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愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第47話



 第47話「朝日に消えた人魚」(1980年12月27日)

 48話から最終話までは、バンリキ魔王の反逆に端を発するベーダー内部の権力闘争を軸にした連続エピソードになるので、単発エピソードとしてはこれが最後となる第47話。

 赤城がベーダーの襲撃に備えてデンジランド周辺の岩場を見回っていると、こんな場所にそぐわない若くて美しい女性がひとり、海を眺めていた。

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 赤城「こんなところで何をしてるんだい?」
 女の子「見物よ」
 赤城「見物? 何を?」
 女の子「空、海、陸、ぜぇんぶ! うふっ」

 赤城、呆れたような顔でその場を離れる。

 さてこの微妙に可愛い女の子、クレジットでは増田めぐみとなっているが、後に「宇宙刑事ギャバン」のレギュラー月子を演じることになる立花愛子さんなのだ。

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 赤城が行った後も、ひとりで岩場の上を散歩していた女の子(以下、姫)、ケラーとミラー、戦闘員たちがなにやらこそこそ活動しているのにでくわす。

 ミラー「監視カメラはここ、夜間用の赤外線カメラはそこだ、集音マイクはあっちだ」
 ケラー「24時間体制で監視して今度こそデンジランドの入り口を見つけてやる!」

 そろそろ正月と言うのに、この格好はつらいなぁ。

 戦闘員たちが機材を設置し、その上にカモフラージュの岩などをのせていく。姫はいたずらっぽく笑うと、貝殻を口に当てて笛を吹く。と、その岩や機材がひとりでに動き出し、ベーダーの作業の邪魔をする。

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 ケラーたちは怪人ボートラーを呼び出し、姫を捕まえようとするが、赤城が引き返してきて変身し、ボートラーと戦い、撃退する。

 このボートラー、顔がボートの裏側になっているという、極めて魅力的なデザインの怪人である。

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 翌日、いつものように赤城が子供たちに空手の指導をしていると、姫がどこからともなく現れ、
 姫「遊びに行きましょう、さあ、早く」
 赤城「待ってくれよ」

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 あきら「綺麗な人ねー」
 三太「赤城さんのガールフレンドかなぁ」

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 青梅「バカ言ってるんじゃないよぉ!」
 三太の言葉に、その頭を思いっきり小突く青梅。
 三太「いて」
 青梅「赤城がそんなにモテる訳がないよ」

 赤城の手を引っ張って繁華街へやってきた姫、「わぁ、面白そう」と目を輝かせる。

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 さらに、路肩にとめてあったオープンカーを指差し、「あれに乗りたいわー、ね、早く」とせがむ。
 赤城「待ってくれよ、あれは僕の車じゃないんだ」

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 と、横から伸びた手が、姫の腕を取る。千恵子巡査と友子巡査であった。
 千恵子「この人のことじゃないかしら」
 友子「ええ、間違いないわ、手配書どおりよ」

 今回も、友子を演じるのは日高久美子さん。

 赤城がワケを尋ねると、姫はその衣装を金も払わず店から持っていってしまったらしい。

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 赤城はやむをえず、自分が弁済すると言ってことをおさめるが、姫は全く反省の色を見せず、今度は赤城の為にスーツを選んでくる始末だった。

 仕方なくその服を来て、姫と腕を組んで店を後にする赤城。
 ショップのオーナーはホクホク顔だったが、千恵子と友子は呆れ顔。

 赤城、さっきのオープンカーに姫を乗せ、ドライブする。盗んだのではない、借りたのだ。

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 東京の街並みを初めて見るよう顔で見回す姫。

 その後ろを青梅の運転する車が、緑川を助手席に乗せて尾行している。
 青梅「悔しい、もう~、デートなんてしゃれちゃってさっ」
 緑川「ふふふ、何言ってんだよ、俺たちだってデートしてるじゃないか 赤城のことだ。何か考えがあってあの車借りて無理に付き合ってるふりをしてるんじゃないか」

 二人はその後、ボート遊びなどをする。
 赤城は姫の素性や目的をしつこく尋ねるが、姫は自分の名前すら言おうとしない。

 そこへ、同じく姫の正体に関心を抱いたベーダーが襲ってくる。密かに二人を見張っていたデンジマンたちが加勢し、再度彼らを撃退する。

 その後、姫をデンジランドへ連れて行き、アイシーに会わせると、アイシーは即座に「人魚族のプリセンス、人魚姫に間違いない」と断言する。

 あきら「人魚なんてほんとにいたの?」
 黄山「宇宙にベーダー一族が住み、デンジ星人がいたんだ。地球の海の底に隠れている一族がいたって不思議じゃないよ」
 アイシー「人魚族は隠れたる海の支配者だ」
 赤城「すると、ベーダーが彼女を狙ったのは……」

 赤城の読み通り、ベーダーの狙いは姫を人質にして、人魚族にベーダーに協力するよう交渉することにあった。
 ヘドラー将軍曰く「海の支配者人魚族と、ベーダー一族が手を結べば地球征服はあっという間に成就しましょう」

