第28話「キャンパスは風速80Mの猛烈ストーム」(1983年9月16日)
電が郊外の一本道を走っていると、野球のユニフォームを来た千恵や明たちが慌てた様子で路上へ出て来て、電を呼び止める。

電「悪いけどお付き合いできないんだ、これからバイクのテストなんでね」
明「違うよ、違うよ」
千恵「死にそうなの、男の人ぉ!」
電「えっ?」

電、千恵たちを車に乗せ、その男性のところへ急行する。
男性は、胸にナイフを突きたて、虫の息だった。
電「おい、しっかりしろ!」
野村「大神教授を助けて……あっああ……」
男性はそれだけ言い残してこときれる。
男性の持っていた身分証から、彼が城東大学助教授・野村洋一だと分かる。
台詞はひとつだけだが、野村を演じているのは声優の土師(はし)孝也さん。

電は、とりあえず大学に行ってみるが、入り口で警備員に止められる。
警備員「君、君、学生証は?」
電「学生証? そんなもん必要なわけ?」
警備員「本校生徒以外はダメなんだ。近頃、ロッカー荒らしが多くてね」

さてどうしたものかと周囲を見回していた電の目に、「21世紀を考えるシンポジウム」と言う立て看板が入る。

電、仕方なく、高い塀を飛び越して構内に入り込む。不法侵入である。
何食わぬ顔でキャンパス内を歩いていると、

何故か、千秋と小次郎さんがペアになって、テニスの試合をしているのを見掛ける。

小次郎さん、なかなかテニスが上手かったが、最後は千秋がミスをして尻餅をつく。
いいですねえ、この大股開き……。
無論、アンダースコートなのでそんなに興奮することもないのだが、これをアンスコだと思わず、パンツだと思えば、人生が2倍豊かになる気がしませんか(するかっ)。
小次郎さん、自分たちのミスなのに、「お上手よ~、ナイスボレーよ、メグちゃん、ステキ、ボルグでも取れないから」と相手チームの女の子をべた褒めする。
千秋「小次郎さぁん、誰のお陰でテニス部に参加できたと思ってんのよ~」
千秋、偶然にもこの大学に通っていたらしい。
その後、電は、女子大生に囲まれて歩いていた大神教授に声をかけ、野村のことについて話を聞く。

大神「野村君は論文がまとまらないといって悩んでいた。ノイローゼだねぇ」
電「大神教授を助けて……そう言って息を」
大神「誰かに狙われている、彼はそう言ってた。一種の被害妄想だね」
電「じゃあ、野村助教授は自殺だと?」
大神「なにしろ、あのナイフは彼のものなんだよ」
大神教授を演じているのは、初代「ガンダム」の主題歌も歌っている池上鴻氏。
電、大神教授の説明に納得できず、さらに調査を続ける。

野村助教授の部屋の鍵をピッキングで開ける電。
お前ほんとに刑事か? お前こそロッカー荒らしじゃねえのか? もしくは猪木か? 野村のデスクなどを物色するが、手掛かりは掴めない。
警備員が来たので、金目の物を掻き集めて(註・ません)とっとと逃げ出す。

ついで、野村のマンションを訪ねると、可愛い女の子(妹の典子)が応対に出たので、心の中でガッツポーズをする電であった。

部屋に上がらせて貰い、手掛かりを探す電。
電「お兄さん、日記をつけていませんでしたか」
典子「毎日のようにつけていました」
電「見せてくれませんか」
典子「それが、見当たらないんです……(自殺する)前の晩までつけていた気がするんですけど……」
典子を演じるのはアイドルだった矢野有美さん。めっちゃ可愛い。
二人が話しているちょうどその時、書留で荷物が届く。送り主は野村の友人だった。
典子が開封すると、正にその日記が出てきた。
日記には、その友人からの手紙が添えられていた。
電「ちょっとすみません。『野村君から日記が送られてきました。1週間して何も連絡がなかったら、妹宛に送り返して欲しいと書いてありました』」
典子「どうしてそんなことを?」
電「日記を守ったんですよ。この日記には何か重大な秘密が書かれているに違いありません」

電の言葉に、クリッとした目を見開く典子。
そうじゃい、貼りたいだけじゃい。
出来れば、このままずっと貼っていきたいところだが、そうすると話が進まないのでこの辺にしておく。彼女の出番がここだけなのは、ちょっと残念賞。
日記を読む電。
電「(大神教授が)まるで別人になられたみたいだ。シンポジウムで何か悪いことが起こりそうに気がする……」
典子「シンポジウムってなんでしょう?」
電「そうだ、三人の頭脳のことだ!」
電、即座に大学の入り口で見掛けた立て看板を思い出す。
電、もう一度大学へ車を走らせるが、ちょうど、大学から出て行く大神教授の車を見掛け、Uターンして追跡する。
教授は人気のない場所まで来て、車を停める。

電が車に近付くが、それには時限爆弾が仕掛けられていた。
吹っ飛ぶ電に、ファイトロー、そして魔怪獣が襲い掛かってくる。
今回の魔怪獣、その名も、

……
(ハイ皆さんご一緒に)
まんまじゃねえか! ストームビーストとか、他に名付けようがあったと思うのだが……。
しかも、電がシャリバンに変身すると、あっさり退散してしまう。これでは、今回の事件にマドーが関わっているのだとわざわざ電に教えてやったようなものである。
つづく。