獅子の瞳が燃えて「ウルトラマンレオ」第21話 後編

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　第21話「見よ！ウルトラ怪奇シリーズ　北の果てに女神を見た！」（1974年8月30日）
　の続きです。

　
　ゲン「ニケの女神、待ってくれ」
　ニケ「私のことを宇宙人だと知ってるあなたは、サタンの仲間ね」
　ゲン「違う、僕はウルトラマンレオだ。お願いだから聞いてくれ」

　ゲンは事情を説明し、手術の前に北山に会ってやってくれと懇願する。
　ニケは「北山さん……」と目を閉じ、オーロラ国際スキー大会での北山の雄姿を思い浮かべる。

　ここでは、実際のスキー大会の記録映像が使われている。

　ニケ「私だって二度も命を救ってくれた北山さんにお礼がしたい。でも私にはそれが出来ない。私は人間じゃないのよ。地球ではα星に住む私たちのことをニケの女神と呼んでいるわ。私たちの星では、4年ごとに誰かが地球を訪れ、人類の幸福を祝福することになっていたの……それが、悪いノースサタン星人に邪魔されて」
　ゲン「君が帰ろうとしていた宇宙船を壊してしまったのか」
　ニケ「もう、私は自分の星へ帰ることは出来ないわ」
　ゲン「だったら北山さんに会ってくれ」

　随分勝手な言い草だな、ゲン。

　なおも渋るニケをゲンは口説き落とし、

　
　次のシーンでは早くも病室に来ているニケ。
　北山「ありがとう……」

　それまで一切姿を見せなかったのに、ここで急にノースサタンが現れる。

　
　ぐらぐらと地面が揺れ、オフカメラで「怪獣が出たぞー」「助けてくれー」と、住民の悲鳴が聞こえる。

　エキストラを一人たりとも使わないという固い決意で臨んだ撮影（たぶん）なので、その声もスタッフが出しているのではないだろうか。

　ニケは、必死にひきとめる北山の手をふりほどき、病院の外へ飛び出す。

　
　ダン「ゲン、貴様一体何をしたんだ？　彼女が現れるところに怪獣が現れることは分かっていた筈だ」
　ゲン「しかし僕には会いたがってる北山さんと、彼女の気持ちを無視することは出来ません」
　ダン「バカーッ！」

　しかし、「彼女の気持ち」って……、ゲンが強引に連れてきたんだろうが。

　
　ニケ、怪獣の前に両手を広げて立つ。自らの身を犠牲にて、北山を守ろうとしているのだ。

　だが、そもそもなんでノースサタンが執拗に彼女たちを襲うのか、さっぱり分からないのである。
　「悪い」からとしか言いようがない。

　ゲン「彼女は北山さんを助けようと命懸けなんです。僕は黙って見てられません！」
　ダン「やめろ、レオにはなるな！」
　と、言いながら、MACに出動命令を出さないダン。

　つまり、ダン、いっそのこと、このままノースサタンに彼女を殺させようって魂胆なの？
　さすがにそれは鬼畜の発想であろう。

　ゲンはダンの制止を無視して、レオに変身する。

　これでノースサタンをぶちのめせばレオも一人前なのだが、ノースサタンのニードル攻撃をまともに浴び、全くいいところなくやられてしまう。

　
　キャストを徹底的に減らした分、ミニチュアセットはいつも以上に気合が入っている。

　ところが、ノースサタンはレオにとどめを刺さず、またしても紫色の煙に包まれて退却してしまう。
　あくまでノースサタンの狙いはニケの女神にあるということか？

　戦いの後、さすがにうちひしがれているゲン。ダンの叱声が追い討ちをかける。
　ダン「私の忠告を無視して、お前って奴は！　いいか、かつて北山があの星人に勝つことが出来たのには理由があったんだぞ。彼はスキーの回転競技の優勝者だ。だからあの含み針をかわすことが出来たんだ」
　ゲン「回転競技……」

　
　で、今回も「特訓」が行われる運びとなる。

　スキーの回転の旗門に見立てた草原のコース（地雷付き）を、雄叫びを上げて激走するゲン。

　（北海道まで来て何やってんだ、俺は）と、内心思っていたことだろう。

　こうして、ゲンは、ニードル攻撃をかわす為の高速ステップを習得する。今回も、特訓シーンはごく短い。

　一方、ニケは再び聖火台に来ていた。
　ニケ「私がここにいる限り、サタンの仲間は次々やってくるわ。この地球に迷惑を掛けることは出来ない。サタンの望み通り、私が死にさえすれば……」

　ニケが悲愴な決意をしていると、早速ノースサタンが現れてこちらに向かってくる。
　ニケは覚悟を決めて、その場に立ち尽くす。

　
　と、そこへダンが銃を撃ちながら登場。

　ニケ「やめてください、私さえいなければサタンは帰るんです」
　ダン「待て、命を無駄にするものではない。我々に任せるんだ」
　ニケ「いいえ、どうせ私は故郷の星へ帰ることは出来ないんです。同じことです」
　ダン「私を信頼しなさい！」

　続いて、特訓を終えたゲンも到着。すぐにレオに変身する。

　
　習得したばかりの素早い動きでニードル攻撃をかわし、最後は、正拳突きで、サタンの土手っ腹に穴を開ける。

　戦いの後、レオはしゃがんで右手をニケに向けて差し出す。

　
　ダン「あなたの星まで届けると言ってる。さ、早く」
　ニケ「ありがとうございます」

　ダン、相手が綺麗な女性のせいか、いつになく嬉しそうである。

　レオは掌にニケを乗せ、宇宙へ飛び出す。
　ニケ、窒息して死ぬ（註・死にません）

　ラスト、ゲンの運転する車の助手席に北山の姿があった。説明はないが、手術は成功したのだろう。

　
　やや切なそうな顔で、デフォルメされた「ニケの像」を見上げるのだった。

　これは、札幌オリンピックの時に作られたのかなぁ？