第19話「出動、ガランダー少年部隊!!」(1975年2月22日)
夜の隅田川。その地下深くで、黒ジューシャの制服を着た大勢の子供たちが掘削作業に従事している。その目には、黄色いプラスチックのようなシールが貼られていた。
最初に書いてしまうと、ガランダーは子供たちを狩り集めて催眠状態に置き、夜な夜な、東京の地盤を崩す為の工事をさせているのだった。ただ、小学校低学年の子供たちに
移植ごてを持たせてそんなことをさせようと思ったら、ざっと20年くらいはかかりそうである。
やがて、見張り役の黒ジューシャが子供たちの各班長に報告させた後、本部へ引き揚げさせる。
その途中の子供たちをたまたまアマゾンが見掛け、怪しむ。

作戦の指揮をとるフクロウ獣人が、各班長達に計画の全容を説明する。
「この作戦を、地下鉄大洪水作戦と名付ける。この縦横に走る地下鉄の交差地点に隅田川の水を流し込む。大東京を地下から沈没させる作戦だ。最後の仕上げは、子供しか潜り込めない穴から、地盤の緩みを作るむつかしい仕事だ。それを今、お前たちはやっているのだ。そろそろ夜が明ける。今夜の仕事はこれで終わりだ。それぞれの基地へ帰って休め」
「東京火の海作戦」と言い、「東京フライパン作戦」と言い、ガランダー、東京を混乱させる作戦が好きである。その隙に乗じて東京を、日本を征服すると言う建前なのだろうが、はっきり言って、
ただのいやがらせにしか見えない。
各々の牢獄のような部屋に戻された子供は、黄色い目を剥がされる。すると、催眠状態が解けると共に、目が見えなくなり、集団で「眼鏡をなくした横山やすし」状態に陥る。フクロウ獣人の仕業であった。
ゼロ大帝、一部の子供たちがアマゾンに見られたことを憂慮し、もっと子供を集めて作業を急がせ、明日一日で準備を完了するようフクロウ獣人に言い渡す。
翌日、授業の一環として、土手でスケッチをしている子供たち。その中にはまさひこの姿もあった。

それを物陰から楽しそうに眺めているモグラ獣人。
「楽しそうだなぁ~」
休憩時間になるが、二人の女の子が「茶摘み」(せっせっせーのよいよいよい)をして遊んでいるのが実にほのぼのする。
だが、そこへガランダーが現れ、先生をぶちのめし、子供たちの視力を奪い、催眠状態にしてまとめて連れ去ってしまう。まさひこも。

一方、りつ子、玄関先を履き掃除している。
このミニスカで履き掃除と言うのが、なんか良いよね。
そこへけたたましい声を上げて、モグラが飛んでくる。重傷の先生を連れてきたのだ。

りつ子「モグラ、どうしたの? 井上先生?」
モグラ「そう、そうなんだよ。実はな、ガランダーに襲われたんだよ」
りつ子「とにかくうちの中へ」
ちょうどそこへ、アマゾンとおやっさんも現れ、みんなで家に入る。
が、先生は手当ての甲斐なく、と言うか、何の手当てもしないが、がくっと死亡する(気絶しただけかも)。
モグラ「俺見たんだよ、二本榎土手でフクロウ獣人に襲われた。ううーん、ああ、まさひこも連れて行かれた」
アマゾン「まさひこも?」
アマゾン、単身、その土手へ向かう。
その周囲であれこれ手掛かりを探るアマゾンを樹上からフクロウ獣人が見ていたが、痺れを切らして飛び降り、アマゾンに襲い掛かる。
取っ組み合いの末、フクロウ獣人が特殊な羽根を投げ、アマゾンの目をふさぐ。アマゾン、すぐ羽根を剥がすが、毒か呪いか、目が見えなくなっていた。
アマゾンを殺すまたとないチャンスだと思うのだが……、
フクロウ獣人「アマゾン、今貴様に構っている暇はない」 と言って、さっさと退散してしまうのである。
だったら、最初からちょっかい出すな! 
誘拐されたまさひこ、早速黒ジューシャの服を着せられ、第5班へ配属される。そこで、友人と再会する。
まさひこ「その声はナオキじゃないか」
ナオキ「まさひこ、お前も連れてこられたのか」
まさひこ「君たちも目が見えないのかい?」
ナオキ「うん、でも夜になってあの怪物が来ると目が見えるようになるんだ」
女の子「でも、目は見えるんだけど、自分で何をしているのかわかんなくなっちゃうの」
まさひこは、必ずアマゾンが助けに来てくれるからと仲間を励ます。

