくダメケイ。
五月「みんなー、ダメケイに○○! 行けーっ」
五月の掛け声に、笙子やモナリザ、トキ子を除く全員が、嬉しそうにダメケイを追い掛け回す。
○○の部分ははっきり聞き取れないが、「キス攻撃」みたいなことを言っているのだろう。
でも、後のエピソードで五月が本気でダメケイのことを好きだったことが判明することを思い合わせると、このシーンはちょっとジンと来る。

その騒ぎをニコニコしながら見守っている笙子。と、壁の向こうから、彼女の名を呼ぶ者がいる。
彼女のことを心配して、剛や晴子たち、悪竜会の仲間が様子を見に来てくれたのだ。
彼らは笙子を励ますと同時に、メモを挟んだレモンを放り投げる。彼らが行った後、こっそりメモを開くと、山吹麻里が自ら警察に出頭したこと、何か企んでいるかもしれないので用心すること、などと書かれてあった。
その麻里、首尾よく愛育女子学園送りとなり、既に独房の中にいた(新入生は最初の1週間を独房で過ごす)。
一方、晴子たちはジョーズに集まり、他の仲間に笙子と無事コンタクトが取れたことを報告し、盛り上がっていた。その席上、メンバーもそれぞれ更生して別の道を歩んでいくことがさりげなく示される。
剛は就職、晴子はジャズシンガー、善子は美容師、玉子は栄養士をそれぞれ目指し、

おアキ「八千代と君子は学校に戻って頑張るんだな?」
八千代「こうなったら、東大でも受験しよっか?」
ひっくり返ったような声を上げて、みんなを笑わせる八千代。
玉子「ね、ね、ね、あちらさん、静かだね」
と言う台詞で、カメラがパンすると、

隅の席に陣取っている哲也と男谷弁護士の姿が映し出され、二人の芝居が始まる。この辺は、まるっきり舞台のような演出である。
哲也、黙って封筒を男谷に渡す。その中には、哲也と笙子の婚姻届が入っていた。

哲也「男谷、僕は笙子さんと結婚する。笙子さんはもう18だ。少年院の内と外でも結婚は出来る筈だ」
哲也は、男谷に証人になって欲しいと頼んでいるのだ。
男谷、まだキスすら交わしたことのない少女とガチで結婚しようとしている友人に突っ込みたいことは山ほどあったが、それは置いといて、
男谷「ちょっ待てよ哲也、ほんとに恭子さんのことは良いのか」
哲也「彼女は一人でも生きていける聡明な女性だ。それに僕より遙かに恵まれた縁談もたくさんある筈だ」
男谷「それはお前の勝手な思い込みだよ。そう言う人がもろく崩れることだって、たくさん例があるんだよ。笙子さんを幸せにする為に、お前は恭子さんを不幸にして良いのか?」
男谷のもっともな指摘に、哲也は反論できなかった。
男谷「お前は身勝手過ぎるぞ、俺が恭子さんの兄貴だったら、お前をぶん殴ってるところだ」
哲也「自分が身勝手だってことはよく分かってるよ、その為の非難は全て受けるつもりだ。それでも僕は笙子さんをほっとけないんだ」
哲也、開き直った上、関係のない妹・葉子のことまで持ち出して、男谷を説得する。
で、結局男谷、あっさり書類に署名捺印してしまうのである。なんだかなー。
もっとも、証人は二人必要な筈だが……。

が、ちょうどそこへ、「無駄だな、そんな紙切れは」と、朝男が手下を引き連れてジョーズに入ってくる。
二人が顔を合わすのは、これが最初になるのかな?
朝男「久樹哲也さんだな、俺は西村朝男だ。笙子は俺の女にする。一人の女に惚れた男同士だ、よろしくな」
朝男、手を差し出すが、哲也はそれを無視して険しい目で朝男を睨み返す。

朝男、ニヤッとすると、折角哲也が一晩かかって書き上げた婚姻届を、ライターで燃やしてしまう。
哲也、泣きそうになる。

舞台は再び愛育学園。食事の席に、麻里がトキ子と一緒に現れる。早くも独房生活を終え、トキ子の班に配属されたのだ。
麻里「あたしは東京流星会副会長……」
大磯「昔の肩書きなど要らん!」
麻里(無視して)「山吹麻里です。そちらにいる相模悪竜会会長・曽我笙子さんとは昔馴染み、笙子、よろしくね」
麻里の空々しい挨拶に、笙子は目を反らす。
食事の前に、園長が得意の長話をする。
園長「人間は日々成長するものだ。だがその成長過程には様々な障害がある……」
要約すると、
「人生、ネバー・ギブアップだっ」と言うことであった。

食事の後、部屋に戻ってきたトキ子と麻里。トキ子は麻里に一発かましてやろうとするが、麻里はいきなりトキ子を殴って押さえつけ、
麻里「笑わせんじゃないよ、てめえらチンピラとは格が違うんだ、格が。じたばたすると首の骨折るぜ、おらぁーっ」 ほっといたらトキ子を食い殺しかねない勢いの麻里さんでした。
さすがに東京流星会の副会長、あっという間にその部屋を支配下に置いてしまう。
一方、真面目な笙子の部屋の女の子たちは、園長から言われたことを思い返して、あれこれ考え込んでいた。
笙子も暗い顔で、過去のことを途切れ途切れに思い出していた。
彼女が非行に走ったきっかけになった母親の「お前なんか産むんじゃなかった」と言う台詞の後、両親が激しく言い争っている。

聖一郎「娘に言って良いことと悪いことの区別もつかんのかっ」
美也子「あなたが結婚するときに言った約束を守ってて下されば……、資産がある、貯えも十分あるって言ったのは誰ですか? 信者の方のお賽銭にだけ頼って……そのお賽銭だって」
聖一郎「氏子が減ったのは私の責任じゃないだろう!」
美也子「だったら、あなたが働いたらどうなんです?」 「だったら働け」、それは、聖一郎がこの世で最も忌むべき言葉だった……。
聖一郎「私の仕事は神主だっ」
美也子「だったら、使ってないと土地を貸すとか、駐車場にするとか、なんでもして……」
横で聞いていた笙子、堪らなくなって「いい加減にしてよ、お母さんもお父さんも大嫌いっ」と叫び、家を飛び出してしまう。
続いて、笙子の非行遍歴が少し描かれる。
まず、不良たちとアンパン(シンナー遊び)をしてみる→あんまり楽しくなかった

その後、暴力沙汰を起こすようになった笙子。地元の不良たち、それが今の悪竜会の幹部なのだが、彼らに取り囲まれて、袋叩きにされる。
ちょっと分かりにくいが、この中にブレザー姿の八千代が混じっているのだ。

一旦はぶちのめされた笙子だったが、ゆらりと立ち上がり、
「ちょっと待ってよね、あたし曽我笙子、こんな中途半端じゃ涙も出ないのよね。やるならとことんやろうじゃねえか」
後編に続く。