 しかし、あきら、あんなこと言ってるけど、18話で、幼馴染みの洋太郎が海彦一族の末裔だったことをすっかり忘れているらしい。

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 赤城は、姫に海へ帰るよう説得するが、姫は頑なに拒否する。
 姫「姫様なんて真っ平よ。あれもしちゃいけない、これもしちゃいけないって、あたしには自由なんてなにひとつありゃしない。それに比べて地上はなんて楽しいんでしょう。ずっとずっとここにいたいのです」
 赤城「それは出来ないことだ。君は帰らないといけない」
 姫「意地悪!」
 赤城「君はベーダー一族に狙われてるんだよ!」
 姫「ベーダーなんて怖くないわ!」
 姫は再び貝殻の笛を吹き、巨大な岩石を操って赤城を押し潰してしまう(ひでえ)。

 赤城がひーひー言ってるのを尻目に、姫はどこかへ行ってしまう。

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 その夜、おしゃれなバーにぽつねんと座っている姫。
 姫(ここも海の底と同じ、私はひとりぼっち……)

 そこへ、人間に化けたベーダーの一味がやってきて、執拗に彼女を追い掛け回す。

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 夜の街を逃げ回り、疲れて倒れた姫の前に、赤城が優雅に手を差し伸べる。
 赤城「人魚姫、お手をどうぞ」
 姫「えっ」

 オープンカフェのようなところで、二人はワルツを踊る。4人の仲間も遠くから見守っている。

 赤城「昔々、デンジ姫と言う人がいました。若くて美しいお姫様でねえ。やはり窮屈なお姫様暮らしをしていました。ところがデンジ星がベーダーに襲われてお姫様の生涯は一変した。彼女はデンジ星人の先頭に立ってベーダーと戦わなくてはならなくなった。つらく苦しい旅に出た。遊びたい年頃なのに、青春の全てを犠牲にして戦いに明け暮れた」
 姫「まあ」
 赤城「でも、デンジ姫は泣き言をひとつも言わなかった。これが運命と敢然と立ち向かったのさ。人それぞれ持って生まれた運命と言うものがある。俺たちはデンジマンとしての運命が……うっううっ」

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 突然、呻き声を発する赤城。見れば、その左手首から真っ赤な血が流れていた。
 姫「血が……」
 赤城「これくらい、デンジマンにとってなんでもないさ」
 姫「でも」
 赤城「戦いに明け暮れているデンジマンにとってワルツを踊るチャンスなんて滅多にないんだ。踊りましょう、朝まで」
 姫「朝まで……? ありがとう、踊ります!」

 こうして二人は朝までひたすら踊り続けるのだった。他のデンジマンにとってはいい迷惑だ。

 翌朝、デンジマンは姫を海まで連れて行くが、例によってベーダー一味が襲ってくる。

 戦いの後、既に姫の姿は消えていた。

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 砂浜に、真珠で書かれた「サヨナラ」と言うメッセージが残されていた。
 赤城「さよなら……」

 そのメッセージもたちまち波にかき消される。
 5人、無言で海を見詰める。

 ナレ(人魚姫はきっと立派なお姫様になって海の平和を守り続けるだろう。地上の平和を守るのはデンジマンのさだめ。いつの日か地球に平和が甦るのを信じて、デンジマンは今日も戦う!)


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コメント

確かに赤城以外のメンバーにとってはいい迷惑でしたね😅確かにベーダーの内紛よりはこちらの方が箸休めにふさわしいですね

Re[1]:愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第47話(05/11)  

ふて猫様

これも夢のあるエピソードでしたね。

Re:戦隊版「ローマの休日」  

友子さんをヘップバーンの王女様、レッドをグレゴリー・ベックの新聞記者・ブラッドレーとすると、正に戦隊版「ローマの休日」とも言うべきお話です。友子さんとレッドがスペイン広場の代わりに上野公園へ行ったり、イタリアンアイスを食べる場面もあったら言う事なしでした(笑)。
またグリーンは、「ローマの休日」でのブラッドレーの友人にしてカメラマンのアーヴィング(エディ・アルバート)の様な役回りですが、かつて同作のテレビ版では奇しくもグリーンの内田直哉さんがアーヴィングの声を充てていたも事もあったのが因縁めいています!!

Re:戦隊版「ローマの休日」  

訂正します。前の記事でのコメントでの「友子さん」は「姫」の誤りでした。スイマセン・・・。

Re:Re:戦隊版「ローマの休日」(05/11)  

笑太郎様

ロマンティックなストーリーですよね。

Re:愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第47話(05/11)  

ミラーもケラーも1日ぐらいは休養(所謂休み)ぐらいは必要だと思うのですがね😅悪の組織って主人公達と違って(ある意味では)ストイックなんですね😓友子さん役の婦警さんは、お馴染みの日高久美子さんですか?あきらや智恵子さんの影に隠れがちではありますが、美人のようですね

Re[1]:愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第47話(05/11)  

ふて猫様

日高さんは可愛いですよね。「デンジマン」も「バトルフィーバーJ」に劣らず、女性キャラが美人揃いですね。

西部警察

立花愛子さんは、増田めぐみ名義ではサンバルカンに出てましたね。
西部警察では第24話の殺され役で女子高生役でした。

Re: 西部警察

> 西部警察では第24話の殺され役で女子高生役でした。

西部警察に出ていたとは知りませんでした。一応見てる筈なのに……

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