そのアマゾン、おやっさんとりつ子が心配そうに見守る中、自家製の薬液を目に塗っていた。
立花「どうだ、アマゾン、だいじょぶか?」
ここで一陣の強風(あえて神風と呼ぶ)が吹いて、りつ子さんのスカートがめくれてたら
「イナズマンF」第17話「青い瞳のインベーダー」のような神シーンになっていたのになぁ。
モグラも(管理人の正気を)心配して駆けつける。
アマゾン「モグラか、大丈夫だ、すぐ治る」
モグラ「俺が子供たちの居場所を捜してくる」
日が暮れ、掘削作業の時刻になる。

黒ジューシャが子供たちの牢獄へ来て、目が見えるようになる特殊なシールを貼って行く。
それを装着すると、目が見えるようになる代わりにガランダーの意のままに動く奴隷のような精神状態になってしまうのだ。
モグラは子供たちの居場所を突き止めると共に、ガランダーの目的を探り出し、アマゾンに知らせる。

作業の方は順調に進み、翌早朝、地下鉄が走り出すと、その振動で脆くなっていた地盤が崩壊し、大量の地下水が流れ込む。地下鉄職員は大慌て。

珍しく、と言うか、初めて作戦がうまくいき、気難しいゼロ大帝も手放しでフクロウ獣人を誉める。
ゼロ大帝「はははは、よくやったぞ、フクロウ獣人。地下鉄が次々と潰れていく。お前は念の為、監視を怠るな」
地下鉄が潰れて、彼らに何のメリットがあるのか、謎であるが。
今度は、ゼロ大帝が「支配者」から誉められる。
支配者「ゼロ大帝よ、東京地下洪水作戦はひとまず成功のようだな。だが完全に成功するまで『おめでとう』の言葉は控えておこう」
フクロウ獣人は現場に戻り、計画の要となる場所を担当する5班の子供たちを叱咤激励していたが、そこへモグラに導かれて、アマゾンがやってくる。

アマゾン、地上へ出て変身してフクロウ獣人と戦うが、フクロウ獣人によって視力を失う。

だが、
「アマゾンライダーはギギの腕輪に全精神を集中することにより、腕輪の持つ謎の能力を起こし、視力を回復させるのだ」 と言う、ナレーターの説明だけで、あっさり視力を取り戻す。

最後、一緒に(トランポリンで)跳びながら、「大切断」を放ち、獣人の首を落として勝負あり。

ラスト、隅田川の岸壁にもたれて話すアマゾンとモグラ獣人。
アマゾン「モグラ」
モグラ「うん」
アマゾン「今度はほんとうによくやってくれた」
モグラ「いーえ、そんな誉められちゃ照れちゃうぞ。あー、みんな来たぞー、チュッチュ……あ、いっけね、俺を見てびっくりさせちゃいけねえからな。俺は退散するよ、じゃあな」

もきゅもきゅ音を立てながら歩き出し、振り返って彼女のように「チュッチュウ~」と手を振るモグラ獣人。
この人間臭さがたまらないんだよね。
そこへ、助け出された子供たちがおやっさん、りつ子と一緒に駆けてくる。
子供たちに胴上げされそうになるアマゾンを映しつつ「つづく」のだ。